宮藤官九郎 梨うまい『悔しみノート』を語る

宮藤官九郎 梨うまい『悔しみノート』を語る ACTION

宮藤官九郎さんが2020年8月31日放送のTBSラジオ『ACTION』の中で『ジェーン・スー 生活は踊る』から誕生した梨うまいさんの書籍『悔しみノート』について話していました。

(宮藤官九郎)ジェーンスーさんが帰りがけ待っていてくれて。『悔しみノート』っていう、梨うまいさんという方が書いた本なんですけど。

これ、どういう本か?っていうと、僕はたまたまその放送を聞いてたんですけど。ジェーン・スーさんの「相談は踊る」のコーナーに「私は芸術系の大学を出たんだけど今、何もしていなくて。たとえば映画とかドラマとか本とか読んだ時に『悔しい』という気持ちが先に立ってしまうので、新しいものを見るのが嫌だ」みたいな悩みだったんですよ。

(幸坂理加)私も聞きました。

ジェーン・スー「相談は踊る」へのお悩み

(宮藤官九郎)そうそう。その時にスーさんが「じゃあ、その悔しさをノートに書いて、悔しみノートっていうのを作りなさい」って言ったら、その人がそのノートを作って。その上、それが本になって。その本をスーさんがくださったんですよ。でね、読んでいたらこの人ね、僕の演出した『ロミオとジュリエット』もちゃんと見てくれていて。で、この『悔しみノート』にそのことも書いていて。「くだらねえ、くだらねえと思って笑ってたのに、ちゃんと『ロミジュリ』してたわ。つくづくクドカンってやつは……」って。だいぶ斜めな、斜に構えて書いていらっしゃって(笑)。

(幸坂理加)フフフ、おおっ!

(宮藤官九郎)でも、その割にね、この本の中でかなりの割合で星野源さんのことを語っているんですよ。俺が悔しいわ(笑)。

(幸坂理加)アハハハハハハハハッ!

(宮藤官九郎)俺が悔しい……この悔しみを俺がまたノートに書こうかな?っていう。でもね、俺はちょっとわかるんですよ。僕も日芸を出て、しばらくの間、何をしていいかわかんなくて。まあ「出て」っていうか、出てないんだけど。中退なんだけど。学校に行きながら、でも芸術って誰もその「なり方」を教えてくれないじゃないですか。芸術家になる、そのなり方は。なった後のことは教えてくれるけど。

(幸坂理加)方法はわからないですね。

(宮藤官九郎)そう。だからなんか悶々としている時って何を見ても、嫌なところとか悪いところばっかり目について。「あれ、あそこがつまんないですよ。あれ、あんまりよくないですよね」とか「あれ、どうかと思いますよね」とか。そういうことをよく飲み屋で言ってたんですよ。そしたら、その時にバイトしてたところの先輩が「お前、そんな人のやったもののことばかりけなしてないで、お前はどうなんだ?」みたいなことを言われて。「お前、何か書いてみろよ、じゃあ」って言われて。「ああ、そうですか」って。まあ、なんかちょっと悔しくて書いたんです。台本を。それを僕、松尾さんに持っていって、それで大人計画に入ったんですよ。

(幸坂理加)ええーっ! そうなんですか?

「悔しさ」が原動力になる

(宮藤官九郎)そういう経緯があるから、「悔しい」という気持ちはね、たしかに大事。

(幸坂理加)原動力ですね。

(宮藤官九郎)うんうん。まあ、あと2つ話題があるのでちょっと先に行きますけども……(笑)。

<書き起こしおわり>

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