佐久間宣行 ほとんど怒らない理由を語る

オードリー若林 佐久間宣行のトークスキルを語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

オードリーの若林さんがニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』に出演。佐久間さんがほとんど怒らない理由について聞いていました。

(佐久間宣行)あとさ、俺は若林くんとLINE、そんなに頻繁にしているわけじゃないから。ゲストにくるから1回、全部見返してみたの。そしたら、2015年か16年ぐらいに若林くんから「佐久間さん、俺の良さってなんですか?」っていう(笑)。

(若林正恭)いや、そんなのやめてよ……。

(佐久間宣行)なんかの前かなんかで。その時、俺が返したのが「若林くんはね、自分で筋を作って落とせるんだよね」って(笑)。

(若林正恭)フハハハハハハッ! ぬるいやり取りだな!

(佐久間宣行)「ありがとうございます。勇気出ました」って(笑)。たぶんね、お互いにベロンベロンだったんだよ(笑)。

(若林正恭)ああ、そうか。酔っ払っていて。そうか。いやー、でも俺ね、すごい思うんですけども。佐久間さんって飲んでいても全然悪口を言わないところがすごい。いいところばっかり言うじゃないですか。それでイライラしているところを見たことがないし。

(佐久間宣行)ああ、まあね。

イライラしているところを見たことがない

(若林正恭)で、結婚をしていてその感じで。すっごい仕事をして。卑屈なところもあんまり見えなくて。で、女性小説家たちのグループLINE、あるじゃないですか。いつも飲むメンバー。朝井リョウとかもいる。そこで佐久間さん絶賛みたいな流れが始まること、あるのよ。佐久間さんの大学時代の写真を誰かポンと載せて「めっちゃ佐久間さん、イケメン」みたいな。なんか俺、それがすっごい嫌で。

(佐久間宣行)なんでだよ!(笑)。

(若林正恭)だってテレ東の局員だからン千万円もらっていてだよ、美人な奥さんで美人な娘さんもいてだよ……。

(佐久間宣行)会ったことねえだろ!(笑)。

(若林正恭)それでちょっといじるぐらいのメールに受け身取るんだけども。あんな強い脇を見せられても……(笑)。全然なんか、このラジオのリスナーはもっとストンピングしなきゃダメだな!って思うんですよ。腹を見せているんだけども、もう全然鍛え上げられているから。フハハハハハハッ! だからなんか、なんにもないんだよな。その若い時には結構忸怩たる思があったり、そういう思いをした時期も何年かあるみたいなことなのかな?って俺は予想をしているんですけどね。テレ東に入ってね。

(佐久間宣行)テレ東に入った時は絶望だったよ。だってテレ東に入ったら、やりたかった番組を全部制作会社が作っているって知らなかったんだもん。

(若林正恭)いや、そんなこと話していいんですか?(笑)。

(佐久間宣行)これは就職本とかでも言っているから。浅ヤンとかそういう番組がやりたかったのよ。そしたら浅ヤン、テリー伊藤さんの会社が作ってたし。それで「あ、テレ東ってバラエティ番組、ねえんだ」って思って。お笑い番組もなかったから。

(若林正恭)だからテレビ局員でバラエティを絶対にやりたいっていう人はフジを目指すって言いますもんね。最初は。そういうことか。

(佐久間宣行)その絶望から始まっているよ。だってネタ番組、最初はじめて2年目の時にディレクターをやらせてくれた時。その時におぎやはぎとか劇団ひとりと出会ったんだけども。俺たち、やり方を知らなくて、リハでネタ見せを全部見ちゃったの。普通、頭とおしりだけじゃん? それを知らなくて。で、あっち側、芸人さん側も言えなくて2時間丸々見ちゃったから、誰も本番で笑わねえの(笑)。

(若林正恭)それ、いちばんヤバいじゃないですか(笑)。

(佐久間宣行)いちばんやっちゃダメなやつ(笑)。

(若林正恭)困るやつ(笑)。そういうところから始まったんすか?

(佐久間宣行)そういうところから始まったの。誰も知らなくて。カメラマンとかもみんな見ちゃっているから。

(若林正恭)へー! そうなんですね。それで言うと、佐久間さんマジでこれ、全然嘘じゃなくて。タレントの悪口を聞いたことがないんですよ。一緒にメシを食っていても、佐久間さんからね。もう全然ないんですか? 仕事していて「こいつ……ん?」って思うこと。

タレントの悪口を聞いたことがない

(佐久間宣行)仕事していて? この歳になったらほぼない。30半ばぐらいからないのは、だって俺はそういう人と仕事をしないようにしているから。でもだから、20代の頃はADだったからあるよ。

(若林正恭)ああ、そうか。立場もあるんですね。

(佐久間宣行)ADだから、自分で選べないじゃん。で、そこに行った時に「こいつ、ADにすげえ強い態度で出るな……」って。フハハハハハハッ!

(若林正恭)そういうのは俺らはわからないですもんね。見ていないから。ああ、やっぱり立場があるか。

(佐久間宣行)とある歌手の人とかがカンペがないのに歌えないのに、「カンペを全部ちゃんとカット割りの角度から出せ」って言うわけよ。でも、無理じゃん? 1カメ、2カメ、3カメ全部からカンペなんか出せないじゃん? そういう時にめちゃめちゃ怒っている昔の歌手の方とかを見て「うわっ、これはひどいな……」って思っていた時にその歌手の人を中尾彬さんが「お前、いいかげんにしろ!」って言っていて、「中尾さん、かっけーな!」って思った(笑)。

(若林正恭)フフフ、あるんすね。そんなダイレクトに言うことが(笑)。

(佐久間宣行)「ADさんだってがんばっているじゃねえか!」って(笑)。中尾さんが言ってくれた時。

(若林正恭)あるんだな、そういうの。かっこいいな、その話は。そうかー。

(佐久間宣行)そのぐらいだよ。まあでも、もともと本当にね、怒る機能があんまりないの。

(若林正恭)それはなんなんですかね? 僕もほら、『SICKS』とか。岸井ゆきのちゃんとのコントのやつとか。あとは『終電ごはん』とかでも見たことがないですもんね。

(佐久間宣行)ああ、現場で。ずっと現場にいたもんね。長い間ね。

(若林正恭)なんなんですか? 怒りのスイッチがないって。すごい……すごいヤバい性癖とかないと、おかしいでしょう? そんな人まで……どぎつい風俗とかに通っていないと辻褄が合わないですよ。そんな怒らない人って。

(佐久間宣行)そうかー。でも本当にない。たぶん現場でめちゃめちゃキレたことっていうのはないはず。

(若林正恭)へー! ああ、そうっすか。

(佐久間宣行)あと、うん。これはちょっと言い方が変だけど。うーん、これはいろんな人を敵に回すかもしれないけど。あれなんだけども。「『現場を威圧的にしていた方がいいものを作れる』って思っているやつらよりも楽しいまんま面白い番組を作ってやろう」っていう風に20代の半ばぐらいの時にめちゃめちゃキレるやつらを見て決めたっていうのはある(笑)。

(若林正恭)フフフ、ちょっといい話すぎるなー(笑)。

(佐久間宣行)でもこれ、本当なんだけど……たしかにかっこつけたな(笑)。

現場で威圧的にしている人たちよりも面白い番組を作ると決めた

(若林正恭)いやいや(笑)。本当なんでしょうね。そうかそうかー。

(佐久間宣行)俺らがADの頃っていうのはめちゃくちゃキレる人が現場にたくさんいたから。

(若林正恭)でも絶対に時代的にはそうですよね。そうか。俺、結構佐久間さんとやった番組って全部本かDVDになっているんですよね。で、「あの時にあれをやっていなかったらおかしくなっていたな」っていう時期に1クールか2クール……。

(佐久間宣行)定期的に(笑)。

(若林正恭)なんか俺が飛んじゃわないやつが来るんですよ(笑)。

(佐久間宣行)だから毎回ね、その『終電ごはん』っていうのをやりました。『SICKS』っていうコントドラマをやりました。『ご本、出しときますね?』もやりましたっていうその終わった後ぐらいにすげえ、「えっ、そんなに?」っていうぐらいの感謝のLINEがたまに来ることがあって(笑)。

(若林正恭)「あれをやっていなければ、落語家になっていました」みたいな(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハッ! 特にあれだよね。『SICKS』とかね。

(若林正恭)ちょうど『ミレニアムズ』が終わった後ぐらいで(笑)。

オードリー若林と佐久間宣行『ミレニアムズ』を語る
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(佐久間宣行)そうなんだよね(笑)。やっとバラエティ番組が、いろんなことはあるにせよ、やっとやれると思った番組が意外にあっさりと終わって。「もしかしたらテレビでお笑いってやりにくいのかな?」ってなっているかもしれない時、たまたま俺が『SICKS』っていう番組を持っていって。で、若林くんが「面白い」って思ってくれて。

(若林正恭)そうそうそう。その時期でしたね。だから5年前ぐらいですよね。だから、俺らぐらいの世代だとフジテレビの座組バラエティってやっぱり憧れがあるから。その反動は正直、ありましたもんね。

(佐久間宣行)そうね。「お笑い番組を作るのって結構大変なんだな」って思っていた時期?

(若林正恭)そうですね。だから『ミレニアムズ』の生放送の特番があったんですよ。それで「マツコさんと坂上忍さんが来る」って聞いた時、俺はもう夢を見るのをやめようって思いましたね。テレビでこういうのがやりたいとか思わないで、来た仕事を全力でやるっていうタイプになろうって決めた瞬間ですね。

(佐久間宣行)だからその生放送の特番が自分たちだけじゃ回せないって思われたということなんだね。

(若林正恭)回せないっていうことなんだろうなって。それでまたマツコさんと坂上さんが大暴れで。

(佐久間宣行)そうだね。めちゃくちゃ面白かったもんね。逆にね。

(若林正恭)めちゃくちゃ面白くて。「よし、夢を見るのはやめよう」って思って。その直後だったんじゃないですかね。

「夢を見るのはやめよう」と決めた直後が『SICKS』

(佐久間宣行)『SICKS』がその直後で。その時になんかコントのキャラクターをやりながら亀甲縛りになって。それで亀甲縛りでコントの中で出てきて、それで歩いている姿を見ながら若林くんは「俺、もう1回お笑いやれるかも?」って思ったんだって(笑)。

(若林正恭)いや、そうなんですよ。亀甲縛りになって爆弾が爆発している煙の中を歩いていたら、象徴的だったのよ。そのテレビという亀甲縛りに縛られながらも、爆薬の間を進んでいくっていうのが。そしたら、オンエアーでカットされていて!

(佐久間宣行)フハハハハハハッ!

(若林正恭)佐久間さん、切っちゃっているのね(笑)。

(佐久間宣行)そうなんだよね。尺にハマらなくてね(笑)。

<書き起こしおわり>

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