PUNPEE リミックスを語る

PUNPEE リミックスを語る SOFA KING FRIDAY

PUNPEEさんが2020年2月7日放送のJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中でリミックスについてトーク。様々なリミックスの手法やお気に入りのリミックス楽曲、リミックス制作の方法などについて話していました。

(PUNPEE)お送りしたのは加山雄三氏の『君といつまでも』。自分が勝手にリミックスしてDJの時に何回かかけたバージョンでした。

メッセージは来ています。女性の方ですね。「PUNPEEさん、どうしてもお礼を言いたくて初めてメッセージを送ります。PUNPEE氏の『MODERN TIMES』福岡公演がきっかけで彼と付き合い、プロポーズに『お嫁においで2015』のレコードをもらい、2020年2月2日に入籍しました」。おめでとうございます。「……PUNPEE氏がつないでくれた縁に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも2人で活躍を応援しております」っていうメッセージでした。はい。じゃあ結婚祝いにステッカーとCD-Rをお送りしておくので、よかったら何かの記念にしてください。すごいっすね。

何人かそういうきっかけになって結婚したり付き合ったっていう人、知ってるっすけど、ねえ。福岡のこれは旦那さんですかね? 旦那さんがライブ中に声をかけてきたっていうことですかね? わかんないですけど(笑)。いいんじゃないですか? そのぐらい活力にあふれていた方が日本の未来は明るい気がするので。おめでとうございますという感じです。

っていうか、『MODERN TIMES』福岡公演ってもう2年? 3年? 2017年のたぶん10月とか……自分がそのアルバムを出した時だから10月になるから。もう2年ちょい前ぐらいっていうことですね。はい。1曲目に『お嫁においで』ではなく、関連したリミックスをかけさせていただきましたっていう感じです。

で、今日は何の話をしようかという感じなんですけど、リミックスをせっかくかけたんで。自分的なリミックスっていうものについて話そうかと思います。自分を知ったきっかけとしてその『お嫁においで』だったり……あれはリミックスですね。言ったりミックスというか、50年ぐらい前の曲をサンプリングして、自分でビートを作ってその上にラップを乗せて。サビは加山雄三氏の当時の声をそのまま使ったって感じなんですけど。

加山雄三 feat. PUNPEE『お嫁においで 2015』

リミックスっていう文化が音楽にはあって。言ったら元々ある曲の一部を使って、その曲をちょっと変えるみたいな。たとえばいろんな種類があると思うんですけど、ドラムを早くしたバージョンだったり。ハウスだったりテクノのバージョンにしたやつだったりとか。もうメロディー自体を変えちゃうというか、コードの進行を変えてしまうバージョンのリミックス。あとはヒップホップのに限るあれだと思うんですけども。90年代ぐらいからバッドボーイ……パフ・ダディ。今はP・ディディ。ディディっすか? どっちだっけ? 名前が変わりまくっていて覚えてないですけど(笑)。

そのディディがやりだしたリミックスは後ろのバックトラックは同じ曲、同じビートなんですけど、そこの上にラッパーを増やすっていう。ラッパーを3、4人新しく増やしてフィーチャリングするミックスっていうのが結構流行った時期もありました。今も手法としてはあるっすね。それが今も続いているというか。一番最初の方に有名になったのがもう亡くなってしまったクレイグ・マックの『Flava In Ya Ear』だと思うんですけども。クレイグ・マックの曲にビギー、LL・クール・J、バスタ・ライムズが参加したやつが有名だと思うんですけども。

Craig Mack『Flava In Ya Ear Remix』

で、言ったらこえだちゃん(Koedawg)の『ミルフィーユフィクション』っていう自分がラップで参加している曲があるんですけど。それはこえだちゃんが作ったビートの上で自分がリミックスっていう感じで……自分はビートとかやってないんですね。ラップを乗せただけっすね。自分が参加してリミックスという形になった版という。それがこのバッドボーイがやってた手法と同じ種類のリミックスになると思うんですけど。

Koedawg『ミルフィーユフィクション (PUNPEE’s Remix)』

あとリミックスはゼロからというか、新しく後ろのビートを作ったりだとか。そういうものがあると思うんですけど。元々ある2つの曲……たとえばアカペラと元々ある他のビートをくっつけたものを「ブレンド」だったり「マッシュアップ」って呼ぶ気がするんですよね。自分がDJの時のとかに、たとえばにNujabes氏の『Reflection Eternal』の上に5lackの『Hot Cake』を載せたやつ、ブレンド。

なんだろう? そのブレンドとマッシュアップの定義って、合っているかどうかわからないですけど。聞いたことがあるのは同じジャンル同士だとブレンドみたいな。言ったらヒップホップとヒップホップとか。なんですけど、他のジャンル……たとえばロックにヒップホップが乗っかったりとか、そういう歌モノのものがヒップホップに乗っかった場合はそれはマッシュアップっていう風に言うっていうのをなんか昔、聞いたことがあるっすね。なんかそれが合ってるかどうかわかんないですけど。

それ、この前もかけたビギーの『Big Poppa』に『夜を使いはたして』を乗っけたものもあれはじゃあブレンドになるんですかね?っていう文化。自分は結構DJを2011年、12年ぐらいから14年ぐらいまでもう頻繁にやってた時期があったんですけど。そん時になんか普通にDJをするというか、あまりそういうスキルが自分はなかったので。「じゃあ、聞いたことがないブレンドだったりマッシュアップとかみんなを楽しませれたらな……」みたいに思って、結構その時期に作ってたのがあったっすね。で、宇多田ヒカル氏の『30代はほどほど。』でやったDJの時もあれは結構リミックス。宇多田さんの元々ある曲をリミックスしたりとかしたんですけど。

その時に『B&C』という曲のリミックスをした時に結構、元の原曲のコード進行から変えれたような気がして。歌モノのリミックスは毎回難しいっていう感じなんですけど、割りかしいい感じになった気がするっすね。

宇多田ヒカル『B&C PUNPEE Remix』

あとは宇多田さんだと『Final Distance』のm-floがやったリミックスも好きっすね。10何年前の曲で、もう声をいっぱいチョップしまくってるやつ。それもすごいかっこいいので聞いてみてくださいっていう。自分が言うのもよく分かんないですけども。

宇多田ヒカル『Final Distance m-flo Remix』

で、リミックスって他にもいろいろあるかもしれないですけど、自分が『Train-Train』っていうブルーハーツの曲をNORIKIYOくんとリミックスした時も「栄光に向かって走る」っていうところだけを使って。あとは自分で勝手にサビを作っちゃうみたいな。「Train-Train 今夜動き出す」みたいな。そういう形でやったりもしました。

あと、なんか面白い話がリミックスに関して1個あって。自分の友人……普通に音楽を聞いてるぐらいでそこまですごいディグってるわけでもない友人がいたんですけど。その人が「リミックス文化ってどうしても馴染めない」っていう人がいるんですよ。「オリジナルで聞きたいじゃん? オリジナルが一番いいに決まってるのに、なんでリミックス作るの?」って言ってる人がいて。そういう文化に慣れている人からすると、「なんで? リミックス、いいじゃん。面白いじゃん?」ってなるんですけど。まあたしかにオリジナル、原曲のことっすね。オリジナルの方が好きっていう意見は、うん。たとえばその元のものを聞いた時にそれの衝撃が残っているっていうのはそうだと思うんですよね。

あとカバーを好きじゃない人ももちろんいるというか。オリジナルな曲をカバーして他の人が歌うっていうのが好きじゃない人もいると思うんですけど。何だろう? 面白い話が1個あって。その人がずっと聞いてた曲が実はリミックスだった時があったんですよね。それで「お前、これリミックスじゃん」「あれっ? えっ、本当?」「これがオリジナルだよ」って聞かせたら「うわっ、俺、リミックスのこっちの方が好きだわ」っつって。

その友人はずっとそれがオリジナル、原曲だと思って聞いていたんですよね。でもその後にオリジナルを聞かせた時に「えっ、これはリミックスの方が全然いいじゃん?」っていう風に言って。「でもお前、リミックス文化嫌いって言ってたじゃん?」「ああー」って。だから、やっぱりその人的には一番最初に衝撃を受けたとされる時の曲……だから自分の気持ち的なあれなのかなってその人は言ってたっすけど。もしかしたらカバーもそうかもしれないですね。

「この人が元の曲を歌ってる」と思ってたら実はその前にもっとその曲があって。「えっ、でも俺、カバーの方が好き」っていう人ももちろんいると思うし。「オリジナルでしょう、普通」って言ってる人ももちろんいるから。何かリミックスというものはもので楽しもうと思えばいろいろ楽しんだりできるから、それはそれでひとつ楽しみが増えるのかなと思うので。はい。楽しめる人は楽しんでみてくださいという話でございました。

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