オードリー 二度と戻りたくない20代の日々を語る

オードリー 二度と戻りたくない20代の日々を語る オードリーのオールナイトニッポン

オードリーのお二人が2021年3月6日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で20代の頃の生活を振り返り。ネタ見せやエキストラ仕事など、二度と戻りたくない当時の話をしていました。

(若林正恭)でもあれ、そうなんだよな。今日さ、たまたまさ、(平成ノブシコブシ)吉村くんとしゃべってさ。俺らと吉村くんって同期じゃん。

(春日俊彰)そうね。

(若林正恭)で、山ちゃんも同期でさ。あと、あれね。錦鯉の渡辺さんも同期で。だからNSCなんだってね。渡辺さん、元は。

(春日俊彰)ああ、言っていたか。言っていたね。

(若林正恭)で、今日、吉村くんに聞いたら……吉村くんってほら、同期に又吉くんと綾部くんがいて。「もう本当に落ちこぼれで……」みたいなことを言うけど、なんかめちゃくちゃエリートだったらしいね(笑)。で、「なんで? エリートなんじゃん」って言ったら「本当、10年築き上げてきた流れがあるから、やめてくれ」って言われて(笑)。

(春日俊彰)それはダメだよ!

(若林正恭)ライブとかでもたしかに、テレビ出る前から吉村くんって目立っていたもんね。

(春日俊彰)いや、早かったでしょう。たぶん、出るの。ドラマとかもさ、脇鳴らすっていうので結構早い段階から出て。いろいろやってたよ。

(若林正恭)結構さ、みんなさ、なんていうんだろうな? 吉村くんとかさ、言ってたんだけど。「20代の仕事がない時には同期とお酒飲んだりして。お金はなかったけど、あれはあれで楽しかった」みたいに言う人、いるじゃん? なんか、そういうの、春日はある?

(春日俊彰)うーん……まあ、そんな、「その時が一番よかった」っていうほどのことでもないけどね。その時は楽しかったとは思うよ。別にあんまりそういうの、ねえ。「嫌だ」と思うタイプじゃないじゃない?

(若林正恭)ああ、春日が?

(春日俊彰)風呂なしのむつみにずっと住んでいたからさ。

(若林正恭)ああ、むつみ荘にずっと住んでいたもんね。

(春日俊彰)「キツいな!」ってその時その時にそう思わないから。なんか、ねえ。「キツかったな」とは思わないけど。でも、「あの頃が一番よかったな」とも思わない。それぐらいだけど。

(若林正恭)そうだよね。まあまあ、なんかそれでほら、「あの時はあの時でよかった」って言う方が聞こえはいいんだけども……俺は1日たりとも戻りたくないんだよね。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ!

(若林正恭)そういう時、リアクションが難しいっていうか。もう俺、20代でマジで1日もないな。戻りたい日が。いや、それが結構みんなさ、こうなってくるとさ、やっぱり「あれはあれで時間もあるしさ、楽しいんだよね」みたいに言っていて。芸人で夜のファミレスとかに飲みに行ってさ、他の芸人の話とかさ。自分たちはテレビに出てないのにさ、出てる人のさ、同期ぐらいの人の悪口を言ったりとかしているじゃない? 「あれは面白くない」とか。本当、クソだと思ったんですよ。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! まあまあ、そうだろうね(笑)。

(若林正恭)だからたぶん友達が少ないだと思うんだけど(笑)。すごい俺、嫌だったんだよね。あの日々は。

(春日俊彰)なるほどね。たしかにあんまりいろんな人と……まあ、佐藤ミツとばっかりいたわけじゃない? いろんな芸人とそうやってクダを巻いているとか、そういうわけではなかったわけだよね。若林さんは。

(若林正恭)タイプ的にはね。いや、なんか……お酒飲んで、結構気持ちいいから。なんか人のネタの悪口を言ってると自分が面白いかのように思えてきちゃううのよ。若い時の仕事がない時って。それで帰りのさ、井の頭線がさ、なんか「売れた」みたいな気分になっちゃうんだよね。朝まで「あれは面白くない。これは面白いって思われているけど、違うと思う」みたいに。みんな「そうだよな」って言うじゃん? で、「自分たちが本当のストロングスタイルをやっている」みたいに4時半ごろ、盛り上がって。「またね!」みたいに。あの朝方の渋谷のセンター街のカラスとかがさ……カラスが多かった時代だから。いてさ。帰りとかに「売れたな!」とか思って帰っちゃうのがなんか俺はすごい嫌だったんだよね(笑)。

(春日俊彰)ちょっと麻痺しちゃうというかね。

(若林正恭)あれ、5時間とかしゃべっていると、麻痺しちゃわない?

(春日俊彰)お前が一番売れてないからね(笑)。悪口言っている対象はテレビ出てるんだから。少なくとも。

(若林正恭)それでみんなで「お前も面白いよ。お前、もう絶対あると思うよ。お前、いつか絶対に化ける。じゃあね!」みたいになるとさ、「売れたな!」みたいになるじゃん?(笑)。あれは俺、すごい嫌だったんだよね。

(春日俊彰)まあ、そうか。そうだね。安心するんだろうね。なんかね。

(若林正恭)まあ、でもそれをおじさんになって振り返ると……っていうこともあるのか?

(春日俊彰)そうじゃない?

(若林正恭)でも1日もない。戻りたい日(笑)。

(春日俊彰)まあ、珍しいかもね。大概は、そうだよね。やっぱりね。「まあ、あの頃はあの頃でさ……」みたいな感じじゃない?

(若林正恭)はいはい。そうだよね。みんな言うよね。信じられない! 本当に信じられない。結構、なんか若い人が「おじさん」って言うじゃん? すごい。でも、全然若いことが羨ましくないから(笑)。「クソだろ、20代!」と思って。もう本当、俺の20代はクソだよ!(笑)。

(春日俊彰)ああ、たぶん珍しいだろうね。

「クソだろ、20代!」

(若林正恭)いや、お前、だから俺……高校までは吉祥寺とか、そのへんは「ここ、よくみんなで来たな」とか懐かしい気持ちになるの。また歩いたりすると。

(春日俊彰)ああ、今でも。

(若林正恭)でも、渋谷の稽古場への道とかを歩いてる時で「クソだったな、本当に!」って思うもん。

(春日俊彰)ああ、あるな。

(若林正恭)わかるでしょう?

(春日俊彰)わかるわかるわかる。私、目黒のさ、区民ホール? なんだっけ? あの目黒の通りの……。

(若林正恭)オーディション、ネタ見せがあったところな。あそこの通りな。うわっ、わかるなー!

(春日俊彰)あそこの、ラーメン二郎とかある通り。「くぅーっ!」って思うね。

(若林正恭)それそれ!

(春日俊彰)「あの橋のところでさ……くぅーっ!」って思うけどね(笑)。場所はね。

(若林正恭)あと、駒沢公園でさ、再現ドラマみたいなのをさ。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! あの階段のところでしょう?(笑)。

(若林正恭)階段のところ。「ギャラ出る」って言っていたのに結局ノーギャラでさ。しかも前日にさ、「朝7時に行け」とか言われて。バイト辞めなきゃいけなくて。それで。前日に言われるから。バイト……もう、あれって前日じゃん。電話が事務所からかかってきて。「7時に行け」とか。映画のエキストラで。それで駒沢公園にブリリアンのコージとアメフトの試合を久しぶりに見に行って。コージと待ち合わせるために駒沢公園を歩いていて。その俺が再現Vで……あれは23、4の頃だよね。歩いたところと全く同じところをたまたま歩いてさ。競技場、試合会場に向かう途中で。「いや、クソだったな、本当に!」って思って(笑)。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! ああ、なるほどね(笑)。

(若林正恭)朝からさ、夜まで歩いて。メガホンで怒られてさ。

(春日俊彰)ちょっと飽きてきてね、ちょっとふざけたような感じの歩き方をしたらね。

(若林正恭)まあ、俺らがいけないんだけども。いやー、あったな。当時を思い出して。東京都にいろんな、そのトラップがあるんだよな。「ハウススタジオ、このへんかな?」とか歩いてたら、嫌な思い出の道を歩く時があるんだよな。

(春日俊彰)いっぱいあるよ。三軒茶屋とか、やっぱり嫌だもんね。

(若林正恭)お前はもう一緒じゃん、俺と!

(春日俊彰)あのキャロットタワーの前とかのさ。ラ・ママのオーディション、あそこでやっていたじゃない?

(若林正恭)一緒じゃん。だから(笑)。

(春日俊彰)あの劇場。欽ちゃん劇場だっけ?

(若林正恭)そうそう。あそこ。ラ・ママね。

(春日俊彰)あそこなー……(笑)。別にオーディション自体は嫌じゃないんだけども。あの時のあの感じね。何十組も集められて、外で待ったりとかしてさ。ネタ合わせとかしてさ(笑)。思うわー!

(若林正恭)フハハハハハハハハッ! いや、俺より酷いじゃん(笑)。

(春日俊彰)オーディションはその後、中野に変わったんだよな。ラ・ママのオーディションが。あの学校の近くに。

(若林正恭)なんか変わったよな。中野のあそこにな。

(春日俊彰)タイタンの阿佐谷とかもさ、タイタンの前を通るの、ちょっと嫌だったもんな。「ネタ見せだ」って2階か3階のさ、狭いところでみんなで待ってさ(笑)。1時間とか1時間半とか。あるある! 新高円寺もやっぱり嫌だもんね。青梅街道ね。人力舎のネタ見せ。あのとんかつ屋さんの上のところにあったじゃん。はあ……(笑)。

(若林正恭)お前の方が多いじゃん(笑)。俺、でもそしたらあの阿佐谷パールセンターあるじゃん。阿佐ヶ谷のパールセンターの地下の居酒屋で25、6の時にさ、エキストラでさ、工事現場の人の格好を2人でしてさ。工事現場の格好で……あれもエキストラで行かされてたんだよ。

(春日俊彰)あったかもしれん。はいはいはい。

エキストラ仕事の待ち時間

(若林正恭)で、その時に……今でも思い出すな。エキストラって待ち時間、長いじゃん。で、なんか俺、その時にたぶん金髪だったんだよね。それで春日も、なんていうの? 作業着……地下足袋とか履いて、ヘルメットを持って、2人でなんか飲んでて座ってるだけのドラマ。そう、ドラマだよ。それで、なんかモデルの男たちが映画デビューかドラマデビューかみたいな。それで、なんか2、3時間さ、足袋を履いてヘルメットを持ってさ、2人で待っていたら3時間ぐらいして「おはざーっす」とかって来るんだよ。モデルたちが。

(春日俊彰)まあ、主役というかね。

(若林正恭)そうそう。だから俺、結構CMとか撮ったりするのでエキストラの人とか。あと、オードリーの若林役のカメラテストする人が事務所の人だったりするじゃん。で、それを俺らもやったことあるじゃん。誰かのカメリハの座ってるだけのやつとか。だから俺、絶対にすごいちゃんとあいさつするようにしてるんだよね。「なんで3時間待って、偉そうに入ってきてよ……」って何も仕事のない若手は思うから。絶対!

(春日俊彰)私も「申し訳ないな」って思うよ。こっちが撮っている時もさ、ピンクのベストを着てさ、髪をこう分けてさ、スタジオの暗いところで座って待っていてくれて。それでワンシーン撮ったら「スタンバイだ」っつってさ。それでその方々がさ、立ち位置とかを全部やってくれるんだよ。そんな……不本意中の不本意でしょう? ピンクベストでこんな……そんなことをやるために事務所に入ったわけじゃないじゃん? あれ、「申し訳ないな」って思って。「いい、いい。やる、やる。自分で。やりますよ!」って思うよ。

(若林正恭)あれ、申し訳ないよな。それで、びっくりする時もあるもんな。役者事務所のたぶん若手の方、若い方だと思うから。カメリハ。だから、身長とかがたぶん一緒なんだよね。

(春日俊彰)そうだろうね。体型とかね。

(若林正恭)結構毎回なんだけど、俺より華があるパターンが……役者さんだから。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! そうか。シュッとはしているんだ。

(若林正恭)シュッとしてるんだよ。「いや、俺よりあの人の方がいいんじゃないか?」って。「どっちがリハか分からなくなっちゃってるんじゃないの?」っていうのがあるからね。あれ。

(春日俊彰)「あの方を出した方がいいんじゃないか?」っていう(笑)。

(若林正恭)それで、パールセンターの地下の居酒屋で作業員さんの格好をして。春日と2人で酒を飲んで。もう画面の端で見切れているみたいな時に、おじさん。40代ぐらいのおじさんみたいなエキストラの人もいて。その人と……待ち時間の間、ずっとその人が話しかけてくるんだけどさ。なんか今、思い出してきたけどもさ。「何年やっているの?」みたいな。「3年です」「この世界、芸人さんはだいたい売れないよね。いつ、辞めるかだよね」みたいなことをさ、ずっと言ってくるおじさんがいたんだよね。だからその、なんていうの? 「頑張ってよ」とかじゃなくて。「だいたい売れないよね」みたいな(笑)。その人も4、50だと思うんだけども。

(春日俊彰)まあ、ずーっとやっている役者さんなんだろうね。

(若林正恭)「何歳ぐらいまでやろうと思ってるの?」「いやー、わかんないですけど。もうちょっとはやろうと思って」「テレビに出たことあんの?」「いやー、ないです」「だいたい売れないよね。芸人さんね」みたいな。なんかどんどん暗くなっちゃってさ。あの『キッズ・リターン』のさ……。

(春日俊彰)今、それをまさに思い出したよ。言おうと思っていたもん。「それ、『キッズ・リターン』だな!」っつって(笑)。

(若林正恭)でも、なんか物語だったなー(笑)。

(春日俊彰)「これ、いいよ」っつってね。あんまりよくないものを渡されて(笑)。

(若林正恭)「俺なんかもさ、ハタチ前から役者をやっていたけどもさ。だいたい難しいよね」みたいな感じの話をしたよな。あれな。

(春日俊彰)それはなんかあったような気がするな。若林さん、そういうエキストラ系のことはよく覚えてるね(笑)。

(若林正恭)あれ、なんかすごい行かなかった? エキストラ。

(春日俊彰)まあ、言われてみればだな。駒沢公園は覚えているな。

(若林正恭)俺、全部覚えているからな。どれがギャラが入って、どれが入らなかったか。そんなのもう絶対に忘れないから!

(春日俊彰)さすがにそこまでは覚えてないけどな。うん。エキストラは……やっぱりネタ見せとかの方が覚えているな。

(若林正恭)こう言っちゃなんだけども。漫才をやりに来ているから。正直、全然嬉しくないから。エキストラは。あれだもんな。2007年のM-1の2回戦でさ、『隠し砦の三悪人』のもう500人ぐらいいる大軍の歩兵役で2人、入っていたもんな。槍を持って。すっげー長い槍を持って!(笑)。

(春日俊彰)そうだよ。「堀から出てくる」っつって。朝、行って。ブワーッて。たぶんHi-Hiさんもいたわ。みんなで堀にずっと隠れて、飛び出してくるっていう(笑)。

(若林正恭)兜をかぶって。それであの前日か……M-1の予選の後に行ったんじゃなかった?

(春日俊彰)前日じゃない? だって朝、早かったから。

『隠し砦の三悪人』のエキストラ仕事

(若林正恭)違う。あれはM-1の次の日だよ。M-1 2007の2回戦の次の日。俺、覚えてるもん。朝、2人で兜をかぶって、めちゃくちゃ長い槍を持って。隠し砦の……もう300人ぐらいいる中で春日と2人で槍を持って。堀みたいなところに隠れて。「はい!」って言われたらみんなで「わーっ!」って言いながら槍を持って突っ込むっていう。で、それが一斉に出てこなきゃいけないから。何度も堀の……堀っていうか、ちょっとなんか山に隠れるようになっていて。「わーっ!」って春日と槍を持って春日と……ビックスモールンとかもいたよね?

(春日俊彰)いたかもね。Hi-Hi兄やんと我々とビックスモールンと……。

(若林正恭)槍を持って「わーっ!」って。でも、完全にその時はもう7年目とかだから。「もう売れねえよ」って思ってるし。でも、エキストラもはっきり言って嫌々行ってるし。で、やってるじゃない? そしたら、うちの事務所の芸人がいて。誰かのメールかなんかにそのM-1の審査員の人の……これ、毎年あっただけど。本当なのか、嘘の情報なのかわかんないけども。「審査員がこう言っていた」みたいな嘘のデマみたいなのが流れるんだよ。芸人の間に。「誰々が3位通過だった」みたいな。なあ、そんなの、あったよな?

(春日俊彰)そうだね(笑)。「審査員をやっていた誰々に聞いたんだけど……」みたいな。

(若林正恭)そう! そういう嘘が流れてくるのよ。芸人に。で、2007年の2回戦の次の日だよ。槍を持って兜をかぶって春日と「どうせ売れねえんだろ」って思ってやってた頃に、誰かが「おい! 昨日の2回戦、ナイツとオードリーが1位、2位通過だったらしいぞ?」みたいな。「そんなわけねえだろ、タコッ!」って思って。その後、槍を持って「わーっ!」っつって突っ込んでって(笑)。

(春日俊彰)やることはちゃんとやるんだな。偉いな、偉い(笑)。

(若林正恭)やることはやるよ。さすがに。歳も歳だから。

(春日俊彰)変な、槍を持たないで、後ろ向きに走るとかはやんない。ちゃんとやる(笑)。

(若林正恭)ちゃんとやらないと終わらないから。早く終わりたいからさ。映ってるのかな、今、見たら。絶対にわかんないよな。みんなで整列してな。採石場みたいなところに。やっていたよな。

(春日俊彰)それで、誰かいたんだよな。演者がな。主役というか。遠くの方に。

(若林正恭)なんか見えないところに隠れているんだよな。それこそ、隠し砦に隠れていたんじゃないか? なんか、「あの砦に向かって突っ込んでいけ」みたいなやつじゃなかった? めっちゃ広いところで、なあ。

(春日俊彰)あれ、誰がやってたんだっけな? その時にいたの。でも、わかんない。本人かどうかもわからないし。こっちはね。わかんないけど、堀に隠れながら。うん。演者、見えたな。

(若林正恭)懐かしいな、うん(笑)。

(春日俊彰)懐かしいっていうのと、やったねー。

(若林正恭)長かったな、槍(笑)。槍が長かったなー。で、とぼとぼとぼとぼ歩いてな。あんなの、どっちだった? ちょっと嬉しいの? それとも、「もういいって」と思ってやってるの?

(春日俊彰)まあ、若林さんほどでもないけど。「なんだよ?」とは思ってるよね(笑)。朝早いしさ。「これ、誰でもいいだろ?」っていうね。申し訳ないけど。

(若林正恭)そのお仕事は……でも「お仕事」って言ってもギャラが出てないパターンも半々だからね。あれ。

(春日俊彰)でも、そのパターンはさすがに出ているんじゃないかな?

(若林正恭)さすがに出ているとは思うけど。まあ、それはいいんだけども。「漫才をやらせてよ」っていうことなわけじゃない?

(春日俊彰)まあ、そうね。なにか……そうそう。やれればいいんだけど。でも、そうは言っても笠をかぶってさ、鎧的なものを着たりしたから、ちょっとだけテンションは上がってたんだよね。そういう衣装を着る。そういうものを着るっていうのはなかったから、多少テンションが上がってビックスモールンと写真は撮ったと思うんだよな(笑)。

(若林正恭)たぶん撮っていたよ。なんか。

(春日俊彰)だから100、嫌だったっていうわけでは……。

(若林正恭)あんなの、たぶんそれは絶対、そういうのでも前向きに仕事してた方がいいのはわかる。今はね。でも、不貞腐れていたなー。

(春日俊彰)誰かのミュージックビデオの後ろとかさ。ありましたよ。

(若林正恭)でも、「もう売れない。やめようかな」って思ってるのに長い槍を持つんだぜ?

(春日俊彰)たしかにね(笑)。だからその、繋がってないからね。その先と。

(若林正恭)あれはうちの事務所特有の話だと思うよ、たぶん。これだけエキストラがあるって。やっぱり本社の方はドラマもあるから。そんなに他の事務所、ないだろう? たぶん。ドラマ、映画の。

(春日俊彰)どうだろう? ないかもね。

(若林正恭)俺もでも、よくなかったな。そうそう。CMのエキストラもやったよな。だから俺、自分がCMを撮った時に、飲み物のCMだけど。朝、俺の通勤風景の時にすれ違うサラルーマンの方やOLの方がみんな、エキストラなのよ。2、30人。めちゃくちゃちゃんとあいさつをしようと思ったもん。こんなの……「なんだよ、若林。1時間前からこっちは何往復してたと思ってんだよ?」って思ってる人が絶対……「昔の俺がいるぞ!」と思って(笑)。

「この中に、昔の俺がいるぞ!」

(春日俊彰)絶対にいる。うん(笑)。「なんでもっと……舞台とかやりたいのに、なんですれ違わなきゃいけないんだよ?」って。

(若林正恭)「なんで若林とすれ違わなきゃいけないんだよ?」って思って(笑)。

(春日俊彰)「朝、呼ばれて。寒い、寒い……」っつって。いるよ。

(若林正恭)それであれ、メガホンでな、「はい、ストップ。はい、歩いて!」とかって言われて歩いているじゃん? エキストラの方が。あれもやったもんな。

(春日俊彰)やったね。申し訳ないなと思うよ。

(若林正恭)うちの会社特有のやつだよな。

(春日俊彰)かもしれないね。

(若林正恭)あんまり聞いたことなくない? 吉本の人とかで。あるのかな?

(春日俊彰)どうなんだろう? まあ、あるっちゃあるんじゃない? ないってことはないんじゃない?

(若林正恭)エキストラ。

(春日俊彰)エキストラ。だからなにかに事務所の先輩とかが出るとかさ。

(若林正恭)すごい行ったもん。鑑識のあの指紋を取る綿のポンポンポンポンって叩いているの、あるでしょう? 殺人現場の。俺、あれ何回もやったもん。あの綿でポンポンポンポンって指紋を取るやつ。

(春日俊彰)ああ、そう?(笑)。若林さんぐらいがいいんだろうね。やってるっぽい感じの人というかね。

(若林正恭)まあ、その見た目も特にね、特徴がない方がいいから(笑)。そうそうそう。やったな。靴のままビニールシートを家の中に敷いたのを歩いて。ポンポン綿で叩いては戻ってを何回も何十回もやって。「おつかれした」みたいな。弁当は持って帰れるんだけどね。あれは助かるんだけどね。

(春日俊彰)そうだね。それぐらいだよね。

(若林正恭)それをさ、3万の風呂なしの部屋に弁当を持って帰って食ってさ。舌打ちしてさ、寝るっていうね(笑)。

(春日俊彰)それはやっぱり戻りたくないよね。その20代は。たしかに(笑)。

(若林正恭)でも、あれがあったおかげで今の自分があって。こうやってオープニングトークでしゃべれるってことは、無駄なことはないなって思うなー。

(春日俊彰)いや、無理があるだろう(笑)。それでもう全部がOKになるってないだろ?(笑)。

(若林正恭)何でもやっていて、無駄なことはないなって今、思うな。うん。こうやって楽しく春日としゃべれて。なんかやっておいてよかったなって思う。うん。

(春日俊彰)(苦笑)

<書き起こしおわり>

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