宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『敗者復活戦』を語る

宇多丸・Creepy Nuts・サ上 RHYMESTER『敗者復活戦』を語る AbemaTV

宇多丸さんCreepy NutsのDJ松永さんとR-指定さん、サイプレス上野さんが2020年4月8日放送のAbemaTV『水曜THE NIGHT』の中でライムスターの過去のアルバム楽曲についてトーク。サードアルバム『リスペクト』より『敗者復活戦』について話していました。

(DJ松永)じゃあ、これもいい話が聞けたところで、続きに行きましょう。続きはサードアルバム。1999年に発売された『リスペクト』からでございます。

(R-指定)選ばせていただいた曲は『敗者復活戦』でございます。

(宇多丸)だからなんでそれなんだよ!

(R-指定)いや、『リスペクト』はこれ一択でしょう?

(宇多丸)『敗者復活戦』の一択(笑)。他は駄曲ね? やっぱりね?

(DJ松永)フハハハハハハハハッ! そういうことじゃない(笑)。

(R-指定)他の曲はみんな言うでしょう? でも、俺はこの『敗者復活戦』に胸を打たれたんですよ。俺はこの曲のなにが好きか?っていうと、この曲は10年越しに2回、泣かされた曲なんですよ。10代の時にこの『敗者復活戦』を聞いて、僕は最初Mummy-Dさんのワンバース目。この「サッカー部のベンチウォーマー」という視点で描かれたMummy-Dさんのバースで俺は泣いたんですよ。なぜなら俺は当時、10代の時に本当にバスケットボール部でベンチウォーマーというか、試合に出れなかった。だからその時の自分の情景と重なってすごく胸を打たれたんですよね。このMummy-Dのバースに。それが14とかの時で。

(宇多丸)これはね、でもDのリアルな話なんだよ。D、ああ見えてサッカー部で。当時からめちゃめちゃモテモテでもあったらしいんだけども、サッカーは全然からっきしだったらしくて。ラインズマンでベンチで……みたいなね。

(DJ松永)(ラジオ番組)『WANTED!』でも話されていましたよね。

(R-指定)それを聞いて、俺も全く試合に出れなかったから、このバースを聞いて14歳の時にホロッと来たわけですよ。

(宇多丸)うんうん。

14歳の自分の境遇と重ね合わせる

(宇多丸)うんうん。

(R-指定)そしてそこから10年後。24歳の時。自分が音楽で食っていけるかどうか。ラップ、頑張ってるけど全く世間的には結果が出ないぞ、みたいな時にうんこのウタさんのツーバース目ですよね。ラッパーとして売れた。1回、日の目を見たラッパーがどんどんとお呼びがなくなっていって落ちぶれていく。それでも……みたいなこのバースに10年越しにまたホロッと来たわけですよね。だから14の時と24の時。10年越し二発、泣かされた曲が『敗者復活戦』なんですよ。

(宇多丸)へー!

(DJ松永)ライムスターは二度、効くからな。

(R-指定)二度、やってくるのよ。ライムスターは二度、殺しに来る!

(宇多丸)『007は二度死ぬ』みたいな言い方をするんじゃないよ! 「二度効く」って(笑)。そんな……ずっとお腹にいて?(笑)。

(DJ松永)乳酸菌みたいな(笑)。

(R-指定)ビオフェルミン(笑)。

(宇多丸)お腹で生きるビフィズス菌(笑)。

(DJ松永)10年間、生き続けていた(笑)。

ライムスターは二度効く

(R-指定)これがそのライムスターの奥深さというか。10代の時に感動して、また20代の時に……まあ、自分も何の因果か似たような状況にあったというのもありますけど。

(宇多丸)まだくすぶっていた時代。

(R-指定)で、この『リスペクト』の時の『敗者復活戦』のウタさんのバースっていうのが俺はすごいなと思って。言うたら『リスペクト』って勝手な俺らファンの印象ですけど。ライムスターの人気を決定付けた、でもある種ぶんライムスターが正しく『さんぴん』でライブに呼ばれるになったっていうように、世に出たというか。まあ大出世作なんじゃないかなと俺らは思うんです。

(宇多丸)『さんぴん』がだから96年かな? それぞれその……やっぱりあれでさっきから言ってるページャーショックから始まる盛り上がりのひとつの区切りが『さんぴん』で。で、その後、やっぱりみんなそれぞれちょっとここで固まって何かをやるのはそれぐらいにして。それぞれで……っていう感じになっていって。それで俺らとしてはやっぱりその『さんぴん』のビデオで、やっぱり正直さ、それまでは決してシーンの一番手っていう扱いじゃなかったら。

(サイプレス上野)そうですね。出番も前でしたしね。

(宇多丸)まあ、あれはもちろんエイベックスのイベントだから。それで石田さんからね、その出番とかっていうのも相談さて。「ああ、全然そんなのは石田さんが決めてくださいよ」って感じでやったんだけど。まあ、やっぱりそこで俺たちなりの戦い方っていうことで。『リスペクト』で当然、天下を取る気で。トップを取る気でやらせていただきました、これは。

(DJ松永)それでこの中に『B-BOYイズム』が入るわけですね。

RHYMESTER『B-BOYイズム』

(R-指定)最高のアルバムですよ。で、その大爆発アルバムの中で、何でこんなウタさんはネガティブなリリックを書いたんかな?っていうのを俺は聞きたくて。

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