渡辺志保と宇多丸 ポップスター・ドレイクを語る

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渡辺志保さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』にゲスト出演。宇多丸さん、宇垣美里さんとラッパー・ドレイクのポップスターとしての側面について話していました。

(宇多丸)志保ちゃんね、八戸でもお世話にありました。cherry chill willさんという写真家の方の八戸ブックセンターという素晴らしい場所でのトークイベントがあって。それの司会と、あとイベントでもね、RHYMESTERのライブの前にも一MCいただいて。

(渡辺志保)そうなんです。そういった形でご一緒させていただいて非常に光栄ですし、またあの場を共にした身としてはですね、ちょっとこの宇多丸さんのを喉の具合に少しばかり責任を感じてしまうという……。「盛り上げすぎてしまった」みたいな。

(宇多丸)いやいや、でもそのぐらいやっぱりオーディエンスも近くて熱い。これはね、多少マイクの状況が悪くても全力で応えないと……って。これはね、いいんです。いいことなんです。勲章です。

(渡辺志保)でも本当にエモーショナルな八戸ナイトでした。

(宇多丸)ありがとうございました。お世話になりました。そんな渡辺志保さん、本日は何を紹介してくれるんでしょうか?

(渡辺志保)おすすめの海外ヒップホップアーティストを紹介しにまいりました。

(宇多丸)はい。そんなことではなかろうかと思っておりました。ではさっそく、よろしくお願いします。

(渡辺志保)今日は何組か紹介させていただきたくて。まず最初に紹介させていただきますのは、もう既にご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれないですけど、改めてという感じでドレイクというラッパーをご存知でしょうか?

(宇多丸)ねえ。これ、認識ギャップが……とにかく世界でいまというか、歴史上でもかなりの記録的な売れ方をしているアーティストでして。いま、いちばん売れている音楽アーティストという。

(渡辺志保)そうなんです。本当に世界中で爆発的に……いま、最もキャッチーでポップなラッパーとして人気を博してるんです。ドレイクさん。で、彼はもともと……私、ここに来るたびに宇垣さんに「ヒップホップのイメージとは」みたいな話をしている。「チェケラ」みたいなところから話をしていると思うんですけども。まさにアメリカのヒップホップ、北米のヒップホップの世界において「チェケラ」のイメージをまた一転、二転させた男っていう感じなんですよね。で、彼が歌うのって結構いじいじした失恋ソング。「なんでお前は俺のところを去ってしまったんや……」「今日もまた電話をしてしまうやないかい……」みたいな。

(宇垣美里)ちょっと弱いところをさらけ出す系の。

(渡辺志保)そう。ウジウジウジウジしていて。

(宇多丸)あと、そのしゃべり方はカナダラッパーの感じを出しているんですか?

(渡辺志保)いや、それはただ、私の……(笑)。

(宇多丸)あ、カナダの人なんですね。

(渡辺志保)そう。アメリカではなく、カナダのトロント出身のラッパーなんですけども。で、もともと子役。高校生時代からハイスクールドラマみたいなのにも出演していて。結構女の子が好きなラッパーの代名詞みたいな感じでいま、人気を博している。

(宇多丸)ジェントルなんですね。

(宇垣美里)かっこいい感じなんですか?

(渡辺志保)かっこいい感じです。でも……。

(宇多丸)このルックスのかっこよさ、ドレイクがルックス的にかっこいいかどうかに関しては議論がわかれるところで。

(宇垣美里)ほう!

(渡辺志保)ただ、眉毛が太いんですよ。で、日本ではあまり言われないかもしれないですけど、ある一定の女性にとっては男の眉毛フェチっていう女性が少なからず存在するんですね。

(宇垣美里)海外には?

(渡辺志保)海外には。なので、ちょっと宇垣さんはわからないけど、男の眉毛フェチ的な女性にとってはめっちゃイケメンという風に映る感じです。

(宇多丸)これです。

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眉毛フェチ的にはイケメンのドレイク

スコーピオン

(渡辺志保)宇垣さん、どうでしょうか?

(宇多丸)あ、宇垣さん、いま完全に苦笑です(笑)。

(宇垣美里)いま、「ごめん……」って言っちゃった(笑)。

(渡辺志保)「ごめん……」来た!

(宇垣美里)普通になんか、気が弱そう。たぶん眉間がすんごい離れているからだと思う。

(渡辺志保)アハハハハハッ! そう。なのでドレイクが出てきてからのヒップホップシーンっていうか、やっぱりオラオラ系であるとか、もうマッチョでナンボっていうようなイメージを覆したんですよ。こういうちょっと優男な感じでヒット曲を出せますっていう。

(宇垣美里)たしかに。ちょっとアンニュイな感じですね。

(渡辺志保)アンニュイな感じ。まさにその通り。で、彼が今年の6月に発売したばかりのアルバム『Scorpion』という作品がありますけど。各種ストリーミングサービスにおいて初週の再生回数が10億回を突破したというですね、ちょっともうよく分からない天文学的な数字になってしまっている。で、まさにいまのアメリカのビルボードチャートの1位はこのドレイクの最新シングルなんですね。かつ、それが7週連続1位をいま、ひた走っている。爆走中。2018年に入ってから、ドレイクがいま合計で26週間、ずっとホット100の中にいるというぐらい、北米の方ではポピュラリティを得ているラッパーですということになります。

(宇多丸)ぶっちぎりの人気です。

(渡辺志保)で、いまから聞いていただきたいのはその7週連続で首位をひた走っている彼の最新シングル 『In My Feelings』という曲なんですが。これも、なぜ流行ったのか?っていうと、ちゃんと……もうね、こういうラッパーはやっぱりヒットのからくりを心得ているわけですよね。で、いま……ここ数年なんですけども、アメリカで「○○チャレンジ」っていうのがとにかく流行っていて。ハッシュタグで「#○○challenge」って。

(宇垣美里)ああー、アイス・バケツ・チャレンジみたいな?

(渡辺志保)そういう感じです。で、いま流行っているチャレンジはとにかく振り付けなんですよ。で、日本のTik Tokの流行りを……。

(宇垣美里)ああ、シリシリダンス的な?

(渡辺志保)そうです、そうです。それを想像してもらうといちばん近いかと思います。で、「#○○challenge」っていうハッシュタグを……その「○○」の部分は曲によって変わるんですけども。「#○○challenge」っていうハッシュタグをつけてみんなが同じ曲の同じ振りで踊る動画をどんどんInstagramとかTwitter、そういったソーシャルメディアに投稿していく。で、それがどんどん口コミヒットになって、楽曲自体の人気を押し上げるという、そういうヒットのからくりがある。

(宇垣美里)なるほど。みんなが知っている曲になる。

(渡辺志保)で、この『In My Feelings』も「Kiki, do you love me?」っていう風に、まあ「キキ(Kiki)」っていうのは本当のマジな元カノの名前なんですけども。

(宇垣美里)元カノ、嫌やろうなー!(笑)。

(渡辺志保)「これ、私のことじゃーん!」ってわかっちゃう感じなんですけども。「キキ、まだ俺のこと好きなのかな?」みたいな、そういう白々しい! みたいなリリックで。それで胸の前でハートマークを作って踊るんですよ。

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(宇多丸)ああ、そんなかわいい振り付けなんだ。

(渡辺志保)かわいい振り付け。

(宇垣美里)へー! それをラッパーの方がする?

(渡辺志保)それが「#InMyFeelingsChallenge」っていうダンスチャレンジになってみんながいま、踊っているのよ。

(渡辺志保)で、このダンスをたとえばウィル・スミスとかね……。

(渡辺志保)あとは有名なスポーツ選手とかね、いろんな方とかがいろんな同じ振り付けで……かつ、みなさんちょっとそれぞれアレンジを加えるんですけども。

(宇垣美里)はいはい。

(渡辺志保)それで「#InMyFeelingsChallenge」というのがめちゃめちゃ流行っていまして。それで7週連続で首位を飾っているという、そういった曲です。

(宇垣美里)本当だ、みんな踊っている。

(宇多丸)ぜひ、日本のみなさんにはこれがいま、世界的にはぶっちぎりで売れている音楽だっていうのと、これはぜひ僕は問題提起として、みなさんが感じるポップでキャッチーとそのギャップ。

(渡辺志保)そうなんです。

(宇垣美里)日本の人が感じるっていうことですか?

(渡辺志保)私、本当にそれを思っていて。いまね、北米とか欧米で言われている、いわゆるポップミュージックの定義と、日本のポップミュージックの定義がどんどんどんどん乖離しているのではないか?って……。

(宇多丸)そうなんですよ。

(渡辺志保)そんな感じが……。

(宇多丸)まあ、僕がこういう話をする時には「良くも悪くもですよ」っていうのは言っていますけど。その乖離具合というのを意識しながら聞いていただくと……まあ、もちろん素直に楽しめる方はそれで結構です。

(渡辺志保)はい。というわけで、ではここで聞いていただきたいと思います。ドレイクで『In My Feelings』。

Drake『In My Feelings』

(渡辺志保)はい。お聞きいただいているのはドレイクで、いまビルボードチャートの首位をひた走っております最新シングル『In My Feelings』でした。

(宇多丸)でもまあ、キャッチーというか、ノリノリでっていのはなんとなくわかると思うんですけど。

(宇垣美里)乗りやすい感じですね。

(宇多丸)でも、なぜドレイクだけがこんなにね、突出して人気があるのか?っていう。
(渡辺志保)いや、本当にそうなんですよ。で、私も海外のプロデューサーの方とかと話した時、ドレイクについて話して。「やっぱり彼はウェル・プロデュースド、すごくよくプロデュースされているアーティストだね」っていう。なんで、ドレイクというキャラクター自体がめちゃめちゃよく練られてプロデュースされてるんじゃないか?っていう話になりまして。で、ドレイクってちょっと面白いのか、彼がたとえばビデオを出したり、新しい曲を出したりっていうアクションがあると、かならずそれがネットでめちゃめちゃ口コミヒットみたいになるのと、あとネタ(Meme)にされるんですよね。これ、本当にいい意味でネタにされるんですよ。

なのでドレイクも「みんなが俺のことをこうやって突っ込みたいんだろう?」みたいな、その隙をわざと作っているみたいなところがあって。

(宇多丸)だからさっきの写真を見て宇垣さんが眉間が離れているって。これもやつのウェル・プロデュースドに乗っている可能性がありますよね。

(渡辺志保)それが上手いこと時代とフィットしているんじゃないかなっていう。

(宇多丸)まあ、SNS時代と言いますかね。

(渡辺志保)そういう感じがします。

(宇多丸)でも実際にさ、いま日本のJ-POPアーティストでそうとは聞こえないかもしれないけど、ドレイクのいろんな曲の影響を受けた人がすごいいま、頻出していて。それこそ、KIRINJIのこの間のアルバムにもありましたし。

(渡辺志保)本当にそうですよね。『Passionfruit』がめちゃめちゃ……ドレイクが去年、2017年に発表した『More Life』というアルバムがありまして。そこに『Passionfruit』という曲が収録されているんですけども。

(渡辺志保)これはもう、高橋芳朗さんに説明していただく方がいいとは思うんですが。それをいろんな方が……。

(宇多丸)特に『Passionfruit』なんだよね。日本のアーティストの『Passionfruit』好きっていう現象が起こっておりまして。ぜひ今後、みなさんも注意してっていうか、サクッと聞けますからね。

(渡辺志保)で、ちょうどタイムリーに8月22日にこの彼の最新アルバム『Scorpion』の国内版がリリースされまして。歌詞対訳、そしてを解説付きで。その解説を私が書かせていただいておりますので。どんなラッパーなのかな?っていうのですね、この解説を読みながら。それでどんなことを歌ってるのかな? ちょっとナヨナヨっとしたことを歌っているのかな?っていう。そういうようなのも歌詞の対訳などを参照しながら聞いていただければなと。

スコーピオン
Posted at 2018.8.28
ドレイク
ユニバーサル ミュージック

(宇多丸)いまは特に歌詞の面白みね。やっぱりわかった方が絶対にいい時代になっていますからね。

(渡辺志保)そうなんです。なのでぜひとも。本当にアメリカではジャスティン・ビーバーとかビートルズ、マイケル・ジャクソンなんかの記録を抜いて、ヒット曲を量産している。そのぐらい人気があるこの優男っていう感じなので。ぜひぜひ興味を持った方は掘ってみてください。

(宇多丸)ドレイクです。

<書き起こしおわり>

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