安住紳一郎と大山顕 2020年最新マンションポエム事情を語る

安住紳一郎と大山顕 2020年最新マンションポエム事情を語る 安住紳一郎の日曜天国

(安住紳一郎)さて、今日お話しいただくテーマはこちらです。大山顕のマンションポエム考察第四弾。まずは一気に紹介します。マンションポエム考察第四弾、その1。世界征服系。その2。江東区が熱い。その3。ついに海外で。以上の3つです。さて、ひとつ目ですけれども世界征服系というのは何でしょうか?

(大山顕)これ、すごく多いんですけど。たとえば六本木に立っているマンションの事例なんですけど。「東京を手中にする六本木にタワーライフの創造」っていう。

(安住紳一郎)おお、かっこいい!

世界征服系のマンションポエム

(大山顕)「手中にする」っていう言い方ですよね。あとは他のやつでもたとえば「現代東京の先進トレンドをも手中に収める」っていう。あのね、手中に収めがちなんですよ、マンションポエムは。掌中に収めたり、手中に収めたりしがちでして。

(安住紳一郎)「あなたのものに」みたいな。

(大山顕)そうですね。さっきの「東京をいただく」もそれに近いものがあると思うんですけど。まあこういうテンションが高く極まった挙げ句、世界征服みたいになっちゃってるっていうのを「世界征服系」と呼んでいるですが。

(安住紳一郎)たしかに六本木の高層マンションなんかを購入する人のメンタリティーを考えると、こういう言葉がグッとくるんでしょうね。

(大山顕)まあ、そうでしょうね。眼下に見下ろす夜景を見て、「天下を取った」って思うんですかね? 東京以外にもありまして。「ここに住むこと。それは、札幌都心の全てを手にすること」っていう。すごいじゃないか。これね、すすきの近くだったんですけども。すすきのの近くに居を構えて「都心の全てを手にすること」っていうのはなかなか意味深長だなっていう感じがするんですけども。

(安住紳一郎)なんとなくでも、札幌の繁華街を上から見渡せるんだっていうね。その感じ、どうですか?っていうことなんですかね。

(大山顕)あとは大阪にもありまして。これ、すごく僕は気に入ってるんですけど。「天王寺・阿倍野エリアを手中に収める暮らし」っていう。天王寺・阿倍野エリアはここね、そんなに簡単に手中に収めていい街ではないと思うんですけども。「大きく出たな!」っていう感じですよね。

(安住紳一郎)はー! でも、やっぱり天王寺と阿倍野の両地名を入れたかったんでしょうね。でも別にね、「天王寺・阿倍野に近い」とは言っていないんですよね?

(大山顕)そうですね。「手中に収める」っていう言い方。ああ、これもいいですよ。これ、世界征服系の最高傑作です。「田無の街を手に入れる」っていう。

(安住紳一郎)いいですねえ!

「田無の街を手に入れる」

(大山顕)いや、田無はいい街ですよ。で、お聞きの方の中には田無にお住まいの方もいらっしゃると思うので、相当気を遣って言いたいと思うんですけども、まあストレートに言うと……「田無の街を手に入れたいか?」っていうのがあるじゃないですか。

(安住紳一郎)ちょっとでも、あれですよ。うん……。

(大山顕)まあ、六本木とはちょっと違うじゃないですか。でもやっぱり同じテイストで「田無の街を手に入れる」っていうこのテンションの高さっていうのが愛おしいですね。

(安住紳一郎)そうですね。私はむしろ好感を抱きますね。

(大山顕)とてもいいですよね。各街でやってほしいですね。

(安住紳一郎)なんとなくあのリヴィン田無とか、あのへんをまるまる便利に使えるんだろうなっていう(笑)。

(大山顕)ああ、なるほど。もうちょっと利便性を加味した手に入れる感じ?

(安住紳一郎)うん。手に入れる感じなのかな? ああ、たしかに、うん。「田無の街を手に入れる」って言われるとなんか「本当?」みたいな(笑)。「これ、本当かな?」みたいな(笑)。

(大山顕)六本木よりは手に入れられるんじゃないか?っていう感じがちょっとするところがまたいいんでしょうね。いや、これは各街でやってほしいですよね。「津田沼を手に入れる」とか。

(安住紳一郎)ああ、いいですね。いいです、いいです。うんうん。少し、スケールをクッと縮めた感じが……。

(大山顕)郊外の各街でやってほしいですね。「六郷土手を手に入れる」とか、いいんじゃないですか?

(安住紳一郎)ああ、いいですね。それはいいですね!

(大山顕)「手に入れる」をつけるといい感じの街ベストテンができそうですね。

(安住紳一郎)そうですね。たしかに。私もスッとは思いつかないけど、何がいいかな? 比較的面積の少なめな感じですよね。

(大山顕)どこがいいかな? 「分倍河原を手に入れる」とか良くないですか?

(安住紳一郎)ああ、いいですね。「分倍河原を手に入れる」。いいですね。南林間!

(大山顕)ああ、いいですね! 南林間……中央林間ではなくて、南林間。

(安住紳一郎)南林間。いいですね(笑)。さて、大山顕さんにお話をうかがってますが。マンションポエム考察第四弾。江東区が熱い。江東区はたしかに今……。

(大山顕)今、熱いです。

江東区のマンションポエムが熱い

(安住紳一郎)豊洲があり、有明があり。

(大山顕)それでもちろん東京オリンピックを控えて、テンションが非常に高くなっている街なので。それでそもそも首都圏におけるタワーマンションが盛んになっていくきっかけの地でもあるので、いまだにやっぱりテンション高くなっていて。たとえばですね、「東京の未来を体現する都市がこの地でなおも進化を続ける」とかですね、「伝統と先進が融合する東京の核心へ」「この街には東京にずっと暮らしていたい無数の理由がある」。いや、今言った3つの特徴は「東京」っていうのをすごく強調していて。まあ本当に「今や江東区こそが東京である」っていう自負がうかがえるというか。これは大変にいい感じなんですね。

(安住紳一郎)2020年のあのピッグイベントがあるからこそ、東京という……。

(大山顕)そうなんですよ。安住さん、さすがですね! やっぱり「あのビッグイベント」っていう風に今、おっしゃったみたいに、広告では「オリンピック」っていうのを使えないので。とはいえ、マンションポエムに今ね、このタイミング的にオリンピックを持ち出さない手はないので、あの手この手でオリンピックを匂わす表現がいっぱいあって。たとえば、「世界と向き合う日本を住む」とか。

(安住紳一郎)あらー! 「世界」を入れてきて。

(大山顕)「世界」を入れてきて。これはもう暗に、ビジュアルも意味なくアスリートの写真とかが入ってるんですよ。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)普通はあれですよね。近くの公園をジョギングするとか……。

(大山顕)そうなんですよ。だけど、違うんですよ。もうウサイン・ボルトばりの本気の方が走っているビジュアルが入っていまして。これは明らかに「リバーサイドをジョギング」とかじゃないんですよ。もう100メートル走なんですよ。

(安住紳一郎)マンション広告に100メートル走の写真を使っているんですか?

(大山顕)使っている。それで同時にたとえば「世界を魅了する東京ベイエリアへ」って書いてあって。ここで言う世界というのはまあ、そういうことだなっていうのがあって。これはね、なかなかいい感じで。

(安住紳一郎)そうですね。たしかにあの「オリンピック」っていう言葉を使おうとすると、公式スポンサーとかで多額のお金が必要になるので匂わすだけ匂わせて……っていう。

オリンピックを匂わす

(大山顕)そうなんですね。「今、世界が注目する」とか「いよいよ未来がやってくる」みたいな感じとか。

(安住紳一郎)「ヨーイドン 号砲が鳴る」みたいな?

(大山顕)フフフ、それはちょっと前回の東京オリンピックっぽい感じですね(笑)。

(安住紳一郎)そうですね(笑)。レトロな感じがしますね(笑)。「ヨーイドン 号砲が鳴る。内覧受付中」。

(大山顕)フハハハハハハハハッ! ああ、でもそう言われるとありそうな感じもしますね(笑)。

(中澤有美子)いいですね。かき立てられますね(笑)。

(大山顕)今、湾岸エリアで一番熱いのは晴海の選手村の跡地がそのまま大規模なマンションに分譲されるっていうところがありまして。そこなんかまあ、複数のデベロッパーが今、盛んにやっていて。そこの広告とかやっぱりマンションポエムは熱いですよね。

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