小袋成彬 2019年おすすめの10曲を語る

小袋成彬 2019年おすすめの10曲を語る MUSIC HUB

小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』2019年最後の放送で2019年によく聞いた楽曲10曲を選曲し、紹介していました。

(小袋成彬)今日はですね、年内最後の放送ということで。2019年の好きだった楽曲を10曲長そうかなと思ってます。ここ3週ね、ずっとDJセットで流してたんですけど「声が全然聞こえねえ」っていうクレームが入りまして(笑)。そうだよね。だって……まあ、すげえ技術的な話をすると今、PC DJからそのままミックスを録って流してたんですけど。そのコンデンサーマイクだと音圧が足りなくて声が入んないんですよね。で、その代わりね、ゴッパーを使っているんだけども。それはもうそもそも音質があんまり良くないんで、ちょっとどうしたもんかなっていうことでことで今、いろいろ考えてます。

ということで、今日はいつも以上にしゃべりつつ10曲、2019年に出た10曲でめっちゃ好きな曲を今日は長そうかなと思います。もうこのラジオで何十回も流している可能性がある曲も何個かありますが。まあそもそもラジオってそういうもんなんで(笑)。好きな曲はヘビーローテーションするものなので。まあ、そんな感じで行きますかね。じゃあ1曲目はこれで行きましょう。Steve Lacy『N Side』。

Steve Lacy『N Side』

(小袋成彬)次に行きます。2曲目、Hadji Gaviota『CHieftAiN』。

Hadji Gaviota『CHieftAiN』

(小袋成彬)早速2曲流しましたが今日はね、俺のベストトラック2019ということで、2019年もついでに振り返っていきたいなと思うんですが。そうだね。今年は本当にいろいろありましたね。特に日本は令和になりましたね。令和になったっていうことで何か価値観がアップデートされた年だなと思いました。っていうのもまあ、今年の2月から僕はロンドンに来て、いろいろ日本を外から見てたんですけど。明らかにその国際化の波がやっと来て、価値観がアップデートされているなっていう。しかも令和をきっかけにね、国内的にも大きな変わり目のタイミングでそういう波が押し寄せてるなっていうのは何か感じてたんですよ。

ほら、たとえばね、最近だと伊藤詩織さんの問題とか、あるいは数ヶ月前にね、吉本の問題もありましたよね。ああいう、「あれ? なんか価値観が変わってきたぞ。しかもなんか俺らが声を出せば、社会って変わるんじゃないか?」っていうちょっとした希望と、あと一方でやっぱり日本ってね、エスカレーターのように順番に……一気にジャンプアップして成り上がるっていうことがなかなか難しいから。エスカレーターの上でおじさんたちが詰まってるなっていうのも、そういう「アップデートって難しいな」っていう絶望感もね、同時に感じた年なんじゃないかなと思います。

だってね、イチローも引退しちゃったし。個人的にやっぱり一番の俺のビッグニュースはラグビーの日本代表8強入り。あれってもう超すごいことというか、すごくエポックメイキングなことだと思ってて。明らかに、その10数年前の日本代表とは違った国際化が進んでるじゃないですか。もちろん肌の色も違うし、何なら数年前までの国籍が違う人が日本代表として戦ってるわけでしょう? で、あれはみんな、たぶん最初はなんかすごい国際化したチームなんだなって、たぶん日本だけにいる人は思ってて。でも自ずとね、応援したくなって。しかもね、自分たちの愚直なラグビーよりはね、もっと国際化した自由なクリエイティブなラグビーであそこまで勝ち上がった。しかも実力でね。

で、これが「あれ? もっと俺ら、国際化していいんじゃね?」とか「もっと他国の文化を取り入れた方が、自分たちはもっと面白くより良い生活ができるんじゃないか?」っていうひとつの示唆的な出来事だったなって思うんですよ。っていうのは感じましたね。2019年。まあ本当、「そうだよな。俺らって取り残されてたんだな」ってみんな自覚して。「あれ? 日本ってやべえぞ?」ってもう自覚して。「そろそろ動かないと!」って思えるような時代になりましたね。

まあ僕は「日本を出る」っていう選択をしちゃったし、人にそれを強要するつもりもないし、勝手に自分で切り開いた道だから言えることなんだけど。でも28になって、ようやくこの世代が年齢的にね、あと実力的にも自分の行動が社会にしっかり反映される時代になったっていうのは絶対に間違いなくて。そのね、未来に向けた行動がちゃんと社会に反映されるんだっていう実感が俺自身にはあるんですよね。で、だんだん……特に僕ら世代は持ち始めたんだと思う。だからクレバーかつ情熱的に動いてほしいですね。3曲目に行きます。Natty Reeves『Beyond My Limits』。

Natty Reeves『Beyond My Limits』

(小袋成彬)続けていきます。もうこれ、何回流したかな? Danglo & Amatan『How Much I Care』。

Danglo & Amatan『How Much I Care』

(小袋成彬)ということで前半のMUSIC HUB、こんな感じですかね。後半もまだまだ続きます。

(中略)

(小袋成彬)後半1曲目、行きます。RHYE Feat. Ólafur Arnalds『Patience』。

RHYE Feat. Ólafur Arnalds『Patience』

(小袋成彬)はい。前半、なんか熱く語っちゃいましたが。いろんなすごい……ラグビー日本代表の躍進以外にもね、サニブラウン・ハキームさんが日本新記録を出しましたよね。9秒97っていうね。あとは八村塁さんがNBAドラフトで日本人初の一巡目指名されたりってい宇野もありましたね。本当、あれってすごいことだと思うんだよね。じゃあ、次は何を流そうかな? Obongjayar『Frens』。

Obongjayar『Frens』

(小袋成彬)じゃあ、次の曲。この曲は俺、ベストに近いかもしれない。日本の曲なんだけども。ミツメの『エスパー』。これ、俺はだいぶ今年の前半の方にこの曲を聞いたんですね。で、スタジオに向かう電車の中で不意にこれを聞いたらなんかすごく幸せな気分になって。あと、楽曲の構造的にもめちゃめちゃ面白いんですよね。特にメロディーがね。初っ端からメインのメロが不協和音に行くんですけど。なんかね、やっぱり心地いいんですよ。そういう自由さがめっちゃ好きで。流します。ミツメの『エスパー』。

ミツメ『エスパー』

(小袋成彬)次に行きます。Beyonce、Busiswaで『My Power』。

Beyonce『My Power』

(小袋成彬)この曲は『ライオンキング』のサントラだね。で、ドラムにモーゼス・ボイドっていうこっちの超イケイケ若手ジャズドラマーが入っている超いい歌です。何百回も聞いてます。あと2曲流します。HOPE TALA『D.T.M.』。

HOPE TALA『D.T.M.』

(小袋成彬)俺、これをニューヨークに行った時にずーっと聞いてました。ずーっとね。20回ぐらい聞いた。じゃあ、最後。もうこれしかないでしょう。俺の今年のベストといえば、デトロイトハウスの重鎮。神出鬼没、奇抜なファッション。そして圧倒的なカリスマ性。みんな大好き、Moodymann。Moodymannの『I’ll Provide』を流して2019年最後の放送にしようと思います。

Moodymann『I’ll Provide』

(小袋成彬)何度も言いますが2019年はすごく節目の年になりました。2010年代の一番最後ということでね、もうあと4日すれば2020年になるわけですね。2020年と言えばもう東京オリンピックもありますし、本当にまた価値観がどんどんどんどんアップデートされていく時代だと思います。時々ね、「取り残される」っていう風に言う人がいるんですよ。「価値観が取り残される」とか、「自分が取り残されている感覚がある」とか。違うんです。どんどんアップデートしてください。自分の考え方を。そして思いを。

1年前と言ってることが違う、全然結構です。それが価値観のアップデートですからね。どんどんどんどん、広い世界を見て自分の知見を広げていきたいし、僕も常にその先端を走っていたいなと、そういう思いでいます。なので2020年もよろしくお願いします。このラジオが本当に続くといいけど。3年続いてますからね。

そうだ。このラジオももう4年目になるんですね。次回の放送で。こんなコアな金曜のド深夜のラジオ、最初は誰が聞いてるんだろう?って思ったし、自分のほぼ自己満になってるけど、まあいいんです。こういう振り返りは僕には無用ですから。ということで、また来年もMUSIC HUBともども小袋成彬をよろしくお願いします。

<書き起こしおわり>

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