星野源 配信ライブ『“Gratitude”』を振り返る

星野源 配信ライブ『“Gratitude”』を振り返る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2020年7月14日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で自身初の配信ライブ『“Gratitude”』の模様について、リスナーからの感想メールも交えながら振り返っていました。

(星野源)一昨日、初めての配信ライブ『Gen Hoshino’s 10th Anniversary Concert “Gratitude”』をお送りしました。ありがとうございます。10年前の初めてのワンマン開催日と同じ日の7月12日に開催して。同じ開演時間ってことでね。そしてチケット料金も同じでございます。すごい楽しくてで。渋谷のクラブクワトロっていうところでやったんですけど。もちろん、10年前は普通にステージからやったんですけど。その時は700人ぐらい来てくれたのかな? 750人ぐらい。入れすぎなんですよ(笑)。750人も本当は入らないところなんだけど。ギュウギュウに入れさせていただいたんですね、たぶんその時はね。本当にありがとうございます。

それで、その時って歌い始めた頃だったんで。まだギリで20代かな? 20代だったよね。たぶん29とかだったと思うんですけど。やっぱりまだ、歌うことに対して慣れてないというか。歌うことを趣味としてやっていたので、人前で歌うということになかなか慣れていない状況ではあったんですけど。僕はもう歌うことをちゃんと、矢面に立ってやっていくぞという意志を込めて、一番最初の曲は『歌を歌うときは』という曲をそのライブ用に作って歌って始めたんですけど。

そこから10年が経ちまして、なんとステージは客席に移りまして。ステージではなくてフロアに降りてですね、そこにバンドのみんなにいてもらって。円形になってライブをしました。なんでかというと、さっきも話しましたけども、ライブの代わりに配信ライブをやるんじゃなくて、もう配信ライブというものをちゃんと存分に楽しもうということで。「代わりに」っていうことを全くやらずに、そこを楽しもうぜという気持ちでやりたいなというのがあったので、そういう風に……見てても感じられるし、やってても感じられるようなライブにしたいなと思いました。

なので、その場所を存分に使って。しかもね、照明もちょっととんでもない量を……あれはすごいっす。で、クワトロって搬入口が普通の狭いエレベーター1台しかないんですよ。それで、機材を持ち込むのに100往復以上したそうです。すごい大変だったらしいんですけど、でもおかげであの素晴らしい照明。本当にすごいですね。あの素晴らしい照明と、カメラの台数もすごく多くて。監督のアマヅツミさんっていう人が本当に素晴らしい編集もしてくれまして。本当に素晴らしい作品になったと思います。

フロアで向かい合って演奏した意味

で、演奏をしててもやっぱり、僕は前々から言ってましたけども。「リハみたいなライフがやりたい」と。それをドームでもやるぞということで、ドームの中心でね、真ん中のセンターステージで円形になってやってましたけど。リハとかも、円形になってやることが多かったんで。それでそういう形にしたんですけど。僕の理想はお客さんに背を向けながら、ミュージシャン同士が向かい合ってやるっていうのを見てもらうっていうのが僕は本当の理想なので。そういうのも含めて、どんどんどんどんやりたいことができてきているという感じがあります。

で、内側に向いて、みんなの目とか手とかを見ながらやる演奏ってね、結構違うんですよね。やっぱりタイミングとか、見てないところで合うというのも楽しいですけど。目が合ってない状態でちゃんと合ってるっていうのも楽しいですけど。ちゃんと目を合わせてやるっていうのもね、すごくグルーヴに作用してくると思うので。そういうのも含めて。

また、その息遣いみたいなもちゃんと捉えてもらうように、すごい近い場所にカメラを置いて撮っていただきました。なので、非常に楽しかったです。感想をいただいております。静岡県の20歳、男性の方。「最高でした。僕は家の中からライブに参戦しました。開演する19時半までは普通の日常を送っていた部屋が『Pop Virus』が始まったと同時に渋谷クラブクアトロの最前列に変化し、あっという間の2時間でした。

源さんがライブの中で『画面越しでもいいじゃん』と仰った時に、『ああ、画面越しでも音楽さえあればどこでもライブ会場になって、いろいろな人と繋がれるんだな』と気づきました。そして多くの人に音楽が届いて、音楽と共にこの日々を過ごしていけたらいいなと思いました。本当に最高に楽しいライブをありがとうございました。また笑顔で会える日を楽しみにしています」。ありがとうございます。

嬉しいですね。そう。最後の曲が『Hello Song』っていう曲だったんですけど。そこで僕が最後のアウトロのところで「今日はありがとう」みたいな話をして。アウトロの中で。なんかね、その「また会えたら、笑顔え会いましょう」って言った後に、「何か違うな?」って思ったんだよね(笑)。「『実際に会えたら笑顔で会いましょう』っていうのは今の俺の思いとは違うわ」と思って。

「っていうか、画面越しでもいいじゃん!」って言って(笑)。「画面越しでも全然いいじゃん!」っていう思いが急にあふれてきてですね。それをなんかシャウトして、曲が終わりましたね。なのであれ、全然言うつもりはなかったんですけど。もうその場でブワーッと出てきた言葉でした。

続いて、37歳の方。「仕事に家事に育児に、全ての日常を全部忘れてライブを楽しませてもらいました。久しぶりに全力で楽しかったです。源さんの『画面越しでも別にいいじゃん!』の言葉、なんだか『今のまま、ありのままの自分でいいじゃん』と言われた感じがして心がすっと軽くなり、すごい救われました。各々、それぞれ日々いろいろなことに振り回されたり、自分を見失ってしまうようなこともありますが、日々は流れていき、また楽しい時間がやってくるのを楽しみにしています。最後のエンドロールは映画を見終わったような気分でした」と。

そうですね。僕もね、見ていてそんな気持ちになりました。なんかそういう作品になったらいいなと思ったんだけど。エンドロールで『うちで踊ろう』が流れるんですけど。なんかね、やっぱりこの数ヶ月……3、4ヶ月を含めた作品っていうような感じがして。もちろんね、その3ヶ月があるから配信ライブになったわけで。やってる曲もそうですけど。歌詞もなんか響きがまたそれもあって、元々その曲を作った時に響いていた曲の響き方、歌詞の意味の受け取り方っていうのとまたちょっとずつ変わってきているっていう。なんかそれって歌のすごい面白いとこだなと思うんですけど。

だから、そういうことも含めて、いろんなメッセージを映像の全部……まあエンドロールを含めて、すごい自分でも感じました。なんかそのエンドロールを見てる間に「ああ、これはすごくやった意味ががあったな」と思いました。いわゆる「配信ライブ」っていうもの消極的な配信ライブじゃなくて能動的な配信ライブにしようって思ってやった意味がすごくあったような気がしました。ありがとうございます。そう言ってくれるの、非常に嬉しい!

続いて、愛知県の方。「配信ライブ『“Gratitude”』、お疲れ様でした。僕は最前列で参加させていただきました」。ありがとうございます。全員がね、最前列。まあ最前列っていうか、もうほぼステージに入ってるっていうような。だから、国技館とか武道館みたいな。武道館のセンターステージでやっているような感じですかね? 周りでみんなが見ているっていう。

すり鉢状のステージになるんだよね。なんかあそこ、フロアがちょっと下がってるっていうのがいいんだよね。ちょっとバーカウンターみたいなのがあって、ステージもあるけど。他のスペースがちょっとだけ高くて、フロアがちょっと下がってるんですよね。だからちょっとすり鉢状みたいになっている感じがあって。それを周りでみんなが見てるって感じがしましたね。

「……イヤホンをしながら見ていたんですが、音がすごくいい。さながら源さんをはじめ、各セクションのスーパープレーヤーが一堂に集結し、ただひたすら音で遊ぶ空間をまるで独り占めさせてもらえているような贅沢な時間でした。これまで現地で参加させてもらったライブとは一味違う興奮を覚えながら、配信でもいつも通りの温度感でいつもと変わらない、でも久しぶりに味わう感動に魂が潤うのを感じました。そして源さんが『そちら』から『こちら』へと届けようとしてくれた気持ち、伝わっています。

どこかも分からない、あちらへ届けたいと願う心も、きっと波に乗って伝わってるんじゃないでしょうか? そうであることを僕も願います。僕にとっては素敵な誕生日プレゼントでもありました。まだいつ終わりが見えるともしれない、真っ暗なトンネルを手探りで進むような世の中ですが、そんなじめっとした空気に一筋の風を吹かせるようなライブをありがとうございました。絶対絶対、いつかまた笑顔で会いましょうね」という。ありがとうございます。

みんなで音で遊んでる空間

嬉しいですね。なんかね、みんなで音で遊んでる空間というのは自分が非常に好きなので。それをこうドキュメンタリックに捉えてもらうっていう、それができたらなと思ってます。あと、たとえば曲が終わって、いつもだったら拍手とかがあってさ。お客さんが入ってくれている場合は。あと、たとえばちょっと薄暗いステージでさ、お客さんがいる時は『源さん!』とか『ナントカ!』とあって声をかけてくれたりすることで間が埋まってるようなところも、そういうのを入れないで。

1曲終わるごとに、たとえばギターを変えたりとか、ベース変えたりとか。ドラムのスネアを変えたりとか。その曲によってスネアの響きを変えていたりするんですよ。だからそういうのも伝わるといいし。その間みたいなのがいい風に伝わるといいなと思ったから、いい感じでしたね。改めて見たら。それでも温かい空間のように見えていて。「ああ、なんかいいな」とすごい思いました。

続いて。東京都、14歳の方。「源さん、『“Gratitude”』、本当に最高でした。開演前の客入れBGM、オープニング、公演中からエンディングまで工夫が凝らされていて、究極の2時間でした。レゲエホーン、オールナイトニッポンの効果音にも採用してください。地球が終わるまで応援してます」。ありがとう! ありがとうございます。

フフフ、いいね、レゲエホーン(笑)。そうそう。なんか、お客さんが入ってるような感じで拍手をするっていう……それをSEとして入れるっていうのも一瞬、考えたんだけど。ちょっと違うなと思って。で、メンバー紹介の時にはそういう音もあったんだけど。それも含めて、MPCで出すっていうのはいいな思って。それでMPCでSTUTSくんにレゲエホーンとかね、あと「パチパチパチッ」ていうのとか、「ヒュー」っていうのとか。そういうもその場で叩いてもらうっていう。それはもう「メンバーが出してる音」っていうのがすごくいいなと思ったんですよね。

あと、拍手ずっとなんじゃなくて、基本はレゲエホーンっていうのはちょっと面白いなって。「ファファファファーンッ!」って。だから、まあパリピですよね(笑)。

あの「ファファファファーン!」っていうのがちょっといいなっていうので。それも遊びのひとつでしたね。この番組の中で鳴らすのもちょっといいね。そうだね。だから僕が押してもいいけど、野上くんしか押せないっていうのも(笑)。それもちょっといいよね。もしくはミキサーの大沢さんだけ押せるとか。大沢さんが喜んだら「ファファファファーン!」って鳴るのもいいけど(笑)。ありがとうございます。素晴らしい。じゃあ、ちょっとこの後も感想を読んでいきたいと思います。皆さん、本当にたくさんいただいていますね。ありがとうございます。

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