星野源さんが2023年3月7日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で亡くなったウェイン・ショーターさんを追悼していました。
(星野源)あと、なんか本当に日々、いろんな人が亡くなってしまうっていうか。で、「寂しい」とかもあるし、なんかいろんな気持ちに皆さんもなってると思うし、僕もなるんですよ。あとは音楽家でね、亡くなってしまう人とか……この間もデ・ラ・ソウルのメンバーの方が亡くなっちゃいましたけど。
そういう時に、もちろん前から聞いていて悲しいっていうのもあるんですけど。なんか、すごいいつも悩むんですよね。僕、そういう時って、あんまりしゃべらないんですよ。その人の話を。「そんなことはないだろう」ってみんな思うと思うんだけど。なんとなく、自分の仕事にその人の死を利用してるんじゃないか?っていう罪悪感にさいなまれるんですよ。
でも、たとえばその人が音楽をやってたりしたら、結構かかるじゃない? ラジオとかでも。でも、それがいいことだなとも思うし。たとえばレコード屋さん、CD屋さんとかにも追悼特集で棚とかできたりするじゃない? で、それはすごくいいことだし、知らなかった人がそれをきっかけに知って。で、「音楽を聞き続けることによって、その人は死なない」みたいな考え方もあるけど。
でも、「本当だったら生きてるうちに、いろんな人に聞いてほしかった」っていうのを、なんか思うんですよ。だから、すげえ難しいなっていつも思いながら。とはいえ、曲をかけないわけにはいかない。かけたくなっちゃうみたいな、その中でいつもちょっと揺れてるんですけど。ウェイン・ショーターっていうサックスプレイヤーの方が亡くなりまして。で、その人が参加していたっていうか、その人がいたバンドの曲をね、ちょっとこれからかけようと思うんですけど。
ジャコ・パスと呼ばれるベーシストとジョー・ザヴィヌルというピアニストの方。みんな好きでですね。で、皆さん、亡くなっているんだとは思うんですけども。で、なんかこの曲をですね、聞いたんですよ。で、前から好きだったけど、改めて聞いてですね、なんかその、よかったんです。よかったんで、いい曲だったんで、かけますっていう感じなんですけど。
メインメロディーみたいなものがですね、2分ちょいぐらいで来るんですよ。その時にサックスのウェイン・ショーターとジョー・ザヴィヌルのシンセサイザーね。ジャズなんですけど、すごいいろんなシンセサイザーを使っていて。それと、ベース。で、みんながちょっとずつハーモニーで変わっているんですけど、基本的には同じメロディーのメインメロディーをみんなでやるんですよ。
そこの、なんか多幸感みたいなのがすごい素敵なんです。でも、なんていうか全体的にすごくキープしてる……なんて言うんだろうな? たとえばジャズなんだけど、アドリブをガーッてあるとかじゃなくて。アドリブ部分もあるんだけど、なんかものすごい綿密に組まれている楽曲でですね、すごい好きな楽曲なんで、ちょっとこれを今日の1曲目にしたいと思います。ウェザーリポートで『Birdland』です。
Weather Report『Birdland』
<書き起こしおわり>