田中康夫 モーリシャス沖座礁事故・重油流出問題を語る

田中康夫 モーリシャス沖座礁事故・重油流出問題を語る ナイツのちゃきちゃき大放送

田中康夫さんが2020年8月22日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』に出演。商船三井の運航する大型貨物船がインド洋のモーリシャス沖で座礁し、大量の重油が流出した事故について話していました。

(田中康夫)じゃあ、今日はちょっと順番に。冒頭のこの商船三井の座礁事故ですけどね。やっぱり、そのモーリシャス。マングローブとかがもう20年どころか40年くらい、元に戻るまでにかかるっていうわけでしょう? これをね、日本のメディアはあまり伝えないっていうか。向こうの映像を……今、CNNとかBBCとかを見ると、地元の人たちが「政府は頼りにならず、私たちがやるしかない」っていうことで、数千人の人が流出した重油をくみ出しているわけじゃない?

その政府っていうのはモーリシャス政府のことなんだろうけど、「これって日本政府なの?」って空耳になっちゃうくらいの状況だし。やっぱり日本の環境省、外務省、経済産業省……タンカーだしね。で、国土交通省や防衛省、総務省。こういうことこそ、本当に内閣府が中心になって省庁を縦断的にやらなきゃいけないし。日本から行ってるのも、その人数の多寡じゃないっていうけれども、6人しか行ってなくて。収録している今日、19日になって「7人、行きます」っていう。それはやっぱり……。

(塙宣之)第一弾で行くみたいなね。

日本政府とフランス、インド、中国の対応の差

(田中康夫)あそこらへんもフランスとかの植民地だったから。レユニオンなんて島もあるけど。で、フランスの大臣は実際にあそこに行って、全力を尽くす。で、インド洋だからっていうことで、インド政府まで手伝うし。これがまた、ネットの方々もお怒りかもしれないけれども、中国もアフリカに進出してるから。数百人規模で、大使館員も含めてボランティアをしてるわけでしょう?

で、ご記憶にあるかもしれないけど昔、ナホトカ号っていうのが日本海の福井県の三国町のあたり座礁したことがあるわけですよ。ロシアのタンカーが。1997年1月に。でも、あの時に……今では「宇予くん」なんていうキャラクターになっちゃったJCの人とか。あるいは神戸元気村っていう神戸の震災の人たちとかが行って。そしてたしか僕の記憶では、日本の航空会社2社も「そこにバケツでくみ出しに行きます」っていうボランティアの人にはチケットの割引までしたんですよ。

(土屋伸之)なるほど。

(田中康夫)で、そういう国だったこの国がね、何で今、こうなのかな?っていう。で、この商船三井の代表取締役の副社長の人も8月9日に「船主とともに安全を担保することは私たちの務めで船主を精いっぱい支援していく」っていう……まあ、この船主っていうのは長鋪汽船っていう岡山県笠岡市の会社なんだけど。でもその後、商船三井って全然沈黙をしている気がするんだよね。そうするとこれ……。

(塙宣之)「どこが責任を取るのか?」みたいなね。

(田中康夫)商船三井は半腰になっているのか、むしろこれも政府から「いらんことを言うな」って言われてるのかな?っていう風にも……だって世界的な問題になってるのに。これこそ、オリンピックができる、できないじゃなくて「日本」という国のイメージに関わるんじゃないかな?って僕は思うんですよ。

(土屋伸之)また大変な作業だって言いますから。

「日本」という国のイメージに関わる

(田中康夫)だって重油が1000トン、流れたんですよ。それでインド政府が……「少ない」って言うかもしれないけど、100トンくらいの分離をする機械とかを無償で提供しましたと。それに対して日本で今、美談のようにNHKが伝えているのは大田区にある繊維メーカーのエム・テックスっていう立派なメーカーが1000トンのうちの1.2トンくらい分の油の吸着材を提供したという……でも、これこそ政府とか自衛隊とか消防庁とか海上保安庁とか……これは国内の政治の混乱だけじゃなくて、すごく残念じゃないですか?

(塙宣之)そのコロナでロックダウンとかをしてるからとか、関係ないんですか? モーリリシャスって。

(田中康夫)じゃあなんでインドとかフランスとかの人は……だって、みんな行ってるわけでしょう? じゃあ、それは「コロナ、何するものぞという、しょうもない国だ」って笑えないと思うんだよね。で、政府の側が言ってるのは、「今回の6人はあくまでも先遣隊で、コロナだから国際便が飛んでいないので、今は行くだけでも大変ですから」っていうことを光文社のフラッシュのような写真週刊誌に政府のコメントが載ってるっていう。これ、ちょっとね、なんだかな……っていうね。

(塙宣之)大変な問題ですからね。

(土屋伸之)迅速に、かつ長期戦でねやっていかなきゃいけないっていうね。

<書き起こしおわり>

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