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磯部涼と宇多丸 なみちえ『おまえをにがす』『Tamura King』を語る

磯部涼と宇多丸 なみちえ『おまえをにがす』『Tamura King』を語る アフター6ジャンクション
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音楽ライターの磯部涼さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇内梨沙さんになみちえ『おまえをにがす』とTAMURA KING『Tamura King』を紹介していました。

(宇多丸)じゃあ、さらに行きましょうか。

(磯部涼)では、これもまずは聞いてもらいましょうか。次も、さっきも「フィメールラッパーとくくらなくても」って言ったんですが、女性のラッパーですね。で、前回のテーマ「移民とラップ」の延長戦でも考えられるかなっていう曲です。なみちえで『おまえをにがす』です。

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なみちえ『おまえをにがす』

(宇多丸)はい。なみちえさんで『おまえをにがす』という……「逃がす」ってそういう仕掛けだったか! 言ってみれば、聞き違い的なことでしたね。

(磯部涼)なみちえさんはさっきの田島ハルコさんとも同じで、いわゆるヒップホップシーンで活動してるようなラッパーっていう感じではないんですけど。現役の東京芸大生で。

磯部涼と宇多丸 田島ハルコ『ちふれGANG』『¥70 rings』を語る
音楽ライターの磯部涼さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇内梨沙さんに田島ハルコ『ちふれGANG』と『¥70 rings』を紹介していました。

(宇多丸)ああー、なるほど!

(磯部涼)どっちかっていうと現代美術の分野なのかな? 着ぐるみとかを作って自分で着込んでパフォーマンスとかアートみたいなことをしている人で。グローバルシャイっていうバンドをやったりとか。それでYouTuberみたいなこともやってたりとか。で、ラップもしているっていうか。それで聞いてもらえれば「なるほど」と思った人もいると思うんですけど。『おまえをにがす』っていうのはいわゆる「Nワード」って言われるものとダブルミーニングというか、空耳みたいなことになってて。

Nワードっていうのは一方では差別用語という側面があって、もう一方ではアフリカ系アメリカ人が自分自身だったりとか、自分たちのエスニック、アイデンティティを表象する言葉として使ったりとかしてて。ただ、そういう風に使う資格っていうのは、当然そういう歴史的背景があるのであって。日本人というか……「日本人が言っちゃいけない」っていう言い方もまたアレなんですよね。

要するに、そういうことも投げかけてる曲なんですけど。みちえさんは日本の方なんですけど、お父さんがアフリカ系の方なのかな? どこの国の方かまではわからないんですけど。まあ、要するに「そういう人はじゃあNワードは使っていいのか?」みたいな問いかけにもなっているのかな?って。

(宇多丸)いやー、だから「芸大生」って聞いて「なるほど!」って。だからこれは完全に現代アート的な問いかけっていうか、それを含んでいる。でも、普通にラップとしてもかっこいいからさ。あと、この「何が何が何が何が何が何が何がproblem」とかさ、うまいな! おいおいおい!

(磯部涼)それでこの『おまえをにがす』っていうのはペットの亀を近所の小出川っていう川に逃がすっていう設定なんですけど。その亀のことも言ってるんだけど、ミシシッピアカミミガメっていう外来種なんですよね。要するに。で、調べてみると結構凶暴だって言われてるような外来種で。だからいろいろと駆逐されているような種で。

(宇多丸)それは移民のメタファーでもあるみたいな。

(磯部涼)まさにそうなんですよね。

(宇多丸)いやー、これはやられる! あとラップとしてかっこいい、かっこいい、かっこいい!

(磯部涼)ビートもいまのポストトラップ的なところもあったり。

(宇多丸)あと、フロウはこの人、すごい多彩だし。ライミングもとしてもすごくいいですよ。やられる!

(磯部涼)ただ、この『おまえをにがす』っていう曲なんですけども、YouTubeのタイトルは『【合唱】ウキウキハッピー!今日はどこに??可愛いペットとのお散歩動画![犬]』っていう(笑)。

(宇内梨沙)なにそれー!? ええーっ?(笑)。

(宇多丸)フハハハハハッ! 釣りタイトルじゃねえかよ!(笑)。

(磯部涼)検索には引っかからないっていう(笑)。

(宇多丸)ああー、面白い(笑)。

(磯部涼)YouTuberみたいなこともやっていて。『【メイク動画】憧れのセレブに!?外国人風メイク:[ 整形級 ]』みたいなので、妹と2人で仲良くやっているんですけど……。「うわっ、かわいい!」「こういう風にやろう!」なんてやっていて、最終的には……。

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なみちえ【メイク動画】憧れのセレブに!?外国人風メイク:[ 整形級 ]

(宇内梨沙)結末は……メイクしていきますね。どんどん。

(磯部涼)最終的にはメイクでスヌープ・ドッグになるっていう(笑)。

(宇多丸)フフフ(笑)。

(宇内梨沙)フフフ(笑)。ひどい、すごい(笑)。発想が!

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(磯部涼)でも、ある種アメリカで言うところのエスニックジョークみたいなところの……そういうと随分と野暮ったい言い方になってしまいますが。ただね、メッセージ性もあるし。

(宇多丸)面白いし、気が利いているね。

(磯部涼)それでなみちえさんは田村なみちえというお名前みたいで、それで三兄妹なんですね。お兄さんがいて、彼がビデオを撮っていて、妹さんもライブに参加したりとかしていて。3人でやったりとかするんですが、その3人で作った曲っていうのもあって。『Tamura King』というのがあるので、それも聞いてもらいましょう。

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TAMURA KING『Tamura King』

(宇多丸)はい、そういうことでしたね。『Tamura King』。やっぱりさっきと同じで聞き違いものっていうね。しかもまたさ、YouTubeの映像についているタイトルが……『【パンチライン】君に届け!二人の愛を歌ったベスト・LOVEソング:バストアップ』。フハハハハハッ!

(磯部涼)いろんな検索ワードを無理やり突っ込んでいる感じですけど(笑)。

(宇内梨沙)「君に届け」って検索してこれが出てくるっていう(笑)。

(宇多丸)でも、まずやっぱりラップとして上手いのと、映像もちょうかっこよくて。そしてこの3人の佇まいが本当にかっこよくて。洒落にならないくらい。で、「タマキン、タマキン……」って(笑)。

(磯部涼)ダブルミーニングで(笑)。

(宇多丸)「これ、絶対に田村キングとは言ってないでしょ?」っていうね(笑)。

(宇内梨沙)これ、字幕ついてれば許されるみたいなところになってますよね(笑)。

(磯部涼)この間ね、ライブも見てきたんですけども。この曲では全員が手を、こうやってね。

(宇多丸)ボールを2つ持つ形で。

(磯部涼)それでみんな「タマキン、タマキン、タマキン……」って。あ、「田村キング、田村キング」ってね。あくまでも。

(宇多丸)ライブはどこでやっているんですか?

(磯部涼)この間、それこそこの番組でもやったMomentくんも出たりした、『THE M/ALL』っていうイベントがあって。僕もMomentくんとトークショーをやったりしたんですけども。そのラウンジフロアっていうか。そこでなみちえさん、やっていましたね。

(宇多丸)へー! これ、ライブ見たいわ。TAMURA KING。

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TAMURA KING・ライブ

(磯部涼)いま、そのラップのライブも増えているみたいで。なみちえさん、ぜひチェックしてほしいですね。あと、Twitterでなみちさんが書いていたのはお父さんが足を怪我されたかなんかで働けなくなったというか、お仕事を休んでるかなんかで。それでなみちえさんも苦労して大学に行ってるらしいんですけど。だから「みんな、サポートしてください。この曲とかも入ってるCDがあるので買ってください!」みたいなことを書かれていたので。ぜひ、なみちえさんのTwitterを検索してサポートしてください。

(宇多丸)CDとしても、フィジカルとしても売っているんですか?

(磯部涼)なんか作ったみたいですね。それでお金が必要になっちゃって……っていう感じで。

(宇多丸)じゃあ、サポートという意味で。面白いと思った方は……っていう感じですかね。まずちょっとみなさん、映像をYouTubeとかで見れるんで。ちょっと見てみてください。なみちえさん。そして田村3兄妹が揃うと田村キング!っていうね。いやー、面白いし、かっこいいし、鋭いし。いいっすね!

(磯部涼)ちゃんとだからこれも……まあラップの外とか内とか、いまや関係ないと思うんですけども。ただ、その外からの視線っていうのがちゃんと入っているような気がするんですよね。

(宇多丸)でもMoment Joonくんに「外からの視点」って言ったら怒られちゃったから……。

(磯部涼)Momentくんはむしろストレートな人だと思いますけども。ラッパーとしては。国籍っていうことでは「外」かもしれないですけども。このなみちえさんが作っているのは「ラップ」っていうフォーマットに対する批評性みたいなものが入ってると思うんですよね。

(宇多丸)ああ、なるほどね。

(宇内梨沙)「外と内」っていうのは?

(宇多丸)まあ、僕はずっぽり内側で。ラッパーとして……。

(磯部涼)そのコミュニティー、シーンみたいなことをおっしゃっていると思うんですけども。だからたとえばこの『おまえをにがす』とか『Tamura King』みたいな空耳って要するに、日本語のラップって発音を変えながら、はっきりと当然きれいな日本語で発音する人もいれば、英語風に発音したりとかして。どんどんと日本語の発声というものを変えてきた表現だったりとかもするので。なんかうまく言いすぎのような気もしますけど。そこまで考えてた『Tamura King』を考えたのかはわからないけど(笑)。でも、『おまえをにがす』は完全にそうですね。

(宇多丸)でも、あれはダブルミーニングなそのラップ表現としても普通にストレートにすごい優れてると思います。

(磯部涼)バースもかっこいいですしね。なみちえさん。

(宇多丸)これはすごい!

(磯部涼)あっという間に人気者にもなりつつあるし、ちょっとカリスマになりそうな感じの雰囲気がありますね。

(宇多丸)だってかっこいいもんね!

(宇内梨沙)自信が満ち溢れている感じも素敵!

(宇多丸)いやー、まいったわ!

(磯部涼)ぜひ、どうでもいいYouTubeも作り続けてほしいですね(笑)。

(宇多丸)タイトルが悪質(笑)。

(宇内梨沙)このタイトル、絶対に楽しんで作ってますよね? 「どれを盛り込む?」みたいな感じで。

(磯部涼)兄妹3人でゲーム実況とかもやっていて。いいんですよ、すごい。

(宇内梨沙)ええっ、それ見たい! 見よう、面白そう!

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TAMURA KING・ゲーム実況動画

(宇多丸)ということで、なみちえさんとTAMURA KINGをご紹介いただきました。

<書き起こしおわり>

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