(若林正恭)上手だし。でもなんかたとえば悪だからいいとか響くってもんでもないじゃない? で、あとはやっぱり俺、これは選ばなかったけども。なんかすごい「好き」って言うのもちょっと怖くなるぐらいギャングスタな曲もいっぱいあるのよ(笑)。「好きって言っちゃって大丈夫なのかな?」ってういぐらい(笑)。そういうのもいっぱいあって、それも好きで。で、俺は逆に別に、なんだろうな? もう全部聞くから。
(佐藤満春)ああ、幅広く?
(若林正恭)そうそう。だから、そうだな。水曜日のカンパネラとかでね、『二階堂マリ』っていう曲があって。ずーっとキン肉マンの超人の名前を連呼していく曲とかがあって。それも俺、全然好きだし。
(佐藤満春)へー!
水曜日のカンパネラ『二階堂マリ』
(若林正恭)なんだろう? あんまり悪じゃなくても自分の本当の地元の気持ちとかを歌っているものすごい名曲とかもあるし。その人が自分をどう捉えているかって結局、バトルじゃないとさ、音源として出そうっていう時にはやっぱり言いたいことになると俺は思うから。漫才がやっぱりそうじゃん? フリースタイルの大喜利とは違うっていうか。だから、それをすごく心待ちにしている。「どういうことをラップしたいのかな?」っていうのを聞けるのを。
(佐藤満春)その思いっていうか熱というかね。
(若林正恭)そうそう。それがバチッと来た時は本当に言葉の力が強いんだよね。
(佐藤満春)だからこの番組を4年ぐらいやってて。結構ラッパーの人もゲストで来てくれるんですよ。それで俺、やっぱり一番ビビったのがラッパ我リヤの2人が来てくれた時で。
(若林正恭)はいはい。聞いてたよ。
(佐藤満春)もうQさんと山田マンさんが来てくれて。Qさんってさ、もう俺らの世代の悪いラッパーのさ……(笑)。
(若林正恭)たしかに。あの見た目とね(笑)。
(佐藤満春)まあ、当時から流行ったじゃん? やっぱり『Deep Impact』とかさ。『ヤバスギルスキル』なりさ。
(若林正恭)そうだね。
(佐藤満春)だからビビったね。
(若林正恭)うん。やっぱり皆さん、人間の力が強いよね。エネルギーがあるよね。まあそれは学ばなきゃいけないよね。芸人も。
(佐藤満春)いや、本当にそうかもね。
(若林正恭)なんか……だから俺、これはかけたかったんだけども。KOHHさんの『JUNJI TAKADA』っていう曲だとか。あ、今かけられる?
(佐藤満春)じゃあ、かけようか。
KOHH『JUNJI TAKADA』
(若林正恭)この曲なんだけども。これ、「高田純次になりたい」ってずっと言ってる曲で(笑)。それでなんか結構みんなが「スキル、スキル」ってなった流れがあるから。その時に、何だろう? 本当に思ってることをただただ素直にラップするっていう感じで。「いや、そうだよね!」って思っちゃったというか。
(佐藤満春)それでいて、ちゃんとかっこいいっていうね。
(若林正恭)そう。だから俺、「KOHHは生で絶対に見ておかなきゃ!」って思って。渋谷のクラブに深夜2時ごろ、ライブやるっていうから行ったのよ。でももうKOHHは若い子の人気がすさまじくて。ブワーッとなっている中、もう俺は30代後半だったと思うけども。一番後ろで腕を組んでバレないように見て……。でも本当にすっごい好きだね。今もめっちゃ聞くし。
(佐藤満春)やっぱり生で見たらまたすごいだろうね。
(若林正恭)ライブ、すごかったね!
(佐藤満春)1人の人間にここまで深く刺さっているということはすごいですよね。
<書き起こしおわり>