PUNPEEさんが2020年1月24日放送のJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中で映画についてトーク。ヒップホップ的なアティチュードを持つ、おすすめ映画を紹介していました。
(PUNPEE)はい。メッセージを読めます。中野の方。同い年ぐらいですね。「Pさん、こんばんは。初メールします。今年、2020年ですね。『Year 2020……未来じゃん!』というのが元旦に思ったことです。特に今年はAKIRA Yearでよく記事を目にします。質問なんですが、Pさんは日本のアニメでは『これは……』とハマったものってありますか?」。はい。ステッカーとCD-Rをお送りしておきます。ありがとうございます。
アニメまではあんまり……漫画は結構、日本のものも。アメコミもちろん、それなりに読むんですけども。日本の漫画は読んだっすけど、アニメは実は知識全然なくて。『AKIRA』とかはもちろん見たっすけど。本当、ジブリだったりとか、ドラゴンボールの劇場用のやつとかしか見てないかもしれないですね。何だろう。今、『AKIRA』って言ったら日本ももちろん全部そうですけど。
若い人の中だと、あのカプセルに入ってる錠剤の感じとか、少しこうシンボルじゃないですけど。ヒップホップの若い人たちがヒップホップ映画としてかどうかはわからないですけど、みんな通ってる感じであるように……自分の世代でも「これ、ヒップホップのことについて話してないじゃん。ラップとかじゃないじゃん」っていう映画なんだけど、「それは全部見ておけ」っていう映画が結構あったので、その話とかしようかなっていう感じです。前半の話(マフィア映画の話)とちょっと少しかぶるかもしれないですけども。
まず、自分の世代とその前の世代の人が見ていたのはさっきも話したアル・パチーノの『スカーフェイス』ですね。これは、みんな「ヒップホップムービーだ」っ言っていて。
『スカーフェイス』
まあ、アティチュードとか、自分たちの仲間を集めて自分の帝国を作っていくっていうことだったりとか。あとはラッパーのナズが『The World Is Yours』っていう言葉を結構使ったりとか。モブ・ディープだったりとかも使ったりしていて、結構ヒップホップ映画というか、「ラッパーなら見ておけ」みたいな感じで『スカーフェイス』が一時期、結構そういう風に言われていて。今もそうかもしれないですけど。そういう時期があった気がする。
あとはなぜかトロマ社っていうB級映画ばっかり作っている、ジェームズ・ガンっていう『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督も割とそこの出身だったりするんですけど。トロマ社が昔、作っていた『悪魔の毒々モンスター』っていう映画もなぜか結構日本のヒップホップを追いかけてる人は見てたような気がします。自分が記憶にあるのは水戸のLUNCH TIME SPEAXのGOCCIさんが『悪魔の毒々モンスター』を『オタク IN THA HOOD』っていうヒップホップのプログラムで紹介してて。結構そこから「えっ、これもヒップホップなの?」みたいな感じで追いかけた気がするっすね(笑)。
『悪魔の毒々モンスター』
その前からなんとなくは知っていたんですけども。トロマの『カブキマン』だったりとか、『悪魔の毒々ハイスクール』だとか……「面白いか?」って言われたら、ちょっとわかんないですけど、そういうなんかバイブルとして「これは見ておかなきゃダメなのかな?」って。そういう先輩たちが語っていたっていうのもあって、謎にみんな追いかけてた世代の人とかもいるんじゃないかな?っていう気がする。
今だったら若い人たちの中で、ラッパーじゃなくてもそうだけど、『AKIRA』は結構そうなんじゃないかな?っていう気もするっすね。あとは何だろうな? 一時期、これは割と自分世代。上の先輩のラッパーの人たちとかヒップホップの人は違うと思うんですけど、『ファンタスティック・プラネット』っていうチェコのアニメがあって。ルネ・ラルー監督の作品。これは結構、みんな今見てもそういう、ヒップホップとかじゃなくても楽しめると思うんですけど。
『ファンタスティック・プラネット』
マッドリブっていう、ストーンズスローっていうヒップホップのレーベルが一時期、ワーッと盛り上がった時期があって。そこに、言ったらピーナツバター・ウルフっていうDJの人だったり。たまにのMFドゥーム……鉄仮面をかぶってるドクタードゥームっぽいラッパーの人がいるんですけど。その人が絡んだりしたストーンズスローっていうレーベルがあったんですけども。そこの方々が結構、その『ファンタスティック・プラネット』を押していた時期があって。トラウマ系のタッチの……今、どこかで見えた気がする。ちょっと前にGyaOっていうサイトで無料で見れたような気もするんですけど。
結構一時期、そのストーンズスローがワーッとなっていた時は割とみんなその『ファンタスティック・プラネット(未開の惑星)』っていうやつを掘って見ていた気がするっすね。DVDがすぐに廃盤になっちゃったかなんかで、今はまた再発されていると思うんですけど。結構探し回った記憶があるっすね。VHSもちなみにあって、それは当時結構な値段を出して買った気がするっすね。それもみんな見てたような気がする。あとはDEV LARGEさんが邦画がすごい好きだったんで『御用牙』っていうのすごい押したりとかしてて。その『御用牙』も訳もわからずに見たし。
『御用牙』
やっぱりその先輩方の影響でそういう、「これはヒップホップ映画だ!」って、特にヒップホップについて触れてる映画じゃないですけど、アティチュードだったり姿勢の部分で共感できることがあるっていうのはすごい見た記憶あるっすね。あとは『ウォリアーズ』っていう映画は割とグループだったり、そういうクルーっていう部分の元になってるんじゃないかっていう風にみんな見てたりもしてたし。
あとはカンフー映画とか……言ったら『少林寺三十六房』をヒップホップ映画っていう風に言う人も結構いて。それはたぶんもう完全にウータン・クランが『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』っていうファーストアルバムを出したからだと思うんですけど。
BUDAMUNK氏、ブダくんとかカンフー映画とか結構詳しくて。なんかその話も一瞬したことあったんですけども。「あの時のジェット・リーはマジで速い」とか。後は、カイザー・ソゼっすね。『ユージュアル・サスペクツ』っていう、これはサスペンスというか、映画なんですけど。それの「カイザー・ソゼ」っていう謎のキャラクターを結構リリックに入れてる人もいたような気もするっすね。
『ユージュアル・サスペクツ』
なのでよかったら、そういうのもチェックしてみると……たまにそういうラッパーの人たち、そういうワードを出したりとかしてるんで面白い気がします。USだと今、それが日本のアニメのキャラクターが出てたりとか。スーパーサイヤ人だとか、『NARUTO』だったりが出てくると思うんですけども。それもまた時代がいろいろ面白い感じで流れていったんだなと思いますね。
ちなみに、自分が一番最初に『ドラゴンボール』についてラップした海外の人とって、たぶんジェルー・ザ・ダマジャっていう人だと思うんですけども。最後にじゃあその曲を……もっと前にもいたかと思うんですけども。名古屋の刃頭さんとNIPPS氏とジェルー・ザ・ダマジャがやった『SWORD HEADS』という曲をかけて終わろうと思います。というわけで『SOFA KING FRIDAY』、95回目。ありがとうございました。退屈しのぎの退屈な30分間、さよなら、さよなら、さよなら……。
刃頭『SWORD HEADS feat JERU THE DAMAJA+NIPPS』
<書き起こしおわり>