星野源とずん・飯尾『MIU404』第8話での共演を語る

星野源『MIU404』元刑事の方からの感想メールを紹介する 星野源のオールナイトニッポン

ずんの飯尾さんが2020年8月18日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。ドラマ『MIU404』第8話での共演を振り返っていました。

(飯尾和樹)いやー、嬉しいね。撮影の時にお世話になっちゃって。

(星野源)そうなんですよ。『MIU404』の感想もたくさん届いておりまして。

(飯尾和樹)いや、もう本当に……。

(星野源)まあ8話はね、まちょっといろいろ……小日向さんがゲストで。

(飯尾和樹)いや、すごい回だったね!

(星野源)見られました? すごかったですよね、小日向さん!

(飯尾和樹)本当に。あそこまですごくなるとはね……(笑)。

(星野源)いや、本当に素晴らしい回で。前半はね、『アンナチュラル』とのコラボというかなんというか……同じ世界線の話なので。

(飯尾和樹)捜査協力と言いますかね。

(星野源)そうですね。『アンナチュラル』のUDIラボが出てきまして。飯尾さんも出てきて。坂本さんという役で出てきて。あと、松重さんもね、神倉さんとして。松重さんもね、ありがたいですね。松重さんの方はサプライズゲストっていう感じでしたね。

(飯尾和樹)そうですね。だからちょうど帰りに会いましたね。入れ替わりで。「松重さん!」って。

(星野源)ああ、そうそう。ちょうど入れ替わりで。

(飯尾和樹)それで「原稿を書いてください。どんな撮影だったか」っていうのを頼まれまして。「帰りに松重豊さんと会った夏」って書いたんですよ。そしたら、それはカットされてましたね(笑)。

(星野源)そうそう。サプライズだからね、言えないんですよね、あれ(笑)。

(飯尾和樹)俺、それをわかんなくて書いちゃって。本当に(笑)。

(星野源)そういう盛りだくさんな8話だったんですけども。もう前半はとにかくやっぱり坂本さんが出てくれたってことで。感想が届いております。神奈川県の方。「第8話は『MIU404』×UDIという素敵なコラボが見れるということでわくわくしていました。UDIに司法解剖の件でやってきたという志摩に一瞬、興味を見せるもどうしてもピスタチオのメロンパンが諦めきれない飯尾さんが演じる坂本さん。窓を閉められ、どこか行ってしまったかと思いきや、また絶妙のタイミングでフレームインする坂本さん」。

(飯尾和樹)フフフ、あれ、気持ち悪かったね(笑)。

(星野源)最高でしたよ(笑)。「そして中堂さんらしい声に『クソ』と言われ、罰金を取ろうとする坂本さん。この一連の坂本さんが大好きすぎて、何度見ても初見かのように笑ってしまいます。めちゃくちゃ面白かったです」。

(飯尾和樹)ありがとうございます。本当に。

(星野源)「飯尾さんとのシーンで窓を閉める直前の絡みはアドリブだったのでしょうか?」という。そうですね。あそこはもうほぼ台本になかったですね。

(飯尾和樹)あの、本当に目の前にいる源くんが全部受け止めてくれるから……。

(星野源)フハハハハハハハハッ! あれは……あれほど楽しい時間はなかなかないですね。

(飯尾和樹)なかったですね。俺、バカだからな。ああいうの、リハとかカメラの位置のチェックとかで2回、3回と繰り返すじゃないですか。

(星野源)そうですね。結構撮りましたよね。あれ、4回ぐらい撮ったんじゃないですかね?

(飯尾和樹)それで「おまかせ」って言ってくれるんですよ。すると、前に言ったセリフが分からなくなっちゃって。ああいうの。で、その都度返したことを全部うまく受け止めて返してくれ。

(星野源)いえいえ、そんなことないです。ありがとうございます。

(飯尾和樹)いや、本当にありがとうございました。

(星野源)嬉しいですね。僕、ああいうシーンは……志摩っていう僕がやってる役は割とコミュニケーションがすごい上手な役なので。人によってちょっと、相手とうまくいくように言い方が変わる役なんですよ。上司に対しての言い方と、相棒の伊吹に対する言い方と、部下に対する言い方とか。あとは捜査をする上で全然知らない人と話す時は他人にちゃんと話す感じになったりとか。でも、その中で坂本さんはそのどこでもないところにスッと入ってくる感じがあって。すごい、初めての感覚だったんですね。志摩をやっていて。すごい楽しかったですよ。なんか、楽しさで言えば、『MIU404』の中で一番楽しかったかもしれないです。芝居をしてて。

(飯尾和樹)ええっ? ちょっと……これ、もう一度、聞かせてもらっていいですか?

(星野源)アハハハハハハハハッ! でもなんか、その楽しさで言うと……ほぼ全部アドリブだったじゃないですか。その、どこに行くかわからない感じがすごい楽しかったですね。

(飯尾和樹)ありがたい! あれ、8話をね、うちの奥さんが見てね。いや、本当に星野源くんとか綾野くんとか皆さん、小日向さんとか。ちょっとこれ、生意気な言い方ね。素人の一般女性がうちで見ていて言っていたのは「それは仕事、来るわ」って言ってましたね(笑)。

(星野源)アハハハハハハハハッ!

(飯尾和樹)その後、俺の顔を見て「何やってんだよ?」って言われましたよ。

(星野源)フハハハハハハハハッ! なんで?(笑)。最高だったのに。

(飯尾和樹)いや、たとえばあの流れからね、本当に小日向さんとの……あの人間のストーリーがあるっていうね。すごい……「なにをはしゃいでるんだ?」って思いましたよ(笑)。

(星野源)いやいや、そんなことないです。坂本さんのストーリーもばっちりあったじゃないですか。

(飯尾和樹)いや、あったんだけども。すごかった。やっぱりあの話をもらった時に、当然やっぱり見ていたからさ。

(星野源)ああ、そうなんですね。見てくださっていたんですね。

(飯尾和樹)いや、あのコメント欄にも書いたんだけどもあの小気味いいやりとりね。俺、あれが大好きで。緊迫した時のあれとちょっとふざけるじゃないけど。会話がもうね、ポップにやっているから。いや、「俺はそこに縦列駐車をできるのか? この軽トラが……こするんじゃないか? 星野車と綾野車に……」って思って。

(星野源)フハハハハハハハハッ! ちょっとだけ幅があるところに?

「俺はそこに縦列駐車をできるのか?」

(飯尾和樹)そう。で、最初は楽しい。もう本当にね、こんな51歳になっても根がガキだから。会えるっていうだけで楽しみで。ニヤニヤニヤニヤしていて。ただ楽しみだったんだけど。だんだんと考えてみたら、あのドラマを見ていくうちに「これに縦列駐車、上手くできるかな?」って思って。

(星野源)フフフ、いや、お見事でした。

(飯尾和樹)本当に? 帰りに車体を確認したら、結構こすっていたけど?(笑)。

(星野源)そうですか?(笑)。

(飯尾和樹)「ずん」っていう文字が消えていたもんな。

(星野源)そんなことないですよ(笑)。

(飯尾和樹)いや、本当にありがとう。本当に楽しかったんだよ。

(星野源)車の横に「ずん」って書いてあったんですね(笑)。

(飯尾和樹)「ずん畳店」って書いてあったんだけども。

(星野源)反対側の方の車体には「んず」って書いてあるんですよね?

(飯尾和樹)そうそう(笑)。

(星野源)逆から読むっていう昔のタイプだったんですね(笑)。

(飯尾和樹)そうなのよ。あれがもう本当に……いや、でもびっくりしたのがね、結構な雨だったんですよ。

(星野源)ああ、そうでしたね。撮影の日ね。

(飯尾和樹)そしたら、本番に入る時にカラッと晴れたんですね。2人の……すごいわ。

(星野源)あれはなんかちょっと不思議な感じでしたね。でも正直、あれは飯尾さんの明るさが現場をワッとしてくれたおかげだと思うんですよ。

(飯尾和樹)いやいや……。

(星野源)いや、本当に現場が明るくなったんですよ。マジで。

(飯尾和樹)本当ですか?(笑)。

(星野源)いや、マジです、マジです。すごい明るくなったんですよ。みんなもうニコニコしちゃって。

(飯尾和樹)本当? 自分なりにね、緊張して入ったんだけどね。いわゆる縦列駐車問題。「これ、どうするんだ? この小気味いい、本当にいいテンポで……」って。周りもみんな上手いし。いや、本当に。そしたら、2人が本当に優しく受け止めてくれて。全部。

(星野源)あと、あの中堂さんとね、電話で話すくだりみたいなのがあっても。その前にあの僕、あの「お口がメロンパンになっちゃったな」っていうセリフが大好きなんですけど(笑)。

(飯尾和樹)あれはもうね、野木さんのね、頭のおかしい脚本ですよ。

(星野源)フハハハハハハハハッ!

(飯尾和樹)野木さん、あなたは頭がおかしいですよ。『アンナチュラル』から感じてましたけども。あんなおっさんが「お口がメロンパンになっちゃった」なんて……本当に。

(星野源)フフフ、あれは最高でしたよ。で、その後のくだりっていうのがあって。中堂さんとの「『クソ』って言ったら罰金だからね!」っていう。でも、あの後も……まあ、中堂さんがいるであろうところに走っていくじゃないですか。そこで全然監督がカットをかけなかったんですよね?

(飯尾和樹)そうなの! あの監督もな……だから、そのまま続けちゃったんですよ。

(星野源)その続けたのが僕、もう好きで好き(笑)。あそこ、覚えてます? 飯尾さん、何を言ったかを。僕は、言いたくないんですよ。僕の口からは言いたくないんです。あの面白さを俺は再現できないから。

(飯尾和樹)なんだっけな? 「クソ」ってまた言われるんですよね。

(星野源)そうなんです。「『クソ』ってまた言った!」とかずっと繰り返しながら……。

カットされた中堂さんとのやり取り

(飯尾和樹)ああ、そうだ。「『クソ』ッてまた言った! えっ、なに? 今のは『クソ』って言ってしまった自分に対して? そんなの、声に出したらダメなんですよ!」って言ったら……まだそこでも止めないんですよ。だから「あっ、また『クソ』って言った!」って言ったら「いや、今のは『栗』って言ったんだ」「『栗』? この流れで秋の味覚、出てこないでしょう!」って。

(星野源)アハハハハハハハハッ!

(飯尾和樹)それをずっとやっていたんですよ。ずっと!

(星野源)俺、もうそのくだりが好きで好きで(笑)。「この流れで秋の味覚、出てこないでしょう!」って(笑)。

(飯尾和樹)そしたら「カット!」ってなって。

(星野源)フハハハハハハハハッ! だからもう、終わる頃にはほとんどカメラに映ってないんですよ。もう遠くまで走って行っちゃっているから。もう米粒みたいな大きさの飯尾さんから「栗?」みたいな。でも、その中堂さんの声はもちろんないわけで。飯尾さん、中堂さんの声を頭の中で自分で作って再生して言ってるわけじゃないですか。だから、もう米粒みたいな飯尾さんから「なに? 『栗』?」って聞こえてきて(笑)。

(飯尾和樹)「今のは『栗』って言ったんだ」って中堂さんが粘る。ごまかすっていうのをね、1人でやっちゃって。

(星野源)あれをぜひ生かしてほしかったんですが。さすがに長すぎたんだろうな(笑)。

(飯尾和樹)長すぎた(笑)。もっと早く走ればよかったって思って。全然カットをかけないんですよ。本当に面白い人だなと思って。

(星野源)中堂さんが「クソ」って言ってないという言い訳で「今のは『栗』って言ったんだ」っていう風に言うところもちょっと萌えポイントではありますけど。

(飯尾和樹)ありがとうございます。幻のね。

(星野源)幻のやり取り(笑)。いや、本当に素晴らしかったです。

(飯尾和樹)楽しかった。2人がね、本当に……ただ、ずっとあの2人だけのシーンもモニターで見てて。2人の車の中での。「資料、見ちゃおうかな?」って。

(星野源)ああ、志摩と伊吹の。ありがとうございます。

(飯尾和樹)それで「バレないように戻しとけよ」って言ってて。「賛成かよ?」って思って(笑)。

(星野源)ちゃんとあそこは……前はそれに対して「やめろ」って言う人だったんだけど。そうなんだけど、刈谷さんっていう人が元々先輩で。その人が面倒くさくて。それに対しての気持ちとかいろいろあって。それでも「まあ、いいか。戻しとけよ」って言う芝居をしてたんだけど。あの話って全体がもう盛りだくさんすぎて、めちゃめちゃカットされてるんですよ、あれ。

(飯尾和樹)そうか!

(星野源)そうなんです。だから僕も……まあ全体もそうですけど、いっぱいカットされてましたね。だからこう、割とすんなり「戻せよ」って言ってる感じになっちゃったんですよ(笑)。

(飯尾和樹)でもあのシーンがいいですよね。ダブルアクセルの時に。だから片方がアクセルを踏んで、もう片方がブレーキを踏むのかなって思ったら、ブンブンッ!って行くっていう。あれがちょっと快感で。

(星野源)ああ、そうですね。だんだんとそういうのが増えてきましたね。話を経ていくごとにね。

(飯尾和樹)素晴らしい。捜査が遠回りしちゃうからね。

(星野源)そうなんですよね。

(飯尾和樹)垣根を越えて情報を提供すればいいのに……っていう。ああ、ごめんなさい。一視聴者になっちゃった(笑)。「この古い風習がダメなんだよ!」っていうね。

(星野源)1回ね、坂本さんを置いて。でもそれで帰って、刈谷さんと中堂さんが喧嘩をして。で、その結果の情報を刈谷さんに伝えられないから、坂本さんが志摩の名刺をもらって持っていたから、「じゃあ、その人に電連絡するか」って言って神倉さんが電話をしたというのが全く説明されないけど、分かるというね。素晴らしいですよね。やっぱりその、脚本の妙。

(飯尾和樹)野木さん、本当に。いや、ありがとうございました。楽しかったな。

(星野源)楽しかったですね。本当に。

(飯尾和樹)楽しかった。本当、晴れたからな。

(星野源)ありがとうございました。

(飯尾和樹)見ていただいた方、ありがとうございます。本当に。

<書き起こしおわり>

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