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宮藤官九郎『なぜ君は総理大臣になれないのか』を語る

宮藤官九郎『なぜ君は総理大臣になれないのか』を語る ACTION
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宮藤官九郎さんが2020年7月6日放送のTBSラジオ『ACTION』の中で映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』について話していました。

(宮藤官九郎)でね、そんなわけで今日は都知事選の次の日っていうこともあってというわけじゃないんですけど。ちょっと気になっていた映画を見に行きまして。その映画の話をしようかなと思います。『なぜ君は総理大臣になれないのか』っていう映画がありましてですね。これは大島新さんという方が監督なんですけど。なんで俺、これを見ようかと思ったらかっていうと、この方はこの間、紹介した『ぼけますから、よろしくお願いします。』のプロデューサーなんですよ。

で、なおかつ大島渚さんの息子さんなんですよ。大島渚っていう人は『御法度』『愛のコリーダ』などなどたくさん映画を撮ってまして。僕、『青春残酷物語』っていう映画がすごい好きで。その映画のキャッチコピーが「殴られても好き」っていうコピーだったんですよ(笑)。で、僕が初めて書いた芝居のタイトルが『殴られても好き』っていう芝居なんですよ。それはもう、影響を受けてないですけど。

だからあの大島渚さんが野坂昭如さんに殴られた時も「殴られても好きなんだろうな」って(笑)。あのマイクで殴られた時もそう思って見ていました。それは余談です。すいません! ええと、本題に入ります。この映画はですね、小川淳也さんっていう僕と同い年、49歳の民主党の衆議院議員の方が主人公なんですよね。この人ね、2003年に総務省……だから、エリートなんですけども。

香川県出身で東大を出て、総務省に入ったんだけど、総務省で働いている時にこの日本の政治のシステムにすごい違和感を感じて。「これは政治家にならなきゃダメだ!」と思って民主党から立候補したんですね。だけど、香川一区で1回目は落ちるんですけど、2回目2005年に落選するんだけど比例区で復活当選するんですよ。でも比例区で当選しても、要するに選挙区で当選しないと発言権が弱いんですって。俺、そんな話知らなかったですけど。

で、2009年に今度、民主党が政権を取った時に初めて選挙区で勝つんですよ。それでその後、2012年に自民党政権になって。それでこの人はですね、前原誠司さんの側近なんですね。それで本人いわく「僕は前原さんほど保守じゃないけど、枝野さんほどリベラルでもない」っていう微妙なところにいて。「どっちなんだろう?」って自分でも悩んでるんですよ。

前原誠司の側近

それで2017年でしたっけ? 民進党が枝野さんと前原さんの2つに分かれて。で、前原さんの方が希望の党……要するに、小池百合子さんですね。小池百合子さんの方とくっついてやるのかな?って思ったら、小池さんの方から「私たちの政策にしたがってくれるんだったら公認にしますよ」って言われて。それがですね、まあ「小池百合子 踏み絵」で検索すると出てきますけども(笑)。僕、あんまり詳しくないので下手なことは言えないですから。

でも、その時に「憲法改正に賛成する」」とか「外国人の参政権を認めない」とかっていう、今まで自分が、小川さん自身が信じてきたこととはちょっとずれる政策に……だけども公認してもらうためには、そこに署名をしなきゃいけない。それで「俺はどうしよう? どうしよう? 無所属で出るか? それとも、希望の党の公認で出るのか?」ってすごい悩んだ末に、やっぱり希望の党の方で出るんですね。

で、選挙戦で地元に帰るんですけど、もうすごい地元で叩かれるんですよ。「お前は嘘つきだ。全然違うじゃないか!」って。「私は立憲民主党に入れるからね!」とかって言われるんですよ。だけど、この映画がすごいのは、2003年から追っているから最初は娘さんがまだ小学校上がる前ぐらいだったのが、その2017年の選挙の時にはもうハタチぐらいになっているんですよ。で、本人が「本人です」っていう旗を立てて選挙運動をしてるんですよね。最初からずっと。その「本人です」って書いてあるのぼりなんですよ。背中につけて。で、ずっと選挙戦をしてるんですけど。

その娘さんが途中から「娘です」っていうタスキをかけて街に出るんですよ。これ、娘の気持ちとして……うちの娘に「それ、やる?」っつったらやらないですよ。絶対に。恥ずかしいじゃないですか。で、娘の前で「嘘つき、嘘つき!」とかって言われるんですよ。で、そのたびに「やっぱり俺は無所属で出るべきだったんじゃないか?」ってずっと悩んでいて。それで結局、やっぱり負けるんですよね。で、また比例区で復活するんですけど、結局やっぱり発言権がないっていうことで。

それで今は「無所属フォーラム」っていう無所属の人たちが集まっているところに……もう無所属フォーラムって何なんだ?って思うんですけど。無所属の人たちが集まった党派みたいなところにいて。それで去年の7月の桜を見る会の不正疑惑の時に予算委員会でものすごい質疑があって。それが「えっ、こんな議員がいたのか?」って言われるぐらい、割とすごいいい名演説だったですけど。それが映画の中でも結構クライマックスに来るんですけど。

もう見てるうちに、「この人はなんだろう?」って。タイトルが『なぜ君は総理大臣になれないのか』なんですけど、「この人、何なんだろうな?」と思ってずっと見ていて。とにかく、なんていうかクリーンなんですよね。で、すごく理想に燃える政治家なんですよ。でもだから、我々が普通にイメージする政治家って本来、こういう人なんだけど、実際には存在しないじゃないですか。

そんな理想に燃える人って。そのうち、見てるうちに親が「あの子は政治家に向いてない」とかな「早く諦めて家に帰ってきてくれ」とかって言うんですよ。親も反対してる。だけど、選挙になると親も一緒になって応援して、電話して。有権者に電話していろいろと……それで親もまた「あんたのところには入れない」とか言われるんですよ。

「何でこの人、総理大臣になれないのかな?」

それで、結局ずっと総理大臣になりたいのに何でなれないだろうな?っていう。それで見ているうちに「何でこの人、総理大臣になれないのかな?」って思うんだけども。逆に「何で安倍さんは総理大臣になれたのかな?」とか「何で小池百合子さんは?」とか。それで小池百合子さん、この映画の中でちょっとヒールとして出てくるんですよね。要するに、希望の党から公認を受けるためにはマニフェストを変えなきゃいけないとかっていう。それでヒールの方で出てくるんですよね。

それで「ああ、なるほどな。何であの人たちは総理大臣になったり、都知事になったりするんだ」とかっていうことを考えながら、最終的に「この人は何で総理大臣になれないのか?」って思ったら、いいやつすぎるんですよね。俺の感想ですけども。これは。いいやつすぎて……しかも、同い年だからっていうのもあるけど。普通、10何年政治家に密着したら、嫌な面と見えてくるじゃないですか。でも、この人は全くないんですよ。すごいなと思って。1回ぐらい総理大臣にしてあげればいいのになってちょっと思いながら見ましたね。

(幸坂理加)クリーンなんですね。

(宮藤官九郎)そう。それで、だけどただ理想に燃えて「わーっ!」って言うわけじゃなくて。何て言えばいいんだろうな? 自分でわかってるんですよね。「ああ、あの時にああすればよかったな」とかって。すごい人間っぽいっていうか。そこがね、なかなかね。だって最初、正直「この人、つまんない人なんじゃないかな? 真面目すぎて」って思って見てたんだけど、だんだんね、感情移入していくんですよね。うん。で、映画を見終わって外に出たら「小池百合子さん、圧勝」というニュースがちょうど出てて。「ああ、なるほどな」って昨日、思いましたよ。

(幸坂理加)考えさせられますね。

(宮藤官九郎)考えさせられたという話です(笑)。あの、ドキュメンタリーのあらすじをしゃべるのって難しいですね。間違ったことを言っちゃいけないから。

(幸坂理加)まあ、特に選挙ですしね。

(宮藤官九郎)そうそう。で、ほら。今日は選挙の話じゃないですか。だからちょっとそれもあって見たんですけどね。ぜひ、まだポレポレ東中野でやってますから。ぜひ見てください。

<書き起こしおわり>

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