星野源『POP VIRUS』ニューヨーク公演を振り返る

星野源『POP VIRUS』ニューヨーク公演を振り返る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『星野源 “POP VIRUS” World Tour』のニューヨーク公演について話していました。

(星野源)今日はですね、先日やっと帰ってきました、星野源のワールドツアー。その上海公演とニューヨーク公演を終えたんですけども。上海の話をいま、しました。

星野源『POP VIRUS』上海公演を振り返る
星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『星野源 “POP VIRUS” World Tour』の上海公演について話していました。 上海、谢谢!#POPVIRUS #PopVirusWorldTour #星野源 #Ge...

そんなわけで上海を終えて翌日、早朝に……でもね、美味しいご飯は食べれました。あと、ライブの前の日。行った日に取材とかで現地に人とかと話をしたりとか、メディア取材があって。そこで現地で応援してくれてる人たちとか、そういった人たちと話したのもすごくよかったですね。ご飯を食べながら話をして。非常に面白かったです。初めて僕は上海に行ったんですけど。なんかね、文化がやっぱり違うわけじゃないですか。でも、その中で共通点だったり、違う部分があったり。とにかく全部が面白くて。

でも、その人のあたたかさみたいなものは行かないとわからなかったりとか。話してみて初めて、より実感できるものがあるので。すごくね、楽しかったですね。で、次の日にバーッと出発しまして、ニューヨークに着いて、それで早速ライブだったわけですけども。もうね、上海もパンパンで、熱気がとんでもなかったんですけども。ニューヨークの熱気はちょっとね、忘れられないのですね。あれは。「爆発!」っていう感じでしたね。すごかった。ドカーン!っていう感じで。

じゃあ感想メールを読みたいと思います。21歳、ニューヨーク在住。大学生の方。「ニューヨークで大学に通っている中国人の留学生です」。まず、ものすごい日本語が堪能なんだよね。「ワールドツアー『POP VIRUS』、上海とニューヨーク公演、お疲れ様でした。3年前に源さんのことを知り、大好きになってからずっと、いつかニューヨークでライブが見ることができたらいいなと思っていましたが、まさか卒業前にその願いが叶うと思いませんでした。

ライブは本当にかっこよすぎて楽しくて、帰り道も翌朝のテストの時もずっとその余韻に浸っていました。大好きな人たちが目の前に立っていて、大好きな音楽を生で聞けて。本当に泣きそうな気分でした。観客のみなさんもニューヨークらしく思う存分音楽を楽しんで、声を上げ体を動かし、ラブユーとファックユーを遠慮なく口に出し、もう最高に気持ちよかったです。ソニーホールはライブハウスみたいな感じで、源さんとの距離も他の観客との距離もありえないほど近くて、会場が本当にひとつになった気がしました。バックグラウンドも出身地も言語も異なるみなさんが、このように同じ空間に集まり、一緒に歌って踊って。

音楽の力ってやっぱりすごいなと改めて思いました。その夢のような時間はあっという間に終わりましたが、その場で味わった気持ちの高まりは言葉にできないほど胸に刻みました。ニューヨークまで来てくれてありがとうございました。たくさんの感動をくれて、ありがとうございました」という。こちらこそ、ありがとうございます! 嬉しいねえ。

続いて。こちらは日本人の方ですね。「ニューヨーク公演、参加しました。最高でした。私は昨年夏からニューヨークにある美大の大学院で日本の感受性を活かしたデザインの研究をしてるのですが、多様なバックグラウンドを持つクラスメイトたちと議論をする中で、異なる文化を持つ人とのコミュニケーションの難しさや、その上でお互いを理解しようという知性の大切さを日々感じています。

そんな中で源さんがニューヨークの観客に対して『SUN』を通じてアメリカが生んだキング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンへの敬意を示した後に、『これがジャパニーズ・ポップソングだ』と言って日本語の歌詞だけで書かれている『恋』を歌ったっていう流れに、鳥肌が立ったとともに、音楽を通して文化を創る日本のクリエイターとしての源さんの矜持を感じた気がし、とても勇気づけられました。ワールドツアー、まだ続くかと思いますが、お体に気をつけてがんばってください」という。ありがとうございます。

いやー、もうそのソニーホールっていうところはですね、古いキャバレーみたいなところを改造して6年前ぐらいにできたライブハウスだったらしいんですけど。支配人の方っていうのがニューヨークのブルーノートの方と一緒で。その人が来てくれてですね、まず始まる前からとんでもない長蛇の列ができていて。「この列の長さはソニーホールが始まって以来だ」っていう。あとは、お客さんもめっちゃくちゃ入ってくれて。もちろん、ソールドアウトでしたし。で、あの会場にありえないぐらい入ってくれてですね。なんて言うんでしょう? 熱気がとにかくすごくて。

スペシャルゲスト、マーク・ロンソン

僕ね、なんか1個思っていたのは、いわゆるオープニングアクトというか、オープナーって言うにはあまりにも豪華すぎるスペシャルゲスト、マーク・ロンソン。来週、横浜で一緒にやりますけども。マーク・ロンソンがですね、僕の前にやってくれて。あまりにも素晴らしいステージでしたけども。たとえばマークがね、すげえ盛り上がって、僕はそうでもないみたいになったらちょっと嫌だなって思っていたんですけども、それも本当に杞憂というか。僕が出ていった瞬間に爆発的な盛り上がりみたいな。あとはライブを全部通しての、マークのもう何倍もの勢いを感じてですね、すごく嬉しかったですね。

もちろんマークのライブも横から見てて。もう本当に素晴らしくて。前に一緒に幕張でやった時はDJとしてプレイをしてくれましたけども、今回は音源を流しながらマークが生楽器を弾き、そして素晴らしいゲストボーカルのみなさまを招いて名曲たちをやっていくという。すごかったですね。来週の横浜もかなりスペシャルな感じになるそうなので、みなさん、来られる方はお楽しみに。

で、ちょっとね、なんか言うことがいろいろとあるんだよな。ええと……うーん。なんて言えばいいんだろう?(笑)。僕、普段は全然そういうことしなかったんですけど、自然とモニターの上に足が乗って。「オラーッ!」みたいな。なんか、そういうライブだったんですよ。で、みんながガンガンに跳ねるみたいな。で、声を出してくれるみたいな。さっきのメールにもあったんだけど、『Same Thing』を……あのね、だからそうそう。いわゆる、上海でもそうだったんだけども、『Same Thing』がドカン!っていう盛り上がりなんですよ。それがすごい嬉しかったし、驚いたし。みんな、めっちゃ歌ってくれるんですよね。

『Same Thing』の破壊力

で、サビも歌うわけですよ。それでみんな、ファックユーを絶叫するんですよ。あの自由な空間は本当に痛快でしたね。「ああ、これをやりたかった!」っていう。みんな、笑顔なんだもん(笑)。笑顔で「うわーっ!」って言いながら歌っていて。「ああ、やりたかったことはこれだ!」ってすごい思いましたね。で、その『Same Thing』にはSuperorganismのOronoが飛び入りで参加をしてくれまして。

ちょうどたまたまというか、アメリカにいるっていうことだったんで。「じゃあ、ちょっと出てよ!」「出るよ!」って出てくれて。ちゃんと生で2人で歌うことができて、僕もやっていて感動しました。で、そのチケットの割合っていうか、そういうのも見れるんですよ。それでニューヨークに来てくれたお客さんの8割が北米に住んでる人の購入なんです。で、北米から来てくれている。ニューヨークがいちばん多くて、あとはLAとかカナダとか、いろんなところから来てくれていて。

で、残りの2割が日本とか中国とか、あとは韓国。あとはパリとかもいた気がするんだよな。なんか、本当に各国から……あとはどこだっけな? 「えっ、そこから?」みたいな人もいたんだけども。なんかそういう割合だったんですよ。で、なんかもうね、超理想的だなと思って。で、そのお客さんの見た目はやっぱりアジア人が多いんですよ。だけどその中にパラパラと、見た目が欧米の人だったりとか。でも、マジで本当にいろんな人種が混ざっているんですよ。で、それが8割の人が地元っていうか、自分が住んでいる場所から来てくれているわけじゃん? 自分の国っていうか。

で、なぜ理想的なのかっていうと、僕はさっきも言いましたけども、「ご近所ツアーだ」っていう。だから、地方公演なんですよ。たとえばね、まあ仙台公演があったとして。その仙台公演にその8割のお客さんが東京から行ってたら、すごい嫌じゃないですか。「それはもうちょっと考えてよ。そこはダメでしょう?」っていうことになるけど。もちろん東京からちょっと行くとかさ、そういうのは全然いいわけじゃない。で、その中で、ほとんどが仙台の人とか、その周りから来ているんだけども、ちょっと東京からの人もいるみたいなのものっていわゆる、僕が普段やってるライブの感じなんですよ。

だからそれがニューヨークにも……それが自分の地方公演の感じなんですよ。で、それってめちゃくちゃ理想なんですよ。そのニューヨーク……いちばんニューヨークからの人が多いんですけど。ニューヨークで俺のことを待って人がいるっていう。それって、もうとんでもなく行く意味があるんですよ。だからそれは、北海道にライブに行くのと、あとは大阪とか名古屋とか福岡とかさ。それこそ東京でやるのとかとさ、変わらないわけ。

だから僕がやろうとしてたことが完璧に実現できたんですよ。で、その待ってる熱量の度合いがハンパない。「キターッ!!」みたいな。「星野源が、来てくれたぞッッ!」みたいな。なんかその感じに僕がね、非常に感動しました。で、その熱量で……もちろんアメリカ人もいたし、アジア人もいたんだけども。ニューヨークってさ、なんて言えばいいんだろう? 「夢を叶える」みたいな街だったりするわけじゃない?

みんな、なんか目的を持っていたり仕事があったりで日々、戦っているわけじゃない? その中で、その人たちが僕に対して夢を持っていて。で、その日常とか生活とか仕事とか学業とかを僕と一緒に同じ時間を過ごすことによってものすごく楽しそうにしてくれて。ものすごく大声で歌って。それをニコニコしながら持って帰るって……何度も言っちゃうけども、こんなに意味のあることはないんですよ。すごい嬉しくて。で、それがすごい象徴的っていうか、僕がね、「ありがとう!」って言ってドカーン! みたいな。で、主に英語でMCをしたんですけども。その中で、もちろん何を言ってもちゃんとバコーン!って返してくれる。日本語で言っても返してくれるし。

その交流とあと熱量、音楽がちゃんと伝わってる感じ。それが本当に嬉しくて。「嬉しいな!」と思いながら舞台を降りたわけですよ。それで「お疲れ様でした!」って裏でスタッフのみんなが拍手をしてくれた時に、僕のマネージャーが……フフフ(笑)。嗚咽をしているんですよ(笑)。嗚咽をしていて、崩れ落ちながら泣いていて。で、それは……もうあんな泣き方(笑)。「いやー、よかったっすね!」みたいな泣きじゃなくて、「はぁ、はぁ、あ、ああ、あ、う、うぅ……ヒック……」みたいな。そんな感じになっていて。それで僕も感動をしちゃったんだけども。

終演後、泣き崩れる星野源マネージャー

なんでかっていうと、ライブが大成功をしたっていうのもそうだし、ニューヨークでがんばっているであろう家族……3人家族かな? お父さん、お母さん、子供っていう3人家族がめちゃくちゃ楽しそうで。その楽しんだ後に「楽しかったね!」って言って帰っていく姿を見て。そのままニューヨークの街に消えていく様を見て、もうたまらなくなったらしくて。「こんなに勇気を与えた」っていうことに対して、号泣をしていたの。崩れ落ちながら。その姿を見てさらに、「もっとライブしたい」っていうのをすごく思いました。

だからそれを……もちろんニューヨークでもしたいと思ったし、上海でもしたいと思ったし。まだ、この後に横浜も台湾もありますけども。だから日本も日本じゃないところも含めて、本当にいろんな人たちにライブをしに行きたいなと。自分はそんなに体力がある方じゃないので、どうしても限られちゃうと思うんですけど。やっぱりなんか会いに行くとか、ライブをしに行くっていうのはこういうことなんだなっていうのを改めて感じることができたっていう。そういうツアーでした。

なので、本当に来てくれたみなさん、ありがとうございました。横浜2デイズがありますから、ぜひみなさん楽しんでください。来られる方は。その後、台湾。台北で終了ですから。ぜひ楽しんでいただきたいのと、またね、ライブをやりたいななんて思ったので。ぜひその際にはみなさん、遊びに来てください。そんな感じかな。じゃあ、1曲お送りしましょうかね。ニューヨークでもみんな合唱して。あれはよかったですね。なんか、楽しい曲だなと改めて思いました。星野源で『Same Thing feat. Superorganism』。

星野源『Same Thing feat. Superorganism』

お送りしたのは星野源で『Same Thing feat. Superorganism』でした。ライブのアレンジも素晴らしいんで。いい感じなんでぜひ、ライブに来れる方はお楽しみに。ちょっとだけメールを読みます。福岡県の女性、21歳の方。「ワールドツアーのお話、源さんが受け取った温かい気持ちがこちらにもたくさん伝わってきました。世界中にいる源さんファンとの距離がとてもとても近く感じます。私がいま、どんな場所も近所だと思えるのはきっと源さんが繋いでくれた出会いのおかげです。源さん、ありがとう。ワールドツアー、応援しています」。ありがとうございます。

大阪府女性41歳の方。「上海のファンの方との交流を通じて日本のファンの思いを感じていただいて、ものすごくものすごく嬉しいです。上海のファンとか日本のファンとか区別する必要は本当はないんですね。そう感じられたことが普段の生活の中にもいろいろと区別することはたくさんあるけど、そうじゃないんだと思いました。ありがとうございます。もうそれしか言えない」という。ありがとうございますね。そんな感じで横浜と台北のお話もまた、終わったらできればと思っております。

<書き起こしおわり>

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