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プチ鹿島 安倍首相の言葉「日本モデル」「空前絶後」「真摯に」を語る

プチ鹿島 安倍首相の言葉「日本モデル」「空前絶後」「真摯に」を語る YBSキックス
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プチ鹿島さんが2020年5月26日放送のYBS『キックス』の中で緊急事態を全面解除した安倍首相記者会見についてトーク。会見中で使われた「日本モデル」「空前絶後」「真摯に」「スピード感」などの言葉について話していました。

(プチ鹿島)まあこの間……これからもその備えというものは続くんですけどもね。で、その首相会見というのが昨日、ありましてね。またタイミングよくこの月曜日にやっていただくという。これ、火曜キックスで取れたての……まあ、取れたての屁を今からこくんですけどもね。私の感想をね。

(海野紀恵)フフフ、ぜひ。

(プチ鹿島)いろいろと「言葉」が気になりましたよね。最初、まず……まあ皆さんも「おや?」と思ったかもしれませんが。「日本モデル」という。これ、どういうことかというと、「そうした日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができました。まさに、日本モデルの力を示したと思います」ということで。まあ「成果を誇示した」という風に報道されてますよね。「じゃあ日本モデルって何かな?」って改めてみんな、考えたと思うんですよね。

でも、たしか補償も十分ではないし。それこそ飲食店の方とかね、その補償は果たして十分だったのかどうか? それから給付が遅くないかどうか? まずそこも検証されなくちゃいけないし。そしてその代わり自粛警察と言われるものがご活躍されたし。いろいろと情報発信をしていくということ……なにかを決める中、その会議の議事録を残しているのか?っていうと、残っていなくて。その決定されたプロセスもあやふやだという報道もありますしね。それからその中で実はこっそり検察庁法改正案をやろうとしてたっていう……僕が思いつく「日本モデル」って、こういうことかなと思うんですけど。

まあ、それぞれみんな「どうも政治は関係ないけど、なんか収束させることができた」と言われているこの状態。ただこれね、面白いことにこれは僕だけが思った感想ではないんですよ。これ、たとえば今日の読売新聞一面です。一面で「緊急事態全面解除」というのがあって。その横に編集局次長という偉い方ですよね。滝田恭子さんという方でしょうか。署名入りの記事。なんて書いているかというと「偶然頼みから脱したい」って書いてあるんですよ。「偶然頼み」!? ねえ。だから首相は誇らしげに「日本モデルのおかげで」って言ったんだけど、「偶然頼みから脱したい」っていう。

つまり、こういうことです。文章、ちょっと引用しますと……「重症化を防いだのは(各国に比べた際の)医療水準の高さか、マスクや手洗いなどの生活習慣か。日本人に多い遺伝子のタイプがウイルスに強いのか。あるいは偶然の産物か。科学的に確たる答えはまだ見つからない」という。今までいろいろと挙げてみたけども。だから、いろいろ説はあるかもしれないんだけど……まあ、ここにも「政治のリーダーシップ」のことは書いてないんだけど。偶然の産物なのかな?っていう。まあ、もちろんそれもわかんないだっていうことが書いてあるわけです。

まあ、いずれにしろ「政治のリーダーシップが良かった」っていうことは書いてないわけですよね。で、これをもっと遡ると、10日ぐらい前ですかね? 面白い記事、論評が海外にあったわけです。これ、アメリカの外交誌『Foreign Policy』の電子版が東京発の論評記事で報じたんですが。「今回の日本のコロナ対応・対策はことごとく見当違いに見えるが、結果的に世界で最も死亡率を低く抑えた国のひとつであり、奇妙にもうまく行ってるようだ」という風に伝えているわけです。

タイトルは「日本のコロナ対策、奇妙な成功」っていう。「奇妙な」っていうことは「他国に先駆けて、もしくは比べて、そんなに先手先手で対策をしていたのか? むしろ後手後手じゃなかったか? だけど、死亡者数に限っては、死亡率を低く抑えた。だから奇妙な成功だ」という風に書いているわけです。これ、面白い表現ですよね。

「日本のコロナ対策、奇妙な成功」

(海野紀恵)そうですね。

(プチ鹿島)で、じゃあこの記事を使って、各紙がさらにどう引用したか? 読み比べてみるというのがまたひとつ面白いポイントで。昨日の産経新聞が「世界の論点」というコーナーがあるんです。これは「海外ではどう報じられているか?」っていうのを記事を選んでいて。それでまさに「説明がつかない奇妙な成功」という先ほどのアメリカの外交誌を引き合いに出してですね、「『単なる幸運なのか、政策が良いからなのか、見極めるのは難しい』とやや皮肉交じりに結論付けた」という風に紹介しているんですが。そこのサブタイトルは「コロナ対策 日本再評価」っていう風になっていて。だから「あの論文は日本再評価の論文なんだよ」っていう風に産経新聞のこの世界の論点では引き合いに出しているんですね。

(海野紀恵)なるほど。

(プチ鹿島)で、面白かったのは同じ日。日刊ゲンダイも一面でこの論文を引き合いに出して。「海外から見て日本の状況は奇異」という風に述べているんですね。ゲンダイ師匠は「政府が何もしなかった結果オーライには、世界中が首をかしげている」っていう。

(海野紀恵)はい。

(プチ鹿島)だからさっきの産経の「日本再評価」とは真逆ですよね。同じ論文を引用しているんですが、産経は「ほら、日本が再評価されているじゃないか」っていう意味合い。だけどゲンダイは「政府はなにもしなかったけど(死亡者数、死亡率が少なかったのは)結果オーライだった。それについて、みんなが首をかしげているよ」っていう意味でこの論文を引き合いに出している。これ、面白いですよね? ひとつの論文があって、それをどう解釈するか?っていうのは新聞によって違う。

まあ、実際に産経師匠とゲンダイ師匠って僕が大好きな両巨塔ですからね。辛口、言葉が強い両巨頭なんで、同じ両巨塔がこの同じ論文に気付いてしまったっていうね。さあ、じゃあここからは私なりに分析していこうと思うんですが。いろいろな読み比べる中でね。今日の日刊スポーツに大阪の吉村知事が今回の感染第二波に備えた徹底的な検証を求めたっていう記事があるんです。吉村さんはこんなことを仰っているんです。

「日本の生活スタイルには西洋、ヨーロッパとは違う何か、”ファクターX”があるのではないかと思う。そこを専門家には議論してほしい」っていう。だから日本人のコロナの感染者数、死者数が世界に比べて少ないことについて、なにか欧米、海外とは違う日本ならではのファクターXがあるのではないかっていう。だから吉村さんも実は「首相のリーダーシップ」ということについては言っていないということなんですけども。

(海野紀恵)そうですね。

「ファクターX」に「政治のリーダーシップ」は含まれない

(プチ鹿島)で、実はこのファクターX……僕、思い出したのが文藝春秋という雑誌でIPS細胞の山中教授が橋下徹さんと対談している記事が最新号に載ってるわけですよ。そこに「ファクターX」という言葉が山中教授の口から出てるわけ。まあ橋下徹さんが対談してるから、当然吉村さんからしてみれば絶対的な師匠みたいなもんだから。だから、吉村さんもこの対談を読んでたでしょうね。じゃあ、その対談で山中教授がなんて仰ってるのかというと……ちょっとこれも抜粋しますよ。

「日本の感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは絶対に何か理由があるはずだということです。何が理由かは分からないんですけど、僕は仮にファクターXと呼んでいます」という。で、ファクターXとは何か?ということで、山中教授は……「ファクターXというものには多くの可能性があります。ひとつは日本人はマスクや入浴(お風呂に入ること)など清潔意識が高いということ。もしくはハグや握手、大声で話すことが欧米より少ないという文化的なことかもしれません」という。まだわからないんですよ。ファクターXは。

もしくは、いろんなとこでも言われていましたけど。「ハンコ注射として知られるBCGワクチンが感染や感染後の重傷化を防いでいるという見方もあります。ただ、因果関係は証明されていません。あくまで仮説に過ぎません」という。だから、もしかしたらいろんな要因が日本にはプラスに作用されているのかもしれない。ただ、要因がわからないっていう。でも、その要因の中には「政治のリーダーシップ」っていうのは入っていないんですけど。だから、清潔意識が高いとか、それがなんかのファクターXにあるんじゃないかということを山中教授は仰っているわけ。

(海野紀恵)なるほど。

(プチ鹿島)で、この対談を読んで面白いのが、最初は橋下徹さんはね、「死亡者数が低いからいいじゃないか」みたいなことを仰っていたんですって。だけど山中教授が「死亡者数だけに注目するのは危険だ」という風に仰ったんです。というのは、「死亡者数だけ見てはダメだと答えたのは、亡くなり方が違うから。今回のコロナウイルスは元気だった方が2、3週間で急に亡くなるんです。そうすると、どうなるか? 患者さんが急激に増える。そうなると救える命が少なくなる。だから感染者数を急激に増やしてはいけない」ということを山中教授は言ってるわけですよね。

まあその上で、じゃあ死亡率の分析をすると低いのはなにか日本にはファクターXがあるんじゃないかなということで。まあこれを頭に入れておくと、なにか政治のリーダーシップ以外のファクターXが働いたっていうのがいろんなとこで出てるわけですよね。ところが、まあ安倍さんは昨日の会見では、「それも含めて日本モデルだ」っていうことで誇示したということにつながるわけですよ。

(海野紀恵)うーん……。

(プチ鹿島)それで昨日の会見、もしくは緊急事態全面解除について、読売新聞が今日、書いていて僕がギョッとしたのがありまして。ちょっと引用しますよ。「官邸が宣言の全面解除を急いだのは、検察庁法改正案や国民への一律10万円給付などを巡る混乱で、政権への世論の風当たりが強まっており、自粛期間を少しでも縮め、国民の不満を和らげたいとの思いもあったとみられる」っていう……。

(海野紀恵)あら!

(プチ鹿島)これ、政権情報に強い読売師匠が書いているわけです。朝日、毎日、東京が書くなら「まあ、そういう風に書くだろうな」っていう。権力への批判とかチェックも含めて。だけど、読売が書いてるということは政権の中にやっぱりこういうことを言ってる人がいるだろうなっていうのが……これも新聞の読み方なんですよね。

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