PUNPEE『ジョジョ・ラビット』を語る

PUNPEE『ジョジョ・ラビット』を語る SOFA KING FRIDAY

PUNPEEさんが2020年2月14日放送のJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中でタイカ・ワイティティ監督の映画『ジョジョ・ラビット』について話していました。

(PUNPEE)はい。『SOFA KING FRIDAY』、引き続きお送りしてます。北海道の方からメッセージです。「こんばんは。いつも楽しく聞かせていただいております。今日リミックスワークの回ということでメッセージを送らせていただきます」。これ、前回のことですね。「……PUNPEE氏のリミックス、大好きなのですが、中でもやはり『水星』のリミックスが一番好きです。イントロに出てくる音がクセになります。ベースの何とも言えないいなたい感じが好きです。原曲をどう聞いたらあのリミックスを思いつくのか……解説を聞きたいです」。というわけで、この前にリミックス曲をかけさせていただきました。

tofubeats『水星 Roller Skate Disco Remix』

この前、ニセPUNPEEとして。そして自分もニセtofubeatsとして茶番劇をお互いのライブでたまにやったりしているんですけども(笑)。なんかサンプリングのネタみたいなのがあって。それを聞いてインスピレーションを受けてバーッと作った感じだったっす。『水星』のアナログに一応入っていて。なので見つけた方は聞いてみてくださいってことでかけさせていただきました。ありがとうございました。

先日は『ジョジョ・ラビット』という映画を見に行ってまいりまして。監督に自分は結構マーベルの映画作品でトップスリーになるだろうと思っている『マイティ・ソー ラグナロク(バトルロイヤル)』を撮っているタイカ・ワイティティ監督の作品ということで。この前もアカデミー賞の脚色賞を取りました。自分、まだ見れてなかったのでちょっとこの前、見に行ってきました。

自分、すごい好きだったっすね。タイカ・ワイティティの……まあ、どこまでが本当かはわからないですけども。『マイティ・ソー ラグナロク』を撮った時って結構アドリブ……役者の人にアドリブをさせたとか。オフビートの感じとか、ソーの根本は変わらないけど、なんかキャラクターに深みを出したところとか。ハルクとの関係とかを出したところとかがすごい好きで。

それが好きな作品だったからすごい楽しみにしていて。でも今回もそういうタイカ・ワイティティ節というか、すごいメッセージもある作品だったんですけど。

第二次大戦中のナチス時代のドイツの話で、そこに住む子供の話です。その子供がジョジョっていう名前なんですけど、彼はすごいヒトラーのことを崇拝しているんですけど、何かちょっと人間的な部分があって。悩んでる葛藤だったり、そういうのも描かれていくんですけども。

そこでその当時、迫害されていたユダヤ人の女の子とちょっとしたタイミングで会話することになるんですけど。それを軸にした話で。それで彼にはイマジナリーフレンドっていうか、あの想像上の友達がいて。他の人には見えない友達がいるんですけど。その友達がヒトラーなんですね。

ヒトラーがイマジナリーフレンド

それをタイカ・ワイティティ本人が演じてるんですけど。タイカ・ワイティティは『マイティ・ソー ラグナロク』をやった時もコーグっていうキャラクターの声をやっていて。あの岩人間みたいな人の声やったりとしていて。結構自分の作品にも出る人なのかなとか……まあでも、この2つしか見てないからわかんないですけど。そう思ったんですけど。

それで、その少年の葛藤だったりとかを描く作品っていう感じになってました。なんか自分、結構この時のドイツのことを描いた作品、いろいろ自分の好きな作品があるんですけど。『ライフ・イズ・ビューティフル』とかクエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』とか。

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コミックスでもアメリカのアンダーグラウンドのコミックスでアート・スピーゲルマンっていう人が書いている『マウス』っていう、その時代の人を全部ネズミだったり、他の国の人は違う動物にたとえた、結構「アンダーグラウンドで言ったらこれ!」みたいな有名なコミックスがあるんですけども。それなんかも好きだったりするので、なんとなく当時のことは興味があって、いろいろと調べたりもしたんですよね。そういう映画もたくさん見ていた時期もあったし。

『戦場のピアニスト』っていう映画は本当に割りとトラウマレベルで。「こういうことはあっちゃダメなんだな」って結構思った記憶もあるっすね。いろいろとそういうシーンがあったような気がしていて。

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やっぱり、「その時代をコメディにするべきじゃない」って結構批判されたりもしてるっぽいんですけど。でもそういう批判もあるのもわかる気もするぐらい悲惨な出来事というか、時期だったっていうのはわかるんですけども。なんというか、こういうのがもう起こってはいけないなとか、自分の中から出てくる優しさ的なものだったりを大事にしようというのを伝える作品としては、自分はすごいよかったんじゃないかなっていう気もしました。

で、ここからちょっとネタバレにもなっちゃうんですけども。まだ見てない方は……まあ、そんな大きいネタバレっていう感じでもなくて。知っていても楽しめる作品だとは思うんですけども。まだ見てない方で完全にゼロから見たいという人はここでペッとラジオを切ってほしいんですけども。

最初、始まるのがビートルズの曲のドイツ語で歌ったバージョン。ドイツでリリースされたやつから始まって。言ったらビートルズとかが出る前の時代の話なんで、時代背景と合っているのかどうか、わかんないですけど。そこから始まって。そういうところのにくさだったりもタイカ・ワイティティのナード気質がすごい感じるし。

サム・ロックウェルが好演

あと、サム・ロックウェルがすごい、また今回も……『スリー・ビルボード』に続いてよくて。

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彼もナチスの将校の役なんですけど、1回ユダヤの子を助けるというか、見て見ぬふりをするところがあって。なんかそのちょっと前に描かれてる、あれは何だろう? 自分はそう思ったんですけど、ちょっと前に描かれてるシーンで自分の部下みたいな男の人とちょっとだけいい感じっぽいシーンがあるんですね。男同士なんですけど。あれ、同性愛の感じだったんですかね? それでやっぱり自分も……まあそういう時代だから。

まだ昔だから、あま自分がそういうのをおおっぴらにできないから、そのユダヤの人。マイノリティーな人を「いや、それはもう許していくべきでしょう」みたいな気持ちだったのかな、みたいな。最後までなんかそれはちゃんとは描かれてなかったんですけども。そういう、言ったら同性愛の将校役だったのかな、なんてのは後で思ったりもしたっすね。

まあ全部描かないところが想像させる感じでいいなと思いました。そのタイカ・ワイティティの感じ。あとは、スカーレット・ヨハンソンっすね。もう自分の中だとブラック・ウィドウなんですけども。彼女が母親役を演じてて。主人公の少年とその母親のスカーレット・ヨハンソンの関係が結構グッとくるものがあった気がするっすね。なんか自分がスカーレット・ヨハンソンを初めて見たのって『バーバー』っていう……原題はなんだっけな? 忘れちゃったんですけども。それで見た時はまだ少女の役とかだったんですけども、今は母親を演じてるっていうのは結構、時間が過ぎたんだな、みたいな感じがしたっすね。

そのタイカ・ワイティティ氏は次の『マイティ・ソー』も監督するらしく。『Thor: Love and Thunder』というすごいまあダサかっこいい副題だと思うんですけど。それをやるみたいで。

『Thor: Love and Thunder』

ねえ。でも『ラブ&サンダー』のまま『マイティ・ソー』って日本で公開するのかな? でもなんかもし、海外で『マイティ・ソー ◯◯』っていう名前がついていて、日本の邦題を決める人が『ラブ&サンダー』って決めたらすごいバッシングされるような気も若干、少しするんですけども。タイカ・ワイティティ発信だと腑に落ちるっていうところは監督本人キャラクターが定着しているのかなって気がしてて。見るのがすごい楽しみですね。

なんかジェーン・フォスターが復活っていうか、マイティ・ソーの昔の彼女だったナタリー・ポートマンが復活するっていうことで。女性版のそーになるのでは……なんて噂もあるので、すごい楽しみですね。あと、ユダヤの話になるとコミックスだとX-MENのマグニートーがユダヤの人ですね。たしかその迫害されてた時の中でその力というか。磁力が操れる力が発生したっていうバックグラウンドだった気がするっすね。マグニートー。

なんか噂だと今、デンゼル・ワシントンが次のマグニートーをやるかも……なんていう話もあったっすね。「あ、もうユダヤの人じゃなくて黒人さんなんだ、次のマグニートーは」なんて。まだ噂の段階らしいんですけど。なんかそういう背景を知ってると、またいろいろ勉強になるのかなって思いました。

なので『ジョジョ・ラビット』は絶賛公開中。見に行かれてはと思います。じゃあ最後にドイツ語版の最初にかかったビートルズの『抱きしめたい』をかけて終わろうと思います。あなたの親愛なる隣人の凡人、板橋区のダメ兄貴がお送りする30分間でした。今週もありがとうございました。さよなら、さよなら、さよなら。

Beatles『Komm gib mir deine Hand』

<書き起こしおわり>

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