宇多丸 ラジオ番組の活字化・記事配信を語る

宇多丸 ラジオ番組の活字化・記事配信を語る バラいろダンディ

宇多丸さんがMXテレビ『バラいろダンディ』の中でラジオ番組の活字化・記事配信について話していました。

(関谷亜矢子)第4位、朝日新聞。「ラジオ 活字にして配信」。若者のラジオ離れが進む中、新たなリスナーを掘り起こすためにラジオ局が行っているのが放送をした番組から話題を呼びそうな内容をニュースや読み物として活字化し、インターネットに発信する試みです。TOKYO FMではスタジオに隣接した控室でライターが放送を聞きながら話題を呼びそうな部分を文字に起こしニュースサイトに配信。ニッポン放送やTBSラジオも1、2年前から同様の配信を行っております。ライターによると、文字を起こす際に「(笑)」を入れるなどしてスタジオの雰囲気が伝わるように工夫しているということです。

(島田洋七)宇多丸さん、ラジオやってはるから。

(宇多丸)はい。まずこの記事の「若者のラジオ離れが進む中……」っていうこの枕詞をなにも考えずにくっつけるのが、俺は「それ、どうなの?」と。昔みたいにガーガーピーピーって聞いている人は減っているかもしれないけど、Radikoっていうのでインターネットを通して聞くシステムもものすごいし、これからもどんどん普及していくと思うし。あと、たとえばYouTubeに音源が上がっていたりとか、そういう元がラジオって知らずに触れている人とか。あとはそれこそ書き起こしもそうですけど、いろんな形で触れている人がむしろ若い人とか……たとえば自分が映画評をやったりすると、その拡散具合とかを見るととても(ラジオを聞く人が)減っているとは思えないっていうか。聞かれ方が変わっただけだっていう風に。

(関谷亜矢子)そうですね。ラジオをボンと置いてということではないけども、Radikoとかでね。

ラジオへの触れ方が変わっているだけ

(宇多丸)そうそう。っていう風にまずひとつ、思います。で、やっぱり書き起こしはすごいネットで拡散してもらう時には非常に有効なので。まあ、僕の番組もそういうのを活用していますし。ただ、嫌がる人もいる。伊集院(光)さんとかは嫌がっている。

(関谷亜矢子)それは、なんでなんですか?

(宇多丸)それはやっぱり「ラジオはリアルタイムで聞くものだ」という彼の信念です。

(関谷亜矢子)ああー、そういう生感がいいんだっていう。

(宇多丸)もちろん、それもわかります。

(関谷亜矢子)でも、ライターさんみたいな人がいるんですね。

(宇多丸)ライターっていうか、たとえば僕のところだったら書き起こしを……この番組もよく起こされていますよ。書き起こし職人みたいな人がいて、その人がほぼリアルタイムでしゃべったことをネットに上げてくれて。あんまり優秀だから「オフィシャルでもやってください」って雇ったとか。

(関谷亜矢子)へー!

(水道橋博士)宇多丸さんなんかはいまの世代のラジオスターですよ。だから、もう書き起こし、ほぼ全ての発言があるんですよ。で、それはそれで書き起こしはものすごく便利で。生放送で聞くべきだとも僕も思うけど……後から確認するのもそうだし。耳で聞くよりも目の方が早い。確認できる時もあるし。

(宇多丸)俺の映画評とか早口すぎて何を言っているのかわからないとかね。

(一同)アハハハハハッ!(笑)。

(水道橋博士)っていうのもあるんだけど、僕なんかはいわば70年代、80年代の深夜ラジオとかが自分がもっとも用があった放送だから。そのテープはたくさん持っているから、そういう職人の人に渡してあの頃、ユーミンやたけしさん、タモリさんがどういう内容をしゃべったのか?っていうのを書き起こしにしてアーカイブしてほしいなって。

(デーブ・スペクター)茨城県のオールナイト納豆はよかったですね。

(一同)……。

(水道橋博士)今日はすごいね。最初にホームランを打った後……。

(島田洋七)あれ、一発目に褒めん方がよかったな。

(関谷亜矢子)ねえ。拍手しちゃったからね。

(デーブ・スペクター)いまね、自分に呆れている。

(一同)フハハハハハッ!

(島田洋七)そう? 納豆はないんちゃうかな?

(関谷亜矢子)でも、書き起こしで言えばプロ野球の解説などもネットのニュースに載っていたりするんですけど。ああいうのはどうですか?

(金村義明)僕も毎日放送ラジオやっていますし。僕は基本的にはおしゃべりを覚えたのは引退してからいちばん最初のレギュラーが名古屋のCBCラジオやったんです。で、「第二の板東英二」って……いやいや、そこは目指していません!っていう。

(一同)アハハハハハッ!

(島田洋七)そこは目指さん方がええ!

(金村義明)ただそのラジオっていうのはね、ものすごい勉強になりました。しゃべるのに対して。で、いままた毎日放送でやらせていただいて。オフはオフでまた番組を持たせていただいて。

(関谷亜矢子)私もアナウンサーで入った時、「全部自分のスタジオで言ったことを書き起こせ」って言われました。どんなに無駄な言葉が多いかとかってね。怒られて。

(水道橋博士)あと、もうひとつだけ言うと深夜帯でやっているラジオは聞いている人が限られているから、パーソナリティーは捨て台詞で言っている場合、あるじゃない? 要はもう限られた人にだけこのメッセージが……「悪い俺を聞いてくれ」みたいな。それをいちいち……。

(宇多丸)ねえ。見出し化されちゃってね。本当は笑いながら言っているのにものすごい厳しい感じで……だから「(笑)」を入れたりとかっていうのはたしかにそのニュアンスを。

(水道橋博士)あれは困るっちゃあ困りますよ。

(宇多丸)この番組なんか……っていうか、MXなんか餌食だからね!

(水道橋博士)餌食、餌食!

(関谷亜矢子)気をつけましょう(笑)。以上、第4位までお伝えしました。

(中略)

(関谷亜矢子)第3位、産経新聞。「ヒップホップD.O逮捕」。大麻とコカインなど数百グラムを隠し持っていたとして警視庁が大麻取締法違反などの容疑でラッパーのD.Oこと君塚慈容容疑者を逮捕していたことが一昨日わかりました。関係者によるとこれまでに君塚容疑者の知人の男ら2人が違法薬物を所持していた疑いで摘発されているとされ、警視庁が関連を調べているといいます。君塚容疑者は「D.O」としてヒップホップグループを率いCDなどをリリース。また、テレビのバラエティー番組や映画にも出演していました。

(島田洋七)どうですか?

(宇多丸)はい。これはね、昨日ラジオですごいたっぷり、言葉を選びながら話したのが書き起こしがネットに上がっていますので、そちらをお読みください。

(一同)フハハハハハッ!

(水道橋博士)以上!

宇多丸 D.O逮捕を語る

宇多丸 D.Oの逮捕を語る
宇多丸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でラッパーのD.Oさんの二度目の逮捕について話していました。

(宇多丸)いやいや、ただまあD.Oくんはもちろん知り合いだし、すごいシーンではスターラッパーですし。すごいキャラが立っているじゃないですか。もう見るからに。で、ラップもすごくキャラが立っていて。すごくテレビ映えというか、バラエティーで結構重宝されている時期もあって。で、まあ二度目なんですよ、これ。彼は。だからちょっと長く入っちゃうだろうし、それで活動が止まっちゃうのは本当にもったいないなって同業者としては思う。

あとは、ただそのやっぱりヒップホップ・ラップはアメリカもそうですけど、危うい環境にいる子たちが犯罪に走らずに成功するためのひとつの手段として……それまでは詞を書いたりとかそういうことをしないような子たちが自分の言葉を持ってやるものだから危うい環境にいる子たちが危ういことを歌っているジャンルでもあって。それが意義でもあるから。その中で、一定確率ではっきり踏み外しちゃったりとかっていう人が出てくることはそれはあり得るんだけど。

(関谷亜矢子)あり得る。うん。

(宇多丸)だからといってこのジャンルの……そこにこそ、その危うさ自体に意義があったりするから。なので、もちろんこれによっていろいろと悪い印象がついたりもするかもしれないけど、それとは別に優れたアーティストがいっぱい出てきたりとか。D.Oくんの表現のそれっていうのはまた別問題なんで。というね、ちょっと心苦しい思いを言葉を選びながら語ったのがネットに上がっておりますので。

(一同)フハハハハハッ!

(関谷亜矢子)いや、でもすごく語ってくださいましたね。

(水道橋博士)でも今日のもまた書き起こされますから。

(宇多丸)あのね、かいつまんで、変なところだけ取り上げられて「宇多丸がこんなこと言ってる!」ってなるのが目に見えているから嫌なんですよ。俺は学級委員長じゃねえから、いちいちこんなこと……同じジャンルだからって。だってさ、ロックミュージシャンがなんかで捕まった時、ロックシーン全体で謝ったりしないでしょう? なんで俺が……。

(関谷亜矢子)謝る必要はないですよね。デーブさん、アメリカでもラッパーと薬物の関係っていうのはあるんですか?

(デーブ・スペクター)薬物どころか、ドンパチで殺し合ってますからね。何人も死んでいるから。長生きしないもんね。

(宇多丸)ドンパチっていうか、この間はちょっとXXXテンタシオンっていう若いラッパーが……あれはでも、強盗に襲われたんだけど。

(デーブ・スペクター)あれは強盗だったけど、互いに撃ったり。もう大変ですよ。

(宇多丸)まあそれは昔ね、2パックとビギーとかありましたけど。まあ薬物とか、そんな! そんな、あなた! アメリカのラッパーは、あなた、なに言ってんの? あなた、それは!

(関谷亜矢子)またそれはね、ちょっと違う状況がありますからね。

<書き起こしおわり>

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