吉田豪さんが『福山雅治と荘口彰久の「地底人ラジオ」』に出演。2人の初めての出会いから最近の吉田豪さんの活躍などについて話しつつ、時代や変化について行くことの重要性について話していました。
(福山雅治)その雑誌SPA!の恒例のインタビューに吉田豪さん、来ていただいてるんですけども。なんと地底人ラジオにも参加していただけるということで。豪さん、よろしくお願いします。
(吉田豪)あ、よろしくお願いします(笑)。「参加していただける」って……(笑)。
(福山雅治)いやいや、初めてじゃないですか? ラジオでこうやって……僕のラジオに豪さん、来ていただくって。
(吉田豪)あの、「来ている」という意識がないですよ、これ。普通に取材している時に回ってるだけじゃないですか(笑)。
(福山雅治)フフフ、はっきり言ってSPA!の取材に便乗しているだけです(笑)。
(吉田豪)ということですよね(笑)。
(福山雅治)そうなんです。すいません。よろしくお願いします。吉田豪さんと言えば実は僕はもう知り合って……もう10年ぐらいですか?
(吉田豪)ですかね。最初、リリーさんの取材で。
(福山雅治)静岡ですよね? お会いしたのは。
(吉田豪)静岡で、結構高級そうなバーで一緒に飲み。その後マジックバーに行き。
(福山雅治)その後、キャバクラで行き。濃い夜を過ごしたという。あれはリリーさんのところで出していた……。
(吉田豪)フリーペーパーですね。たしかに10年は経っていますね。
(福山雅治)で、お会いしたんですよ。あの時、もちろんマジックも面白かったですけど、あのキャバクラで取ったアンケートが非常に面白かったですね。「この中で抱かれたい男は誰?」っていう。
(吉田豪)「この中」っていうのはそのリリーさんチームと福山チームの(笑)。
(福山雅治)そうそう。あれね、中目黒のガールズバーに行ってアンケート取ったこともあったんですよ。リリーさんと。で、都心部に行けば行くほど、リリーさんって強いんです。東京を離れれば離れるほど僕が強いですね。
(吉田豪)フフフ、静岡ではもう圧勝という。
(福山雅治)圧勝でしたね(笑)。
(吉田豪)すごかったですよ。僕もだからあの時の話をいろんなところでしましたからね。自分の存在が全く視界に入らない感じの。
(福山雅治)ああ、豪さん、されてましたね。
(吉田豪)そうですよ。リリーさんとキャバクラ行った時もやっぱりみんなリリーさんしか見てなくて。僕らは本当に石ころ帽子を被った感じだったんですけども。リリーさんにさらに福山さんまでいたら、もう誰も見ないですよ。同じテーブルについていても、ずっとそっちを見ていて(笑)。もう僕はそこのサポートに徹するしかないという。
(福山雅治)いやー、思い出深い夜でしたね(笑)。そんなことがあったんですよ。その最初の出会いでね。
(吉田豪)その時に福山さんが「紙のプロレス、読んでましたよ」みたいな話を。
(福山雅治)そうなんですよ。僕はもともと豪さんファンでっていうところから始まっているので。まあその豪さんが出会って以降の10年間でどんどん……まあ語弊があるかもしれないですけども。その世界、その界隈で売れていく様を見て、嬉しい反面、ちょっと寂しかったですよ。
(吉田豪)フフフ、で、その福山さんのその意見も結構広まって。「福山は俺の気持ちを分かってる!」みたいな(笑)。
「豪さんはアイドル」(福山雅治)
(福山雅治)やっぱりアイドルなんですよね。おそらく。豪さんは僕にとってもそうだし、豪さんのファンにとっても。リリーさんも僕にとってはそうだったんですけど。
(吉田豪)あの時は。
(福山雅治)もうちょっと前ですね。一番最初に知り合った時です。僕、今でも覚えてますけど、2003年だったと思うんですよね。リリーさんがTR2っていうラジオをJ-WAVEでやっていて。で、その時偶然……僕は夜中の2時から3時ぐらいまでレコーディングやっていて。で、帰りの車の中で聞いてて。よく遅くまで、その当時は深夜まで結構仕事してたんですよ。で、帰りの車の中でよくリリーさんのラジオに接触してて。
「このラジオをやってる人、面白いなと思っていて、それがリリー・フランキーさんだっていうことを知って。そしたらある日、リリーさんが番組のエンディングで「スペシャルウイークなんだから、せめて福山雅治くんぐらい呼べないの?」みたいなことをおっしゃっていて。で、それをたまたま聞いてたんで、逆オファーして。「うかがいます」っていうのから始まったんですよ。豪さんにとってはリリーさん、どうだったんですか? あんまり売れてほしくなかった?
(吉田豪)いや、本当にもうそれ以前ですよ。僕、20代……リリーさん、最初に会った時は29とかだったんですよ。リリーさんがこうなるっていう想像はたしかに全くしてなかったんですよ。テレビをつけたらリリーさんがCMをやってるみたいな状況。普通に売れっ子俳優になるみたいな想像は。
(福山雅治)だからこうなるっていう風には当然……まあご本人も思ってなかったと思うんですけど。途中、どうだったんですか? そうなっていく過程で。ずっとお仕事されてるじゃないですか。
(吉田豪)リリーさんが役者業を始めた瞬間とかも覚えてますけど。最初が石井輝男で次は杉作J太郎監督で、こうなると想像もしないわけですよ。当然(笑)。アンダーグラウンドな人だったんで。
(福山雅治)寂しい気持ちはありました?
(吉田豪)いや、でも会うと変わらないですからね。
(福山雅治)いや、変わらないですけど。
(吉田豪)だからそれこそ、やってるイベントはずっと変わらないんだけど、求めるものが変わるわけじゃないですか。『東京タワー』が当たった時期とかは来てたお客さんとかが「あれ? 感動的な話、しないんだね」みたいな(笑)。「するわけねえだろ? いつもシモネタだよ!」っていう(笑)。そのへんの変化はあるなと思いましたね。
(福山雅治)その、ちょうどなっていく時というのはね。
(吉田豪)「リリーさん、遅刻するなんてショック」みたいなことを言ってるお客さんがいて。「するよ! 普通に始まると思うなよ?」っていうね(笑)。知らない人が入ってくる瞬間はありましたよね。
(SPA!スタッフ)吉田さんもそうなりつつあるんじゃないですか?
(福山雅治)ああ、俺ら豪さんがですよね。そのあたり、どうなんですか? 「あえて踏みとどまってる」みたいなところはあるんですか?
(吉田豪)でもなんかね、49にもなればやったことないことはだいたい楽しいだろうし……っていうぐらいの感じだと思いますよ。
(中略)
(吉田豪)本当に毎年、申し訳ないと思いながら、今年もまた福山さんと……。
(福山雅治)いやいや、毎年楽しみに(笑)。なんか豪さん、またかわいくなったんじゃないですか?
(吉田豪)なんすか、それ?(笑)。「かわいくなった」?
「豪さん、またかわいくなったんじゃないですか?」
(福山雅治)肌もきれいになってきたし。いや、去年もちょっとお話させていただいて。さらに売れていくことでどんどんかわいくなっていくっていう現象が男性にも女性にも起こるという。
(吉田豪)福山さんの一言がちょっと支えになった部分がありましたよ。「そこで躊躇しないで乗った方がいいよ」っていう。
(福山雅治)絶対にそうですよ。だって、かわいくなれるんですもん。
(吉田豪)フフフ(笑)。全然関係ない話だと、最近僕がアイドルグループの人に誘われてディズニーランドに行ったんですよ。で、ディズニーに行った写真を上げてプチ炎上みたいな。
(福山雅治)そんなこと、あったんですか?
(吉田豪)それはアイドルの云々みたいなのは上げていなくて、単純に「吉田豪がディズニーに行くとは思わなかった」っていう。
福山さん、見たかいコレ!こんなんオレたちが知ってる豪さんじゃないよな!吉田豪は女の子とディズニーとか行っちゃいけないんだよ!!そうだろ福山さん?(福山雅治×吉田豪のディズニーデートなら許す) pic.twitter.com/8iJKTmT1EF
— チョムマン (@chom_man) November 29, 2019
(福山雅治)やっぱりね、ある層にとってはやっぱり「豪さんはこうあってほしい」って願ってるファンの方たちがいるじゃないですか。でも、そのあたりの……いいですよね。「俺たちの豪さんはこうあってほしいのに、何でそんなことをするんだ?」という。でも豪さんも「やっぱり行ってみたい」って思うという。そのあたりの感じがやっぱりプロレスっぽい感じだったりするから(笑)。主に年齢層としては豪さんを熱心に応援してくださるファンの方は何歳ぐらいなんですか?
吉田豪、ディズニーランドに行ってプチ炎上
(吉田豪)30から50ぐらいですかね? 男性がメインで。だから……ただ、そうやって非難してる人も聞くとみんなディズニーは行ってるんですよね。「俺たちは行くけど、豪さんには行ってほしくない」みたいな。「なんだ、それ?」っていう(笑)。
(福山雅治)なんなんでしょうね? 「俺たちが守りきれなかったものを豪さんには守ってほしい」みたいな?
(吉田豪)人身御供じゃないですか(笑)。
(福山雅治)託しているんですね。
(吉田豪)福山さんはそういうこだわり、ありますか?
(福山雅治)ええと、なんかあったと思いますよ。
(吉田豪)でも、どこかでもう?
(福山雅治)なんか些細なことですけども、「予約がとれないレストランを一生懸命予約取って行く」っていうのはやりたくないと思ってましたけど、今は完全に取ってますね。そっちで最近はスケジュールを決めていくぐらいになってますよ。
(吉田豪)やっぱり意地張ってた部分、やってみるとそんなに悪いもんじゃないっていう?(笑)。
(福山雅治)なんかその、男性が歳を取っていく時に起こる現象のひとつとして、その頑なさ……ファッションでもライフスタイルでも趣味嗜好でも何でもそうなんですけれども。「その頑なさこそが自分らしさだ」みたいな部分になって、いつの間にか時代からすごく取り残されてしまうという。それでもいいんだけど。別に。一応なんか、「仕事として時代ってちょっとは意識した方がいいのかな?」っていう風には思うんですよね。
で、若い時……10代、20代、30代。40代はもう違うかな? 「時代とか流行りとかじゃないもの。そういうとこに俺は触れないで。俺は俺で……なんだったら俺が時代を作ってやる!」みたいな青さが。でもやっぱり年齢を重ねてくると、なんかちょっと時代感を自分からキャッチしに行かないと、どんどんとズレていくっていう。本当に時代を作る人っていうのはたぶん、そういうことを考えてないんだと思うんですけど。その、「常に赤いストールをしている」とか(笑)。
(吉田豪)ゆらぎのない人(笑)。
(福山雅治)金ぶちのメガネをずっとするとか。まあそうはなれないなっていう自分が、じゃあどうやって仕事を続けていくのかな?っていうことで、そうなっていったんだと思うんですよね。そのレストラン予約もそうだし、あと服なんかもそうで。洋服もビッグシルエットとかっていうのはもう去年までとか全く知らなかったんだけど、さすがにちょっとビッグシルエットを着ないと逆に変だなっていう風になってきて。なんか、そういうの、ないですか?
(吉田豪)でもやっぱり最近すごい思ったんですよ。「何も持ってない頃は、『何かをしない』ということでの個性の発揮の方向に行くな」っていう風に思って。僕の頃だと、それこそ「国民的ヒットのようなものは一切見ない」とかによる10代ならではの個性の発揮の仕方ってあると思うんですけど。それはある程度、いろいろできるようになったらそっち方面で意地を張ってもしょうがないなっていうか。むしろ、売れるものには何か理由があるから、触れた方がいいし。単純にそういう変化はあるなとと思いますね。
売れるものには何か理由があるから、触れた方がいい
(福山雅治)うんうん。あとやっぱりその、売れてない時とかあんまり注目されてない時っていうのはやっぱり物珍しいからいいんですけど、ある程度名前が売れたり注目されたりするとやっぱり分析されるので、かなり解体されるじゃないですか。だからその解体されても消えない個性であるとか、分解しきれない、解体しきれない何かがその人の奥深いところにないと、なかなか残っていかない。で、恐らくそれが自分でも分かってるような分かってないような感じだから。
逆に言うとその時代に乗っかっていったりとか、時代感を自分から掴みに行ったりすることで、「ああ、やっぱりこれじゃないんだな」とか「似合わないな」っていうカウンターで自分の最終的な個性を決めるという。足し算のようでいて、実は引き算で。自分からそこ、流行りものの中で飛び込んでいってみて、「ああ、やっぱり合わないものは合わないんだな」ということで、それが個性として自分のアイデンティティだという風に確認するみたいな図式なんじゃないですかね。
(吉田豪)そういう話の流れで、アンケートに入ってもいいですか?(笑)。
(福山雅治)いや、もう十分に語り尽くしたい感じですよ。枕として。
(吉田豪)「好きな男」の固定化がすごいですね。
(福山雅治)そうですね。
<書き起こしおわり>