R-指定さんが2020年10月13日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中でBRON-K『ROMANTIK CITY』を紹介していました。
(R-指定)それでは日本語ラップ紹介を。今日、紹介したいのは1回、この番組でも紹介したんですけども。BRON-Kさんという。
(DJ松永)えっ、今日、BRON-Kさんなの? 嬉しい。好き!
(R-指定)BRON-Kさん。相模原のラッパーでNORIKIYOさんっていう相模原のラッパーもいるSD JUNKSTAっていう大所帯のグループの一員なんですけども。まあ、「和製ネイト・ドッグ」とか言われるようなところもあるし。とにかくそのメロディアスなラップ、メロウなラップが得意なんですけども。かつ、なにがすごいってメロディーとか聞き心地、耳障りのいいすごい気持ちいいラップをするんですけど、歌詞もエグいんですよ。
(DJ松永)歌詞、マジでエグい。
(R-指定)歌詞がすごい文学的な……なんかすごい不良の言葉とか荒い言葉も使うんですけど、なんかとんでもなく情景が浮かんできたりする。で、今日紹介したいのは『ROMANTIK CITY』っていう。
(DJ松永)もう……歌詞、鬼じゃん?
(R-指定)歌詞、鬼。前回もね、『何ひとつうしなわず』っていう曲で。今回は『ROMANTIK CITY』。まだね、この『奇妙頂来相模富士』というあの伝説のアルバムから抜け出してないのよ。
(DJ松永)フフフ、ファーストね(笑)。
(R-指定)まだね、『松風』とかからも紹介したいんだけども。じゃあ、まず……。
(DJ松永)まだ、もう1枚目がヤバすぎて(笑)。全部ヤバいからね(笑)。
(R-指定)じゃあ、『ROMANTIK CITY』をまずは聞いてください。これ、歌詞が歌い出しから……バック・イン・ザ・デイズ物でこんな素晴らしいのが聞いたことがないので。ぜひ聞いてください。
BRON-K『ROMANTIK CITY』
(R-指定)いやー、もうクソ名曲。めっちゃ名曲。はじまりがね、「そう変わってったのは17の頃 絶対だったルール疑いだした頃」っていう。この歌い出し。
(DJ松永)もうすでにヤバい!
(R-指定)これ、すごいよな。歌い出しから。「絶対だったルール疑いだした頃」っていう。非行に走ったことをこの1ラインで表すっていう。で、そこからこの人にしかできへん表現。「女にドラッグ、スターダム 夢に描いて 未知の世界、期待にチンコふくらまして」っていう。これがこんなにかっこよく響くっていう。
(DJ松永)「期待にチンコふくらまして」ってね。
(R-指定)で、サビの「日が昇る 路上は祭りの後 ゲロの飛沫がロマンティック」っていう、この「ゲロの飛沫が」ってこんなかっこよく聞こえるかね?っていう。
(DJ松永)本当にたぶん全部経験したからこそ、こんだけ描写が頭に思い浮かぶんだろうな。
(R-指定)マジでストリートの文学っすよね。さっき松永さんも言っていたけども。「BACK CITIES BACK 君に恋したTRIP 語らず胸に墓まで持ってく R-16 家路とばす朝 女の残り香がロマンティック」とか、これ……名曲ですね!
(DJ松永)素晴らしい。全曲かけよう。BRON-Kは全曲かけたい!
(R-指定)最高!
(番組放送終了後のミクチャ配信限定アフタートークで……)
(DJ松永)BRON-Kさんは本当に最高!
(R-指定)マジで最高やな。
(DJ松永)もう、歌もラップも両方すごいことになっているよね。
(R-指定)だからそのメロディメイカーとしてもヤバいし、ラップの普通にその平でラップをしてもフロウっていうか、リズムの取り方もエグいし。なんかね、言葉の分解の仕方がそれまでのラッパーのロジックになかったような分解の仕方をしているんですよね。たぶんリズムにホンマに……いい歌詞を書いて、それをリズムにグワッと当てはめていくっていうやり方なのかなって思うぐらい、あんだけ歌詞の文学的なのをあんなにとっぽいフロウに当てはめられるっていうのがエグいんですよ。
(DJ松永)マジでリリシストとか言われている人はいっぱいいるけどさ。はっきり言ってちょっと段違いだよね。マジですごくない?
(R-指定)だからホンマにヒップホップにおけるリリシズムっていうところで行くとBRON-Kさんの感じは1個の到達点なのかなって思いますね。
(DJ松永)本当だよね。あのスタイル。
(R-指定)さっきの『ROMANTIK CITY』でも、これは歌えないんで歌詞は紹介できないんですけども。2バース目にね、とんでもないナンパの仕方とか出てきますから。
(DJ松永)ああ、はいはい(笑)。
(R-指定)これはみんなが聞いた後にクラブでナンパする時に参考にしたっていうね。来た場所を聞いて、テキーラをすすめて。スヌープ・ドッグがかかったらフロアに踊りに行こうっていうね。これね。
(DJ松永)でもさ、やっぱり俺らも最初、クラブから始まった人間としてはさ、この情景って全部わかるよね。あるあるというか。
(R-指定)全部わかる。だから1バース目の「ルール疑いだした」っていうのもわかる人おるやろうし。「最初はクラブが嫌いだった」って始まる2バース目の感じもめっちゃ俺ら的にはすごいわかるんですよね。だからこれ、みんな……日本語ラップにハマっていった俺ら世代とか上の世代、若い子もそうやけど。みんなが通る道を言っているからヒップホップの中での屈指の青春曲なんですよ。ヒップホップ青春曲。
(DJ松永)本当にそう。
屈指のヒップホップ青春曲
(R-指定)だからマジでゲロの飛沫ってロマンティックなんですよ。ホンマに! 朝方のクラブで酔いつぶれている仲間たち。その映像を思い返したら、ゲロを吐いているその友達の飛沫とかもキラキラしているように今になると思い返せるんですよ。クラブに通っていたやつとかは。
(DJ松永)本当にゲロを吐いている光景もコミコミで青春っていうか、ロマンティックな思い出なんだよね。
(R-指定)そう。ホンマにね、もうすごいリリシスト。BRON-Kさん!
(DJ松永)本当に……好きー!
(R-指定)あのアルバムからあと2、3曲まだ紹介します(笑)。
(DJ松永)ああ、そうだね。『松風』からも止まらないしな。
(R-指定)止まんねえよ。正直。
(DJ松永)止まらねえ、止まらねえ(笑)。
<書き起こしおわり>