ナイツ塙と能町みね子 M-1グランプリ2019を振り返る

ナイツ塙と能町みね子 M-1グランプリ2019を振り返る ナイツのちゃきちゃき大放送

ナイツの塙さんがTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中でM-1グランプリ2019を振り返り。さらにその後、ゲストの能町みね子さんともM-1トークを繰り広げていました。

(塙宣之)キャスティングはよかったりもするんですけども、いまいちそれが数字に結びつかなかったっていうのはあるんでしょうけども。まあ、ドラマはなんだろうな……?

(出水麻衣)真面目な分析(笑)。

(土屋伸之)いいよ、別に。だいたい今、みんなM-1の話を聞きたいんじゃない? M-1の分析の方を聞きたいんだけどさ。

(塙宣之)ドラマ……『科捜研の女』は安定してますし。

(土屋伸之)いや、いいよ。全ドラマをまんべんなくコメントをつけなくても。審査員じゃないから。

(塙宣之)そうですね。まあ、93点ぐらいはつけてもいいかなと思いますけども。

(土屋伸之)ドラマに対して塙さん、別に「ただ見ている」っていうだけだから。ねえ。

(塙宣之)まあM-1グランプリはすごかったですね、今年は。

(出水麻衣)「レベルが高かった」と皆さん口をそろえて仰ってましたよね。

(塙宣之)盛り上がりましたよね。出水さんも全部、見たんですか?

(出水麻衣)見ました。ちょっとお酒飲みながらだったので後半、ちょっと何でもおかしくなっちゃって(笑)。でもやっぱりミルクボーイさんが……。

(土屋伸之)何でもおかしくなっちゃったんだ(笑)。

(塙宣之)前半が不利じゃないですか(笑)。

(出水麻衣)決勝の3組は面白かったですね。やっぱり後半ね(笑)。

(土屋伸之)酒を飲んだところでのぺこぱはたまんないでしょう?(笑)。酒が回った時のぺこぱはたまらないでしょうね。

(出水麻衣)ケロッグでも笑いましたね。

(塙宣之)コーンフレークね。面白かった。でも僕は最中の方が好きでしたけどね。

(出水麻衣)ああ、そうでしたか。最中も面白かったですね(笑)。

(土屋伸之)2本目の最中も面白かったですね。

(塙宣之)コーンフレークであのパターンを見て。まあたぶん時間にしたら1時間以内にはもう1本見てるわけじゃないですか。それでもまだ笑えるっていうのはすごいことですけどね。やっぱりもう同じパターンで来ると分かってても面白いっていうね。だから「コーンフレークが最強」っていう人もいるんですけど、最中が1発目だったら「最中が最強」って言われそうな感じもするしね。やっぱりどっちも面白かったなっていうね。

(土屋伸之)まあ本人たちの中でどっちが自信があったのかね。ひょっとしたら最中の方が自信があって、それを取っておいたってなったら、あの無名のミルクボーイはそれだけやっぱり自信を持って臨んでたんだっていう風になるしね。うん。まあ、よかったですよ。あれがやっぱりM-1だね。驚かせたまま、もうぶっちぎって優勝っていうのがね。ああいうのを思い描いて、みんな芸人は漫才を一生懸命やってるからね。

(塙宣之)まあ、なんなら本当のことを言うと、M-1以外に出ない方がいいかもしれないな。ネタ番組は。優勝したいんだったら。全部だから断って、他の番組に出ないっていうひとつの手はあるよね。

(土屋伸之)まあ「驚かせる」っていうのを重視するんだったらね。

M-1に勝ちたいなら、他のネタ番組に出ない方がいいかもしれない

(塙宣之)みんなネタバレとかさ、『そこそこチャップリン』とかに出ちゃうじゃない。だから出ない方がいいかもしれないね。絶対ネットとかにも上がっちゃうし。変にやっぱり……『そこそこチャップリン』とかさ、ああいうのを見てるとお客さんが投票するやつじゃん。そうするとさ、結局お客さんで分かってないからさ。そのネタがどういうネタなのかとかさ。要するに、失敗をしていない人に入れるわけでしょう? だから結局フィギュアスケートの採点とかと同じで、どのぐらいジャンプを高くしているかとかっていうのは素人ってわかんないじゃん。

だからプログラムをよく分かってないけど、ただノーミスだったなっていうことで点数を入れてるような感じだから。全然インディアンスとミルクボーイのジャンプの差とかが違うっていうのがあんまりわかんないんだろうなと思ったけどね。ジャンプの差が。だからインディアンスはやっぱりお客さんの受けはすごい良かったんだろけど、実際にそこでちょっとあれだったのかな? 今まで甘くつけられちゃったのかもしれないな。

(土屋伸之)まあでも1年間ネタ番組に出ないって、それはそれでやっぱり実力ある漫才師は難しいよね。それはいっぱいにあるだろうから。その中でかまいたちとか和牛があれだけいいネタを持ってきたっていうのはすごいと思うけどね。本当に感謝ですよ。M-1を盛り上げてくれた功労者じゃないですか。ここまでがんばってね。

(塙宣之)かまいたちもすごかったな。

(土屋伸之)いやー、素晴らしかったですよね。今年のM-1は。

(出水麻衣)そうですね。さっきの番組冒頭の漫才ですぐミルクボーイをちょっとやれるのにも私、感動したんですけど。さすがですねっていうのもなんかすごく失礼かなっていう。上から……。

(土屋伸之)やれていないですけどね(笑)。

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(塙宣之)だからミルクボーイのネタはやっぱりみんなが真似しやすくなるし。やっぱり覚えてるわけですよ。で、やっぱり家系図とかの時も立体的に見えるし、家系図が見えるわけじゃないですか。その家系図が見えた上で、さらに「最中とアイスの息子がモナ王です」っていう。あいつがまたもう1個、付け加えるわけで。あと、そのなんかの時のフルーチェ+トランシーバーとか。ああいうなんかもう子供の頃にくすぶるようなことをいっぱい入れるから、すごい面白いわけですよね。

女の子ももちろん面白いんだけど、男も絶対面白いワードも入ってるし。だから本当に構成がやっぱりすごいんですよ。ミルクボーイって。初めにお客さんのつかみがあって、こういうのをやって。構成力って結構俺は大事だと思っていて。だってボケの羅列だけでいいんだったら、誰でもよくなっちゃうから。大喜利が強い人だったら誰でも漫才がいいってなっちゃうわけでしょう? だから構成力も1個、俺は審査に入れてるから。だからオズワルドとかも面白いんだけど。見取り図とか、もう1個構成力があった方が良かったのかなと思って。ボケの羅列とボケのセンスだけだったから、最終的には何をやってるのか、あんまよくわかんなくて。

構成力が重要

で、後日誰かと話した時に「面白かったけどあれ、どういうネタだったっけ?」ってなっちゃうんだよね。だからオズワルドも「先輩が後輩にかわいがられる」っていうのが、いまいちそれをこの人たちがやる意味とかがもうちょっとほしいわけ。やるとしたらね。「芸歴5年目だからそういうことを言ってるのかな?」とか。で、その後になんか寿司を握るとかっていうボケ自体は1個1個が面白いんだけど、後でなんかちょっと画に浮かばないんだよね。そうそう。それが、映像に出てこないっていうところがちょっとあったかもしれないなと思ったけど。

(出水麻衣)ほー!

(土屋伸之)やっぱりM-1の解説の方が詳しくて、わかりやすいですね。ドラマの解説より。

(出水麻衣)聞き応えあります!

(塙宣之)まあ、そうですねあとはやっぱり『後妻業の女』とかも……。

(土屋伸之)またドラマだ。それで、ドラマをそんなに深く語れてないんだよな(笑)。

(塙宣之)やっぱり演技が上手かったですよね。

(土屋伸之)いやいや、雑!(笑)。

(出水麻衣)薄い感想!(笑)。

(塙宣之)みんな演技が上手かったな。

(土屋伸之)木村佳乃さんの演技が。

(塙宣之)と、思いますけどね。はい。

(出水麻衣)でもM-1の審査員、お疲れ様でした。すごいいい顔で塙さんが笑われているのが何回も抜かれていて。そのたびに私、幸せな気持ちになりました。

(塙宣之)だってさ、いろいろと言う人はいるんだけどさ、みんなM-1が好きじゃん。だからやっぱり、やるべきだと思いますよ。審査をね。これは本当に。

(土屋伸之)それは誰かいるの? 断ってる人がいるっていうこと? 審査員を?

(塙宣之)だから巨人師匠も来年もやってほしいんだよね。やってほしいなと思いますけどね。まあ、あんまり朝9時13分からM-1の話をがっつりするのもあんまり……深夜とかにやりたいな。

(土屋伸之)まあ、1週間経ったからね。いろいろやったからな、あれな。

(塙宣之)深夜とかにNON STYLE石田くんとかとやりたいよ(笑)。

(土屋伸之)そうだね。実際にもう次の日に笑い飯の単独ライブでM-1を散々語るみたいなコーナーをやったしね。そこにNON STYLEの石田くんもいてね。ずーっと1週間、その話でしたよ。まあでも本当にね、ミルクボーイ、おめでとうございます!

(出水麻衣)おめでとうございます!

(中略)

能町みね子とのM-1トーク

続いて能町みね子さんのトークコーナーでも再びM-1グランプリについて話していました。

(土屋伸之)じゃあ、相撲以外の話題では……?

(能町みね子)私、本当に素人で申し訳ないですけれども。M-1も語りたいなと思っていまして。ただの客ですけども。

(塙宣之)いやいや、語りましょうよ。

(土屋伸之)M-1は好きな人のものですからね。

(能町みね子)まず、今回すごい言われたのが……というか、ここ2年ぐらいめっちゃお笑い業界で言われてるのが「人を傷つけない笑い」ってすごい言われるじゃないですか。「誰も傷つけない笑いがいい」みたいな。「もう今は傷つける笑いの時代じゃない」みたいに言われるんですけど。なんか私、それ自体もちょっと違和感があって。「全く傷つけなければ、それはいい」っていうわけでもないなと思っていて。変な話、ミルクボーイもコーンフレーク業者を結構傷つけてる漫才じゃないですか(笑)。

(土屋伸之)まあ、そうですね。向こうは感謝してましたけどもね。

(能町みね子)まあ、そうですね。結果、広まってましたけども。

(土屋伸之)内容的には煩悩の塊いうかね。

(能町みね子)コーンフレークのディスじゃないですか。あれもある意味、傷つけてるわけだし。傷つけるというか、まあよく「いじる」とか言われますけども。そういう形のものがもう全てが悪いわけじゃないんだけど、なんか「傷つける笑いが悪い」っていうと、広く取られすぎちゃうんで。何が今に合ってないのかっていうと、やっぱり「日常生活で言っちゃいけないことは、それはたとえお笑い業界でもダメですよ」みたいなことだと思うんですよ。たとえば「女の人の容姿をけなす」とか。

(土屋伸之)笑えない冗談とかね。

常識的にダメなことは終わりでもダメ

(能町みね子)そうですね。「その場にいない人をけなす」とか。そういう、常識的にダメなことはお笑いでもやっぱりみんな、お客さんも「ダメだ」っていう風に思い始めてるから。だから何か「傷つけるから笑えない」っていう風に言うんじゃなくて、そういう人をちょっと傷つけるっぽい発言の時にお客さんが一瞬引くのを私、なんか感じるんですよ。M-1とかでも、まあ別に個人的にディスりたいわけじゃないから名前は言わないですけども。ちょっとなんかそういうネタにうっすらなった時に、なんか一瞬笑いが遅れるような感じを私、感じちゃうんですよ。

(土屋伸之)なるほどね。

(能町みね子)だからそれって「傷つける・傷つけない」以前の問題として、芸人さんとしてやっぱりここは気付いていないといけないんじゃないかと思って。

(塙宣之)そうね。

(土屋伸之)そこの感覚をね。

(能町みね子)そう。「これを言ったらお客さんは引くよ」っていうところにやっぱり気づいておかないといけないんじゃないかみたいに今回、思ったんですけど。

(土屋伸之)なるほど。

(能町みね子)あともう1個、ちょっと気になったのが、M-1が終わった後ってすごいいろんな人がいろんなことを言いたくなるじゃないですか。芸人さんはもちろん、ラジオとかでもすごい言いますし。それで私、ちょっとすごいなと思ったコラムが1個、ありまして。堀井憲一郎さんというコラムニストの方……文春で連載とかもされいた方なんですけど。いろんなことをめちゃめちゃ分析する記事を書く方なんですよ。で、その方がのM-1の審査員の公評みたいなことを書いていたんですよ。

で、これって何か素人の人が書くと、ちょっとえらそうになっちゃったりするものなんですけど、堀井さんってデータで見る人なので、データがすごくて。各審査員がどの点数を誰につけたかをすごい詳細に分析したんですよ。そしたら、「この審査員にはこういう傾向がある」みたいなものが見えてくるんですけど。その中で結構衝撃の結論っていうのが出ていて。それが松本さんの点数が最終的な順位と全部一緒だったっていう。

(塙宣之)ああー!

(土屋伸之)なるほどね。

(能町みね子)そんなこと……でも、なかなか起こらないじゃないですか。だから松本さんが1位、2位、3位……ってずっとつけていた点数が総合順位と全部一致したんですって。だからやっぱり、見る目が違うんだなっていう結論になっていたんですけども。それは結構私、記事は面白かったですね。

(土屋伸之)逆に言うと、松本さんだけだったっていうことなんですね。

(能町みね子)他の方はやっぱり好みとか、その合う・合わないもあるから。総合では下の方だけど、その人は3位ぐらいにしていたとか、そういうことがあるんですけども。

(土屋伸之)なるほどね。まあ、かまいたちもね、やっぱり最後の最後で1票だけ松本さんが入ってたことでM-1のラストイヤーで成仏できたっていう風に言っていましたしね。それは芸人たちにとってもやっぱり松本さんは特別な存在だから、やっぱりあそこにいてくれることはありがたいんでしょうね。M-1を見守ってくれているというのがね。

(能町みね子)かまいたちはその最初の点数の時に、ほとんどの審査員の人が3位に付けていたらしいんですよ。でもなんか全体が高かったから総合で2位になったんだけど。ぺこぱは何か人によってすごい割れたらしいんですよ。あんまり評価しない人と……。

(塙宣之)それは準決勝? 決勝で?

(能町みね子)最終じゃない、前ですね。塙さんとかもつけていた時に、好きな人とあんまり評価しない人で結構割れていて。

(塙宣之)ああ、そうだね。志らく師匠とかね、ちょっと低かったですもんね。

(能町みね子)低めだったり。割れたんですけど結果、高めにつけた人もいて、ブレがあったんで総合では3位まで行けたみたいなことが書いてあって。よくこれ、点数で分析までして。もうM-1はそれぐらいの娯楽になってるんだなって。

点数システムの面白さ

(塙宣之)さっき、ちょっと言ったんですけど「点数」っていうのが結構いいシステムだなと思うんですよね。要するに点数って1から100まで選べるわけですから。だからマルとバツだと難しいんですよ。勝者を決めるやつとかトータライザーみたいなので面白かった人ってなると、結局そのマイナスを探すことしかなくなっちゃうから。だからインディアンスとかはもう絶対に100点満点になっちゃうんですよ。

(能町みね子)ああ、マルかバツかだったら。

(塙宣之)そうそう。だからやっぱり具体に点数をつけるっていうところがM-1の面白いところかなと思うけどね。

(能町みね子)なるほどね。曖昧なところがいいんですね。

(塙宣之)そうそう。だから他のやつも点数にした方がたぶん一番、分かりやすいと思うんですけどね。

(能町みね子)ああ、他の大会とかも?

(塙宣之)そうですね。

(土屋伸之)二択になっちゃうと、それが集まると偏った結果に……。

(塙宣之)そう。M-1は「最後だけ点数じゃない」っていうのがまた面白いところなんですけどね。

(能町みね子)そうですね。

(出水麻衣)塙さんは去年も審査員されたじゃないですかね。で、去年の誰々につけたのが90何点だったから……っていうのは?

(塙宣之)それは関係ないですよ。

(出水麻衣)毎大会、そこはもうまっさらに?

(塙宣之)そうそう。

(土屋伸之)トップバッターの出来次第みたいなところですかね?

(塙宣之)だからM-1の史上最高点数がミルクボーイって言ってますけどね、まあ正確に言うとトレンディエンジェルですからね。審査員が10人の頃の。

(能町みね子)フフフ、たしかにそうですよね(笑)。基準としてはね。

(塙宣之)トレンディエンジェルがぶっちぎりですよ。

(土屋伸之)審査員の数が毎回一緒じゃないからね。

(塙宣之)900点ぐらいでトレンディエンジェルが今のところ1位なんですけどね。まあ、誰も抜けない記録なんですけども。

(能町みね子)それはですね。10人にならないと抜けない(笑)。

(土屋伸之)今、言っているのは平均値っていうことなんでしょうね(笑)。

<書き起こしおわり>

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