安住紳一郎さんが2020年7月19日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で自身が経験した足の親指への部分麻酔注射の痛みについて話していました。
(安住紳一郎)それから先週の水曜日ですか。私、左の足の親指の爪のトラブルがありまして。皆さん足の爪切りってのは上手になされてますか? 急に話が変わってびっくりされてる方もいると思いますけども。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)日本の音楽の頂点の話から私の左の足の指の話に移りましたよ。急に。この落差、この振り幅。私の左足の親指。足の親指の爪切りって難しいですよね? どうですか? 正しい爪切りの仕方って意外に皆さん、知らないと思うんですよね。私も知らなかったんです。
特に最近ね、日本は清潔に清潔に。不潔であってはならないっていうような、そういう強い強迫観念がありますので。皆さん、爪を結構深爪しますもんね。正しい爪の切り方を見ますと、「あれ? これはちょっと爪が長いんじゃないかな?」って正直、私の感覚では思うんですけども。深爪にされてる方が多いという現状があるみたいですけど。
私、そこまで深爪じゃないんですけどね。足の親指の爪の爪切りがちょっと失敗しまして。別にサイドに深くめり込むようなタイプの爪じゃないので普通に爪をいつも切ってるんですけど。ちょうどね、本当は板状に爪を伸ばすのがいいらしいんですけども。ついついね、私もアイスの棒の先端状にちょっと丸く切ってしまう癖があって。で、サイドを切った時にサイドがちょっと鋭角に……爪切りの刃の入り方が悪くて。ちょっと尖ったような感じで爪の右端が残っちゃってたみたいなんですよね。
それが何かの加減で下を向いてしまって、自分のお肉の方にめり込む状態になって。「陥入爪(かんにゅうそう)」って言ったりするそうなんですが。どうやらその陥入状態に入ってしまいまして。「放っておけば治るだろう」っていう風に思っていたんですけども、1ヶ月ぐらい放っておきましたらその爪がどんどんどんどん後ろから伸びてくるので、その刺さってる状態のところがどんどんどんどん後ろから押されるような感じになって、めり込んでいったみたいなんですね。
で、炎症を起こしてしまいまして。もう最終的には寝てる時に仰向けに寝てたとしても、タオルケットが私の左の足の指に当たるだけで痛い、みたいな。で、靴下とかを履いても痛いし、当然靴を履いても痛いし。まあでも、浮かしながらだったら平気かな、なんてごまかしごまかし1ヶ月やってたんですけども。「さすがに痛いな」なんて思いまして。また先週ちょっと私、ロッククライミングとゴーカートと砲丸投げを経験したもんですからね。ええ。
(中澤有美子)ああっ! あれね!
(安住紳一郎)それで病院に行きまして。そしたら「ああ、これは陥入爪ですね」なんて言われまして。素晴らしい、てきぱきとして皮膚科の先生でしたけれども。素晴らしいですね。やっぱり医術というものはね。すぐに治してくださいましたけども。ただ、そのタオルケットがちょっと触れただけでも痛い私の足の指の突端をですよ、どうやってその尖った状態の爪を切除してくれるか?っていうと、「これ、痛いですね。ちょっと触っただけでも痛いですね?」って言われても「いや、痛い、痛い、痛い!」ってなりますね。
「これは麻酔しかないですね」「ああ、麻酔してくださるんですか? それは助かります」なんて言ったら先生が「麻酔をもっと痛いですよ」って言うんです。「ええっ? 麻酔の意味、ないじゃないですか!」って言ったんですけども。「麻酔は10秒ぐらい痛みを我慢すれば、その後の痛みはありませんから」って言って。
「爪はですね、お肉じゃありませんから切った後はさほど痛み残りませんから。本当にその、切るところだけ痛いですから。で、その痛みを我慢するためだけの麻酔。そしてその麻酔は痛いんですけども、それ痛いのは10秒だけですから」って言われて。「説得が慣れてる!」って思って。じゃあ、これは麻酔をお願いするしかないんだなと思ったんですけども。足の指の麻酔、部分麻酔って皆さん、したことありますか? この注射が私史上最大痛い!
(中澤有美子)そうなんですか!
(安住紳一郎)足の指……足指部分麻酔って言うらしいんですけども。私もあまりにも痛いので、もう家に帰ってすぐ調べちゃった! こんなに痛いものなのかどうかって調べたら、「この世の注射の中で最も痛い」って書いてあった! 足の指のどこに打つかっていうと、足の突端ですね。突端。
(中澤有美子)親指の?
(安住紳一郎)親指の突端。左の足の指の突端ですね。だからその靴履いた時に一番靴の先頭に当たる部分ですよね。正面から見てちょっとしか見えない部分ですけども。その爪とお肉の間にはさすがに打ちませんけど、その下2ミリのとこに打つんですよ。なので私、体育座りしてまして。そして先生が正面に座って、先生は私の足の指の突端に注射針を床と平行に構えて向こうからぐっと押し込んでくるですよ! ああ、痛い! 結構注射、長いんですよ。インフルエンザの予防接種よりもちょっと長めのね、結構長い。うーん!
(中澤有美子)それ、全部入れるの?
(安住紳一郎)針もね、長いんですよ。全部は入れませんけれども。細い針。カマキリの触角みたいな細い針があって。先生、当然慣れてますからね。ただちょっと看護師さんが3人ぐらいいらっしゃったんですけども。まあ、ちょっとね、私は本名なもんですから。
そしてちょっとアットホームな医院だったもんですから。なんとなく「ああ、あの安住氏が世界で一番痛い足指部分麻酔を今からするんだ」ということで。見てるような見ていないような、見ていないような見てるような感じで。で、私は先生に「ちょっとこれ、声が出てしまうかもしれませんけど声、出していいんですか?」って言ったら「どうぞ、思う存分出してください」なんて言われて。
(中澤有美子)へー。女の先生なんですか?
(安住紳一郎)男の先生なんですよ。びっくりしたもん。「ああああーっ!」って声が出ちゃった。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! そんな感じの声が?
声が出るほど痛い注射
(安住紳一郎)10秒。すごかったー! 皆さん、経験あります? 足の指の麻酔。びっくりしました。2ミリぐらいのとこですよ? ズッと入れて。もう……意外に足の指って敏感な部分なんですね。私もこれまで足の指をなめていました。体の中でね、一番どこが敏感ですか?って言われると何となく手の指の腹とかね、ちょっと脇腹がくすぐったいとか、そうですね。首のあたりとかね、唇の周りとか。あとステーキ屋さんなんかでは温度を計る時、自分のほっぺたを使ってね、温度を測ったりしますよね。こう、串を刺してね。一番温度を感じられる繊細な部分だからなんでしょうかね?
最初見た時に「えっ、何してんの? 私のお肉に……」って思っちゃったりしますけどね。「何でおじさんのほっぺたを付けてるの? 私の竹ぐし、お肉に……」っていう感じ、ありますけど。プロのステーキ職人は本当にそうやって測るんですよ。中のお肉に竹串なのか鉄串なのかを刺して、温度がどれぐらいなのかな?っていう時に指でわかんないと、その串をほっぺたのところにピュンピュンってやるんですけどもね。あれ? 何の話をしてたっけ? ええと、ああ、敏感な部分ですよね。そう。
足の指の先端、特に親指の先端って意外に繊細っていうか。私たちは結構そこのセンサーに頼っているんだなということに気づきましたね。その部分麻酔以来。「何で痛いんだ?」っていうことをいろいろ考えてたら。結局、熱いお風呂に入る時、手でちょっとお湯の温度を確認する時がありますけど。なにげに利き足の足の親指で温度測ったりするんですよね。入る時にね。「熱い!」なんて言って。「うん、快適」とか。ということは、結構敏感な部分ですよね。
あと、「この先の床が硬いのか、柔らかいのか?」なんていう時もやっぱり足の先端でそろりそろりと行くわけじゃないですか。で、まあまあ中指、親指ですよ。雰囲気を測るのはね。「ツンツン……おっ、なんだ、これ? この犬のウンコさんは乾いているのかな?」なんてやる時には靴の上からですけど。足の指の突端で確認してるわけでしょう? ということはさ、靴の革と靴下を超えて、さらにそれで結構できたてなのか、乾き切ったものかどうかを判別しようとしてるんだから、かなり敏感な部分ですよね。そこに! そこにインフルエンザの予防注射並みの細い針をズブッと刺されるんですよ? 「ああーっ!」って声が出たから。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)爪切り、注意してください。私、もうこれから爪切り絶対注意しよう!って心に誓いました。はー! ねえ。結構爪のトラブル、あるそうです。特に女性の方が多いそうですけどね。
(中澤有美子)「足の爪は長めに切る」ってことで正解ですか?
(安住紳一郎)足の指の爪は板状に切るんですよね。板状というか、長方形状に切るのがいいんですよね。サイドをなるべく落とさないということですね。ちょっとこうね、バイアス切りにしてしまうっていうやり方をされてる方が多いですし、そっちの方が見栄えはいいのかな? で、サイドが猫の方に入っていくんじゃないかな?っていう危険を回避しようと思って斜めに切っていらっしゃる方も多いんですけれども。
実はそういうやり方すると陥入爪になる可能性がありますので気をつけてくださいと言われました。けどもなかなかね、爪の切り方とか自分のスタイルがありますので。言われてもね……私もそれ以来、手の指の爪さえもトラブルが起こらないように少し長め長めにしてるんですけども。やっぱりちょっとね、不潔に見えるんで。何人かの方に「もうちょっと短くした方がいいじゃないですか?」って言われるんだけれども。
一応、爪の正しいお手入れリーフレットみたいなもの、日本皮膚学会が出されてるものを見たりなんかすると、この長さがいいって言われてるんですけども。
知らなかった!
正しい足の爪の切り方。 pic.twitter.com/fHh5ak6xKa— 藤枝奈己絵 (@fujinaminami) May 12, 2014
やっぱりちょっと現代社会の感覚からすると、これじゃあ不潔に思われるのかなと思って。女性の方、ネイルとかされてますけどもね。男性の人だとちょっと長く見えるのかな、なんて思ったりして。悩んでるところなんですけども。
(中澤有美子)白いところを全部落とすことを続けていくと、どんどん深爪になっていきますからね。
(安住紳一郎)そうなんですよね。ただ、「白いところを残してるとダメ」っていうような風潮もあるじゃないですか。私がお世話になった皮膚科の先生の爪もちょっとね、こっちからチラリと見たんですよ。リーフレットにはね、長め長めって書いてあるから。先生はどうなのかなと思ったら、やっぱり先生は長かったですね。「なるほど」なんて思いました。皆さんも自分の爪切り、トラブルになりますと大変痛い思いしますので、ご注意ください。私は社会保険に入ってますので、l3割負担ということで。治療費込みで6800円ぐらいでしたかね? 私の先週体験した医療行為のお話でした。
(中澤有美子)お疲れさまでした。
(中略)
経験者たちからの共感メール
(安住紳一郎)さて、番組冒頭で私が先週、足の親指に麻酔注射を打ってびっくりするくらい痛かったという話をしましたけども。やはり経験のある方がいらっしゃいました。ありがとうございます。嬉しいです。同じ経験を共有できるっていうのがやっぱり社会で生きてて楽しいことのひとつですよね。嬉しい。柏市の女性の方。
「私も足の指の部分麻酔を受けたことがあります。その痛みは麻酔注射を受けているのにまるで麻酔なしで外科手術を受けているかのようなものでした。私は街の皮膚科で野戦病院のような雄叫びをあげてしまいました。過去には骨折、虫垂炎、また胃けいれんなどさまざまな痛みの経験がありますが、それらのどんな痛みより足の指の部分麻酔が過去最高に痛かったと断言します。
ただ、この話を人にしても『またまた。注射1本で大げさね』と聞き流されてしまうばかりの半生でした。今回は安住氏の話のおかげで私は大げさではなかったんだと知ることができました。同胞を得た喜びに胸いっぱいです。家族にこの後、聞かせます」。よかった!
(中澤有美子)よかった!
(安住紳一郎)よかったね。つらい思いをしてきたんだもの。そうだよね。そう。起こっていることよりも人からの理解がないっていうことの方がつらいということがあるからね。つらいね。いや、本当。立川市の方からもいただきました。「私は声を出さずにじっと注射をされている親指を見つめていたのですが、先生が『あなた強いね。この前、同じ注射をした男性は失神したよ』と仰っていました。あれ、とんでもない痛みですよね。安住氏とあの痛みを分かち合いたく、思わずメールをしたためました」という。わかる! わかるよ。俺もね、「知ってほしい!」っていう気持ちだもん。
(中澤有美子)知ってほしい!
(安住紳一郎)いや、すごいのよ。すごいんだから。本当に。びっくり。断言しちゃう。もうね、世界で一番痛いから。ただね、なんとなくね、爪の出来事なのでそこに流れている空気は穏やかなんだよね。そんなに深刻な感じじゃないから。みんな「いや、痛いんですよ。めっちゃ痛いですから」みたいなことを言って「うおおーっ!」ってなるから。ねえ。
<書き起こしおわり>