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町山智浩と山里亮太『惡の華』『宮本から君へ』を語る

町山智浩と山里亮太『惡の華』『宮本から君へ』を語る たまむすび
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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。赤江珠緒さん、山里亮太さんと映画『惡の華』と蒼井優さんが出演している映画『宮本から君へ』について話していました。

(町山智浩)今回紹介する映画は9月27日に日本で同時に公開される日本映画なんですね。これ、すごくよく似た映画で、二つともなぜか講談社の漫画が原作になってます。1本はですね、『惡の華』という映画で、これは別冊少年マガジンで連載されてたんですけども。もう一つは『宮本から君へ』という、コミックモーニングに連載されていた漫画が原作なんですが。たまたまですけど、この『惡の華』の原作者の押見修造さんと『宮本から君へ』の原作者の新井英樹さんがたまたま友達で。それが同時公開なんでどうしよう?って思ったんですけども。どっちかが良くないとかってなると、僕も立場的に困るわけですよ。でも、どっちも素晴らしかった!

(赤江珠緒)ああーっ!

(町山智浩)ものすごい素晴らしい映画でした。両方とも。どっちも素晴らしい。これ、だからどっちも見てほしいんです。全てのみなさんに。で、どういう話か?っていう話をします。『惡の華』の方からしますけど、『惡の華』は主人は中学2年生の春日くんという男の子で。演じるのはなんと伊藤健太郎くん。ご存知ですよね?

(山里亮太)私、『テラスハウス』という番組で昔、一緒にモニタリングをしていた仲ですね。

(町山智浩)で、彼が自分の片想いをしている中学のクラスメイトの女の子の使用済みの体操着を盗むところから映画はが始まります(笑)。

(赤江珠緒)うわーっ! ちょっと中学生の学校の事件としてはなかなかヘビーなことが起きちゃってますね。

(町山智浩)で、伊藤くんはその使用済みブルマの匂いを嗅いだりしてますよ。

(山里亮太)結構体当たりですごい演技しているんですよね。

(町山智浩)すごい演技、していますよ。で、その現場を別のクラスメイトに見られてしまうんですよ。

(赤江珠緒)地獄!

(町山智浩)地獄なんですよ。ねえ。(山ちゃんに)「見られなくてよかった」って思っているでしょう? 違うか?(笑)。

(山里亮太)いや、違う! 町山さん(笑)。

(町山智浩)「俺は見られなかったけど?」って(笑)。

(山里亮太)でも玉城ティナさんになら見つかってもよかったかな?って(笑)。

(町山智浩)そうなんですよ。それを目撃する別の女子中学生が玉城ティナちゃん扮する仲村さんなんですよ。で、この彼女がそれを見てどうするか?っていうと、現場を押さえたから、そこからずっと恐喝し続けるんですよ。伊藤健太郎くん扮する春日という少年を。で、どういう恐喝かっていうと、変態行為を強要し続けるんです。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)原作は……?

(山里亮太)読みました。すっごい漫画ですよ。これ、実写化してどうするんだ?って思っていたぐらい。

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実写化はできないと思っていた

(町山智浩)僕もこれ、実写化できないんじゃないかと思っていたんですよ。中学生が、まあセックスにかかわる話で。しかも中学2年生が出てくるわけですから当然これ、問題だろうと思って。で、玉城ティナさん自身はまあ成人されているんですけど、この中で別の佐伯さんっていうクラスメイトで主人公が憧れている女の子を演じる女優さん(秋田汐梨)は本当にあの、そういう年齢なんですよ。

で、とんでもないことをするんで、すごいことになっていくんですけれども。で、これをよく映画化したなと思ってね。それでこれ、8年ぐらいずっと映画化するためにいろんな会社を回ったりしていたんですよ。で、僕はその間ずっと事情を聞いていて。それで監督が井口昇さんという監督で。僕、この漫画の原作が出た時に、既に帯に推薦文を書いているんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、その頃から井口監督がいいなと思ってて。変態だから。フフフ(笑)。井口監督って変態ですから。で、これも嫌なのが俺の推薦文がついたコミックスがこの表紙なんですよ。主人公の春日くんが「変態なんかじゃ…ない」って言っているところにでっかく「町山智浩推薦」って書かれていて(笑)。

(赤江珠緒)フハハハハハハッ!

(町山智浩)それが家に送られてきて、娘が見て「お父さん、なにやってんの?」って(笑)。これだと町山智浩が「僕は変態なんかじゃ…ない」って訴えているようにしか見えないっていう(笑)。

(赤江珠緒)そうですよね。ここに帯がつくとね(笑)。

(町山智浩)「お前、変態じゃねえか! なに言ってんだ!」っていうね。そういう非常にいろいろと恥の多いことがあったんですけども。で、それを聞くとなんか笑っちゃう話かと思うじゃないですか。でも、そうじゃないんですね。この『惡の華』っていうのはそういう変態が入り口なんですけども。そこから入って「愛とは何か」とか「普通というのは一体何か」とか。そういったことに関してどんどんと踏み込んでいくんですよ。

で、中学2年生の思春期が抱える自我の問題であるとか、孤独の問題であるとか。あとはこれ、舞台が群馬県の桐生市なんですけども。そういう閉鎖的だったり保守的だったりするところに対して、なかなかうまくそこに合わせられない子はどうやって生きたらいいのかとか。そしてそういう子を愛してしまった場合に、一体どこまで自分を捧げることができるのか。

(赤江珠緒)はー! どんどん深いテーマになってくる?

(町山智浩)だから(高村光太郎の)『智恵子抄』なんていう話がありますけども。その愛している人が病んでしまった場合に、どこまで自己を犠牲にできるのか? そういう問題にも踏み込んでいくんですよ。

(赤江珠緒)わあ! 非常に普遍的な話なんですね。

(町山智浩)で、この玉城ティナちゃんが演じるこの仲村さんっていう人が、全くその世の中の常識とか日常とかそういったものを嫌悪してる女の子なんですよね。で、「お前らはみんな嘘つきだ。お前らの考えていることっていうのはセックスばっかりだろ! 私はもう本当にそういうのが嫌なんだ! あんたたちはみんなきれいな顔してるけど、心の中はドロドロじゃねえか!」っていうことを口に出して言うような人なんですよ。で、完全に浮いてしまって田舎で居場所がないんですね。それを玉城さんが演じているんですけど、これが全く『バットマン』におけるジョーカー的なキャラクターなんですよ。

(赤江珠緒)はー! 先週ご紹介いただいたあの『ジョーカー』?

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(町山智浩)はい。だから完全なテロリストで世間の価値観全てに対してテロを仕掛けていくのが女子中学生です。玉城ティナちゃん。でも、それを愛してしまったらどうすればいいのか?っていうすごい問題に踏み込んでいくんですよね。だから最初はブルマの匂いを嗅いでいるから「なんだこりゃ?」って思うんですけども。でも、すっごい感動的な映画でしたよ。

(山里亮太)演じるのとかも大変そうな役ですよね。出てくる人、全員。

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仲村さん(玉城ティナ)=ジョーカー

(町山智浩)そうそう。それでね、玉城さんってモデルとして知られていますけども。完全にこの少女ジョーカーに入り込んでいますよ。もう口の周りを赤く塗ってもおかしくない。

(赤江珠緒)中学生としては浮きますけども(笑)。

(町山智浩)すごかったですよ。ケラケラとジョーカー笑いをするようなところがあるんですけど、それが上っ面じゃないんですよ。本当に心の底から笑ってるんですよ。で、世の中に対する憎しみと呪いをぶちまけるところも本当に心の底からぶちまけてるんですよ。言わされてる感ゼロ。すごいですよ。で、本人とお会いしてちょっと話をしたら、まあちょっと変な人でしたよ(笑)。

(赤江珠緒)アハハハハハッ! ああ、そうですか?

(町山智浩)その素養がある人でした(笑)。

(赤江珠緒)ええーっ? でもそれをどう受け止めていいのか、ねえ。結末がわからないな。

(町山智浩)まあ、誰にでもあることですね。中学生ぐらいの時に世の中の全てが嘘っぱちに見えて憎むということは。だからその問題にすごく踏み込んでいて。しかも、全然不自然じゃない、リアルな映画となっているのが『惡の華』なんですよね。

(山里亮太)押見修造さんの漫画って基本的にそうですもんね。

(町山智浩)あれね、全部実話なんですよ。これ、本当にあったことで。押見さんは自分にあったことばっかりを書いているんですよ。ブルマの匂いを嗅いだかどうかはわかりません。嗅ぎたかったんだとは思います。

(山里亮太)葛藤とかいろいろを全部漫画に?

(町山智浩)そうそう。それで仲村さんみたいな人がいて。それでいま、彼が連載している別の漫画で『血の轍』っていう漫画があるんですけど、これも強烈な話で。その、仲村さんみたいな人と別れさせたのは自分のお母さんだったんですね。で、そのお母さんが一種その近親相姦的に主人公を追い詰めていくんですけど、それは本当にあった話らしいんですよ。

(山里亮太)そうだったんだ!

(町山智浩)だから本当に、そんな身を切るような漫画を描いているのが押見修造さんなんですけども。

(山里亮太)それを見事にこの映画に?

(町山智浩)映画にしているんですよ。それは、その井口監督がこの漫画をどうしても映画化したいということで押見さんに言った時に……もっと有名な監督とかが「やりたい」って言ってきていたんですけども、押見修造さんが井口さんにやらせたいからって全部断っていたんですよ。

(山里亮太)へー!

(赤江珠緒)それはなぜ、「井口さんに」って思われたんですか?

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井口監督以外のオファーを全て断る

(町山智浩)井口さんも実はいままで実は変態映画を撮りながら、変態的なところから入って行って「愛するとは一体何か?」ということにテーマが移ってくという非常に不思議な映画を撮ってきた人なんですよ。『恋する幼虫』とかそういった映画で。最初は非常にわがままな男が変態的な、肉体的な欲望から女性に近づいていくんだけども、そのうちに「その女性をどこまで引き受けることができるのか?」という試練に立ち向かう話になって行くんですよ。だからそのへんで押見さんは井口監督の映画をずっと見てきたから「この話は井口監督しかいない」っていうことで全てのオファーを断って、井口監督して。8年目にしてやっと成功したんですよ。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)で、僕はその経過をずっといろいろと聞いていたんで。だから本当にまあ、素晴らしいものになりましたね。という映画が『惡の華』で。これ1本だけだったら俺は済んだのに、ところが僕が仲良くしているその新井英樹さんという人が描いた『宮本から君へ』というのはこれ、8年どころじゃなくて1992年に漫画の連載があって。そこからもう何年たっているんだ?っていう。もう20年以上、30年近いわけですよね。

(山里亮太)最近、ドラマ化されていてね。「ああ、いまこのタイミングで?」って。

(町山智浩)そう。これもだから内容的に非常に問題があるので、なかなか映画化できなかったんですけども。まあ、その問題点の部分は言えないんですけども。これ、いまドラマでやっている部分の完結編として公開されるんですよ。『宮本から君へ』は。で、監督は真利子哲也監督。ドラマの方も彼が自分で脚本を書いてやっいてるんですけども。

彼はすごい新井英樹さんの大ファンでなんですよ。で、この映画は主人公は池松壮亮くんが演じる文具メーカーの営業マンの1年生、新入社員なんですね。で、ものすごいまっすぐな性格でね、営業マンのくせにお世辞が言えない。で、営業スマイルがなかなかできない。そういう無骨な男で、ラガーマンなんですよね。で、これは新井英樹さん自身がラガーマンだからなんですよ。で、最初に失恋しますね。テレビ版の方で失恋するんですけど、今回は新しい彼女ができて、その彼女と結婚を考えるという話なんですが、その彼女を演じるのがあの……奥様ですね(笑)。

(山里亮太)私の奥様、蒼井優さんでございます。

(赤江珠緒)そうか、はい!

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宮本の恋人・靖子役は蒼井優

(町山智浩)靖子という年上の女性とその宮本くんが出会って、愛し合って。それがすごいんですよ。その新井英樹さんという漫画家の人は、セックスを本当にリアルに描く漫画家さんなんですよ。ものすごい描き方がリアルなんですよ。あの、エロ漫画よりもリアルなんです。エロ漫画って結局は嘘だから。まあ、そんなことないよってことをやるんですけど、そうじゃなくて覗き見のような感じで描く人なんですけども。それをやってらっしゃるんですよ、奥様が!

(山里亮太)私も原作を読んでいましてね。それでその、靖子の役が蒼井さんなんだっていうことで。「ほっ!」って思いましたよ。「おおっ? ほっ!」って。

(町山智浩)「これをやるの?」みたいな。

(赤江珠緒)フフフ、1回は「ほっ!」って思いました? やっぱりね、それは女優さんだからって思っている中でも……(笑)。

(山里亮太)「ほっ!」って1回、思いましたけども。でも、いやー、壮絶な撮影現場だったらしいですね。

(町山智浩)すごいですよ。壮絶ですよ、これ。で、セックスもすごいんですけども、とにかく魂のぶつけ合いなんですよ。この宮本と靖子の関係性が。もう体だけじゃなくて、口も全部言いたい放題に言いまくる。それで感情をものすごい全部むき出しでぶつけ合う恋人同士なんで、ものすごい消耗するだろうなって思いますよ。

(赤江珠緒)いや、もう疲れますよ、それは。

(山里亮太)これ、聞いたんですけども、撮影で1カット撮るたびに2人ともヘトヘトになるって。「こんなに体力を使った撮影はいままでなかったんじゃないかっていうぐらい疲れた」っていう風にいっていましたよ。

(町山智浩)すごいですよね。でも、役に入っている時って家に帰ってきたり、お二人で会ったりする時ってそれを引きずらないんですか?

(山里亮太)僕、『宮本から君へ』を撮っている時にはまだお付き合いとかしていないんですよ。その前のことだったから。でも、お付き合いしている時に撮影があったら、怒鳴られていたかもなって思って。

(町山智浩)ああ、そうですよね。テンションがものすごい高い状態で家に帰ってこられて。「オラァッ、山里!」みたいな。「お前、本当に俺のこと愛してんのかよっ!」みたいな。「自分のことしか考えてねえんじゃねのかよ!」とか言われそうで(笑)。

(山里亮太)でも俺、池松壮亮さんみたいにぶつかるんじゃなくて、泣くと思う……(笑)。

(赤江・町山)フハハハハハハハッ!

(山里亮太)メソメソと……「お、大きな声、出さないでよ……」って(笑)。

(町山智浩)これ、宮本くんの方はそうやられると返すわけですから。「愛してるんだよ、バカヤローッ!」みたいな感じで。すごいんですよ。

(赤江珠緒)ラリーを打ち合うんですね?

(山里亮太)予告編だけでもその片鱗がちょっとあるから。ものすごい。

(町山智浩)すごいですよ。もう。

(山里亮太)いやー、だからこれは原作がすごいから。

(町山智浩)原作がすごいんですよ。もう本当にね、新井さんがそういう熱い男なんですよ。もう曲がったものが大嫌いなんですよ。はい。

(山里亮太)ものすごい熱量ですもんね。漫画も。読んでいて熱いもん。

(町山智浩)もう世の中に対する怒りとか……やっぱり嘘が嫌いなんですよ。だからあまりにもそういうような人だから、漫画の中で何回も地球を滅ぼしたりしている人ですよ(笑)。日本政府も何回も滅ぼしてますよ(笑)。

(赤江珠緒)アハハハハハハハッ!

(町山智浩)もうマシンガン持って殴り込みをかけて、皆殺しにするような漫画を描いている人なんですよ。新井先生っていうのは。そのぐらい熱い人なんですけども。しかも、その宮本という役名はエレファントカシマシの宮本浩次さんなんですよ。だからあの歌の世界ですよ。『奴隷天国』みたいなね。「お前ら、みんな奴隷だよ!」みたいな。

(山里亮太)ドラマも映画も主題歌はエレカシですもんね。

(町山智浩)そうなんですよ。だからものすごい消耗をする映画なんですけども。漫画の方も。ただ、とにかく蒼井さんの演技がすごいんですよ。まあ、ものすごい。全然見ていないですか? 「見て」とは言われないですか?

(山里亮太)「見て」とは言われないです。

(赤江珠緒)「むしろ見ないでいい」みたいな感じじゃない?

(山里亮太)「覚悟はできているか?」ぐらいの……(笑)。

(町山智浩)「私の仕事を見る覚悟ができてる?」みたいな(笑)。

(山里亮太)それぐらいの作品だというのはうっすら聞いております。

(町山智浩)これは強烈ですよ。はい。まあ、本当に……映画ってレーティングがあるんで。見せてはいけないものっていのがあるんですけど、その限界まで見せていますね。

(山里亮太)へー!

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レーティングの限界まで見せる

(町山智浩)まあ、すごいですよ。おしりとか全部見えちゃったんで。だから非常に、友達の奥さんのおしりを見ちゃったみたいな……(笑)。

(山里亮太)アハハハハハハッ!

(赤江珠緒)いやいや、お仕事、お仕事(笑)。

(山里亮太)これ、また周りを固めるキャストの方々も……。

(町山智浩)そう! すごいの、役者が。瀧!

(赤江珠緒)フハハハハハハハッ! 出た! ここにも関係者が(笑)。

(町山智浩)もう、いつもの瀧ですよ。ピエール瀧がラガーマンの取引先の上司。「オラ、なにやってんだ、オラァ?」っていう。

(赤江珠緒)で、たまむすびにも来てくださった佐藤二朗さんが瀧さんと同級生みたいな役をやるって言っていたのもこれですね。

(町山智浩)そう。佐藤さんもすごいいい役なんですよ。でね、またほっしゃんがいいんですよ。ほっしゃんって言っちゃいけないのかな、いま?(笑)。

(山里亮太)星田英利さん。

(町山智浩)それがまた素晴らしいんですよ。

(赤江珠緒)宮本くんの上司役で。

(町山智浩)酸いも甘いも知り尽くした上司の役でね。関西弁がまたいいんですよ。原作通り、本当に原作がそのまま動いてるみたいな感じで。あとね、井浦新さん。井浦さんがまたね、チャラチャラした蒼井さんの前の彼氏役として出てくるんですけど。またそのチャラチャラがいかにも、こいつモテる!っていう感じなんですよ。「こいつ、本当にいい加減だけども、これはめっちゃモテるわ!」っていう。

(赤江珠緒)そうですか(笑)。

(町山智浩)もう女ったらしの人間のクズみたいな役なんですけども。井浦新さん。それが本当にリアルで……。

(赤江珠緒)「こいつ、モテる」っていうセンサーは本当に鋭いですよね。町山さんと山ちゃんは。「こいつ、モテるよ!」っていう(笑)。

(町山智浩)敵だから! モテるやつを見ると、敵だからすぐにわかるんですけども。まあね、この映画はとにかくすごいですよ。『宮本から君へ』はぐったりするんですけど。ただね、すごく同じテーマを……その『惡の華』と『宮本から君へ』は同じテーマを描いてますね。やっぱりね、弱い男。まだ男としてというか大人として一人前になっていない男が主人公なんですよ。で、それが誰かを愛することによって、どこまで自分を捨てられるか、試される話になってますね。

(赤江珠緒)これ、両方を見るとしたら、どっちから見た方がいいとかあります?

(町山智浩)どっちからでもいいんです。どっちもそういったすごく、まあはっきりと言っちゃうと地獄のような展開になります。どちらも。もう見るのが辛い、これ以上は見たくないっていうところまで来ます。観客を追い詰めます。だから、最近の青春映画ってそういうことをしないじゃないですか。でも、やりますよ。本当に。

(赤江珠緒)見ている方も精神的に追い詰めらえる?

(町山智浩)あと、肉体的にも徹底的にやりますね。でも、最後はどちらも本当に……これ、言っていいのかわからないけども、ものすごく爽やかな感動で終わります。見た後に元気になって、明日から強く生きようっていう気持ちになりますね。で、自分が好きな人にすぐ電話しよう、会いに行こう、なんかしてやんなきゃっていう気持ちになると思います。

(赤江珠緒)へー!

(山里亮太)めちゃめちゃかっこいいセリフがいっぱいあるのよ。『宮本から君へ』。

(町山智浩)『惡の華』の方はへなちょこ男の、ブルマの匂いを嗅いでいるようなへなちょこ男の話で、逆にその『宮本から君へ』は体育会系のね、がむしゃらな男なんですけども。でも、同じなんですよ。本質的には。女性によってその男が成長していく物語だし。ただ、そうするとまた「男の勝手な都合の話になっちゃっているじゃないか」っていう。それに対して、ちゃんと中の女性が批評します。「あんたが勝手なことをやってるだけじゃないの?」っていう視点もちゃんと与えているんで、それも素晴らしいですね。

(赤江珠緒)女性から見ても納得いく?

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スター誕生、玉城ティナ

(町山智浩)納得がいくようなものになってるんだろうなと思います。僕はそれは断言できませんけれども。女性じゃないので。ただ、それはやっぱり女優さんたちが自分の解釈を入れて、そういうものにしていってるところもあると思いますしね。素晴らしい映画で、どちらもそれこそ女優賞の激突だと思います。すごいですね。玉城ティナさんに関してはもう本当に「スター誕生」という感じがしました。僕は正直に言っちゃうと『愛のむきだし』を初めて見た時に、その満島ひかりさんが最初にアップになった瞬間に「スター誕生!」と思ったんですけど。実際にそうなりましたよね? そういう瞬間がある映画ですね。

(赤江珠緒)はー! これは必見ですね。

(町山智浩)あと、蒼井さんはこれ、完全に役者としての勝負作というか、すごいことになってますよ。

(赤江珠緒)代表作になりましたか?

(町山智浩)代表作でしょうね。やっぱりね。

(山里亮太)勝負、していたのねー。

(赤江珠緒)山ちゃん! ちょっと、感じて!

(町山智浩)言っていなかったの?

(山里亮太)そういう話、あんまりしたことがなかったから。

(町山智浩)「大変だった」っていう話しかしていなかった?

(山里亮太)もうとにかく大変な現場だったって。

(町山智浩)もう格闘技みたいな関係性なんで。その宮本とその蒼井さんの関係性が。

(山里亮太)ゼーゼー言っていたって。カットがかかったらぶっ倒れるぐらいの。

(赤江珠緒)それで朦朧として山ちゃんと結婚しちゃったっていうことはない?

(町山智浩)ああ、そうかもしれないよ?(笑)。

(山里亮太)ちょっとボヤッとしていて? 

(町山智浩)ちょっとやすらぎがほしくなって。ボロボロになったんで(笑)。

(山里亮太)なるほど! 『宮本から君へ』、ぜひご覧ください! まさか、キューピッドはおしずじゃなくてここだったか!(笑)。

(町山智浩)かもよ? ここでクタクタになったから(笑)。

(赤江珠緒)フフフ、『惡の華』と『宮本から君へ』はどちらも9月27日公開ということで。

(町山智浩)両方見てください!

(赤江珠緒)町山さん、ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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