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町山智浩 フランス映画・実写版『シティーハンター』を語る

町山智浩 フランス映画・実写版『シティーハンター』を語る たまむすび
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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で人気漫画『シティーハンター』のフランスでの実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』について紹介していました。

(町山智浩)ちょうどいい前振りですね。今日紹介する映画の(笑)。今日、紹介する映画はこれです、はい!

(町山智浩)はい。TM NETWORKの『GET WILD』ですね。これね、テレビアニメの『シティーハンター』の主題歌でしたけども。見てました?

(赤江珠緒)見てましたよ! ジャンプでも読んでいたし、コミックでも読んでましたもん。

(町山智浩)ああ、本当ですか? じゃあ、わかりますよね。『シティーハンター』といえば、なんですか?

(赤江珠緒)(即答で)「獠ちゃんもっこり!」。

(山里亮太)言ったね。あと、100トンハンマーもあったでしょう?

(赤江珠緒)ああ、そっちか(笑)。

(町山智浩)もっこりだよね!

(赤江珠緒)そうなるでしょう(笑)。

(町山智浩)ねえ。小学生、中学生ぐらいで読んでいたんですか?

(赤江珠緒)そうです。

(町山智浩)「もっこりってなんだろう?」って思いませんでした?

(山里亮太)イラストでわかりますよ。あそこがすっごいデカいことになっていて……。

(町山智浩)いやいや、赤江さん。

(赤江珠緒)そうそう。もうそういうのもちゃんと……。

(町山智浩)フフフ(笑)。まあ、主人公がね、新宿で「スイーパー(始末屋)」という仕事をしている冴羽獠という男なんですけども。まあ探偵みたいなものなんですけども、拳銃を使って破壊活動とか狙撃みたいなことをする男で。まあ闇の仕事ですけども。で、そう聞くとすごくかっこいいハードボイルドな犯罪物という気がするんですが、美しい女性を見るともっこりしてしまうという(笑)。

(赤江珠緒)デレデレしてね。

(山里亮太)きれいな女の人のことを「もっこりちゃん」って言いますからね。

(町山智浩)でも、赤江さん。あれを見ると冴羽獠のもっこりってコンクリの壁に穴開けたり、防弾ガラスを貫いたりしてましたけども。怖くなかったですか?(笑)。

(赤江珠緒)フハハハハハハハッ! そうだそうだ(笑)。別に怖さは覚えないですけども。そこは楽しさとして……。

(山里亮太)「こ、こんなものが!」って?(笑)。

(赤江珠緒)だって絵もきれいだったしね。すごい違和感もなく受け入れてましたね。

(町山智浩)絵がきれいなんです。この北条司さんという作者がデビューした時……『キャッツ・アイ』の前にデビューしたんですけども。その時って僕、漫画を描いていたから。漫画描きの仲間の間では戦慄でしたよ。本当に。「こんなに上手い漫画家が出てきたのか!」っていう感じでみんながびっくりしたという。大変な技術革新でしたね。でも、まさに言葉通り「一皮むけた」のが『シティーハンター』で(笑)。

(山里亮太)フフフ、「言葉通り」ってなんなんですか(笑)。

(町山智浩)あのね、『シティーハンター』って連載が決まった時にはね、すごい渋い本当にハードボイルドな暗黒漫画だったんですよ。それが途中から、だんだんともっこりとかのシモネタが増えていって。で、どんどんと漫画自体がすごいものになっていったんですけども。で、アニメの方ではね、言葉では「もっこり」って言うけども、まあもっこり描写はなかったですけどね。

(山里亮太)ああ、そうだったか。

(町山智浩)あったような気になっているんですよ。みんな。原作であまりにも激しかったから。

(山里亮太)ああ、なかったんだ。映らないようにしていたんだ。

(町山智浩)だって夜の7時に放送していたんですよ?(笑)。できないでしょう。

(赤江珠緒)そうか。あまりにもあのイメージが強すぎて。見ていた気がしていた。

(町山智浩)そう。みんな幻のもっこりを見ているんですよ。アニメで(笑)。

(山里亮太)フフフ、ファントムもっこりが(笑)。

(町山智浩)で、今日紹介するのはその『シティーハンター』のフランスでの実写映画なんですよ。

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フランスでまさかの実写映画化

(赤江珠緒)これ、ポスターを見て笑いました。これを実写版でやるって。で、漫画にすごい寄っていますね。本当に!

(町山智浩)すごい寄っているでしょう?

(山里亮太)うん。海坊主なんて海坊主だもん。

(町山智浩)海坊主、すごいですよ! 本当に。海坊主っていうのは冴羽獠のライバルの、やっぱり元特殊部隊の始末屋なんですけども。たいてい、冴羽獠と敵対するんですよね。で、海坊主のような姿をしている、頭が丸坊主でサングラスをかけた大男なんですけども。実写でこんなに近いっていうのがすごいですよね(笑)。

(赤江珠緒)そうですね(笑)。

(町山智浩)で、これは香ちゃんも結構近いんですけども。

(赤江珠緒)そう! この方もフランスの方ですか?

(町山智浩)2人ともフランスの俳優さんなんですよ。で、この冴羽獠を演じているフィリップ・ラショーという人は脚本、監督、制作を全部1人でやっています。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)彼、1980年生まれで小学生の時に『シティーハンター』をフランスで見ていて。

(山里亮太)へー。フランスでやっていたんだ。

(町山智浩)そう。で、そこからずっと映画化するのが夢だったらしいんですよ。

(山里亮太)じゃあ、長年の夢が叶ったんだ!

(町山智浩)ものすごい、構想何十年っていう話なんですよ。フランスはね、日本のアニメの地位がものすごく高いです。フランスって漫画の地位が高いんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そうですか。

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日本の漫画・アニメの地位が高いフランス

(町山智浩)フランスではね、漫画はアートのひとつと考えられているんですよ。で、日本みたいな大衆的なものと芸術との間ぐらいのレベルなんですよ。漫画に対する社会とか文化的な評価のされ方が。で、日本のアニメなんかは『UFOロボ グレンダイザー』という『マジンガーZ』の続編がフランスでは全番組を通しての史上最高の視聴率を記録してるぐらいなんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)だから存在するテレビのうち100%ぐらい見てるみたいな、異常な数字を出したことがあるんですよ。そのぐらい、フランスでは日本のアニメが人気なんですけども。ああ、「子供の視聴率が100%」かなんかだったんですよ。『グレンダイザー』は。子供が全員見ているっていう異常な世界だったんですけども。だから永井豪先生がフランスに行った時によく言われるのが「永井豪先生はさぞかしすごい豪邸にお住まいなんでしょう」って言われるらしいんですけどね。まあ、フランス人からするとそれぐらいの巨匠だという。マーベルにおけるスタン・リーみたいな。

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(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)でも、日本での漫画家の地位は低いんですよね。で、そのフィリップ・ラショーさんが長年の子供の頃からの夢を叶えて作った今回の『シティーハンター』はですね、まあ本当に原作通りです。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)すごいですよ。あのね、『シティーハンター』でいちばんみんな見ていて覚えているのって、香ちゃんが……香ちゃんっていうのは冴羽獠の助手というか、アシスタントなんですよね。で、若い女の子なんですけども。冴羽獠が女性の依頼人にデレデレしたり、もっこりすると「天誅!」って言って「100t」って書かれた巨大なハンマーで冴羽獠をぶん殴るっていうのが毎回あったんですよ。覚えてますか?

(赤江珠緒)はい。覚えてます。

(町山智浩)あれを、実写でやっているんですよ。

(赤江珠緒)これ、実写でできます?(笑)。

(町山智浩)どうやってやるの?っていう。だって、不自然でしょう? ねえ。いきなりハンマーが出てきたら。そしたら必然性をもたせてハンマーがそこにあって殴るっていう風になっているんですよ。

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必然性のある100tハンマー

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)これ、すごい考えたなと思いましたよ。本当に。あとね、原作もアニメもそうだったんですけど、冴羽獠がスケベで間抜けなこと言ってると周りの人がしらけて。カラスが飛ぶでしょう?

(山里亮太)はい。「…」みたいな感じで。

(町山智浩)ねえ。「アホー」っていいながらカラスが飛ぶじゃないですか。あれもちゃんと実際にやっているんですよ。

(山里亮太)えっ? 実際のカラスで?(笑)。

(町山智浩)いや、本当にカラスが飛ぶんですよ(笑)。

(赤江珠緒)えっ、そのまま再現するの? へー!

(町山智浩)そう。すごいことになっているなって思いましたよ。

(山里亮太)いや、だからリスペクトなんだろうね。これは。

(町山智浩)で、いろいろとのけぞるところがあって。やっぱりすげえのけぞるのが、「これ、ちょっとあり?」って思ったのが、冴羽獠に事件の解決を依頼する人って、覚えてますか? 新宿駅の……。

(赤江珠緒)掲示板にね、「XYZ」って。

(町山智浩)そう。伝言板の黒板に「XYZ」って書くんですよね。「もう後がない」っていう意味で。でも、伝言板ってもう存在しないでしょう?

(山里亮太)そうね。もう見なくなったわ。

(町山智浩)ねえ。たぶんいまのこの僕らの話を聞いても若い人は何を言っているのか、全くわからないと思うんですよ。

(赤江珠緒)駅に掲示板、もうないですね。

(町山智浩)そう。駅の改札のところに昔、掲示板があったんですね。黒板が。それがちゃんと今回、出てくるんですよ!

(山里亮太)じゃあ、時代背景は昔に戻すっていう感じなんですか?

(町山智浩)違うんです。YouTubeとかTwitterとか出てくるんですよ。

(赤江珠緒)ああ、現在なのに? へー!

(町山智浩)現在なのに、その掲示板だけあるの。なぜか(笑)。

(山里亮太)でもまあ、象徴的なものだから外せないんだろうね。

(赤江珠緒)そこからスタートしますからね。

(町山智浩)「なんだ、これ?」っていう感じなんですよ。あと、もうひとつ冴羽獠ちゃんのトレードマークといえばコルトパイソンと並んで、ジャケットの腕まくりですよね。

(赤江珠緒)ああ、そうですね。うんうん。

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冴羽獠のトレードマーク、ジャケットの腕まくり

(町山智浩)あの頃、腕まくりが流行っていたんですよ。というのは、『マイアミ・バイス』っていうテレビシリーズがあって。それでドン・ジョンソン演じる刑事が薄い麻のジャケットの腕をまくっていたんですよ。

(赤江珠緒)ああ、ここに写真がありますけども。本当だ。冴羽獠感がすごい!

(町山智浩)そう。それが元なんですよ。冴羽獠の。だからその頃ね、TM NETWORKも腕まくっていましたよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)知らないですか? 浜田省吾さんもその頃、ジャケットの腕をまくっていましたよ!

(赤江珠緒)ああ、なるほど!

(町山智浩)覚えてますでしょう? でも、いま誰もそれやってないじゃん? でも、今回の冴羽獠はそれをちゃんとやっているんですよ。すごいなと思って。この時代がなんだかよくわからない感がね、もうめちゃくちゃおかしいんですけども。あとね、フランス映画なんで結構モロ出しです。

(赤江珠緒)ああ、フランス映画はいろいろと出してもOK?

(町山智浩)フランス映画だったら、一応アニメ版が元なんで直接のもっこりはないんですけども。ただ、おっぱいとかおしりとかペニーちゃんとかみたいなものはかなり近いものが出てきます。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)みたいなものが出てくるんですよ。そのへんはね、やっぱりフランス。セックスの先進国っていう感じなんですけども。で、シモネタがオーバードライブかかってますよ、これ。

(山里亮太)フフフ、いや、結構元も攻めているのに……。

(町山智浩)元もすごいんですけどね。あ、そうだ。冴羽獠って結局、最初はスケベなふりをしているだけなのかなって僕、思っていたんですよ。原作を読んでいる時に。でも、途中から本当に変態になっていって、下着泥棒とかするんですよね(笑)。

(山里亮太)いや、そんなんだったっけ?(笑)。

(町山智浩)ポケットにね、下着が入っているの。女の子の。

(赤江珠緒)ああ、それあった、あった! あったな、ポケットに下着、よく入っていたな。

(町山智浩)そう。かぶったりしてね。困ったもんなんですけども、そのへんもちゃんとやっているから見ていて「変態じゃね、これ?」っていうところもあるんですよ(笑)。

(山里亮太)実写で見るの、すごいな。

(町山智浩)実際に見ると、生々しいんですけどもね。で、あまりにもひどいから「病院に行け!」って香ちゃんに言われて精神病院に行くと、そこで精神科でロールシャッハテストを受けるんですよ。「これは何に見えるか?」って。もう見るもの全部「おっぱい、おしり、おっぱい、おしり……」としか言わないっていう。それ、本当におかしい人になっちゃっているんですよ、冴羽獠が(笑)。

(赤江珠緒)ちょっと待って。本体のミステリーみたいな部分はちゃんとしているんですか?

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ストーリーのミステリー要素

(町山智浩)ミステリーのところがね、これがね北条司先生がね、「この手があったか!」って言っている内容になっていて。あのね、究極の惚れ薬を発明した博士がいて。「それを狙ってるやつらがいるから、守ってくれ」と依頼されるんですよ。まあ、普通美人の女性の依頼しか受けないんですけどね。冴羽獠は。でも、惚れ薬ですからね。だから、その依頼を受けるんですが、その惚れ薬がどこかに行っちゃうんですよ。ただ、その惚れ薬が本物なんだっていうことを証明するために冴羽獠にかけちゃうんですね。その老人の博士が。で、その時に目の前にいたのが博士だったんで、冴羽獠は博士に惚れちゃうんですよ。

(赤江珠緒)ほ、ほう……。

(町山智浩)で、解毒剤ごとその薬が持ち去られてしまって、それを探すっていうミッションなんですけども、48時間以内にその解毒剤を手に入れないと冴羽獠はそのまま博士のことを一生愛してしまうんですよ。

(赤江珠緒)アハハハハハハッハッ! なるほど(笑)。

(町山智浩)そう。そういうタイムリミットの中でのアクションなんですけども。ただ、冴羽獠はスケベだから最初は博士のことをそんなに好きじゃないんですけども。48時間、戦っていくうちにだんだんだんだんと博士への愛が育っていくんですよ(笑)。

(山里亮太)薬が効いてくるんだ(笑)。

(町山智浩)そう。そういう、「どういう映画なんだ、これ?」っていう(笑)。

(山里亮太)おじいちゃんとおじさんの(笑)。

(町山智浩)そう。そのへんがなんかね、とんでもない、なんかインド映画的なバカバカしさもあって。すごいことになっていますね。

(赤江珠緒)これは文句なしに笑えそうですね。

(町山智浩)これね、僕はちょっとナメていたんですけども、面白かったです!

(山里亮太)へー! なんかね、『シティーハンター』の実写化っていままでもありましたもんね。

(町山智浩)ジャッキー・チェンがやっていましたね。

(山里亮太)そうか。ゴクミと。

(町山智浩)そう。でもあれ、ジャッキー・チェンはダブダブのジャケットで腕をまくっていないからダメだね。

(山里亮太)フハハハハハハハッ! その時点でもうダメだったんですね!

(町山智浩)あれがないとダメですよ、やっぱり! 謎の映画でしたよ。あのジャッキー・チェン版の『シティーハンター』は。途中でとんねるずの『ガラガラヘビがやってくる』が延々と流れてミュージカルになったり。とんでもない内容でしたけどね。はい。

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ジャッキー・チェン版『シティーハンター』

(町山智浩)で、今回のもとんでもないんだけど、すごくいい意味でとんでもなくなっていて。というのは、実は『シティーハンター』っていうのは純愛ラブストーリーなんですよ。その香と冴羽獠のもっこりが介在しない本当の心と心の愛の物語なんで。それをちゃんとやっています!

(赤江珠緒)へー! そうか。じゃあ、ちゃんとオリジナルが大事にされているんですね。

(町山智浩)はい。で、しかも元の『シティーハンター』を見ていない人も全然笑える。ギャグが。だから結構ね、すごいなと思って。フランスは昔、バカコメディがアメリカよりもよかった国なんで。久々でしたね。意外とみんな知らないと思うんですけども、フランスはコメディがいいんですよ。ということで、『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』。「最高」が香ちゃんの「最香」になっていますね。

(赤江珠緒)これ、日本は公開が11月29日となっております。

(山里亮太)しかもこれ、日本語吹き替えがまためちゃくちゃ豪華なんですね。

(町山智浩)そうなんですよ。神谷明さんもちゃんと声を当てています。冴羽獠じゃない人のね。冴羽獠は山寺宏一さんです。ということでお楽しみに。

(赤江珠緒)面白そうですね。楽しみですね(笑)。

(山里亮太)見に行こう!

(赤江珠緒)町山さん、ありがとうございました!

(町山智浩)どうもでした。

<書き起こしおわり>

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