ピザ奉行・R-指定 ドミノ・ピザの作法を語る

ピザ奉行・R-指定 ドミノ・ピザの作法を語る ACTION

R-指定さんが2020年8月5日放送のTBSラジオ『ACTION』の中でドミノ・ピザについてトーク。「ピザ奉行」を自認するRさんが20人規模の打ち上げを例に取り、注文する枚数や種類、食べる順番などについて解説していました。

(幸坂理加)例年だと夏フェスとかねライブたくさんありそうな時期ですけれども、今年はないですよね。

(R-指定)ぜーんぶないです。今年、結構クリーピー史上、結構……「うわっ、これもこれも出れるんや!」っていうぐらいね、フェスが決まってたんですけども、全部ね、なくなってしまいましたっていうね。

(幸坂理加)松永さんも嘆いていましたよ。

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(R-指定)やっぱり嘆いてました? そうなんですよね。

(幸坂理加)でも今月、1年ぶりのアルバムリリースもあるんですよね? でも、各地を回ったりできないか。

(R-指定)できないんですよ。8月26日に『かつて天才だった俺たちへ』というアルバムをリリースするんですけど、ちょっとね、各地を回ったりはできないですね。

(幸坂理加)ねえ。コロナの状況でね。

(R-指定)そうなんですよ。まあでもやっぱり、このミュージシャン側も結構、その打開策として最近、いろいろ配信ライブとかやってるし。ついこの間、一昨日ぐらいも『VIVA LA ROCK』っていう毎年やってるフェスの配信バージョンに出てきたところなんですよね。まあ、Creepy Nutsとしてはホンマに配信ライブ3回ぐらいしか、まだできてないんですけど。もうひとつ、僕は大阪で梅田サイファーっていうグループを……。

(幸坂理加)知ってます!

(R-指定)あ、知ってますか?

(幸坂理加)聞いてます!

(R-指定)ありがとうございます。知ってくれていて。

(幸坂理加)いいグループ!

(R-指定)ああ、そうですか? よかった。大阪のね、昔から、10代の頃からラップやってきた仲間たち。総勢ラッパーだけ集めたら20人ぐらいおるんですけども。そんなメンバーと配信ライブをしてきまして。7月24日かな? 7月の末にやってきまして。で、そのライブが大阪の梅田でクラブを借りて、ライブハウスを借りてそこから配信ライブしたんですけど。終わった後に「ちょっと打ち上げしようぜ」ってなって。俺らがいつもイベントをやってた、また別のクラブ……Stompっていう、ちょっとコンパクトな箱なんですけど。そこに出たラッパーたちだけ全員集まって。そこでちょっと打ち上げしたんですけど。

なんかその配信ライブ自体がすごい出来が俺たち的によくて。「今日、すごいいいライブができたな!」ってなって。それで「打ち上げしようぜ!」ってなった時に、俺はやっぱりその梅田サイファーとかの大所帯のメンツがいると、俺はあんまり仕切ったりはしないタイプなんですよ。どっちかっていうと、年上の先輩とかがいるんで。KZさんっていう人がリーダー的な存在なので、その人が仕切ってるというか。どっちかっていうとみんな、別に上下もないんで。なんというか、引率の先生みたいな。

「おい、みんな。やるぞ!」みたいな感じの優しい感じなんですけど。そのKZさんが「打ち上げするからちょっとピザ頼んどいて」って一番後輩のやつに携帯を渡して。「選んどいて」って言ってたんですよ。で、俺がその後輩に「えっ、何のピザ頼むん?」って言って。「ドミノっすね」みたいな。「へー」みたいな。で、選びながら右往左往してるんですよ。「何枚ぐらい頼めばいいんですか? みんな、何が好きっすか?」みたいに言ってるから。

(幸坂理加)20人ぐらいいますからね。それは迷うな。

(R-指定)で、俺がちょっと……俺、ちょっとドミノピザに関しては一家言持ってるんで。「お前、ちょっと携帯借りていい?」って言って借りて。それでみんなに「何枚でいきます? 予算、ナンボですか? 生地、何がいいですか? 何系が欲しいですか?」っていうのだけ、パッと聞いて。

ほんならもう、まさしく聖徳太子スタイルですよ。周りから「肉系のあれがいい」とか「これがいい」とか言ってきて。「やっぱりこってり系がいいよな」「ああ、OK、OK」「てりやきのやつ」「ああ、炭火焼チキテリね」って。それで「プルコギ! プルコギがいい!」「ああ、それはピザーラやけどな」とか。

(幸坂理加)アハハハハハハハハッ! さばいてる!

聖徳太子スタイルでピザの要望を取りまとめ

(R-指定)さばいて。で、とりあえず予算内に収めたかったから、10枚にしたんですよ。で、10枚でもう何万とか、結構行っちゃって。それで、とりあえず店に取りに行くと安くなるから、車で店に取りに行って。それで店の中に入ったら、やっぱもう腹ぺこの状態なんで。ライブ終わって。めっちゃいい匂いなんですよ。それで「ピザの場合はごめんやけども。俺がここから全部やるわ」ってなって。で、俺が取りに行って、俺がみんなのところに運ぶみたいな役割になったんですけど。

後輩も1人、連れてきたんですけど、その後輩が「いやー、美味しそうっすね」みたいに言っていて。俺はずっとその後輩の話も耳に入ってなくて。「10枚、20人……これ、足りへんかもな?」って思いながらずっと厨房を眺めていて。そんなら、俺の頭の中の計算で「やっぱり確実に足りへん」っていうことになって。だから後輩に「ごめん、ごめん。ちょっと俺、4枚だけ。俺が払うから4枚、追加していい?」って。

(幸坂理加)太っ腹!

(R-指定)「ごめん、ごめん。俺が納得したいだけやねん」とかわけのわからんことを言って(笑)。で、結局14枚、持ってったんですよね。で、みんなそのクラブに机を並べて。その上にピザをどんどん置いていくんですけど。ちょっとやっぱり素人が多くて。全員が到着する前にテンション上がってフタをちょっと開けた状態で待ってるんですよ。「アホか! 食う直前までフタは閉めとけ! 乾燥してまう。固まってしまうやないか!」って。

(幸坂理加)ああ、チーズとかもね。

(R-指定)「一応、順番もあるから」って。机が5個しかない。一応俺は5枚、クワトロ・ニューヨーカーっていう一番でけえピザを頼んでいるんですよ。それはシンプル。ホンマにペパロニとチーズとトマトソースだけの一番シンプルなピザなんですよ。それのめっちゃデカいやつなんですよ。


(R-指定)で、これ、物足りないと思ってるかもしれないですけど、それが一番先なんですよ。順番的に。俺の中で。それを5枚、でかいやつを机の上に置いて。それでみんな、その高麗カルビっていう、みんなが「プルコギ」って言ってた焼肉みたいなのが乗っているやつとか、炭火焼チキテリとかは後回しなんですよ。実は順番的には。

(幸坂理加)Rさんの中ではね。

(R-指定)そうなんですよ。理由があるですね。で、その5枚並べてるやつをみんな、到着して。「じゃあ乾杯しよう!」ってなって。「じゃあ、ビールの人?」って、みんなビールを頼む。「ビール以外の人?」って。で、そのKZさんがいつも仕切っているから。「ちょっとビール以外の人、面倒くさいからウーロン茶でいい?」って言い出して。

「ちょっと待ってください、KZさん。ごめんなさい。ここはウーロン茶じゃないです。コーラなんですよ!」って。「でもバーカンの人、めんどくさいからウーロン茶でいいやん?」「ごめんなさい。ここは譲れないです。コーラでお願いします!」っつって。それでコーラとビールでみんな乾杯をして、全員で食い始めるんですけど。なぜニューヨーカーかというと、ピザの喜びを一番凝縮したのがニューヨーカーなんですよ。

(幸坂理加)「ピザの喜び」って初めて聞いたけど?

(R-指定)ピザの喜びっていうのがあるんですよ。ホンマに一番シンプルに脳髄に直で「ピザや!」って来る、その初速が早いのが俺の中ではニューヨーカー。でかくて、チーズで、ピザソースで、サラミっていうすごいシンプルな味付やから、一番ピザの……それをみんなに一発目に食ってほしいんですよ。腹が減っている状態で。で、それをみんながブワーッと食って「ウマッ!」ってなっているのを俺はもう食わずに遠くから眺めて。「せやろ? せやろ?」って(笑)。

(幸坂理加)やだ……(笑)。

(R-指定)「せやねん。せやねん……」みたいな感じで見ながら。ほんで、みんなで食っていて、さっきまでやってた配信ライブのアーカイブをプロジェクターで映し出して。パソコンから映して、さっきの配信ライブを見ながら、ピザを食いながら……「俺ら、いい感じやな!」「お前、ここ噛んでるやんけ!」「お前、ミスってるやんけ!」とか言いながらも、こう結構しんみりする曲ではみんなで見入って。曲が終わるまでずっと沈黙で。曲が終わって、誰かからともなく「俺ら、カッコいいかもな?」「いや、俺ら結構いいライブしてんねんな」「やんな?」みたいな。すごい勝利感に満ちあふれた、いい打ち上げやったんですね。

で、ライブも見て、後半になってきて。みんなお酒も入ってきて。それでテーブルの上のどでかいニューヨーカーが片付いた頃、「味、濃いのがほしいでしょう?」ってなって。ここで、さっき言ってた高麗カルビとか炭火焼チキテリとかが入ってくるわけですよ。

(幸坂理加)うんうん!

(R-指定)ここでちょっと、甘辛く味の濃い和風な味付けのやつ。順番的にはここでなんですよね。で、そこでみんなが食い出して。「めっちゃいい!」っていう。なぜなら、その一番シンプルなピザの味から濃いピザの味になったから、順番としてやっぱりそう行くべきなんですよ。

(幸坂理加)おお、ピザ奉行!

シンプルから濃い味付けのピザへ

(R-指定)そう。そこで「うおっ!」ってなって。みんなそのその味濃いやつも食い終わったぐらいで、もうそろそろチビチビ飲む段階になってきた。そしたら、「忘れてませんよ!」っていうことで、サイドメニューのパーティーボックスっていうやつがあるんですよ。「もうピザはいいかな? つまみたいよ」っていう。そしたら、そのポップコーンシュリンプとかチキンナゲットとかポテトとかが入ってる箱を俺がおもむろ2個、パンッ、パンッ!って出して開けて。「このタイミングやから!」っつって(笑)。

(幸坂理加)アハハハハハハハハッ! めんどうくさい!(笑)。

(R-指定)フハハハハハハハハッ! で、みんなが食い出して。で、もう宴もたけなわというか、みんな楽しんで、終わって。朝5時ぐらいになって。「おっと……」って。実はでっかいニューヨーカーが1箱と、あとシーフードと、お肉系のクワトロの3箱が余っちゃったんですよ。で、後輩が「ほら、14枚もいらなかったじゃないですか。3枚余ってるじゃないですか!」って言っていたんですけど、梅田サイファーには家庭がある人がたくさんいるんですよ。妻子持ちの。

それこそ、子供たくさんいる人とか、奥さんと一緒に住んでる人とか。で、奥さんとの週末を犠牲にしてライブしに来てくれている人とかおるから。その人数がちょうど3名。で、その3人が「これ、ちょっと俺、家持って帰っていい?」っつって。「俺もちょっと子供に食わすわ」って。その3人がこう、ピザの箱を取った時に「な? 計算通りやろ?」っていう(笑)。

(幸坂理加)そこまで計算通りなんですか?(笑)。

(R-指定)っていうドミノ奉行をぶちかましたんですけども。「俺って人のこと、仕切れるんや!」っていうね(笑)。

(幸坂理加)フフフ(笑)。

<書き起こしおわり>

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