宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『前略』を語る

宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『前略』を語る AbemaTV

(R-指定)本当にね、リリックとかを見るとこれはね、来るんですよね。『前略』って。

(サイプレス上野)わかるわー!

(DJ松永)本当にマジで泣いている。

(サイプレス上野)お前、本当にその通りだよな!

(R-指定)ですよね? もう本当にこういう類の男たちにはもう響くし。たぶんね、そうじゃないやつもこれを聞いてグッと来るバースやなと思うんですよ。『前略』は。

(宇多丸)ああ、そう? やわらかい部分を触られた? 「はうぅーっ!」って?

(サイプレス上野)「はふぅ!」ですよ。でも本当にこの「P.S. そのシャツ、マジだっせーな!」っていうのは……。

(DJ松永)もう頑張って自分と向き合ってこなかったところをにガンとウタさんに向き合わされるみたいな。絶妙に恥ずかしいところを。

『前略』のフロウの実験

(宇多丸)でもこれは本当にアルバム用に……結構アルバムの最後の方に作ったのかな? で、フックをDと共作して、「どっちをやるか?」ってなって、どっちもいいから俺の方を最後の繰り返しの……。これもサビ案として。「Because I was you」みたいなのがあったりとかもして。記憶では。あと、これはもちろん中身もそうなんだけど、ちょっとこの「What’s up my 童貞時代」とか。

俺的にはフロウ的にすごく実験してみたっていうか。なんだろうな? ちょっとモデルをうまく挙げることはできないけども。ちょっとこう、跳ねながらオフっていうか。で、当時はその日本語のきっぷがいい感じというか。「ナントカ、ナントカ、てやんでえ!」みたいな。その感じをうまく日本語のラップのフロウに入れられないかな?って思って。『ウワサの真相』のその詰める感じとか、いろいろやってる中で、これが一番うまくいったやつっていうか。

(R-指定)はー!

(宇多丸)その、たたみかけながら跳ねるみたいな。そのきっぷがいい感じっていうか。「てやんでえ!」みたいな感じをうまくフロウに落し込めないかな?っていうような。だからいろいろ、多少聞き取りやすさを犠牲にしても、ちょっとそういう……それでうまくいけばすごく日本語ラップ、いい感じかな?って思ってたんだけど。

(R-指定)たしかにフロウ、跳ねてますよね。

(宇多丸)跳ねつつの、なんかこう、最後にポロンポロンと行くっていうか。「すっとこどっこいめ!」みたいな。その感じがうまくできないかなって。ただ、もうちょっとその実験っていうのは、まだ続けてもいいかもねって今、これを見ながら思いました。

(R-指定)でも、たしかにその日本語のきっぷのいい感じ。語り口調、江戸っ子口調とか、いろんなのをたしかに『ウワサの真相』でウタさんは試されていて。『グッド・オールド・デイズ』なんか、様々な……。

(宇多丸)あれはね。しかも、ポエトリーリーディングにも近いような。

『グッド・オールド・デイズ』

(R-指定)ですよね。その人格憑依物でありながら、いろんなフロウを試す物でもあるというか。まさしくその『グッド・オールド・デイズ』なんかはワンバース目はもうしゃべっている。しゃべりながらライミングしてくというか。

(宇多丸)しゃべりがフロウになっていくというか。

(R-指定)それもあるし、言うたらまあ片言の日本語で。片言でラップをしているみたいな。

(宇多丸)ああ、今はちょっと怒られるかもしれないやつ。

(R-指定)いや、でもいろんな実験があって。まあまあ『前略』は……だからこれね、ライブでやってほしいんですよ。

(DJ松永)そうなんですよね。『ウワサの真相』からそんなにやらないですからね。

(R-指定)だから、どうでしょう? 今度、俺らにセットリスト、考えさせてくださいよ。

(DJ松永)ねえ。俺ら、セットリスト決めますよ? ライムスターの俺らがセットリスト決めるライブ、1回やってください! たのんます!(笑)。

(宇多丸)お前らがセットリスト決めるの? あ、それ、面白いね!

(サイプレス上野)あの、俺も初代ウタマリストなんで。いいっすか? 2デイズで!

(DJ松永)2デイズ! お願いします!

(宇多丸)ああ、これは面白いかも。クリーピーがセットリスト決めたり、サ上がセットリストを決めるっていう……。

(DJ松永)前説やるんで!

(サイプレス上野)じゃあ俺は後説をやるんで!(笑)。

(DJ松永)打ち上げ、しましょう(笑)。

(R-指定)やりたい!

Creepy Nuts&サイプレス上野がセットリストを決めるライブ案

(宇多丸)でも、どうする? そこから俺らの、その『俺に言わせりゃ』ダメ出しとかじゃなくて本気の「いや、こことここはこれ、よくないから?」みたいな。「この後にこれはよくないから」とか。「ここ、構成的にこれはよくないから」って。どんどんと論理的に説得されて……。

(R-指定)それで結局ライムスターのいつも通りのセットリストに(笑)。

(DJ松永)いやいや、ここは心を強く持って。で、Rさんは文脈的にセットリストを組める人なんで。

(宇多丸)まあね。だから一旦やってみて。それで終わった後にそのセットリストがどうだったか?っていうのを。

(DJ松永)ああ、それいいですね。採点しましょう(笑)。

(サイプレス上野)ヤバい! 超怖い(笑)。

(宇多丸)「あそこはこうだったな!」とかって言って(笑)。

(DJ松永)「あそこは違うんだよ」とか。「ここ、よく気づいたな」みたいな(笑)。

(宇多丸)ああ、でもちょっと面白いかも。

(DJ松永)「これ、ベタだよな」とか。

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