香山哲と宇多丸『ベルリンうわの空』とストリートテクニックを語る

宇多丸・中澤孝紀・宇垣美里 香山哲『ベルリンうわの空』を語る アフター6ジャンクション

(宇多丸)まさに『ベルリンうわの空』で香山さんがね、生活全体を使ってそれを提示されてるっていう感じもあります。ちなみに、そのチェアリングとかストリートテクニック……ストリートテクニックって、どう思われます? フハハハハハハハハッ!

(宇垣美里)フフフ、ざっくり(笑)。

(香山哲)僕も……チェアリングって説明しやすいじゃないですか。

(宇多丸)座ってお酒を飲むっていうね(笑)。

(宇垣美里)どこでもね(笑)。

(香山哲)でも、ストリートテクニックの説明って言われても結構しにくいなと思っていて(笑)。でもたぶん、通勤とか道を歩く……ストリートを歩くということがA地点からB地点への移動だけにしないっていうことがストリートテクニックなのかなって思っていて。

(宇垣美里)そうか!

(香山哲)つまり、その道中を、その間も自分の人生の時間を消費してるわけだから。なので、何かと出会うとか、何かとインタラクションするとか。まあ、あいさつをするでもいいし。なんか自分の人生の時間として、そこの時間もきちんと楽しむというか。まあ、楽しまなくてもいいんだけど。なんか昔のことを思い出すとかだけでもいいんだけど。

(宇垣美里)「白線から絶対に落ちない」とかも。

(香山哲)ああ、そうそう! ちっちゃい時ってやっていましたよね。

「白線から絶対に落ちない」

(宇多丸)たしかに。子供の時はそういう道端の、たとえば路上の模様を使うとか。

(宇垣美里)石を絶対に蹴り続けるとかね(笑)。

(宇多丸)そういうのとか。まさに街を勝手に読み替えて遊ぶ道具にしたりしてたわけですけど。その視点ってことですかね? そういうような……。

(香山哲)そうだと思います。

(宇多丸)ねえ。METEORとか政所くんがやっている街の中で「夢」って書いてある字を探すっていう夢さがしとかね(笑)。

ストリートドリーム

(宇垣美里)フフフ(笑)。

(宇多丸)「バカじゃないの?」って思うけど、絶対に楽しいもんね。

(宇垣美里)やり始めたらね(笑)。

(香山哲)でもそういうものが言語学的になるっていうか。「この時期に作られたスナックにめちゃくちゃ『夢』っていう名前が多いぞ?」とか、そういう発見につながっていくと思うんですよね。これが発端で。

(宇多丸)そのネーミングってその人の思いとか入ってるから。やっぱり「夢」っていっぱい入っていたら、なんかそういう「夢を見たい」っていう強い思いが沸くところなんだなっていう……。

(香山哲)「この場所はそうなんだな」とか。夢の磁場が強い場所というか(笑)。

(宇垣美里)磁場(笑)。

(宇多丸)そもそも、ネーミングってすごい思い入れが入るものだから。まさに彼らはそこ面白がっていたわけだけど。でもね、さすがMETEORと義兄弟だけあって、香山さんの街の目線が……。

(香山哲)僕の方が兄ですから(笑)。

(宇多丸)ああ、お兄さんなんですか?

(香山哲)歳は下なんですけどね(笑)。

(宇多丸)ああ、そうなんですか。

(香山哲)何ヶ月か下なんです。同い年でちょっと下っていう。

(宇多丸)このつながりも面白いな(笑)。

(宇垣美里)でもお兄さんなんだ(笑)。

(宇多丸)先ほどからちょいちょい、この番組とかを聞いていただいているんですね?

タマフル時代からのリスナー

(香山哲)結構、前の番組から聞いていて。まあ映画のこととか好きでいろいろ聞いてたし。あと、なんかコーナーに入らない、放送ができない内容をポッドキャストで長くアップされていたりしたんで。そういうのとかも聞いていて。

(宇多丸)ああ、放課後ポッドキャストとかいっぱいやっていました。ありがとうございます。

(香山哲)はい、好きでした。今のアトロクも初回から聞いてます。

(宇多丸)光栄です! ちなみにこれ、聞いてる手段っていうのはどうやってお聞きになっているんですか?

(香山哲)今、ラジオクラウドで聞いていますね。Radikoとかは国外だと聞けないので。でも、ラジオクラウドがコンピューターからだとたぶんもうすぐ聞けなくなってしまうので。

(宇多丸)えっ、そうなんですか? そういう仕様の変更があるの?

(宇垣美里)あ、スマホだけになるという?

(宇多丸)ええっ? なんだそれ? なんか嫌なシステムの押しつけがありますね。すいません。もうちょっと利便性というか、聞きやすい形を……。

(宇垣美里)国外でも聞けるようにね。

(宇多丸)実際に海外からメールをいただくこともありますからね。ちゃんとその視点も持っていたいもんですけどもね。ちなみに最近だとしまおまほさんの「EXPOわっしょい」というラジオ内ラジオもお聞きいただいて。

(香山哲)もう大好きで。あれ、さっき言っていたみたいに生活じゃなくて生活のプロセスとか、楽しむプロセスっていうを大事にしたいと思っていたけども。「EXPOわっしょい」はたとえば結果じゃなくて方法じゃなくて、そのレシピを読む方法とか、レシピをどう読み間違えるかみたいな感じのことをやっていて(笑)。ラジオ内ラジオを失敗するとか。これができる人ってそんなにいないなと思って、すごい感動をしていて。

(宇多丸)ああ、なるほど。そうか! そう言われてみればそうかも。

(香山哲)僕もこんなのが漫画でやりたいと思いますね。

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