安住紳一郎さんがTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』の中で、たまたま見かけた反抗期の子どもの話をし、その子に対し親や周囲の大人はどのように対応すべきか?を考えていました。
(安住紳一郎)さて、今朝もいい天気になりました。もう本当に、夏のような陽気で。暑いくらいですね。もう、私はかき氷を食べたいくらいです。いやー、なかなかな日差しが降り注いでいます。天気予報を見ましても、全国雨のマークはひとつも出ていませんでしたね。北海道で少し、雨が降るところがあるかもしれませんと天気予報では言ってましたが。全国、本当に揃っていい天気ということです。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)お出かけの予定のある方も多いのではないでしょうか?今日あたりは、本当にちょっと、買い物にでも行きたくなりますね。日傘を持って。うん。ショッピングモールとかですか?
(中澤有美子)はー。
(安住紳一郎)ですねえ。お子さんを誘って。お子さんに断られて。
(中澤有美子)(笑)。あ、ちょっと大きくなるとね。
(安住紳一郎)そうですよね。もう、中学生ぐらいに断られるんですか?ですよね。『行く?』なんて言ったら、『いかない』なんて。
(中澤有美子)(笑)。ああー・・・
(安住紳一郎)最近は家族仲のいいというか、あんまり反抗期を迎えないという青少年が多いらしくて。久しぶりに先日、超絶反抗期の中学生を船橋で見かけて。なんとなく、胸が熱くなりましたね。私。
(中澤有美子)(笑)。あ、いましたか?
(安住紳一郎)いましたねー。
(中澤有美子)公共の場で?
(安住紳一郎)レストランで。私の右横に入った、45才のお母さんと13才の息子さんかな?息子さんがこう、お母さんがまだ食事をしていて、息子は食事をし終わったんでしょうかね?そしたら、ずっとたぶんスマートフォンでゲームをやりだしたんですね。それで、その段階でちょっと私、カチンと来ていたんですけども。
(中澤有美子)あ、私?(笑)。
(安住紳一郎)ええ。ねえ。まあ、いくら家族とはいえ、お母さんが食事してるのにゲームやっちゃいけないだろうなと思ってたんですけどね。
(中澤有美子)ああ、ええ。
(安住紳一郎)そして、お母さんが食べ終わって、話しかけるんだけど当然、息子はその相槌を打たないわけですよね。それがやっぱり2、3回続いて。それでお母さんが、『じゃあもうそろそろ帰ろう』ってことになって伝票を掴んで席を立ったんだけども。息子はやっぱり立たないわけねえ。
(中澤有美子)ああー。
(安住紳一郎)ええ。たぶんまだゲームをやっていて。ちょっと一区切りついてなかったんだろうね。その、まあ気持ちもわかるんだけれども。ちょっとね、いま盛り上がっているところだから。いま、手を離しても困っちゃうんだみたいなことで、立たなかったんだよね。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)お母さんはでも、あんまり息子に強く言わないお母さんだったから、お母さんが立ったまま、『行くよ。○○ちゃん、行くよ』みたいなことを1分15秒くらいやってるんだよね。
(中澤有美子)ほうほう。
(安住紳一郎)それでなんかもう、横にいてね。ちょっとね、なんかね、『お、俺が、社会の一員として言うべきか?』みたいな風にも思ったんだけど、あれは言わない方がいいんだよね?
(中澤有美子)(笑)。間違いない。間違いない。
俺が、社会の一員として言うべきか?
(安住紳一郎)『ほら、お母さんが行くって言ってるんだから、あなたも行きなさいよ!』みたいなことを言ってあげようかな?みたいなことを思ったんだけど、それはまた違うのかな?みたいなことだったのかな?
(中澤有美子)まあ、そうでしょうね。
(安住紳一郎)うん。そしたら、ちょうど私の右側にお母さんと息子さんがいた、その向こうに、屈強なOL4人組がいたんですよ。
(中澤有美子)ええっ!?(笑)。
(安住紳一郎)たぶん、どっかの企業のソフトボールチームの練習後みたいな。見るからにその、短髪で日焼けして。確実にキャッチャーと思われる人と、確実に四番打者と思われる人と、確実に監督兼キャプテンみたいな、宇津木さんみたいな女の人がいて。なんとなく、イメージ沸きますよね?
(中澤有美子)ねえ。じゃあ、日焼けも。
(安住紳一郎)日焼けして、それで背筋がピッとしていて。本当にもう、完全に社会人のスポーツクラブの4人組みたいな。それでなんか座る順番もキチンと上座にキャプテン兼マネージャー宇津木さんが座っていて。その横にキャッチャーが座っていて。で、いちばん入り口に近い方に新人、2年目のような背の高い、ファーストを守っていそうな女性がいて。その4人が、やっぱり言いましたね。
(中澤有美子)言いましたか!
(安住紳一郎)言いましたね。かっこよかったですね。やっぱりね。またスポーツウーマンなんで、あんまり傷つかない感じで言ってましたね。
(中澤有美子)えっ、ええ。
(安住紳一郎)『お母さんがなにか、おっしゃってますよ』って言ってましたね。
(中澤有美子)おおーっ!
(安住紳一郎)うん。『ふーん』と思って。『めでたし、めでたし』と思って(笑)。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)『はー!これで俺もようやく魚介つけ麺が食べられる』と思って。
(中澤有美子)そうですね(笑)。気になってしょうがない。
(安住紳一郎)気になってしょうがないですよね。難しいですよね。
(中澤有美子)そうですね(笑)。そうでしたか。スカッとね、しましたね。へー。そしたらやっぱりその中学生も立ち上がった?
(安住紳一郎)しぶしぶ立ち上がっていましたけどね。けどやっぱり、他人に言われたからびっくりしたんでしょうね。ええ。『ふーん』と思って。またお得意の、あたたかーい目で私はその場を見ていました。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)『はー・・・一件落着』と思って。
(中澤有美子)めでたし、めでたし(笑)。
(安住紳一郎)気になっちゃいますよね。ええ。なんかそういう他所様のなんかね、反抗期を迎えてる少年少女を見ると面白くて。
(中澤有美子)そうですよねー。そうか。じゃあ、なんか言い返すっていうよりは、静かな反抗をしてたんですね。その子は。
(安住紳一郎)なんかやっぱ、母親になんか、頻繁に話しかけられるのが嫌なのかな?まあ、その気持ちもわからないでもない。面白いですよね。あと、これも小学校5年生くらいの女の子なんですけど。お父さんと一緒に食事に来ていて。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)私、またよく見てるんですよね。そういうのをね。で、タンメンか担々麺がたのんで、2人で食べていたんですけども。出てきたんだけど、女の子が食べないんだよね。なにか、メールかなんかやっていて。そういうなんか、反抗スタイルもあって。
(中澤有美子)なるほどね。
(安住紳一郎)それもなんか、俺が注意しに行こうかな?って思ったんだけど(笑)。『違うよな』みたいな。うん・・・
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)それで、家に帰って、どうやって彼女に・・・あの、諭したら上手に伝わるかな?みたいなことを書き出していたら、結構なんか、ノート3ページ分ぐらいになっちゃって。
(中澤有美子)おおー(笑)。
どうすればよかったのか、書き出してみた
(安住紳一郎)難しいよね。ああいうのね。うん。まあその、あれですよね。あの、あったかいタンメン・・・あったかい担々麺が出てきて。それは、すぐ食べなきゃいけないっていうか、熱いうちに食べた方が絶対美味しいわけで。あなたはたぶん、なにかどっかの機嫌が悪いか、多分もともと食べたくなったのかもしれないけれど、お父さんがたのんでくれた担々麺をなぜ食べないのか?っていうのはまあ、聞かなくちゃいけないんだけど。たぶん、気分が乗らなかったから食べなかったんでしょうね。
(中澤有美子)ああー。
(安住紳一郎)それで、猫舌かもしれないけれど、そのうち落ち着いたら食べ始めるのかな?とは思うけども、それは社会人としては、お店の人にも失礼だしね。すると彼女は、『いや、私、お金を払ってますから』みたいなことを言うのかな?と思ってね。
(中澤有美子)そうでしょうね(笑)。
(安住紳一郎)『ちょっと待って。お客さんが絶対っていうわけではないんだよ』っていうことを説明しようと思ってね。それをどういう風に説明したら、上手く伝わるかな?と思って。
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)長々となっちゃったりしてね。家で1人で。
(中澤有美子)あらま。家でね(笑)。
(安住紳一郎)そうなんだよね。お客様が絶対ってわけでもないし、お金を払う方だからなにをしてもいいっていうわけじゃないよね?
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)そうだよね。うん。もし社会が混沌として、お金が意味をなさなくなった時は、結局人間対人間の誠意がどれだけお互い持っているか?で人間の価値が測られるわけだから。そうした時に、お前がもう一度この店に来たとしても、お店の人は絶対にお前に担々麺を二度と作らないよ!なんて思ったりして。
(中澤有美子)そうね。そこまで。
(安住紳一郎)そこまで思ってね(笑)。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)そうだよね。
(中澤有美子)そ、そうかもしれません。うん。まあ、そうですね。たしかに、熱くて食べられないにしても、冷めるのを待っている風の姿勢を見せる必要があるっていうことですかね?
(安住紳一郎)そういうことですよね。お金を払えば、どの態度をとったとしてもいいってことはないわけでしょ?
(中澤有美子)あ、はあ。ええ。
(安住紳一郎)うん。天気のいい日曜日に、私はなにかを考えてしまいました。
(中澤有美子)(爆笑)
<書き起こしおわり>