町山智浩さんが2021年1月26日放送のTBSラジオ『たまむすび』で赤江珠緒さんと『クイーンズ・ギャンビット』についてトーク。最後の戦いで主人公が使用した作戦の意味を解説していました。(ネタバレを含みます)
この旅の移動中に話題の「クイーンズ・ギャンビット」をみた。暗い設定から始まるのに、50's〜60'sのお話で映像も音楽もとてもオシャレだしキュートだし、天才が苦悩を乗り越えていくサクセスストーリー。最終回は号泣だった!超オススメです!#クイーンズ・ギャンビット #Netflix pic.twitter.com/UnDgacwiiR
— 西崎ゴウシ カルメラ Calmera (@goushi504) November 15, 2020
(山里亮太)町山さん。僕ら今、結構ね、家にいる時間も多くて。ここでNetflixとかで見れるやつをいろいろと紹介してもらったじゃないですか。それを結構僕も赤江さんも今、いろいろと見ていて。
(赤江珠緒)見ていますよ。
(山里亮太)僕は今。『シカゴ7裁判』を見て。「ああ、こんなことがあったのか!」って。衝撃を受けながら見たりとか。
(赤江珠緒)私は『クイーンズ・ギャンビット』を見まして。
(町山智浩)ああ、全部見たんですか?
(赤江珠緒)全部見ました。よかったー! もう主人公がかっこいいの。
(山里亮太)で、町山さん。赤江さんが『クイーンズ・ギャンビット』を見て。「『クイーンズ・ギャンビット』って面白いんだけど、でも本当にその画の美しさとか、そういうところも大事だから。山ちゃんには分からないと思う」みたいな、すげえ上から目線で……(笑)。
(町山智浩)余計な言わなくていいのに(笑)。そんな、もう最初から……わかりますよ。そんなのね(笑)。
(赤江珠緒)そうですか(笑)。いや、楽しんでおります。ありがとうございます。
(町山智浩)最後のあの決め手の手、わかりました?
最後の決め手の意味
(赤江珠緒)そう。それがだから町山さんがなんて言ってたんだろう?って。あれでしょう? 私が「骨を切らせて肉を断つ」って言ったやつでしょう?
(山里亮太)そうそう。間違ったやつ(笑)。
(町山智浩)そうそう。だからあれ、『クイーンズ・ギャンビット』っていうのは、そのチェスのクイーンという駒のために将棋の歩にあたるポーンという駒を犠牲にするみたいな技なんですけども。でも、最後に彼女は自分の象徴であるクイーンを犠牲にするんですよ。
(赤江珠緒)そうか。うんうんうん。
(町山智浩)そう。あれはクイーンとして、自分が一旦死んでみせるっていうことなんですよ。で、ポーンが上がって、そこでクイーンになるんですよね。将棋と同じで。で、新たにクイーンとして生まれ変わってチェックメイトっていうラストなんですよ。
(赤江珠緒)そうか、そういうことか!(笑)。いや、町山さんが解説でなんて言っていたっけな?って思いながら(笑)。
(町山智浩)あれはだからオチだから、僕は言わなかったんですよ。あの時は。あれは彼女がいろいろ苦労した末に自分自身を……それまで、彼女はいろんな人を踏み台にしてきたんですよね。でも、そうじゃなくて最後の方でどんどんと昔の友達とかを回収していくじゃないですか。切り捨てていった人たちを。
(赤江珠緒)そうですね!
(町山智浩)それで誰も、要するに自分の成功のために犠牲にしてはいけないんだっていうことで、みんなが友達になって、彼女を支えて。最後は自分自身が犠牲になって。でも、そのポーンとして……要するに何者でもない、孤児として生まれた歩みたいな人だった彼女が最後はクイーンになって。それで最後、白いきれいなドレス着てるじゃないですか。あれは、チェスの白い駒のクイーンのコスプレをしてるんですよ。
(赤江珠緒)ああ、そういうことかー!
(山里亮太)それだったら、もう1回見直せるね。
(赤江珠緒)そうね。そういうことか!
最後にクイーンとして生まれ変わる
(町山智浩)「最後に私はクイーンになりました」っていうことで。それで全て勝って終わったから。それで「楽しくチェスをしましょうね」っていうことでおじいちゃんたちと楽しくチェスをして。それで彼女は解放されたっていう話なんですよ。
(赤江珠緒)なるほどねー! 最後、真っ白だった。そうか(笑)。
(町山智浩)まあ、そういう話ですけどもね(笑)。
<書き起こしおわり>