武田砂鉄 通常国会閉幕直前・積み残しされた10個の問題を振り返る

武田砂鉄 通常国会閉幕直前・積み残しされた10個の問題を振り返る 大竹まことゴールデンラジオ

(武田砂鉄)来ないですよね。毎日待ち焦がれているんですけども。でも、この布マスクというものをサンプルに考えると、これは最初、466億円という風に言っていて、結果的にその260億円になったから「減ってよかった」という見方もあるんだけれども。逆に考えればこれ、200億円を見積もりミスしてるわけですよね。これ、「マスクを国民全員に配る」っていう資産でこんな200億円のズレが出てるっていう状況の中で、こんなにすごい額を安心して任せられますか?って言ったらやっぱり、それには疑問符が付くし。

今回、このあらゆる局面で「自粛を要請するんだったら補償をしてください」っていう声がたくさん出て、その国民の声が国会を通じてようやく届いたことによって最低限、いろんなものが具体化したところがあるわけですよね。それにその各種給付金事業の遅れっていうのも国会で問いただす機会があったからこそ、少しでも早まったところがあるので。国会が閉会してしまうと、この国民の声をこれからなかなか届ける場面がなくなってくるとなると、政府はもっと自由にできてしまうというところが非常に問題だなという風に思うんですよね。

国民の声を届ける場としての国会

(大竹まこと)そうですよね。本当に必要なところに届くのかな?っていう疑念が残ると同時に、この後にやっぱり経済への影響はもっと大きくなるんじゃないかな?って。ねえ。今まではコロナ騒ぎで要請の受け入れを聞いてたわけだけど、これの落ち込みはちょっと大変な問題になってくるんじゃないかなと。雇い止めもあったり……俺なんかも知っている小売店なんかは「もうダメだ。どうしよう……」と。

(武田砂鉄)そうですね。今まで数ヶ月後グッと耐えていたところがいよいよ力を抜いてしまうというところもありますよね。

(大竹まこと)だからこの後……俺は本当に国会を閉じてしまっていいのかな?って思うんですよね。

(武田砂鉄)それにプラスして、コロナ関係だけじゃなくて、今日の番組でもやっていましたけども。イージス・アショアの件であるとか、あるいは辺野古基地の建設が沖縄県議選の結果、移設反対派の議席数が上回ったのに選挙から5日後だったかな? もう工事を始めてしまったりとか。あるいは、このコロナが流行する前に今回の国会では桜を見る会であるとか、あるいは森友学園の問題であるとか、河井克行・案里夫妻……なんか「離党する」っていう。「離党か……」という感じもあるけども。その件もあるし。そして検察庁法改正の件なんかももう忘れそうになってるけど、そういったものもあった。

そういうことを考えていくと、何ひとつ解消してないわけですよね。つまり、問題が積もり積もって最新の話題だけ議論されてるけど、1個前、2個前、3個前ぐらいのものがただ忘れられてるだけで、解決をしていない。森友学園の例の自殺された赤木俊夫さんの妻の雅子さんが昨日、その35万件の署名を出して再調査を要請するっていうのもありましたけれども。「再調査はしない」という風に麻生財務相などは言っているわけですが。

(大竹まこと)35万筆って大変な数だと思うんですけどもね。

(武田砂鉄)大変なことですし。でも、あれがだから「新事実には当たらない」って言って再調査を拒んでるわけですけれども。ああいった遺書というか、赤木俊夫さんのテキストが出てきたこと自体がもう新事実なわけだから「再調査しない」という手はないと思うんですけれども。こういった案件を積み上げたまま、明日で国会が終わりというのはあり得ないと思って。この間、ずっと「やってる感」という言葉でよく取り上げられてましたけど。そういった「やってる感」が「整った感」とか「やり終わった感」「終わった感」っていうのに今度は切り変わってますけど。本当に「感」だけでね、何ひとつ……。

(太田英明)コロナ騒ぎが起きた時に、「こういう緊急事態では常に国会の機能維持させなければいけない。だからこそ憲法に緊急事態条項を入れるべきだ。その実験台になるかもしれない」みたいな話をしていた政治家もいるのに……(笑)。

(武田砂鉄)それが1月末ぐらいのことでしたかね。

(太田英明)はい。そういう風に言っていたのに、ここで国会を閉じちゃうっていうのは全く矛盾ですよね? しかも国会議員てだいたい通常国会が終わった後、地元に帰ったり、あるいは海外視察に出かけるわけですけど。そういった移動なんか今、コロナの影響でできないから。特に他にやることはそんなにはないはずなのなんですよ。

(武田砂鉄)そうなんですよ。本当にね……。

(大竹まこと)まだ県またぎの移動ができないもんね。

(武田砂鉄)本当、羅列するだけで10個ぐらいあるんですよ。持続化給付金、GoToキャンペーン、10兆円の予備費、コロナ対応、専門家の議事録がどうなったか? 黒川検事長の処分と退職金の問題。森友問題、辺野古基地建設、イージス・アショア、桜を見る会……本当にね、10個ぐらいすぐ並べることができるですけれども。それに対して解決策が出てない。それで逃げようとしているっていうことなんですよね。

(大竹まこと)でもこれ、国会を閉じるとなると河井案里さん。ねえ。これはでも国会が閉じれば、検察が動きますね。

(武田砂鉄)どうやらそういう感じがしますけども。でも今ね、「離党した」っていうことになると、また今の政府に責任を問おうとしても「いや、もう離党した人間なんで」っていう例の言い分というのが使われるんじゃないかなと思いますけれども。でも安倍さんがしょっちゅう連呼されている「説明責任」であるとか「任命責任」ということを考えたら、その言い分というのはもう通用しないと思いますけれども……まあ、その言い分を使ってくるような気がしますけどね。

(大竹まこと)「責任は私にあります」っていう。そうはおっしゃるんですけどね。

(太田英明)そうですね。ただ、その責任を「取った」試しはないですよね。

「責任は私にあります」

(武田砂鉄)「責任はある」んですよね。ご自覚はあるんですけどね。

(大竹まこと)河井案里さんの1億5000万円っていうお金がどこで出てきたのかもまだわかっていない?

(太田英明)まあ、どういうような使い方をしてるのかっていうのが自民党の党本部や幹部が知っていたのか? これから検察が捜査するのかどうか。これもポイントになってくると思いますけども。

(大竹まこと)すごいな。やることだらけじゃない?

(武田砂鉄)やることだらけ。大変ですよ。

<書き起こしおわり>

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