安住紳一郎さんが2021年1月3日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で過去の番組の放送を振り返り。2014年4月放送のゴミ屋敷取材中に急な腹痛になり、トイレを借りた話を紹介していました。
(安住紳一郎)さて、続いてですけれども。私、「胃腸が弱い」っていう話もね、何回もしてますもんね。これも15年ものかな? 最初ね、もう今は「お腹痛い」とかいう話っていうのはごくごく普通にテレビ・ラジオでもあふれてますけども。私がこの話をし始めた時はまだまだこれが許されてない時代でしたね。あれ、なんで許されてなかったかよく分かりませんけれども。あんまりね、そういうことを話してる人がいなかった。
たしかに私、一番最初に話した時に新聞の投書欄で怒られましたよ。なんか。うん。「そういうのはあんまり放送で話す内容じゃありませんよ」なんて言われましたけどね。随分ここ10年、15年でも放送に対する見方っていうのが変わりましたね。
そんな当時……だから今、聞くとさほどっていうかもしれませんけれども。意外に当時はセンセーショナルだったという話が。いや、これは今でもセンセーショナルかもしれませんね? 2014年、放送人としての決意を新たにしたトイレの話です。「ゴミ屋敷にて」。
<音源スタート>
(安住紳一郎)あとすごい、もうひとつシュールなお話、思い出しましたけれども。私、昔お昼のワイドショーのリポーターやっていた時に、ゴミ屋敷の取材をしたんですよ。1年生か2年生。仕事し始めてすぐの頃ですけども。そこのリポートをすることになりまして。当時、たぶん東京の、世田谷のはずれにあったんですけども。
(中澤有美子)ええ。
(安住紳一郎)その後たしか、区役所かなにかの強制撤去でお屋敷ごとなくなりましたけれども。かなり立派なお屋敷で。それで非常にクレームが来ていて……というような、そういうようなところで。
(中澤有美子)ええ。
(安住紳一郎)私がその現場に行って、その現状をリポートして。そして、そこのお宅の70才を過ぎてらっしゃいましたけども、ご婦人に「近所の方が迷惑されてますけれども、これはどういうことでこうなったんですか?」なんていう話を聞いていたんですよ。それで、ひと通り取材が終わりまして。その時に、なぜか私がキュルキュル腹になりましてね。で、その、「どうしてこんなことになったんですか?」なんて強く言っているそこのご婦人にですよ、「すいません、ちょっとトイレ貸してもらえますか?」って言って(笑)。私、ゴミ屋敷でトイレ借りたんですから。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
急にキュルキュル腹に……
(安住紳一郎)もう、なんなんだ?っていう……どうです?
(中澤有美子)そうですね(笑)。あ、あの……(笑)。
(安住紳一郎)私だって借りたくなかったですよ。いろいろなね(笑)。皆さんもそのバランス感覚的なものがお分かりでしょう?
(中澤有美子)分かります、分かります(笑)。
(安住紳一郎)ちょっとね、世間の声を代弁してね。「どうなんですか?」なんてちょっと強くね、問い詰めるところもあったわけですよ。ええ。その後に、『すいません、ちょっとお腹が痛いんでトイレを大至急、お借りできますか?』なんて言って(笑)。どうですか? どうにもならないですよ。私だって借りたくありませんよ! ゴミ屋敷のトイレをね。
でも、止むに止まれずですよ。「仕方ない!」みたいな。「お宅のこの現状はこの現状。で、私のお腹の現状は現状っていうことで、ちょっと分けて考えていただいて。すいません、同じ地球に生まれた者同士、弱いところはそれぞれお持ちでいらっしゃいますね……ちょっとお借りできますか?」なんつって。ええ。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)「大変助かりました。ありがとうございました。じゃあ、インタビューの続きをお願いできますか? ご近所の方が迷惑されてますよ! どういうおつもりですか?」なんて(笑)。「あなたこそ、どういうつもりだっ!」っていう話ですね。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)どうです? これね、私のね、放送人としてのね、ひとつの大きなアイデンティティー。よくわかんないと思うけれど(笑)。
(中澤有美子)そうですか(笑)。うん(笑)。
放送陣としての大きなアイデンティティー
(安住紳一郎)「この事情はこの事情。あの事情はあの事情。ということで……なんの話をしていましたか?
(中澤有美子)ええと、40代になってからの転職は大変という……。
(安住紳一郎)ああ、そうですね。こんな私のバカ話で少し気持ちが軽くなりましたら、嬉しい限りです。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)お薬、出しておきました!
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!
(安住紳一郎)次の患者さん、どうぞー(笑)。
<音源おわり>
(安住紳一郎)本当にバカ話で申し訳ない。ただ、この話の直前に結構深刻な相談のメールがあって。それを読んで、「私のこんな話もありますから……」っていう風にね、ちょっとそういう風に元気を出してもらおうと思ったサービス精神ですね。
ただ、こうやって切り取っちゃうとね、本当にバカな話をいきなり初っ端からしてる人みたいなことになるので辛い……ということ、ありますね。総集編の恐ろしさっていうのはこういうとこにありますよ。
<書き起こしおわり>