吉田豪・和田彩花・ぱいぱいでか美 ジェンダー・フェミニズムと表現を語る

吉田豪・和田彩花・ぱいぱいでか美 ジェンダー・フェミニズムと表現を語る ラジオ

(ぱいぱいでか美)そう。私はエロ本とかめっちゃ好きなんで(笑)。グラビアも自分からすすんで、やりたくてやっていることだし。私、和田さんにすごい共感とういか、「すごくわかる!」って思うのが、和田さんでずっとその多様性を大事にされているというか。「選択肢を増やそう」っていう人じゃないですか。だからその「否定しない」っていう部分にめっちゃ共感してて。だから女の子が水着の仕事をしたければすればいいし、したくない人はしなきゃいいっていう。そういうシンプルな話だと思っているから。やっぱり表現の自由は絶対に大事に……。

吉田豪と和田彩花 アイドルと多様性を語る
和田彩花さんが2020年1月22日放送の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんとアイドルと多様性などについて話していました。 猫舌SHOWROOMご覧頂きありがとうございました?ライブ、faniconなどなど和田彩花の活動に是...

(吉田豪)そうなんですよね。グラビア全般がよくないって言われるとモヤモヤするわけですよ。そこをやりたい人がいて、問題がない表現であればいくらでもやればいいはずなのに。なんか全体で「あり・なし」にしちゃうのはどうなの?っていう。

(ぱいぱいでか美)そうなんですよ。だから私とかも、その若いイケメン男性俳優のドラマとか見てると、もう絶対に必要のない筋トレのシーンとかあるんですよ(笑)。で、それをなんか手放しで喜びたい自分と、これがその性別が入れ替わっていたら今の時代だとちょっと問題になってるのかな、みたいな。男性側もこのシーンを嫌だと思う人も絶対にいるし。でもそれを「表現の自由」っていう中でどういう枠組みにするかというか。「この時間には放送してはダメだろ」とか「この時間ならばいい」とか。たぶんあると思うんですけど。すごいそれは感じますね。なんか「男女逆転して考えてみよう」とかも思います。

「男女逆転して考えてみよう」

(吉田豪)わかります、わかります。僕もだからとあるバラエティ番組で、番組の流れで……最初、台本にも何もなかったやつで。「キス占いができる」という芸人さんが出てきて。別の人がキス占いをやられるはずだったのが、僕が指名される流れになって。生放送で「吉田さん、お願いします」って言われて。それで「NO」と言えるわけがないんですよ。で、受け入れてキスをされて……「これ、男女が逆だったら絶対大問題になるやつだ」って思いながら。

(ぱいぱいでか美)そうですよね。だっていまだにそのキャプ画、ありますもんね。

(吉田豪)自分でも拡散してますからね(笑)。

(和田彩花)ええーっ?(笑)。

(ぱいぱいでか美)だから「豪さんみたいに」って言ったらおかしいですけど。

(吉田豪)普段、そういうの方には絶対行かないように頑張ってきてる人間が、生放送で逃げられなかったわけですよ。

(ぱいぱいでか美)だから、その場のノリみたいなので受け入れられる人と、本当に嫌な人っていうのは絶対にいるじゃないですか。

(吉田豪)「ここでゴネて変な空気にしたら……」みたいな発想がどこかにあるんですよね。

(ぱいぱいでか美)そうなんですよ。そうコメントもね、来てるけど。「豪さんならいいだろう」ってされてること自体がさ、「豪さんの心」というものに基準がないからさ。そうそう。

(和田彩花)でももし、そういうなんか盛り上がってれ場で「NO」って言ったら、それは空気が変わることじゃないですか。それって、どう思いますか? 言いにくいですか?

(ぱいぱいでか美)「言いにくいよな」とは思うんですけど……ちょっとずつ、やっぱり変わってきてるから。「NO」って言った時に、その場の時点では「YES」の空気が多かったけど、1人が「NO」って言って突破口を開いたら、その「NO」が増える瞬間っていうのがこれからは増えていくのかなと思います。「言い出すことが大事」っていうか。

(吉田豪)わかります。僕も1回、「NO」って言ったんですよ。神宮球場で僕、なぜか始球式を番組の企画でやることになって。その時に、前日になって……要はアイドルの方の始球式って「ノーバン始球式」っていう風に書いて「ノーパン」と読み間違いをさせて記事のクリック数を増やさせるっていうトリックがすごいあるんですよ。報道で。だから、「それを狙いつつも『本当にノーパンでした』っていうのをやってほしいですよ」って言われて。カメラが回っている時に。

(ぱいぱいでか美)ええっ? それって言ったことある話ですか?

(吉田豪)多少は……あんまりオープンにはしていないけども。何パターンか用意されていて。「ノーパンです」って言って実は履いているっていうパターンと、本当に履いていないパターンと……みたいな。いくつか言われて。「ええと……その選択肢の中ではそこにない選択肢ですね。僕は『やりたくない』という選択肢を選びます」みたいなことを言ったら、その部分も全部カットになって、普通の始球式になって。だから、ある程度は言った方がいいのかなと思いますね。

(ぱいぱいでか美)うんうん。ただ、それが難しいのが、その豪さんだとスタッフさんの方が年下のこともあるじゃないですか。若いアイドルの子とかだと、周りのスタッフが年上だったりするので。

(吉田豪)大人には「NO」と言いづらい。

(ぱいぱいでか美)そうなんです。その言いづらい空気とかっていうのはすごい分かるんですけど。そういう、その自分の次の世代とかに妙な影響が行かないために、自分はなるべく「NO」って言わなきゃなっていう。だから私がテレビでやってることは自分が「YES」だと思ってるからやってことなんですけど。

(吉田豪)はいはい。「相撲を取る」とかね。

(ぱいぱいでか美)そう。相撲を取るとか。めちゃめちゃ楽しんでやっていますんで。そうそう。そう思いますね。

(吉田豪)でもたぶん和田さんも和田さんなりにその後輩のためにある程度戦ってきたりする部分もあったりするんですか?

(和田彩花)うーん……。

(吉田豪)それとも、自分のため?

(和田彩花)でも、後輩のためも結構ありますね。だって私、結構思うんですけど。水着を選ぶかどうかは自由かもしれないけど。でも、「もし未成年だったら?」って考えると、そもそも「あり」っていう選択肢があることがいいのか?っていうところから考えないといけないなって思うし。

(吉田豪)海外はもう完全にアウトになっていますからね。

「もし未成年だったら?」

(和田彩花)そうですよね。だからそこってちょっと難しいけど。ある程度、なんか年齢制限をいい意味で設けるっていうのはひとつの手段なんじゃないかなって思うし。もし、後輩たちが「水着が嫌だ、嫌だ」とかっていう風に言ってたら、「それはちゃんと伝えるべきだよ」っていう風にも言うと思いますね。

(吉田豪)佐藤まーちゃん(佐藤優樹)とか、はっきり言ってますからね。「1億円払うなら……」みたいな。

(和田彩花)へー! すごい過激だ(笑)。

(吉田豪)現役でその戦い方をちゃんとしていて。

(ぱいぱいでか美)それぐらい言えるっていう。だから「言える」っていうのも佐藤さんのキャラだからっていうのもあるとは思うけど。

(吉田豪)ですね。おもしろキャラとして、ある程度許されるというか。

(ぱいぱいでか美)でも、そう言えるようになってるってこと自体が全然前よりはいいんじゃないかなって思っていて。そうなんですよね。あ、でもコメントで来だけど。AKBさんのところはたぶん全体ですかね? 「高卒から水着」っていう風になったんですね。

(和田彩花)へー。

(吉田豪)秋元康枠の人たちは18からですね。たぶん海外進出した結果、海外基準に合わせたんですよ。

(ぱいぱいでか美)でも本当、1アイドルオタクとして、「水着を見れて嬉しい」という気持ちがないわけではないんですよ。やっぱり。そのさっきの「イケメン俳優の筋トレが見れて嬉しい」みたいに。

(吉田豪)男女関係なくね、女子も実は水着で喜んだりしていますもんね。

(ぱいぱいでか美)そうなんですよ。憧れたりとかもあるし。だからそこはすごい難しいなってすごく思いますね。「やりたいならやればいい」って私も簡単に言っちゃいますけど。そもそもその判断を未成年にさせていいのか?っていう。

(吉田豪)だから「18から」っていうのが一番いいんだと思いますね。「あなたはもう大人だから、自分の判断で決めなさい」っていう。

(和田彩花)その「判断」が必要ですよね。また。私、結構なんか活動中に判断の選択すらないなって思うことは結構あったから。まあそれで一度、手紙を書いたんですけど。

(吉田豪)「手紙」? 直訴?(笑)。

(和田彩花)しました。「活動に向けての方向でどういうのをやりたいか?」っていうアンケートが1人ずつあった時に、「会社の皆様へ」って裏に書いて。長文のメッセージをガーッと書いて。主にはでもジェンダー的なその、「自分が抑圧があって。こういう風に言われたら感じる」っていうのを思い切り書いたんですけど。でも結構、いろんな人が読んでくれたみたいで、嬉しかったですね。

(ぱいぱいでか美)それはでも、シンプルに聞きたいのが、出す時に怖くなかったですか?

(和田彩花)えっ、いや、ないです、ないです。

(ぱいぱいでか美)たとえば、歌割りを減らされるんじゃないかとか。そんな事務所じゃないとは思いますけども。

(吉田豪)いい事務所ですよ!

(ぱいぱいでか美)そんな事務所じゃないはずですけども。でも、そんな恐怖がやっぱり、こういう仕事をしていると多少はあるとは思うんですよ。

(和田彩花)でも、だってそれで自分の考え方を取り入れているし、歴史がそれを証明してるから。もうそこに敵うものはないじゃないですか。

(吉田豪)ですね。世の中の流れもあるし。

(和田彩花)そうです、そうです。

(ぱいぱいでか美)そこがやっぱり「よし!」って思ってできる人と、どうしてもそれができない人っていうのが絶対にいると思うんですよね。だからこそ、そのできる側は発言をしていこうみたいな気持ちがありますよね。

(和田彩花)私たちが。はい。

(吉田豪)まあ、絶対にあやちょが変えた部分はあると思いますからね。

(ぱいぱいでか美)本当にそう思います。風通しがいいなって。

(吉田豪)革命をしてきた人だと思いますよ。

(和田彩花)いやいや……。

<書き起こしおわり>

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