星野源 Keith Jarret『MY SONG』を語る

星野源 Keith Jarret『MY SONG』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2021年1月26日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でキース・ジャレットの『MY SONG』を紹介していました。

(星野源)最近ですね、キース・ジャレットにハマっていまして。ジャズピアニストなんですけど。前からいろいろ話してる中で、僕の両親がジャズが好きで。家の中で結構ジャズが流れてたんですけど。その中で僕が結構悩んでた10代の終わりぐらいから20代の前半ぐらいの時に……独り暮らししてから家に帰るとCDが置いてあって。キース・ジャレットのピアノソロで。それがスタンダードをやっているやつで。それがすごく落ち着くし、好きだったので、自分でも買って聞いたりしてたんですよ。

だけど、あんまり他の作品を知らなくて。もうレジェンドピアニストなんですけど。どんなことがレジェンドなのか、よくわかってなかったんですね。で、なんとなく最近、また聞き出して。「やっぱりいいな」と思って。「他のも聞いてみよう」と思ってキース・ジャレットのことを調べながらすごい聞き出したんですよ。で、その中で『ザ・ケルン・コンサート』っていうのがあって。それがとにかく名盤って言われていて。

全世界で400万枚ぐらい売れてる、もう大ヒットしたジャズレコードで。それがそのコンサートの中で完全即興ライブなんですよ。だから作曲も含めて、その瞬間にやるっていう。それで1時間ぐらい。で、しかも逸話がいろいろあって。本当に調べると面白いんですけど。当時、学生だったのかな? 学生をしながらなんかプロモーターのバイトしてた学生がライブに呼んで。そしたら指定していてたピアノが来なくて。ものすごく状態の悪いピアノが来ちゃって。「こんなんじゃライブ、やれない」ってなって。

しかも、キース・ジャレットもめちゃくちゃ体調が悪くて。「やれない」ってなったんだけど、すごい頑張って説得して。「チューニングも頑張ってします!」って。でも、音があんまりよくないピアノで、体調もよくない中で始まったライブっていうのが後々、伝説となるライブで。本当にすごいいいレコードだったんですよ。「これ、即興でやってんの!?」みたいな。最初の1音からもうヤバいみたいな。それでもう最後の最後の曲……最後の曲が僕は一番好きなんですけど。

名盤『The Köln Concert』

もうすごい名盤で。「うわっ、これはすげえわ! これを知らなかったのはもったいなかった」って思って。でもそれが今、非常に楽しくてで。そんな中で、このキース・ジャレットのジャケットがめちゃくちゃ素敵だなと思った『MY SONG』っていうアルバムがあって。これを聞いてみようと思って聞いていたの。で、それを聞きながらエッセイを書いていたの。

そしたら2曲目だったかな? 『MY SONG』っていう曲になって。イントロが流れて。「やっぱりいいな」と思って。で、サックスがメロディーなんですけど、そのサックスメロディーが流れた瞬間に、それが俺がちっちゃい頃にめちゃめちゃ聞いてた曲で。俺はそれをキース・ジャレットだとは知らなくて。知らないまま、ものすごく認識してて。その聞いた瞬間に僕がね、10歳ぐらいにガーン!って戻ったんですよ。その体験がすごくて(笑)。

なんて言えばいいんだろう? 当時、僕はジャズがあんまり好きじゃなくて。どちらかというと、その『ドラゴンボール』の歌とかが好きだったら。「ジャズは退屈」って思ってたんですけど。なんか自分の中にもうめちゃくちゃ残っていたんだなっていうのも思ったし。それを改めて普通に自分が好きで。能動的に聞こうと思った中にそれが現れて。全部がなんかぐるんぐるん循環したような感じがしたっていうか。

自分の幼い頃と今がギャーン!って繋がった感じが非常になんか、なんて言えばいいんだろう? なんか面白いショックで。「いい曲!」ってなって。まあ、その体験は俺だけなんで、みんなと共有はできないんだけど。その曲がすごい素敵な曲なので、ぜひ聞いてください。キース・ジャレットで『MY SONG』。

Keith Jarret『MY SONG』

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました