オードリー若林さんが2021年1月9日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中でタラバガニの足4本分の身をたっぷり使った夢炒飯づくりをした話をしていました。
(若林正恭)正月にね、姉ちゃんとしゃべってたんだけど。このラジオで前に話したあの築地のマグロとカニで5時間も軟禁されたっていう話があったと思うんですけども。
(春日俊彰)いただきましたね。
(若林正恭)あれがラジオでしゃべったってことで、なんかもう築地で大騒ぎになっちゃってるって姉ちゃんに言われて。店の名前とか一切言ってないんだけど、その出したものと、よくしゃべるっていうのと、あとは店の中の入り方で「あそこしかない!」ってなっちゃって。で、やっぱりその築地の人たちが「ラジオでしゃべってたよ」って言って実際にその大将にも告げ口しちゃって。でも大将はなんか、まだこのRadikoの聞き方がわからないみたいで。聞いてはいないらしいんだけど。「なんかラジオのネタにされちゃったみたいでさ!」って言いながら最近は自転車をこいでるらしいんだけどさ(笑)。
(春日俊彰)はいはい(笑)。
(若林正恭)で、「それをみんなで聞いて……みたいになっちゃってるよ」みたいな。もしもう1回、行く時があったら気まずいなとか思っていて。で、あの日に「全部食べきれなかった」っていう話をしていたんだけども。そのタラバガニの足がなんか4本ぐらい冷凍して……持って帰ってきたの冷凍庫に入っていて。タラバガニの4本ってかなり量があるじゃないですか。
(春日俊彰)まあ、太いよね。
(若林正恭)で、正月に旅行も行けないし。家にいるしかないってなったら、料理するぐらいしかないじゃん。自粛期間もそうだけど。で、「タラバガニの足が4本あるのか」ってずっと思ってて。「もう超贅沢カニ炒飯を作ろう!」って思ってさ。
(春日俊彰)いいんじゃない? 正月だし。
(若林正恭)そう。カニの身がめちゃくちゃ入ってるカニ炒飯。で、おせちをね、3が日とか食べてたから。1月4日ですよ。それで家の近くのスーパーがね、開いたの。1月4日。もう超贅沢カニ炒飯! タラバガニ。こんなのもう、本当に赤坂離宮ですよ。銀座アスター。それ級のカニ炒飯。それでもうカニの身がめちゃくちゃ入ってる……カニの身とごはんが50:50ぐらいの炒飯。もう夢炒飯じゃん?
(春日俊彰)はいはい。そんなの、外で食べたらとんでもない額ですよ。
(若林正恭)いわゆる「夢チャー」じゃん? それを作ろうじゃないかって思ってたわけ。で、「カニは全部使おう。あれ、全部カニ炒飯に持っていこう!」って思って。で、カニだったらレタスとカニ。味つけもあんま濃くしないで。カニがふんだんに入っているから。
(春日俊彰)はいはい。カニの味を活かそうと。
(若林正恭)そう! で、塩コショウ、醤油をちょっと垂らす。で、シンプルにカニレタス炒飯。超スペシャル……もう赤坂離宮ですよ、本当にね。
(春日俊彰)うん。まあ、それはいただきましたけどね。
(若林正恭)で、作ろうと思って。1月4日の夜ごはんに。それで朝からも奥さんには言ってたの。「今日、カニ炒飯やるから」って。
(春日俊彰)それは言っておいた方がいいね。なんか変にそれまでに食べられちゃったりとかしたらね、楽しめないからね。ちょっとお腹を空かして待っておいてもらった方がいいから。
(若林正恭)「超贅沢カニ炒飯だから」っていうのも言っておいて。「他、何か作る?」って言ってたんだけど、「ああ、いい、いい。カニ炒飯1本と、まあ卵スープとか作ったらそんだけで大盛りあがりになるから」って。
(春日俊彰)なるへそ。おかずはいらないと。
超贅沢カニ炒飯
(若林正恭)そうそう。で、レタスを普通に買いに行って。レタスもカニの量が多いから結構入れようと思って。それで、カニを解凍して。1本1本、身をボウルに出さなきゃいけない。だから結構ね、大変。結構な量のカニの身を出すって。だからハサミでカニの殻を切っていって、剥いて、出していく。全部、カニの身は使いたい。残したくないから。でもあのタラバガニの爪のところの殻の厚さって、半端ないね! もう普通のハサミじゃ無理だから。あれ、怖いな。爪のところの中を見ると、とんでもない筋肉で挟もうとしているな、あれな!
(春日俊彰)ああ、向こうがね。ぎっしり詰まってるでしょう? カニ爪ね。
(若林正恭)ぎっしる詰まっていたよ、カニ爪!
(春日俊彰)あんなの、すごい力だから。カニに挟まれた日には。
(若林正恭)そうそう。もうとんでもないカニの身がブリン!って取れるわけよ。カニの爪から。
(春日俊彰)しかも、めちゃくちゃいいカニだ。身の詰まった。
(若林正恭)そうそう。もうマドレーヌみたいに出てきたの。カニの爪からボロンと。
(春日俊彰)形もなんか似てるし、厚みもね(笑)。
(若林正恭)で、汗かきながら。「大丈夫?」とか言われながら「大丈夫」って言ってハサミで切って。トゲと格闘しながら、なんとかカニの身をボウルいっぱいに出して。全部出すのに3、40分かかって。「でも、あんまりカニの身が多すぎても炒飯としては成立しないぞ?」と思ったから。でも、夢炒飯だから。ごはんとカニの身は50:50……まあカニの身4、ごはん6ぐらいで行こうかなと思った場合、ごはんの量がかなり多くなるのよ。
(春日俊彰)なるへそ。カニの量は決まってるからね。それに合わせると、そうか。
(若林正恭)で、冷凍して小分けしてるごはんをパンパンと出して。「もうちょっと……もう1個、いけるな?」みたいに足していったの。そしたらまあ6:4ぐらいの量になったのかな? カニの身全部と。でも、それにしても超贅沢ですよ。それで「卵はこのごはんの量だと3つぐらいいるな」って思って。それで3つ、割って。ボウルの中で溶いて。それで「いざ、始めるか!」って一番でかいフライパンを熱して、それで始めるわけですよね。まず、油を引いて卵を入れて。カニの身を入れて。カニの匂いがフワーッと上がってくるわけですよ。
(春日俊彰)くぅ~! 楽しみだね。
(若林正恭)で、ごはんを入れる。でも、ごはんの量が結構多いから、もうフライパンがパンパンになったわけ。でも、炒飯って時間勝負だから。結構短めのネタみたいなテンポでやっていかなきゃいけないわけよ。トントントントン……って。でも、ごはんの量が多いから、カニと卵とごはんがうまく混ざらないわけ。
(春日俊彰)なるへそ! 動かない。もうフライパンでぎっちぎちだから。
(若林正恭)そう! ぎっちぎち。だから木べらでもって混ぜて。きれいに混ざるように……均等に混ざらないからさ。で、どんどん、球体になっていくんですよね。「あれ?」って思って。
(春日俊彰)ああ、下から上に……?
(若林正恭)持ち上げて。で、ごはんの量が多くて混ざらないから何回もやっていたら、どんどんとハンドボールみたいになっていくわけですよ(笑)。
(春日俊彰)そうか。米自体は動いてないから。そうか。
(若林正恭)それで均等に炒めたいけど、米が多いから。だから割って、また混ぜるんだけども、すぐ球体になっていくわけ。ハンドボールみたいな。それでなんか、白ベースの赤い模様が入ってるヨーヨーみたいな色になって。「なんだ、これ?」ってなって。でも、もうレタスを入れる時間なんだよね。球体を平らにするけど、また混ぜたら球体になっていくわけ。で、レタスを入れたら球体だから、そのレタスがいい感じに混ざっていかないで。球体の周りにレタスがくっついて、本当に1個のレタスみたいになっちゃったの(笑)。
小さいレタスみたいになっちゃって。ハンドボールの周りにレタスがついているみたいな。で、その時には「うーん……」って思っていたんだけど。でも、それ以上やると炒め過ぎちゃうから、火を切って。それで奥さんが「かどう?」みたいで来たから。でも、塩コショウ、しょうゆを垂らして。「食べたら美味しいだろうな?」と思って。
(春日俊彰)まあまあ、味よね。味。
(若林正恭)で、まあちょっとフライパンの上でボールみたいになってるんだけど。それで、食べてみたらね、あのね……めちゃくちゃまずかったんですよ。
(春日俊彰)ええっ!
(若林正恭)いや、本当に血の気が引くぐらいまずくて。あのね、米が餅みたいになっていたよ。
(春日俊彰)ああ、そうか。こねちゃっているからね。だって炒飯って米を踊らせてって、よく言うじゃない? 火であぶってパラパラに……みたいな。
(若林正恭)そうなんだよな。何なんだろう? だから、4回ぐらいに分けてやればよかったんだよな。
(春日俊彰)もう完全に餅の作り方と一緒だよね。下からさ、こう……つく餅とさ、下のやつを上にひっくり返してついて、だから。
代表作になると思ったネタが滑ったようなショック
(若林正恭)でもめちゃくちゃ……もうね、「このネタは代表作になるぞ!」っていうネタが滑ったぐらい、めちゃくちゃショックだったの! もうタラバ夢炒飯がハントボールみたいになっていたら……でも俺、もう後戻りできないじゃん? こういう、なんかちょっとシチューみたいになんとかとか、無理だから。ハンドボールになってるからさ! 「マジかーっ!」って思って。「ずっとあんなにタラバ夢炒飯、楽しみにしていたのにな……」って思って。で、そのボール状のものを割って。一応、2人分お皿に盛り付けして。全部は食べられないから。もう自然に、中華料理屋の炒飯みたいにドーム状になってるんですよ。
(春日俊彰)そうか。盛り付けはいいんだ。
(若林正恭)うん。餅を割っただけだから(笑)。
(春日俊彰)丸い餅を……そうか。そしたら丸くはなりますな。
(若林正恭)で、食っていて本当に餅だったね。カニ餅。
(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! タラバ夢餅ね(笑)。
(若林正恭)タラバ餅になっていたんですよ! ネチャネチャネチャネチャ……それで、塩とコショウも混ざり合っていないからジャリジャリってしたところがあったりとかして(笑)。クソまずかったよ。もうタラバの無駄遣い!
(春日俊彰)もったいねえ、もったいねえ……(笑)。
(若林正恭)タラバは一番ショックを受けていたかもしれない。
(春日俊彰)そうだろうね。タラバ、そのまま食べた方が美味いだろうしね。
(若林正恭)そう! で、俺、一緒に生活するようになって気づいたんだけど。何かを失敗すると俺、しゃべんなくなるんだよね。指摘されて気づいたんだけど。
(春日俊彰)考えちゃったりだとか。うん。
(若林正恭)そうそう。「考えてるでしょ?」って言われて。食べ終わって1時間ぐらい経ってもソファーでもなんか一点を見つめてるわけよ(笑)。
(春日俊彰)フフフ(笑)。もうさ、「いやー、やっちまったわ!」でいいじゃない?
(若林正恭)いや! あれはショックだよ! タラバ、あんだけハサミを入れてカニの身を全部出して……ずーっと正月、楽しみにしていたのに! タラバ夢炒飯。それが、タラバ餅になるとは思わないじゃん? めちゃくちゃまずかったんだよね! もう食感の悪さ、この上ない! それで、滑った後ってずっと考えるじゃない? 「あれなー……」って。
(春日俊彰)なるへそ。「なにが悪かったのかな?」とかね。
(若林正恭)それで「俺はなんで、4回に分けて炒飯を作るとかしなかったんだろう?」って。だいたいが、本当に春日の言った通り。油でごはんの水分を飛ばして……ってやるはずなのに。なんかテンション上がったのかな。カニを……。
(春日俊彰)いっぺんに作りたかったんだろうね。全部をさ。たしかに、分けて作ればよかったね。
(若林正恭)でも、滑った時ってそうじゃん? 後から「分けて作ればいい」なんていうのはネットでごちゃごちゃ言うやつが言うことであって。俺たちはリアルタイムでやってるから!
(春日俊彰)そうだね。何とも言えるからね。
(若林正恭)現場ではいっぺんに作っちゃうんだよ!(笑)。それで、お風呂に入ってる時もさ、「いやー、なんで1回で作ろうとしたのかな?」みたいな。で、タラバカニなんて食った感じ、全然ないのよ。でっかいボール状のなんかで。それで残ったやつを小分けにしてさ、一応4つぐらいにしてまた冷凍したの。それで「でもあいつら、どうしようかな? あのカニボール……」って。カニボールのC球が4つぐらいできていたから。
(春日俊彰)食べるタイミングがないよね。まずいんだからね(笑)。「あのボールを食べよう」っていう時がこの先、来るのかな?
(若林正恭)まずいものを冷凍したからさ。怖いよね。今後、何千年後かの人類がそれを発見した時に「昔の人はこれを食べていたのか」と思われたらさ。で、あのカニアイスボール、タラバボール……なんかスーパーボウルみたいな響きですけども(笑)。「あのタラバボール、どうしようかな? 失敗したかな。テンション上がっていたかな」なんて思って。で、寝てる時に、「でもあの感じな、なんかであの感じの記憶あるな……ライスコロッケ?」って思って。
(春日俊彰)ああ、はいはいはい。米を丸めて、揚げて。
(若林正恭)「ライスコロッケの米の味、あんなんじゃなかったっけ?」って。
(春日俊彰)結構たしかに。あれもギチギチだもんね。米がね。
(若林正恭)で、カニクリームコロッケってあるじゃん? 俺、好きなのよ。「あれ? タラバライスボール……ライスコロッケ。カニクリームコロッケとライスコロッケがかけ合わさったもの……これ、行けるなっ!」ってベッドで叫んで。本当にズレ漫才を思いついた時ぐらいの衝撃。「ああーっ! 売れる、売れる! 売れちゃうよ!」って思って(笑)。やっぱりタダじゃ起き上がらないよね。やっぱり。「なんかできれば……」って思って。
ズレ漫才を思いついた時ぐらいの衝撃
(若林正恭)で、次の日の朝、起きて。奥さんに言ったの。「今日ね、カニライスボールコロッケ、やる」って。「なに言ってんの?」って言われたんだけども。で、ライスコロッケのレシピをネットで調べたら、どうもチーズとちょっとクリームを入れて揚げるっぽいんだよ。ライスコロッケは。
(春日俊彰)なるへそ。別にできるじゃん。
(若林正恭)できるでしょう?
(春日俊彰)加えればいいんだもん。
(若林正恭)そうそう。それでレタスはどかすかどうか。それで、カニライスボールコロッケはネットに載っていなかったんだけども。で、ライスコロッケのレシピでチーズを混ぜて。ごはんを丸めて。油で揚げて。見た目もよさそう。で、ピザソースを……ライスコロッケはピザソースだから。
(春日俊彰)うんうん。トマトな感じだな。
(若林正恭)ピザソースをかけて食べたら……めちゃくちゃ美味しかったの!
(春日俊彰)おおーっ!(笑)。さすがだね!
(若林正恭)もうバックバク食べるぐらい美味しかった!
(春日俊彰)正解はあったんだね(笑)。
<書き起こしおわり>