宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『Come On!!!!!!!!』を語る

宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『Come On!!!!!!!!』を語る AbemaTV

(宇多丸)ちなみにこれ、『Come On!!!!!!!!』は『マニフェスト』の中ではちょっと異色の曲で。基本的にはDと「ヒップホップのことを歌うような歌は今回は入れない。ヒップホップのことを歌ってもいいけど、ヒップホップジャーゴンを使わずにやる」みたいに言っていて。でもこれだけはゴリゴリのヒップホップで。やっぱりマキくん(MAKI THE MAGIC)のトラックがあって。で、そのマキくんのトラックが来た時に、まずそれが大きくてさ。もうめっちゃかっこいいという。

(R-指定)もう最高ですよ! ありえないかっこよさですから。

(宇多丸)それで要はさ、「俺たちが日本語でラップを始めた時、こんなかっこいい曲でラップできるようになるなんて思わなかったよ」っていう。

(R-指定)うおおー、ええ話やな!

MAKI THE MAGICのトラック

(宇多丸)すごい、もうとにかく「このトラックで歌えることがもう夢が叶ったようなもんだ」っていうのもあって。で、俺はすごい気合い入り過ぎちゃって。もうね、これ実はね、歌詞自体がバージョン4ぐらいだよ。

(DJ松永)あっ、そうなんですか? それ、そのぐらい変えていったんですか?

(宇多丸)いや、もう全然、丸変えだったりとか。

(サイプレス上野)納得がいかないみたいな?

(宇多丸)全然、もううまくいかなくて。

(DJ松永)その前のはどういう切り口だったんですか?

(宇多丸)言わんとしていることは同じなんだろうけど、何かとにかく空回りというか。なんかね、ちょっと変わったことをしようとしすぎちゃったのかもしれない。で、気合いが入りすぎちゃったっていうのもあって。あとはその『マニフェスト』期はこの曲はそこまででもなかったけど。ちょうどほら、喉のポリープを切る直前で。喉の調子が良くなくて。これじゃないんだけど、『ラストヴァース』かなんかで。『ラストヴァース』を録っている時にその異常に気付いて。他の歌詞は全部歌えるのに、これ不思議なもんである単語に来ると声がひっくり返っちゃうの。声、枯れていないのに。

(DJ松永)へー!

(宇多丸)で、最初は「うん、これなんだ? 声、枯れてるのか?」って思ったんだけども。ある単語のところに来るとひっくり返っちゃう。だから、たぶんその喉の構造上、そのポリープがなんか干渉しているのか……そこで「ああ、これはただのあれじゃねえな」って言って診てもらったら「ああ、ポリープができています」って。でもとにかく、レコーディングはしなきゃいけないから。もうなんとか、ひっくり返らない1テイク、1回を録って……みたいなので乗り切って。

だからこのアルバムって地獄のようにテイクを録ったし。ラジオもやりながらだし。それで今ほどいろんなことが慣れてないから。結構いっぱいいっぱいになりつつも。でも、これはすごいやっぱりトータルでできた時に、そのDのパートもめっちゃかっこいいし。それで「マキくんにも一声、入れてもらおうぜ!」なんつって。それで最後にシャウトを入れてもらったわけ。

(R-指定)あのシャウトも最高っすよね!

(宇多丸)それで音源を録って。そしたらマキくんも例によって(モノマネで)「士郎くん、ね! 終わった後、飲みに行こうよ!」って。それでマキくんとその後に飲みに行って。それであのマキくん特有のしょうもないネトウヨ陰謀論みたいなのと朝、もう口喧嘩で(笑)。

(一同)フハハハハハハハハッ!

(サイプレス上野)毎回、モメてますからね(笑)。

(R-指定)最高やな!

(宇多丸)(モノマネで)「士郎くん、勉強不足だよ!」とかなんとか(笑)。「うるせーな!」っつって。そんな素晴らしい思い出とともにね。

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(DJ松永)本当、このスワッグは最高だよね。

(R-指定)最高やね。だから俺たちは俺たちのラジオに来ていただいた時にウタさんにこの曲のバースを蹴ってもらいたかったんですけど、なんか知らんけど松山千春を……(笑)。

(DJ松永)「俺は真の『Come On!!!!!!!!』を歌う」って(笑)。

(宇多丸)あっちの方がよりね、『Come On!!!!!!!!』っていうね。ただ、これはライブで今でも結構やっているから。『Come On!!!!!!!!』はいまだにやっていますからね。

(DJ松永)でもウタさん、昔から目の前に天才が現れて「オワタ……」とか言っているけどさ、俺らから言わせるとウタさんことが天才だなって本当に思うんですよね。

(R-指定)今回、実はこの企画、別の名前とかもあったんですよね。「宇多丸、いい加減にしろ。お前は天才だ!」っていう(笑)。

(サイプレス上野)「ようやく教える時が来た」って?(笑)。

「宇多丸、いい加減にしろ。お前は天才だ!」

(DJ松永)これ、2人で深夜のスタジオで2、3時間、それについてしゃべったんですよ。「あの人、天才なんだよな?」って。「あの人こそが天才だよ!」って。

(宇多丸)違いますよ。あの、頑張ってヒーヒー言いながらね。

(DJ松永)あと、そのウタさんの目線のセンスとかってそもそも努力で磨かれるもんじゃないですよ。

(宇多丸)いや、もう努力ですよ。

(DJ松永)明らかにレベルが違いますよ。

(宇多丸)いや、でも要は特に『マニフェスト』以降は歌詞を一発でそのまま通したことってまずなくて。結構、マジで変えるっていうか。それこそ『Once Again』をいろいろと直したっていう話は有名だけども。だからこの『Come On!!!!!!!!』に限らず結構、1回録ってから「こうじゃない」ってなったりとか。いろいろと試行錯誤はしているんですよ。最初から一発で正解に辿り着けてるわけじゃないっていうか。それはだってもう92年からオワコンなんだからさ。

(DJ松永)いやいやいや。あと、ラジオを聞いてても明らかに天才じゃないですか。なんかその知的好奇心とか、その努力できる体力とか、そういうのがあるのってそれはみんな、そこはやりたくてもできないんですよ。そこって、だって興味を持てないんだもん。

(宇多丸)だからもう限界だから、これ(禅譲)ですよ。

(R-指定)いやいやいやいや!

(DJ松永)どうせ次、また出すじゃん!

(R-指定)どうせすごいの、出すじゃないですか! ほんで、ヤバいムーブ、やるやん!

(宇多丸)もう出ない……。

(サイプレス上野)もう、絶対にRECしているから!

(DJ松永)だってもう92年からこれ、出してんだよ? これを見て「まだ出している」って思って。でも、はじめて見た単語だけども(笑)。

(R-指定)でもね、そのいろんな知識のインプットであったりとか、その自分の好き・楽しいっていうものを摂取し続けて、それをアウトプットし続けるってことをたぶん努力とか苦労という風に思っていないというか。本当に楽しくてやっている……これはホンマ、才能やなって。

(DJ松永)本当に何回も映画を見たりとか、いろんなことに興味を示してインプットしていくってね、凡人はできないんですよ。マジでやりたくてもできない。

(R-指定)体力とか限界があるんですよ。

(DJ松永)それでインプットし続けて、アウトプットし続けるのもあれってマジで才能なんですよ。

(R-指定)それで「あの人の体力、エグいよな」っていう話にもなって。

エグい宇多丸の体力

(DJ松永)そう。本当に全部の根幹で一番大事なのはなんだろう?って考えて、マジでバカみたいな話なんですけども、体力なんですよ! いや、バカみたいな話だけども、マジで体力。ウタさんはそれが備わっている!

(宇多丸)いや、もうその体力も限界なのよ……。

(DJ松永)フフフ、そのブリッジみたいにそれ(禅譲)、使わないでくださいよ(笑)。

(サイプレス上野)俺、本当に今、ボディーガードとして思ったけど。お前ら2MCとしてヤバい(笑)。

(R-指定)フハハハハハハハハッ! AsONE? タッグマッチ?(笑)。

(サイプレス上野)返せる瞬間、これしかないっていう(笑)。ヤバいヤバい(笑)。

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