渡辺志保とYOSHI インターネット・ミーム発の口コミヒット曲の法則を語る

渡辺志保とYOSHI インターネット・ミーム発の口コミヒットの法則を語る MUSIC GARAGE:ROOM 101

(YOSHI)彼は曲ごとにコンセプトを持っていて。2017年って『Fuck Steph Curry』っていう曲を出しているんですけども。これ、「Steph Curry」っていうのはNBAの超有名選手、ステフィン・カリーですね。彼がちょうど30点だかを取った日に曲を出したんですけども。で、そこでみんなが検索した時に『Fuck Steph Curry』っていうのが出てきて。「なんだこれは?」って聞いてみたら「Fuck Steph Curry」って言うだけみたいな。

(渡辺志保)ああ、なるほど。じゃあ、そういう検索されることをめちゃめちゃ戦略的にわかっているんですね。

(YOSHI)で、きゃりーぱみゅぱみゅの動画を自分で出したりとかしたり。で、この『Omae Wa Mou』の曲自体もミームが流行った時にもう1回リポストしてアテンションを引こうとしたりとか。もうギリギリまで種をまき続けるみたいな。

(渡辺志保)やっぱり昔はそういうのってたとえばレコード会社のA&Rとかマネージャーさんが考えることだったかもしれないですけど、いまは本当にどこに住んでいようと、性別、年齢、国籍を問わず自分でそういうことができちゃう。で、それが数字になって伸びちゃうっていう。そこがすごいなって思いますよね。

自分だけでどこまででもできる

(YOSHI)お金をかけなくても何万人に見られることが全然できるようになっちゃっているので。A&Rの立ち位置みたいのも難しくなってきますよね。

(渡辺志保)本当にこう、「じゃあレーベルって何するの?」っていうことになってくると思いますし。そういったキャリアを積んだ業界の大人が考えるよりも、もっとなんかダイレクトで生々しくて確実な方法を若い子たちの方が身をもって知ってるって感じもしますしね。なんかその最たる例がやっぱりリリカル・レモネードとかそういったところになっているのかなとも思いますし。すごい。奥が深いなと思います。

渡辺志保 Lyrical LemonadeとCole Bennettを語る
渡辺志保さんがbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中でコール・ベネットが主催するヒップホップのプラットフォーム、リリカル・レモネードについて紹介していました。Burbs writer @EvanLindenn diss...

(渡辺志保)で、ヨシさんなんですけれども、私も本当に新譜をチェックするスピードが本当に早いなと思っていて。今日、ちなみにこの収録を行ってる日にダベイビーの新しいアルバムがリリースされたばっかで。私はまだ聞いてないんですけど、ヨシさんはもうチェック済みということで。

(YOSHI)フフフ(笑)。移動時間があれば聞くっていう感じですよね(笑)。

(渡辺志保)いやー、すごい。でもメインでチェックしてるのは何を使ってますか?

(YOSHI)まあ、メインは基本ないんですけども。LiveMixtapesだったり、HotNewHipHopだったりとか。あとYouTubeのAIもすごいんで。あとSoundCloudもですし。絞らずに聞いているっていう感じですね。

(渡辺志保)すごい! もう時間がいくらあっても足りないんじゃないですか?

(YOSHI)足りないですね(笑)。

(渡辺志保)で、そのヨシさんの動向というか、普段ご自身で発信してるnoteであるとか、あと10代のためのヒップホッププレイリストっていうプレイリストもね、組んでらっしゃると思うんですが。それはどこでチェックできますか?

(YOSHI)「#10代のためのHIPHOP」で検索していただければ出ると思います。自分が組んだりしているので、よかったら聞いてみてください。

(渡辺志保)ぜひぜひチェックしてみてください。この私のアカウントや「#ROOM_101」からもヨシさんのTwitterアカウントを一緒にくっつけてお知らせさせていただきたいと思いますので。本当にヒップホップの最新情報を知りたければぜひぜひフォローをして。本当に「ああ、こういうことだったのか!」って私も思うぐらいのめちゃめちゃ詳細なnoteが……。

(YOSHI)リル・ナズ・Xのは本当に34000字とかあるんで(笑)。

(渡辺志保)すごいことですよ! もう卒論レベルの内容。ぜひ読んでいただきたいのでチェックしていただきたいと思っております。

(渡辺志保)で、今日もう1曲、ヨシさんから持ってきていただいた曲がありまして。「いま、いちばん番ホットだと思う曲をかけてほしい」っていう風にオファーしまして選んでいただいた曲があります。どんな曲ですかね?

(YOSHI)これはYNW BSlimeっていう方の曲なんですが。YNW Mellyの弟ですね。

(渡辺志保)ああ、拾の弟なんですかね。そうなんだ。

(YOSHI)で、YNW Mellyのアカウントからどんどんとポストされていて。結構もうフォロワーがいる中から流行った感じなんですけども。才能が半端ないですね。

(渡辺志保)彼の曲、今日かけるっていう風に紹介していただいて。私も改めてリリックとか見てみたんですけど、結構あれですよね。太宰治的なバイブスというか、ちょっと厭世感があったりとか。「自分が死んだら世界はどうなっちゃうんだろう?」とか。そういう世界観がまたちょっと若者の心をひきつけてるのかなという風にも。

(YOSHI)しかも彼も15歳か16歳とかですからね。

(渡辺志保)本当、すごいですね。私、ジュースワールドが出てきた時もめちゃめちゃ驚いたんですけど。もうそういう次元を超えると思いましたね。

(YOSHI)もう若すぎるというか(笑)。

(渡辺志保)すごい。どんどんと低年齢化していくんですかね?

(YOSHI)だって一桁の年齢のラッパーとか出ていますよね。

(渡辺志保)いますよね。だから自分でだって12歳であろうと15歳であろうと、TikTokとInstagramのアカウントさえあれば、もうヒットが作れちゃうみたいな感じですよね。というわけでちょっとヨシさんにはまたね、この番組にぜひ来ていただいて、ホットな情報をお話していただきたいと思うんですが。お別れにじゃあ、この曲を紹介してということで。

(YOSHI)YNW BSlimeで『Slime Dreams』。

YNW BSlime『Slime Dreams』

<書き起こしおわり>

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