香山哲と宇多丸『ベルリンうわの空』とストリートテクニックを語る

宇多丸・中澤孝紀・宇垣美里 香山哲『ベルリンうわの空』を語る アフター6ジャンクション

(宇多丸)ええっ、すごい! しまおさんにもちょっと伝えておきます(笑)。でも伝えるとまたとんでもない回答が返ってきたりするんですけども。そこがまた面白いっていうね。予測不能な。あと僕ね、『ベルリンうわの空』でもうひとつ、印象的だったのが、もちろん楽しむとか……今の生活を楽しむって部分もそうですけども。

壁新聞を作ったりして、働きかけをされてるじゃないですか。最近でもなんかチラシですかね? 作られたなんていう。今回のコロナで。そういう、社会に対してこっちから働きかけるみたいなことも割とサラッとやられていて。それは香山さんがそうなのか、それともやっぱりベルリンとか、もしくはドイツにそういう感じがあるのか?

他者や社会への働きかけ

(香山哲)そうですね。まあ元々ちょっとやってたかもしれないですね。たとえば僕、大学に入った時に授業料が上がって。それの文句を書いてみんなに配るとか。「怒った方がいいよ!」とか。そういうのが好きで、こっち、ヨーロッパに来てからは割とそういうこと……まあデモとか、デモ未満のこと。近所の人に呼びかけるとか。そういうことが多いから。より、やりやすくなったというか。

(宇多丸)へー。でもそれがね、やっぱり日本だと近所の人に呼びかけて、そういう社会に対する働きかけとか。まあ町内会とかもあるにはあるけど。

(宇垣美里)あんまり見られる形ではないから。

(宇多丸)まして、まあ移民というか。外から来て住んでる人が全然そういうことをフラットにできるとかってちょっと、残念ながら想像しづらかったりするわけですけど。

(香山哲)でも、やったらもしかしたら優しく受け入れられるかもしれないですよね。日本だってね。「こういうことに困っている」とか。

(宇多丸)ああ、たしかに。ひょっとしたらこっちが勝手に……。

(宇垣美里)怖がっているだけかもしれないですね。

(香山哲)そうそう。やっぱりシャイだからっていうのもあるかもしれないですね。

(宇多丸)でもまさにその先ほど、しまおさんが最近、この間すごく急に真面目な話をしだしたくだりがあって。「もっとみんな、ちゃんと普通に話しかけたり、もっともっと自分の話をした方がいいよ」みたいなをこと言っていて。あれがすごく良かったんだけどさ。

(香山哲)うん。僕もすごいいいなと思いました。

「普通に話しかけたり、自分の話をした方がいいよ」(しまお)

(宇多丸)突然またああいうことを言い出すから(笑)。「あ、いや……いいね」みたいな(笑)。でも、香山さんがおっしゃっていること、もしくはそのベルリンで経験されているコミュニティのあり方とかとすごい通じるかなと思って。

(香山哲)うんうん、そうですね。だから、世の中の雰囲気がそうなのかも。そう思わせているというか。

(宇多丸)そうですね。だからちょっとそうでもしないと本当に息苦しくて……っていう。

(香山哲)そう。それの1個の解決策として、そういうのを……。

(宇垣美里)移民が多いからこそ……っていうのももしかしたらあるかもしれませんね。

(宇多丸)そうですね。だからこそ、こういうきついタイミングっていうのはまさにそういうのを成長する契機とも取られる、いままでは越えられなかった一線を越えるいいタイミングっていう考え方もありますよね。

(香山哲)変われるタイミングというか。

(宇多丸)ということで、あっという間にお時間が来てしまいまして。なんとせわしないことでしょう。ということで香山さんのコミック『ベルリンうわの空』は現在、イーストプレスより絶賛発売中となっております。ぜひ、今日おしゃべりになったこういう人が書いている本だと思って読んでみると、また味わいが深まるかもしれませんね。これ、僕らも一押しです。『ベルリンうわの空』。

(宇垣美里)大好き!

(宇多丸)そして他にお知らせごとなどありますか?

(香山哲)eBookJapanっていうアプリでこの漫画の続編を今、連載してて。

(宇垣美里)読んでます!(笑)。

(香山哲)ありがとうございます。全話読めるんですけど。eBookJapanっていうアプリで。『ベルリンうわの空』も無料で今、10話以上読めるので。スマートフォンとかで無料のアプリを入れてもいいという方はよろしくお願いします。

(宇多丸)はい。ということで今夜のゲストは漫画『ベルリンうわの空』の作者、香山哲さんでした。もし日本にお越しになる際があれば、もちろんスタジオでもお待ちしておりますし。そこでMETEORと初顔合わせとかも……。

(香山哲)フフフ、楽しみにしてます(笑)。

(宇多丸)よくわからないイベントを開いてみるというのも……。

(宇垣美里)ついに兄弟の契りを(笑)。

(宇多丸)ということでベルリンから香山さん、ありがとうございました!

(宇垣美里)ありがとうございました。

(香山哲)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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