小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中で自身の運営する会社・Tokyo Recordingsの事業拡大と人材募集について話していました。
(小袋成彬)そう。役割なんですよ。役割。今ね、その20代半ばで社会への不満を高らかに歌うロックバンドとかね、まあどの世界でもいるじゃないですか。いろんな出会いと別れがあり、子供が生まれたりなんだりでその自分の人生のフェーズが変わって、社会に対する役割もまた変わってくるじゃないですか。そういうものに最近、気づいたんですよ。何だろうな? いまだに自分の役割が何かはわかんないけど、少なくとも自分が果たせる役割はあるんですよね。
そこの……今、この日本の社会においてね。音楽業界とかじゃないよ。日本っていう国に対して、なんか僕が海外に住んでできること。もっと、その「周りを幸せに」とかっていうレベルじゃなくて、もっとマクロ的な意味でね。それをちゃんと考えたいし、実際に今、会社を大きくして実際にビジネスとしてそれをね、実現していきたいなって思っているので。まあ、こうご期待ですね(笑)。「自分で言うなよ!」っていう感じだけど。でも「やる」って決めちゃったからな。
事業拡大と人材募集
2020年春、事業の拡大に伴い@TokyoRecordings は新しいスタッフ及びプロデューサーを募集します。
弊社は、東京とロンドンにオフィスを構える音楽専門のプロダクションカンパニーです。募集要項は明日アナウンスします。
懐かしい創業当時(2015年)の写真 pic.twitter.com/KbVoQqPG7a
— ??????? (@nariaki0296) March 4, 2020
ちなみに3月22日まで、弊社は人を募集しております。なのでよかったらぜひ参加してください。ホームページにね、採用要件があるんですけど。採用専門のメールアドレスを公開していて。そこにCVとかプロフを送ってもらうようにしてるんですけど、本当にいろんな人がいますね。いやー、何か人事って大変だね。
もう言葉遣いがヤバい人とかもいるし。あとは「仕事できます!」から入る人もいるし。本当に不思議だわ。何だろう? 何か、メールでわかりますね。「あっ、この人、一緒に働きたいな」とか「あっ、この人ちょっとヤバい人だな」みたいなのがメールの文面でわかったりするんで。すごいまた勉強になりますね。うん。
2020年春、事業の拡大に伴い、新たな人材を募集いたします。詳しくはこちらから。https://t.co/IprY2COei4
— TOKYO RECORDINGS (@TokyoRecordings) March 4, 2020
大学時代にね、ゼミのリーダー長をやってたんですけど。その時にそのゼミの後輩、誰を入れるか?っていうのをね、自分たちで選ぶっていう模擬の人事みたいなものをね、1年間やるんですよ。2年生はね。で、人のどういうところを見るかとか、あとはなぜ人を採用するのかとか、そういうものを、割と基礎的な考え方を学んだんで。
まあ、学んだことなんで今ね、生かそうとは思うんですがね。うん。本当に素敵な人が入ってくるといいですね。そんなお話でした。Tokyo Recordings、大きくなります。もう「大きくする」って決めた! いろんな人ともっと、自分の想像し得ない大きな世界を作りたいなってすごい思うんですよね。まあ、この沈みかけの船に乗ってくれる人はぜひぜひ参加してください。
あと話したいこと……先日ね、あるダルストンのクラブに行って。仲間がすごくいっぱいいたんですけど。それで初めてKero Kero Bonitoのボーカルの女の子、サラちゃんとも会って。で、サラちゃんの友達なのかな? すごい天然パーマで面白い服を着てる人がいて。それで話をしてたんですよ。クラブの中なんで全然、声が通らないのと、あと僕の英語力もあって、なんかね、何を言ってるのかはわかんないんだけど、その表情とか共感ベースでこう、「通じ合ってるな」みたいな。「イエーッ!」って。なんかもうわかんねえけど反応をしていて。
で、「どこに住んでるの?」みたいなのも「あのへんかな?」みたいな(笑)。いいじゃないですか、別にコンフリクトしたいわけじゃないので。「イエーッ!」とかって言っていたらサラちゃんが途中で横槍を入れてくれて。「彼は耳が聞こえにくいんだ」って。で、たしかにね、補聴器をしているんですよ。それで、俺は耳が聞こえない英語話者の人と初めてを会話したんですよ。
耳が聞こえない英語話者と共感する
で、なんか結構近年稀に見るくらい、共感したっていうか。会話が、中身は別にないんだけど、なんか楽しかったみたいな感覚があって。すげえ不思議な感動に包まれたんですよね。それで全く聞こえないわけじゃなくて、その口の動きとか、あとは表情とかで彼はわかるらしくて。で、たとえば「どこに住んでるの?」って言ったら「いや、◯◯だよ」みたいな返事はちゃんとくれるですよ。でもちょっと発音はやっぱり耳のせいなのか、たしかに聞き取りにくいんだけどすげえなんかね、心が通じ合ってる感じがあってね。
で、「うん、全然遊びたかったら今、ここの席を離れてどっか行ってもいいよ」って促されたんだけど。なんかすごい悲しそうな目をしてて。「いや、そんなことないぜ。お前と話すの、結構楽しいぜ!」みたいな話をしてたんですけど。何か俺、衝撃的な体験だったんですよね。あれが。心が通じた実感をね、初めて人に感じたんですよ。心がほんわかした体験でしたね。そう。
話したいことは話したかな? 「aikoさん、サブスク解禁」か。たしかになー。ああ、いろいろメモしてますね。「メディア」……メディアな。本当、外から見てるとメディアが空気感を作ってるんだっていうのはよくわかりました。特に日本はね。本当に。で、たぶんメディアはご本人たちも気づいてないから。たぶんちゃんと「国民に寄り添った報道を!」って思ってるだと思うんですけど。何か大きな勘違いをしてるような気がしますね。
僕もね、音楽を提供してるんですよ。結構お堅い系のフジのニュース番組にね。そう。だからね、忖度しようと思えばできるんですけど。でもあえて言うけどやっぱりもう少しね、みんなに信頼されるようなニュース。リーダーシップとクリエイティブが発揮されているニュース、報道を増やさないといけないと思うな。うん。「いけないと思う」というか、僕がそれをね、会社でまた違うアプローチでそれを醸成していきたい。そのリーダーシップとクリエイティブね。
今回、そのTokyo Recordingsでやろうとしているのが、その海外式のプロデュース方法をやろうと思ってるんですよ。「海外式」って便宜上、言ってますけども。特に日本においてはプロデューサー同士の交流っていうのがあまりなくて。しかもプロデューサーが1人でアレンジまで完結しちゃうっていうのがメジャーのシーンではよくあるんですよ。インディーとかね、それこそラッパーとか、ああいう立ち回りの軽い人たちは全然そんなことないはずなんですけど。ことメジャーのレベルにおいてはそうなんですよ。
「海外式」プロデュース方法
一方でアメリカのポップシーンはスタジオに何人もいて。メロディーを作れる人、ビートを作れる人、コードを弾ける人、ピアノを弾ける人とか。みんなガーッと集まってひとつの楽曲をアーティストの為に作っていく。あるいは魅力を引き出していくっていう、割と科学が働いている部分があって。で、俺は結構それ、毛嫌いしてたんですよ。「そんなの◯△×※じゃないか……」とかって思っていたんだけど、そんなことは言ってらんないんですよ。
やっぱりすごいクリエイティブの力だし。で、それがクリエイティブだから。そう。分業して……ああ、言い方を変えよう。「自分の得意なところを引き出して、それが楽曲になっていくってこんなに素晴らしいことはないじゃないか」ってやっぱり思うんですよね。それでまあ6年間、プロデューサーをやってきて、誰かに師事しようって思える人もいなかったし。たぶん日本はそういう文化じゃないんで。
だったら1回、そのやり方を考えなおして。外からいいものを取り入れて、ダメなものは取捨選択してみるっていう作業は絶対やるべきだし。そういうクリエイティブな文化を少しでも自分の手元に置いておきたいってい意図もあるので。その海外式のね、プロデュース方法。オルタナティブというか、もっといろんな方法を模索する何かをTokyo Recordingsの中に作るっていう。そういう感じですね。
なので本当に人とコライトすることに興味がある人。あるいはまあ一芸に秀でてるでもいいけど。そういう人たちはぜひ、連絡してきてください。俺は割とね、職人肌っていうか。1人で作るタイプなので意外とそういうところ、合わないんですよ。なのでまあその部門はYaffleに任せて、俺は「ちょっと世間に媚びてますよ」みたいなところをこうちょちょちょっと調整しつつ、後は人の「この人はこれがすごい得意なんだな」とかを見極めて自分の成長の糧にしたいなって。リーダーとしてね。そう思いますね。
クリエイティブ集団を作る
「これからクリエイティブ集団を作る」って言いましたけど、これからのね、メジャーのやり方を……僕もまだメジャーにいるんで。そのやり方のいいところも悪いところも結構見てきたので。また再編されると思いますよ。だってすごい爆発的に盛り上がっていっぱい時代に消費されていったバンド、僕ももちろんいっぱい知ってますけども。あんなの、タピオカみたいなもんじゃないですか。そう。タピオカになりたくてタピオカになったんなら全然いいんだけど。タピオカってやっぱり続かないし。「ああ、昔食ったよね」っていう音楽はなんかね、僕は辛いんですよ。そういうのを作るのはね。
100年後も残るような作品じゃないと嫌だなって思うタイプなので。そう。そのやり方ができるのはメジャーだし、一定の機能というか、一定の役割があるんだけど。ちょっとそれは担いたくはないなっていうのはずっと常々思っていることではありますね。うん。5年後の未来を見て今、動くことは絶対悪くないと思うし。志はね、大きい方だと思うので、屈せずに頑張りたいなと思います。ぜひ、謙虚に頑張るので応援よろしくお願いします。
ということでJ-WAVE『MUSIC HUB』、今日は珍しくしゃべりというか、まあしゃべりたいことがいっぱいあったし。本当、今の現状に対して思うことが……不満じゃなくてね、こういう未来への向き方があるんだよっていうのを提示したかったので。よろしくお願いします(笑)。J-WAVE『MUSIC HUB』でした。Radikoでお聞きの方、シェアもぜひよろしくお願いします。そして、メッセージ。ちょいちょいいただいてるのを見ています。すごい励まされています。励ましっていうか、僕は「面白いですよ」っていう反応をいただいてるのがただそれだけで救われてるので。またね、気軽に送ってください。ということでJ-WAVE『MUSIC HUB』、小袋成彬でした。また来週。
<書き起こしおわり>