町山智浩 2026年アカデミー賞受賞作品を語る

町山智浩 クインシー・ジョーンズと楳図かずおを追悼する こねくと

町山智浩さんが2026年3月17日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で前日に行われた2026年アメリカ・アカデミー賞の結果について話していました。

※この記事は町山智浩さんの許可を得た上で、町山さんの発言のみを抜粋して構成、記事化しております。

(町山智浩)昨日、アメリカの映画賞、アカデミー賞の発表がありましてですね。この番組でもご紹介した『ワン・バトル・アフター・アナザー』が作品賞、監督賞とか6部門で受賞しましたね。はい。あんなぬるい映画でいいのかと僕は思ってますけども(笑)。

で、この『ワン・バトル・アフター・アナザー』と競り合ってたのが『罪人たち』。これも紹介しましたね。それでさらにね、助演女優賞が『WEAPONS/ウェポンズ』というね、ホラー映画のエイミー・マディガンさんっていうベテラン女優さんが取りまして。

これね、全部ワーナー・ブラザースの映画なんですよ。ワーナー・ブラザースは去年ですね、興行的にも映画の内容的にも圧倒的だったんです。もう世界一、調子が良かったんです。ところが今、買収されそうになってますね。売り出されちゃって。はい。

絶好調だったワーナーが売りに出される

(町山智浩)でね、いかにワーナーっていう映画会社が自由な映画会社だったのか、よくわかるのは今回のその『ワン・バトル・アフター・アナザー』っていう映画がね、主演のレオナルド・ディカプリオが元左翼のテロリストでね。で、敵が悪い白人至上主義者の移民取締官のショーン・ペンじゃないですか。それをこの今、移民取締を徹底的にやってるアメリカで公開して。で、『罪人たち』の方はやっぱり白人至上主義者のKKKと黒人の主人公が戦うっていう話だったわけですよ。

でね、これね、たぶんワーナーがパラマウントにこのまま買収されてしまうと、こういう映画は撮れなくなるだろうと思うんですよ。これを「杞憂に過ぎないだろう」って言ってる人もいるんですけど。実際、そのアカデミー賞のプレゼンターで俳優のハビエル・バルデムさんが登壇してね、「戦争反対」ってスペイン語で書いたバッジを胸につけて出てきて。「パレスチナを解放せよ」って言ったんですよ。

このハビエル・バルデムさんは、実はパラマウントからブラックリストに入れられてるんです。「反イスラエルの俳優とか映画人たちをパラマウントで使うな」っていうリストが出回っていたんですよ。これ、言論統制ですよ。これね、経営者のデヴィッド・エリソンが莫大なイスラエル支援をしてるんですよ。だから「反イスラエルのやつらは使うな」という、そういう俳優たちのリストが……エマ・ストーンとか、結構すごいんですよ。マーク・ラファロとか、いっぱいいて。

で、そのパラマウントにワーナーが買収されるわけですから、この人たち、ワーナーの映画にも出れなくなっちゃいますね。だから本当に今ね、ハリウッドは大変な時になっていてね。ジミー・キンメルというコメディアンの人がアカデミー賞の授賞式で出てきて。「今は北朝鮮とCBSテレビが同じだよね」って言ったんですよ。それはもう、報道の自由がないと。で、CBSテレビはパラマウントの傘下にあるので、トランプを批判するようなニュースを放送しないっていう方向に行っちゃったんですよ。

だからもう、こういう状況でね、またギャグでアマゾンの批判もしてて。アマゾンがね、トランプの奥さんのメラニアさんのドキュメンタリーを撮ったんですよ。で、その映画は誰もお客さんが来ないんですけど、なんで撮ったか? それはアマゾンのジェフ・ベゾスがその制作費をトランプの奥さんにあげることで、映画を通じて賄賂を贈ったんですよ。

これ、最悪なんですよ。でもジェフ・ベゾスはロケットビジネス、事業をやってるんで。NASAとの協力なしにはそれ、できないんですよ。でもイーロン・マスクもロケットビジネスをやってるんですよ。だからもうトランプのご機嫌を2人で取り合って、大変なんですね最悪の状況です。

町山智浩『ワン・バトル・アフター・アナザー』を語る
町山智浩さんが2025年9月30日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』について話していました。
町山智浩 映画『罪人たち』を語る
町山智浩さんが2025年6月3日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『罪人たち』を紹介していました。

アメリカ流れ者 2026年3月16日

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