星野源 アニメ『ちびまる子ちゃん』を語る

星野源 アニメ『ちびまる子ちゃん』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でアニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニングとエンディングについて話していました。

ちびまる子ちゃん 第1期

お送りしたのはBBクイーンズで『おどるポンポコリン』でした。前にイントロクソやべえでこの曲、候補に上がっていたんですけど。その時はかからなかったんですけど。

これ、何で『ちびまる子ちゃん』の曲を(『走れ正直者』『おどるポンポコリン』と)2曲続けてかけたかっていうと、別にあのなんか仕事するとかそういうのは全くないんですけど。何もないんですけど、「さくらももこさん、亡くなっちゃったな」とぼんやり思って。なんかオープニング映像とかをなんとなくYouTubeに、公式に上がってたりするんで、見てたりしたんですよ。ぼんやりと。

それで、僕は小学生の時だったんでドンピシャっていうか小学校の……あれはたぶん放送、90年か。じゃあ9歳ぐらいの時。だからもうドンピシャで。それで放送をしたのを見てさ、その頃にちょっとずつできだしたカラオケボックスで『おどるポンポコリン』とかを歌っていたような記憶がなんとなく、おぼろげにあって。あんまりちゃんとはないんだけど。でもその中で改めて見た時に「すっげーおしゃれなオープニングだな」と思って。その映像とか、オープニング、エンディング。「おしゃれだな!」って思って。絵とかも。

「なんてかわいいんだ!」って。それで『おどるポンポコリン』って俺、オープニングテーマだと勝手に思っていたけど、よく考えたらエンディングテーマなんですよ。最初は。で、オープニングテーマソングも最高だったんですけども。

で、そのエンディングテーマのね、そのアニメーションの動きとか絵とか、さくらももこさんのセンスみたいなものももちろんあると思うんですけど。いや、ちっちゃい時にものすごいいいセンスのものを見てたんだなって思って。それで、「いやー、かわいいわー」とか「すげえいいセンスだわ」と思って見てたらさ、原画のスタッフさんで書いてあるいちばん上に「湯浅政明」って出てきたのよ。

原画「湯浅政明」

で、それは『夜は短し歩けよ乙女』の監督の湯浅さんなんですよ。それが。で、オープニングとエンディングの映像を作ってるの、湯浅さんなんだよ。俺、それ見つけた時、もう本当に愕然としてしまって。「そりゃあセンスいいわ!」って思って。「センスいいわ」っていうか、何て言うんだろう? その、僕が「センスがいい」と思うこのセンスというのは、幼少の頃に僕がそれを見て育てられたんだっていう。僕はだから全く気にしてない状態で「センス」というものを磨かれていたわけですよ。ちっちゃい時に。で、それを感じた時に、そのひとつひとつの仕事の重要さというか、何て言えばいいんだろう? こういう仕事してる時の……人を作る仕事なんだなっていうのを改めて思いまして。

もう愕然としたんですよ、僕。そんなに人といま、一緒に仕事しているというのを改めて思った時に、また感動もしましたし。「よく見たら湯浅さんの動きだわ」って思って。「いや、すげえ!」って思って。だから『おどるポンポコリン』は木とかで鳥がすごいかわいく動いていたりとかするのとか、その後のさっきかけた『走れ正直者』もそうなんですよ。絵を動かしているのは。っていうようなことを、いろいろ調べたら出てきて。「やっぱりそうなんだ」って思って。「いや、マジか……」と。

その頃のオープニングテーマで大瀧詠一さんが曲を作って、渡辺満里奈さんが曲を歌った時があって。それも湯浅さんなんですよ。

渡辺満里奈『うれしい予感』

で、それも見ると「うわー! 湯浅さんが書きそうな生物が出てくる!」みたいな。「俺はちっちゃい頃、これを見てたのか!」っていう。なんかそれをすごく感動してですね。僕、知らなかったんで。『クレヨンしんちゃん』に参加していたのはすごく知っていたんですけど。『ちびまる子ちゃん』は僕、知らなくて、非常に感動しました。というわけで、好きな2曲だったのもあって、続けてかけました。みなさん、YouTubeに公式でオープニングとエンディング、上がっているので。ぜひ、改めて「湯浅さんが書いてるんだぞ。ちゃんと手で書いてるんだぞ!」っていうのをね。その時はCGとかじゃないですから、セル画で書いてるんだぞっていうのをぜひ、チェックしてみていただきたいと思います。

(中略)

(星野源)はい。みなさんからたくさんメールが届いております。メールの紹介をしていきたいと思います。武蔵野市、チェリーネーム タク・ヨシムラ。「『ちびまる子ちゃん』、名曲多いですよね。個人的には映画『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』の主題歌、高橋由美子さんの『だいすき』が超おすすめです」。これ、聞いたことあるかな? 聞いたら多分わかると思うんだけど。

「……この映画の監督は湯浅さんで、挿入歌に細野さんの『はらいそ』が使えています」。もう全然知らなかった! そうですか! へー! 「……私のセンスみたいなモノを磨いてくれた名曲、そして名作映画です」。ああ、そうですか! 勉強になります。「私のセンスみたいなモノを磨いてくれた……」って、その「モノ」っていうのがカタカナになってるだけでなんか……下ネタみたいに見えてしまうんだよね。タクが送ってくるとね。

(寺坂直毅)歌のシーンが湯浅監督です。アニメの中の。

(星野源)歌のシーンが湯浅監督? はー、へー。じゃあ、「この映画の監督が湯浅さんで……」っていうのはタクは間違っているっていうことだね? コノヤロー!

(寺坂直毅)「この作品の中の歌のシーンの……」っていうことなので。意味は合っています(笑)。

(星野源)でも、「この映画の監督が湯浅さんで……」ってなってるから。コノヤロー!(笑)。じゃあみんな、タクへの罵倒メールを待っています(笑)。フフフ(笑)。タクはドMだからね。いや、わかんないけど。会ったことないから(笑)。喜ぶんじゃないでしょうか。大阪の方。「『走れ正直者』からの『おどるポンポコリン』、最高すぎます。しかし、いまが日曜日の夕方な気がして、ちょっと明日、学校に行きたくないです」。ああ、あるよね(笑)。日曜日感、あります、あります。

<書き起こしおわり>

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