2度目のはぐれね。30分ぶりではぐれたわけ。で、「三宅とか、いないな」と思って。しかも俺が電話してる間にもう、いなくなってるなと思ったんだけど。この次の焦りは違うよね? 焦らないよ。「行く場所はわかっているんだから。カフェなんだから。うろうろしていりゃさすがに出会えるよ。だってカフェは違う名前じゃないから……」なと思って。で、うろうろ歩きながら探そうと思ったら、なかなか見つからないのよ。本当に湾岸スタジオって広いから。だからわけがわかんねえスタッフルームに出たら、ADが寝てるみたいな……テレビ局の闇ね(笑)。ニッポン放送にもあるかもしれないけど。いきなり現れる寝てるADっていう(笑)。
というところに出たりもしたんだけども。まあ、なんとか10分後ぐらいにでかい階段みたいのがあって。階段を上がっていったら開けたカフェみたいなブワーッとあって。もうテレ東の食堂の3倍ぐらいの大きさの。そこにもう、ありとあらゆるアイドルがご飯食べているの。出番が終わったアイドルが。で、それのちょうど真ん中ぐらいの場所で三宅とADと青春高校アイドル部の子たちもケータリングのご飯を食べてるのよ。
で、受付のところに特設の受付みたいのができていて。そこのメニューを見たらツナとトマトのパスタ、牛丼、ローストビーフ丼、味噌カツ丼みたいな。もうボリュームがある特別メニューがあって。「これは悩むな。今日、俺は結構ばたばたしてたし……まあ、そうなるとカツ丼かな? 味噌カツ丼、食おう! 味噌カツ丼の腹だな」って思いながらアイドルたちが並んでるところに並んだわけ。
結構混んでたから。で、5分ぐらい待ってさ。そうすると俺の前にもアイドル。後ろにもアイドル。で、俺の番になった時。後ろにアイドルがたくさんいる状態で「何にしますか?」って受付の人に聞かれたから「ロースカツ丼」って言って。「じゃあ、ここに食券を置いてください」って言われて。「うん?」「いやいや、食券をここに置いてください」と言われて。「あれ?」って思って。食券なんて、もらってないのよ。食券っていうシステムだって聞いてないし。俺、はぐれているし(笑)。
そしたら奥の方で三宅とかが「ああ、佐久間さん! こっちですよ!」ってなっているの。「現金じゃ買えませんか?」「いや、買えません。食券、置いてください」って。で、後ろにもアイドルが並んでいて。「そうか……」って思って。それで三宅が手を振っているから。もうとっさにね、ポケットに手を入れて。携帯が鳴ったふりをして。「あっ、すいません!」っつってそのまま出ていって。「ごめんごめん、三宅、携帯が鳴っちゃったから!」っつって(笑)。
で、後ろのアイドルにも「すいません、携帯が……」って言って。画面真っ黒の携帯を持ちながら電話してるふりをしながら。電話して出て。それをポケットに入れてしゃがんで。「どこにも居場所がねえな……」と思って。「アイドルばっかだしよ……俺、カツ丼も食えねえのか。こんなに頑張って番組のプロデューサーやって。TIFまで来てるのに、カツ丼も食えねえのか……」と思ってパッと見たらね、自販機があったの。あるじゃん? スタジオとかにある、菓子パンの自販機(笑)。
菓子パンが自動で出てくる自販機、あるじゃん? 「俺、これを食うのか? こんなに頑張ってるのに、カツ丼も食えなくて菓子パンを食うのか?」って思って。で、「スカイステージまであと30分ぐらいだから。もうこれ、行くしかない」と思って。で、自販機に行ったのよ。さすがTIFだね。ボリュームのあるパン、ほとんど売り切れてるの(笑)。「俺、パンも食えねえのかよ……」と思って。で、パッと見たら、奥の方に……わかる? カッチカチのどら焼き(笑)。菓子パンのところに売ってるカッチカチのどら焼きがあったの。「俺、どら焼き食うのか……」って思ったんだけども。でも、しょうがないって思ってどら焼きを押したら「ボトンッ!」って。固いどら焼きの落ち方(笑)。跳ね返るどら焼きの(笑)。
で、それを取って。それもなんか恥ずかしくなってね。ポケットに入れて。で、「三宅とかアイドル部にはバレたくない」と思って、そのまま受付をしゃがんでくぐり抜けて、カフェの一番奥の端っこでポケットからどら焼きを取り出して、もそもそ食べ始めたの(笑)。「俺、なんでどら焼きをこんな隠れながら食べてるのかな」と思ったら、それを食べてる途中ぐらいで隅っこの席にアイドルの集団が来たのね。カツ丼とかローストビーフ丼とかを持って座って。「お前らもカツ丼食ってるのかよ。俺、どら焼きだぞ!」とか思って。
1人、カチカチのどら焼きを食べる
で、食べていたら「あれ、あの子、どこ?」って。もう1人、メンバーがいないみたいな感じで。「あれ、A子のカツ丼、あるじゃん」「いや、なんかあの子、これだけじゃ足りないって言って今、ホットドッグ買っている」って。「ホットドッグ? ホットドッグ!? えっ、買ってる?」って思って立ち上がってパッと見たら、カフェテリアの受付は特別にできていて。で、その向かいにちっちゃい売店があって。そこでホットドッグを売っているのよね。「うわっ!」って思ったら、そのちょっとぽっちゃりしたアイドル、カツ丼とホットドッグ両方を食べるアイドルが戻ってきて。で、ホットドッグを食べ始めたの。「美味い! このホットドッグ、美味い!」って。
「ありがとう、ぽっちゃりアイドル!」って思って。で、売店まで走っていって。並んで。2、3人……もう待ちきれないから財布を出して。ホットドッグの値段も確認して。400円。それでそのまま受付に行って「ホットドッグください」って言ったら「売り切れちゃったんですよー」って言われて。「あいつと食ったんだよ! カツ丼と一緒にたのんだやつが。カツ丼だけにしとけよ!」っていう(笑)。まあ、そいつのおかげでそれを知ったんだけども。で、そのぽっちゃりアイドルのせいでホットドッグが食えなかったわけ。
で、俺はどら焼きだけ食べたの。で、「クソッ!」って思って。「カレーはありますよ?」「えっ、カレー?」って思って。でもその時、スマホを見たらもうその時点で……もう三宅とかもいないのよ。スマホを見たら、あと10分ぐらいでスカイステージの時間なのよ。「カレーを食っていたら間に合わない……でも、カレー食いたい!」って思ったんだけど。「いや、これでカレー食ってスカイステージに間に合わなかったら意味がわかんないから。行くしかない。もう、行ってやるよ!」って思って。「俺はどら焼きだけで我慢してやるよ!」って思って。「屋上にたどり着いてやるよ!」って思って。
で、未練を断ち切ってでカフェを出て。で、スカイステージ。さっきTIFのマップみたいなのを見たら「R2」って書いてあったの。R2って屋上なわけ。「だからR2にたどり着けばスカイステージだろう。今度は一発で行ってやりますよ」って思って。で、エレベーターに乗ったら、R2がないのよ。7階はあるんだけど、どこにもR2ってないの。「えっ、どういうこと?」って。1回、7階に上がったの。上がったら、ただの通路なのね。で、通路の先も突き当りみたいになってて。で、いろんな、美術室とかがあって。「絶対ここじゃないな」と思って1階までまた下りて。で、湾岸スタジオの逆側のエレベーターに乗って行ったら、6階までしかないの。今度は。
「6? えっ、7階がなくなってる!」っていう。だから、広すぎてたどり着けない。で、6階まで上がったら、「6階から7階に上がれるところがあるのかな?」って思ったら、ただの突き当りなわけ(笑)。で、もう映画の『キューブ』よ(笑)。「えっ、どうすればいいの? あと10分、切ってるんだけど?」って思って。じゃあ、今度は6階から湾岸スタジオの逆側のエレベーターに乗ろうと思って歩いてる途中ぐらいから、向かいから……俺がめちゃくちゃ焦りながら歩いてる時に、向かいから信じられないぐらいのイケメンが近づいてきたの。
「あれ? これ、Hey! Say! JUMPの中島裕翔くんだな? ここでたぶん『SUITS/スーツ』を撮っているんだな」って思ったの。で、気持ちは高まったんだけど。俺、中島裕翔くんって仕事をしたことがあるのね。だから、めちゃくちゃ礼儀正しい人だから。急に会ったらあっちもびっくりする上に、たぶん話しかけられちゃう。そうすると、スカイステージには間に合わない。だから本当はプロデューサーとして失格なんだけど。俺、マスクを思いっきり上まで上げて、全面マスクで覆う状態にして下を向いて通り過ぎたわけ(笑)。中島くんにあいさつせずに(笑)。で、「ああ、ここに織田裕二がいるのかな?」とか思いながら。フハハハハハハハハッ!
で、突き当たりのエレベーターまで行って。残り5分ぐらいで。で、エレベーターで6階から7階に上がったの。そっちは7階まであるから。で、7階まで上がって突き当りを見たんだけど。「でも、やっぱりR2っていうか、屋上の感じがねえな。もう5分しかないよ。どうしたらいいんだよ……」と思って。「もうダメだ! 三宅に聞こう!」って思って「悔しいけど三宅に電話しよう!」と思ってパッと見たら、携帯の充電が切れてるよ。今日、長く電話してたから。
で、もうスマホを握りしめながら、「もう最悪オブ最悪だな。7階のエレベーターから下に降りるしかねえかな?」と思ってボタンを押したら、7階のエレベーターが開いたの。で、開いたら、そこに1人、おじさんが降りてきたんだけど。そのおじさんがビブスを着てて。「カメラマン」って書いてあって。それでカメラを持ってたの。それで「あれ?」って思って。俺の横をさっそうと通り過ぎて走っていったの。「ヤベえ、ヤベえ」って。「絶対この人じゃん! 絶対この人が撮る人じゃん! だからこの人について行ったら何とかなる!」と思って、その人について行ったのね。
ついていって、突き当りまで行って。俺が突き当たりだと思っていた場所から左にキュッと曲がったの。で、曲がったら、小上がりになって光が見えてきたのよ。「うわっ、突き当たりに光の上がったところに屋上があるんじゃん!」と思って。「ありがとう、おじさん!」と思って上に上がってパッて見たら……たくさんの巨乳グラドルがいたのよ。フハハハハハハハハッ! 巨乳のグラドルの場所にまたたどり着いちゃったっていう(笑)。
(CM明け)
結局、たどり着けたのか?
(佐久間宣行)メールが来ています。「結局、佐久間さんはスカイステージには間に合ったんですか?」。ああ、そうそう。あのね、その巨乳グラドルの森の中で、そのカメラマンは結局ロフトステージに入っていったの。で、勇気を出して巨乳グラドルの集団のところに行って聞いたのよ。「スカイステージにはどうやって行ったらいいんですか?」って聞いたの。
そしたら、「その奥にあるさらに展望台行きのエレベーターに乗れば行けますよ」って言われて、上にあがって。そしたら、青春高校のリハをやっていて。三宅も「佐久間さん、遅かったっすね。もうすぐ始まりますよ。どうしてたんですか?」って言われたから、三宅にすげえかっこつけて「湾岸スタジオって、広いな」っつったの。フハハハハハハハハッ! 間に合ったんですよ、結局(笑)。
16時10分からスカイステージです#青春高校3年C組 #スカイステージ #TIFオンライン2020 pic.twitter.com/efN8QnhH3o
— 三宅優樹 (@agumi21) October 4, 2020
<書き起こしおわり>