町山智浩『クイーンズ・ギャンビット』を語る

佐久間宣行 Netflix『クイーンズ・ギャンビット』を語る たまむすび

町山智浩さんが2020年11月24日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でNetflixで配信中のドラマ『クイーンズ・ギャンビット』を紹介していました。

(町山智浩)今日はですね、もう配信済みなんですけども。Netflixのドラマをご紹介します。Netflix現在配信中の『クイーンズ・ギャンビット』というドラマです。

(町山智浩)はい。この曲はショッキング・ブルーというバンドが昔やってた『Venus』という曲なんですが。ご存知ですか?

(赤江珠緒)うん。

(山里亮太)なんかよく番組とかでも使われる曲だから、馴染みがありますね。

(町山智浩)そうそうそう。テレビでよく使われていて。これ、1960年代の大ヒット曲なんですね。で、この『クイーンズ・ギャンビット』は舞台が1960年代なんですよ。それでこの『クイーンズ・ギャンビット』っていう言葉、あまり聞き慣れないんですけど。これはチェスの技の名前なんですね。それでこれはチェスドラマです。

(山里亮太)チェス? はい。

(町山智浩)だからね、日本のアニメとか漫画で囲碁の『ヒカルの碁』とかあるじゃないですか。あれとか将棋の『3月ライオン』とかね。ああいう感じです。だからチェスバトル物です。で、ヒロインが……主人が女の子で。孤児院で育った天涯孤独の少女なんですね。で、ベス……エリザベスという名前なんですね。

もう誰も友達がいないし、誰も身寄りがない中で、その孤児院の用務員さんからチェスを教えてもらって。そしたら、そのチェスが天才的だったんですよ。このベスは。それで、もう何も頼るものはないんだけど、そのチェスだけを武器に使って世の中と戦っていくという話なんですね。だから結構、熱くなる話なんですけども。

(赤江珠緒)うんうん。面白そう。

(町山智浩)でね、16歳で全米選手権のトップまで勝ち抜いていって。そこからパリとかモスクワとか全世界でチェスの試合をして世界を駆け巡りながら、世界チャンピオンであるソ連のチャンピオンに立ち向かっていく、スケールのすごいデカい話なんですよ。将棋とかだとあんまり世界に旅立たないんでね。カルタとかもね。

(赤江珠緒)そうですね。

(山里亮太)全国大会でね。

(町山智浩)でもね、これはチェスだから、全世界なんですよ。しかも敵がその当時、だからソ連なんですね。ロシアじゃなくて。で、ソ連はこの頃、国策としてチェスをやっていたんですね。天才を集めて、チェス学校みたいなのをやって。それで全世界にそのソ連のチェスの強さを示すことで、ソ連の共産主義の正しさみたいなものをプロパガンダしようとしていて。で、アメリカはそれに対抗して戦わなくてはならないので。この主人公のベスちゃんとソ連のチャンピオンの戦いはアメリカとソ連の代理戦争になっているんですよ。

(赤江珠緒)ふーん! うんうん。

(町山智浩)これは実際にあった話なんですね。これね、実際はボビー・フィッシャーという天才チェスプレーヤーがいまして。男なんですけど。彼がやっぱり13歳で全米チャンピオンになって。それで1960年代にソ連のチャンピオンと激しい戦いをしたという実話がありまして。これを元にしてるんですよ。それをこの話では女の子にしているんですけども。それでこれが今、アメリカでものすごい人気なんですよ。その理由のひとつはね、まずチェスシーンがチェスを全然わかんなくても面白い。

(山里亮太)ああ、そうなんですか。そこはちょっと心配なところだったんですけども。

(町山智浩)そう。全然僕もね、はっきり言ってわからないんだけれども。チェスシーンが飽きないんですよ。あのね、撮り方がうまくて。今、かかっている音楽がありますよね。すごくお洒落な60年代のジャズでファンキーな……こういう音楽に合わせてチェスをするんですよ。で、編集で踊ってるように見せるんですね。タイミングよくフィルムをつなぐことによって。だから毎回毎回、チェスシーンがすごいアクション映画とかミュージカルみたいな感じで。

(赤江珠緒)ああ、じゃあ見やすいですね!

(町山智浩)そう。見ているだけでかっこいいんですよ。ダンスしてるみたいに見えるんですね。で、撮り方がかっこいいのと、あとはこのヒロインの女優さん……日本ではほとんど知られてないんですけども。アニャ・テイラー=ジョイさんっていう24歳の女の子なんですが。彼女、独特の顔をしてるんですよ。

(山里亮太)たしかに……今、こちらにも写真がありますけども。

(町山智浩)そう。今までのあらゆる女優さんの誰とも似てない顔でね。で、12歳からハタチまでを1人で演じるんですけど、12歳のようにも見えるんですよ。子供みたいに見える時もあって。お化粧をしていないと。それで、猫科の猛獣みたいな顔をしてるんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうですね。お目々はすごく大きくてね。キリッとしていますもんね。

(町山智浩)それで目と目の間が離れていて。ちょっとね、動物みたいな顔をしているんで。それがね、すごくこの主人公のベスのチェスの打ち方と繋がってくるんですけど。ものすごく攻撃的なんですよ。敵に徹底的にアタックしてくチェスを打つらしいんですよね。僕はチェスははっきり言ってわかんないんですけど。それが、やり方が「サクリファイス(Sacrifice)」って言うんですけど。

日本語では「犠牲」みたいな感じですが。要するに捨て駒を打っていくんですよ。将棋だ「歩」に当たる「ポーン」っていう駒があるんですね。で、それをがっつんがっつん打っていって。敵がそれを取らざるを得なくなると、そこを叩き潰すっていう形で。自分も傷だらけになりながら、敵を倒していくっていう。

(赤江珠緒)ああ、じゃあ肉を切らせて骨を断つみたいな?

「サクリファイス」という戦術

(町山智浩)まあ、そういう感じなんですよね。で、しかもものすごく無愛想で。彼女、全く笑わないんですよ。もうほとんど笑わない。だから当時、1960年代って女性はほとんど結婚しないと生きていけないっていうような時代だったんですけど。その中で彼女はチェスの天才的な才能だけで、男の世界と戦っていくんですよ。それでチェスもね、他には女性はいないんですよ。誰も。他は全員男っていう中で。

(赤江珠緒)ああ、そんな男社会? へー!

(町山智浩)そうなんです。それでバカにされながらね、倒していくっていうね。

(山里亮太)いや、王道! 天才を主人公にする時の王道だ!

(町山智浩)そうそう。ものすごいなんかスカッとする話なんですけども。あと、この主人公のベスがね、最初は貧乏な孤児だったんで、化粧もしないし、服ももらったものしか着ていないんですけど。だんだん強くなっていって、自信をつけていくごとに服を少しずつ少しずつ買っていくんですよ。で、どんどんファッションとかが洗練されていって、超おしゃれになっていくんですよ。

(赤江珠緒)たしかに! いくつが写真がありますが。なんか、コートとかもクラシカルな中にもちょっとおしゃれな。はい。

(町山智浩)それでこれ、ちょうど60年代ってファッションがサブカルカルチャーになっていった時代なんですよ。それまではファッションというのは社交の道具であって。みんなと同じような格好をすればよかったんですけど。ファッションが自己主張になったんですね。1960年代にはじめて。で、またそうじゃなくなっちゃったんですけど。その当時はファッションはなんていうか、発言するのと同じ意味があったんです。ロックを歌ったりするのと同じで、こういうファッションを着るということで自己主張をする時代になっていく。その中で彼女はそれをどんどん身につけていって。なんていうか、イモムシが蝶々に変わるみたいなね。どんどんどんどん変身していくんですよ。ここもすごいんですけども。

(赤江珠緒)へー! うん。

(町山智浩)さらにね、撮影がすごくて。これ、写真がそっちにあると思うんですけども。60年代ってね、インテリアがまたすごい時代で。彼女は世界中の高級ホテルを回るんですね。試合をしながら。そうすると、その当時のおしゃれなインテリアのホテルの部屋で戦うんですけど。今はほとんど滅んだ文化で、壁紙っていうのが当時はあったんですよね。みんな、すごいお洒落な壁紙なんですよ。モダンでね。あと、家具がすごくポップで、オブジェみたいな家具なんですね。

(赤江珠緒)ああ、調度品がまたきれいなんですね。

(町山智浩)そう。こういう文化がみんな、なくなっちゃったんですけど。まあ、そういうね、美しい60年代の風景をまたこれね、カメラで8Kで撮っているんですよ。8Kで撮っているんで、ものすごいきれいなんですよ。あまりにもきれいすぎて、これはちょっとNetflixなんですけども。

できるだけ大きいテレビで見てもらいたいなと思います。ちっちゃいパソコンの画面だと、これはもったいないですね。きれいすぎて。すっごいきれいなんですよ。で、今までね、4Kとか言っていたのがいきなり8Kだから、もうカメラがすごいんですけど。でね、見た目もすごく飽きないんですけど。さらにこれ、ベスちゃんは天才なだけじゃないんですよ。

まずね、なぜ孤児になったか?っていうと、母親が婚外子として他で結婚をしてる男との間に彼女、ベスを産んだんですけども。で、その男から捨てられたんで、自殺をしようと……無理心中をしようとするんです。自動車で。これ、全7話のドラマなんですけど、第1話はいきなり無理心中のところから始まるんです。車で突っ込んでいくところから。

(赤江珠緒)ええ、ええ。

(町山智浩)で、お母さんは死んじゃうんですけど、それで彼女、ベスだけが生き残るんですが。その時に、その明らかに自殺をしていくような態度を取ったんで、娘からすると「私は捨て駒にされた」っていう感じなんですよ。だからそれがその彼女の打ち方……チェスとも結びついてきて。自分が最初に捨て駒にされたから、「じゃあ捨て駒を徹底的に使ってやる」っていうヤケクソな戦い方とも結びついていて。で、さらにその孤児院で……その当時の1960年代初めの孤児院って、孤児の人権とかを無視していたんで、薬を飲ますんですよ。

(赤江珠緒)えっ、なんの?

(町山智浩)精神安定剤トランキライザーをやたらと飲ませて。子供をクスリでコントロールしていたらしいんですよ。当時は。で、彼女はそれで薬物中毒になっちゃったんですね。ベスは。もう4、5歳の頃から。完全な。で、さらにもらわれていって養子になるんですけども。養子に行った先がまた、その父親が全く愛してないくれないし。母親はアルコール依存症なんですよ。で、高校生ぐらいの頃からベロベロに酔っ払っていて。「あんたも飲む?」とか言って、アル中にさせられちゃうんですよ。

(赤江珠緒)うわあ……。

(町山智浩)だからヤク中でアル中で。しかも親に無理心中させられそうになったトラウマを抱えている。さらに、今度好きな人ができるんですけど。好きな人はね、ある理由で絶対に自分を愛してくれない人だったんですよ。ある理由で。で、もう行き場が全然ないんですよね。彼女はチェス以外には。まあ、チェスとファッションぐらいしかないんですけど。で、またチェスの天才なんで、そこでジャーナリストの人にこう言われるんですよ。「あなた、チェスの天才ってどうなるか、知ってる?」って言われるんですよ。

(赤江珠緒)ええ。

チェスの天才の末路

(町山智浩)「あのね、天才と狂気って紙一重なのよね」って言われるんですよ。というのは、このモデルになったボビー・フィッシャーというチェスのプレイヤーも、おかしくなっちゃったんですよ。

(赤江珠緒)ええっ、そこまで天才なのに?

(町山智浩)天才なのにおかしくなって、アメリカ政府と戦いはじめて。それでしばらく日本に亡命してましたよ。

(赤江珠緒)えっ、そうなんですか?

(町山智浩)ボビー・フィッシャーさんはアメリカ政府に対して反逆して。アメリカ政府から召還命令とか出てたんですけども。日本はずっとかばっていたんですよ。羽生さんがかばっていたんですよ。

(赤江珠緒)ええっ、羽生さんが?

(町山智浩)羽生さんもチェスをやるんで。ボビー・フィッシャーさんと天才同士っていうことで、友達だったんで。アメリカ政府が彼を引き渡せって言ってる時に羽生さんがかばっていたんですよ。ボビー・フィッシャーが。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)非常にすごい話なんですけども。で、ボビー・フィッシャーは頭がよすぎて……チェスがすごくできると、世の中全体がなんか陰謀で繋がっていくように、チェスのように見えてくるらしいんですよ。で、全てが裏で繋がっている陰謀なんだっていう風に思って。陰謀論でアメリカ政府と戦い始めちゃったんですよ。このボビー・フィッシャーさんは。

(赤江珠緒)あららららら……。

(町山智浩)それで国家反逆罪みたいになっていくっていうね、大変な事態になったんですけども。で、さらに、その彼女のやるサクリファイスっていう技は昔のチェスにはなかったらしいんですよ。その歩を投げ捨てて敵をおびき寄せるみたいなね。で、それを開発した人っていうのはポール・モーフィーっていう人で。南北戦争時代のチェスプレイヤーだったらしいんですけど。この人の天才で、まあおかしくなって。最後は野垂れ死にしてるんですよ。

(赤江珠緒)へー! やっぱり天才にしかわからない、なにか生きづらさみたいなのがあるのかな?

(町山智浩)あるみたいなんですよね。で、そういうプレッシャーまでかけられちゃうんですよ。このベスちゃんは。「あんたね、チェスの天才っていうのはみんな滅んじゃうのよ」とか言われちゃうんですよ。

(赤江珠緒)嫌なことを言うわね、本当に……。

(町山智浩)そういう、ものすごいプレッシャーの中でドロドロになりながら世界的規模で戦っていくんですね。それで、女性が1人で生きていくというだけで大変な時代にね。それで、しかも彼女はまだ10代なんですよ。これ、少女漫画みたいでしょう?

(山里亮太)本当にそう!

(町山智浩)すごいんですけども。これね、原作者はウォルター・テヴィスっていう人で。この人自身がチェスを子供の頃にやっていた人なんですね。しかも、薬物中毒になって……っていう体験が元になっているらしいんですよ。その作者の体験が。で、この人は『ハスラー』っていうビリヤード映画の原作を書いていて。それも結構名作なんですけども。その中でね、この『ハスラー』っていうのもすごい話なんですけどもね。

ビリヤードの戦いを徹底的に描いていて、ポール・ニューマン主演で映画になっていますけども。これね、すごいのは「勝負師というのはどうやって生きていくと思う?」っていうセリフがあるんですよ。その『ハスラー』の中で。「それはできるだけ頭が良くて、あらゆる勉強をしていれば勝てるのかというと、そうではない。キャラクターが一番大事なんだ」って言われるんですよ。

(赤江珠緒)キャラクター?

(町山智浩)「人間性なんだ。勝負師は知識とかそういうのじゃなくて、自分自身の人格で勝負するんだ」っていうセリフが出てくるんですね。その『ハスラー』っていう映画の中に。だから、この話は途中からその話になってくるんですよ。要するに彼女自身の最大の敵っていうのは自分の中にいるんですよ。だから自分の中にいるその狂気であったり、薬物中毒であったり、母親に殺されそうになったトラウマであったり。

それと戦いながら、また男社会で戦っていくという、ものすごい何重もの戦いをしていくので。じゃあ、どうしたらいいのか?っていうと、最初は「私以外は全部敵」っていうことで。「チェスだけが自分の味方であって、すべて敵。社会も全部敵で友達も誰もいらない」っていう。そうやって生きてきたんですけれども、それだけでは生き抜くこと、勝ち抜くことはできなくなってくるんですよ。

(赤江珠緒)そうなのか! なんか勝負師って言ったら逆に「キャラクターなんかもう関係ねえ! これだけで行く!」ってイメージですけど。さらにその上となると……。

(町山智浩)最初はそう思っているんですよ。「私には誰もいらない。私はたった1人でこの頭のよさだけで生きていくわ。このチェスの腕だけで生きていくわ」って思って、そう信じてるんですけれども、そうじゃないものに立ち向かうことになっていくんですよ。強大な敵、最強の敵がキングなんですよ。キングにクイーンが立ち向かわなければならないんですよ。

(赤江珠緒)うんうんうん。

(町山智浩)でも、それはクイーンだけが、その自分の周りのものを犠牲にして、歩とかを全部捨て駒にして戦って、勝てるのかって言ったら、それは勝てないんですよ。本当は。自分の味方の兵士をたくさん殺して戦争に勝てるか?っていうと、勝てないでしょう? 戦争って。味方を殺しては。という話でね、最後の方はどういう話かというと、『ドラゴンボール』ですよ。

(山里亮太)ええっ?

(赤江珠緒)アハハハハハハハハッ! 急にすごい身近な感じが……。なるほど。『ドラゴンボール』か。

(町山智浩)『ドラゴンボール』ですよ。つまり「みんなの元気をオラにくれ!」ですよ。

(山里亮太)ああーっ! 元気玉だ!

(赤江珠緒)そうか。うわっ、でも深い話になるんだ。そこは。

(町山智浩)ものすごい深い話なんですよ。これね、すごいなと思って。ただ、僕は最初に1回見た後、「あれは何だったんだろう?」と思ったのが最後の勝負なんですよ。最後の世界チャンピオンとの勝負……まあ、こういうドラマですから、最後は世界チャンピオンと戦うんですよね。まあ、これはネタバレじゃないと思うんですけども。

(赤江珠緒)どんどん最強戦になっていきますもんね。

(町山智浩)もう世界最高峰のキングとクイーンが戦うという。彼女はクイーンだからね。その試合自体が、やっぱりそのチェスの展開を知らないとわかんないんですよ。で、僕はわかんなかったので、調べたんですよ。画面を見ながら……その時以外はあんまりチェスの盤が重要じゃないんですけど、その時だけはチェスの駒だけが動いて、セリフがなくなるんですよ。だから「この駒の動きには何か意味があるはずだ」と思ったんですよ。そしたら、あったんですよ。実はこの映画のテーマはセリフではなくて、最後の試合での駒の動きがこの映画のテーマ……「人とは何なのか? 人が生きるためには何が必要なのか?」ってことを語ってるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)これはね、だからそのところだけはチェスを理解しないと分からないんですよ。

(山里亮太)最低限は勉強しなきゃ。チェスのことを。本当に楽しもうと思ったら。

(赤江珠緒)仕掛けみたいなのがあるんですね。

(町山智浩)そう。それはね、ヒントとしてね、まずどれがポーン……つまり歩なのかだけは駒の形を見て覚える。そしてどれがクイーンなのかを覚えておく。で、ポーンが敵陣に行ったら、将棋をやる人はわかると思うんですけども。歩は敵陣に入ると「と金」ってなって金になるじゃないですか。それと同じで、チェスもポーンという歩は敵陣になるとクイーンになるんですよ。

(山里亮太)ほうほう。おっ、クイーンに?

(町山智浩)はい。それだけ理解して最後の試合をびっちり見てもらえると、「ああ、こういう話だったのか!」ってわかるんですよ。

(赤江珠緒)へー! ああ、そうですか!

チェスの盤面自体に意味がある

(町山智浩)はい。それがこの『クイーンズ・ギャンビット』なんですけども。だから彼女は最初は歩なんですよ。母親から捨て駒にされた歩として始まるんですよ。ポーンとして。それがクイーンになるまでの話です。

(赤江珠緒)へー! これ、全7話で、もう配信中という。

(町山智浩)配信中なので一気に見てもらうとね。7時間ですけども。

(赤江珠緒)はい。1話60分ほどということで。

(町山智浩)これね、結構ドラッグとかも出てきますけど、お子さんと見ても全然大丈夫です。ちょっとセックスは何回かありますが、ぜひお子さんと見てもらって、人生とは何かを考えてもらうといいと思います。

(赤江珠緒)へー! ああ、面白い。

(町山智浩)セックスとドラッグはありますけどね。

(赤江珠緒)もうわかりました(笑)。

(町山智浩)大事なことだから二度言いました。はい(笑)。

(赤江珠緒)今日は『クイーンズ・ギャンビット』をご紹介いただきました。Netflixで配信中というドラマだそうです。町山さん、本当にありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした。

<書き起こしおわり>

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