SKY-HIさんがJ-WAVE『IMASIA』の中で台湾のAORバンド、Sunset Rollercoaster(落日飛車)のボーカル兼リーダー、Tseng Kuo-Hung(曾國宏)さんをインタビュー。影響を受けたアーティストや台湾の音楽シーン、政府によるアーティストのバックアップなどについて話していました。
本日の #IMASIA ゲストは台湾から。Sunset RollercoasterのKuoでした!
すげー楽しかった刺激的。クリエイティブから、
インディーズでも、海外志向のあるミュージシャンには政府から援助が出て、、、って話まで、色々聴けて良かったな。Kuokuoありがとう!! pic.twitter.com/KtjrrPKF4N
— SKY-HI(AAA日高光啓) (@SkyHidaka) August 11, 2019
(SKY-HI)今週は久々にラップミュージックから少し離れて、台湾のバンドシーンを牽引するアーティストをお迎えしました。サンセット・ローラーコースターのボーカル兼リーダーのクオ(Tseng Kuo-Hung・曾國宏)、よろしくお願いします!
(Tseng)みなさん、こんにちは。私たちはサンセット・ローラーコースター。ありがとうございます。
(SKY-HI)イエーッ! よろしくお願いします。サンセット・ローラーコースター、ちょっとだけバイオを読みます。AOR、いまいろんなところで聞くと思いますけども。Adult Oriented Rock。でも、サンセット・ローラーコースターはデビューが2011年だったんですね。本当に近年、いろんなところ……世界中で名前を聞くようになりました。
「まったり聴きたい最新台湾インディーロック特集」(高橋芳朗の洋楽コラム) https://t.co/s8yXRqej0N
高橋芳朗:サンセット・ローラーコースターの「Summum Bonum」。これはAORとかシティポップが好きな人はどストライクだと思います。— みやーんZZ (@miyearnzz) August 12, 2019
(SKY-HI)アメリカやヨーロッパ、ワールドツアーの各地で入場規制になったり。日本でちょうどこの間、FUJI ROCKにも出られて。それもものすごい盛り上がり、バズを生んでいたということで。いま、この収録がFUJI ROCK直後なんで、その熱も冷めやらぬ、お疲れの中本当にありがとうございます。
じゃあ、お話を聞く前にそのFUJI ROCKの模様を聞いていただきましょう。サンセット・ローラーコースターのFUJI ROCKのライブ音源を特別にかけさせていただけるということなので。ちょっと聞いてもらって。その後に改めてインタビューをしたいと思います。では、どうぞ。
Sunset Rollercoaster『Summum Bonum』 FUJI ROCKライブ音源
ACROSS THE SKY | J-WAVE | 2019/08/11/日 09:00-12:00 https://t.co/m74clGWk3J #radiko
Sunset Rollercoaster『Summum Bonum』 FUJI ROCKライブ音源— みやーんZZ (@miyearnzz) August 12, 2019
(SKY-HI)お送りしているのは先月、開催されたFUJI ROCKのライブ音源。サンセット・ローラーコースター『Summum Bonum』ですけども。ライブでもこの質感なの、すごいですよね。いわゆるAOR的な質感……ボーカルのリバーブの深さだったり、ドラムのアタックをあんまり出さない感じ。現代にそれをもう1回追求するというのは非常に手間のかかることだと思うんですけど。そこらへんの質感についてのこだわりとかについて、お聞きできますか?
(Tseng)そうですね。音楽の要素にはジャズのコード感とソウルのリズム感とシンセサイザーの音色……どれも自分たちが好きなものをミックス、混ぜ合わせて作ったものがたまたまいまAORといわれているジャンルのものに近かったというものだったんですね。
(SKY-HI)なるほど。このボーカルのリバーブとかにものすごくそれを感じるけど、それは割と偶発的、偶然なものだったりするんですか?
(Tseng)そうですね。で、自分自身では自分たちはサイケデリックバンドだと思っていて。音楽がシティポップというものにたまたま近かったということなんですね。
(SKY-HI)うんうん。まさに聞いているとあんまりシティポップとかのくくり、カテゴライズっていうのが正しいのかな?っていう感じはたしかにすごく感じていたので。そのカオティックな混ざりのようなものは随所に感じるんだけども。そのクオクオのルーツみたいなもの、もうちょっと具体的なアーティストで聞けたら……単純に興味があって知りたいなって。
(Tseng)最も影響を受けたであろうミュージシャンっていうのが日本のYMO、はっぴいえんど、そして冨田勲さん。彼らに共通しているのはポップミュージック、流行歌にシンセサイザーとか新しい楽器の要素も取り入れて。さらにちょっとサイケデリックな工夫も加えているというところに影響を受けていました。
(SKY-HI)なるほど、なるほど。そうやってサンセット・ローラーコースターがキャリアをスタートさせたのが……デビューが2011年っていうことですけども。たしかにちょうどここ数年、山下達郎さん、竹内まりやさんとかのレコードがものすごい高値で売買されていたり。いわゆる、シティポップブームとかAORブームというようなものはたしかに世界的に感じていますが。サンセット・ローラーコースターはその世界的なムーブメントに対してどう思われますか? もちろん、その属する部分が少なからずあるとは思うので。
(Tseng)思うのはアジアの経済的な状況が改善して、みんな夜、ネオンライトの街に繰り出して……イメージとしてアジア全体の都市がそういう風になっていて、パーティーとかクラブとかに遊びに行くような雰囲気があって。その全体の盛り上がりの中、日本が先に発展したというか、日本がその見本のような形になっていて。その音楽も含めて、アジアのバンドがいま、ちょっと憧れつつも現在進行形のアジアの経済発展を示すようなものとして……。
(SKY-HI)たしかにね。ちょうどバブルの時期の音楽だったりもしますからね。なるほど。
(Tseng)それも関係あると思います。ちょっとグルーヴィーな遊べる踊れる音楽をみんな、バンドがいま志向しているのでは?っていう。
(SKY-HI)I see. I got it.
(Tseng)Yeah, it’s like image. Everytime I play like this song, I feel like…yeah. You know, It sees the city.
(SKY-HI)フフフ、たしかにたしかに。なるほど。たしかにそうだわ。そういうこと、考えたことがなかったけど、たしかにそうですね。いま、台湾はどういう空気ですか? 2011年からやってきて、いまものすごいサンセット・ローラーコースターが盛り上がっていたりだとか。他にもやっぱりアジアンスターと呼ばれるような人が、インターネットの普及とかでよく見るようになったりして。日本から見ていると盛り上がっている国のうちのひとつ……もちろん韓国を筆頭にいろんな国のアーティストが盛り上がっている中、台湾もすごい楽しそうだなっていう印象があるんだけども。その現地の空気がもし聞けたら……。
(Tseng)台湾の音楽が最近、どういう風になっているかというと、10年前に台湾政府が台湾の音楽産業に対しての補助、バックアップを始めたという事があって。録音とかMV撮影、さらに海外ツアーなどにもそういう補助があって。
(SKY-HI)なってこった!(笑)。国策だ!
(Tseng)で、割と国を上げて後押しをしているということがあるので。それで若いバンドとかも増えてきて。みんなインディーズの体制で盛り上がってきていて、そのインディーズで作り出すクオリティーというのがその政府の後押しもあってメジャーのものよりも面白いものになってきていて。そういった盛り上がりが特徴的なのではないか?っていう風に思います。
10年前から台湾政府がミュージシャンへの補助をスタート
(SKY-HI)なるほどね。そう。ラジオのリスナーに向けて少し補足をすると、世界的にもいわゆる資本を持っているメジャーレーベルから融資というか、音楽を作るお金をメジャーレーベルに出してもらう代わりに、その楽曲の権利だったりをメジャーレーベルが持って……っていうような形がずっと音楽シーンではあったんだけども。ここ数年、アメリカなんかでは「いや、そもそもお金の作り方って他にもいっぱいあるよね?」っていうことで、インディーズで簡単に楽曲を発表して。ツアーもそうだし、広告もそうだし、企業からの収入もそうだし、そういうお金でインディーズのまま活動を続けて大きくなるアーティストが主流になってきているんだけども。で、俺とSALUは今回、「ネオ・インディーズ」っていうことで協力している企業から……だから非常にアメリカ的なやり方でやってきていたんだけども。
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(SKY-HI)一方でその彼らのいる台湾では国がそこに対して投資をしてくれている。それが芽を出して……でも、すごいですね。10年ぐらい前からそういう風になっていて、いまこの盛り上がり。台湾のヒップホップの話を聞いた時にもいま、インディーズレーベルがすごい盛り上がっていて……っていう話だったんだけども。すごくいいことを聞けたというか、また合点がいったというか。いまだに日本だと「メジャーデビューおめでとう」みたいな話がされているのを僕はものすごく違和感というか。
「ちょっと……それは本当におめでたいことなのか?」って。選択肢のひとつとしてメジャーデビューをすることとかはいいと思うんだけども。僕はちょっと変わらないとヤバいんじゃないか?っていうことをすごい感じているんだけども。だから台湾がいま、ものすごくそういう意味では作り方において、すごく進んでいることだと思うし。ものすごいできるバックアップはなんでもしたいと心から思いました。まあ、俺にできることなんて……フフフ(笑)。だから僕は来年、クオがアルバムを出したら、サンセット・ローラーコースターの新しいアルバムはもうリリースをしたその日に聞けてしまうわけで。それは素晴らしいことだと思いますし、楽しみにしています。今日は来てくれてありがとうございました。
(Tseng)ありがとう! Thank you so much!
(SKY-HI)Thank you so much!
<インタビュー音源おわり>
(SKY-HI)久しぶりのラップミュージックじゃない音楽のアーティストだったんですけども。やっぱりいい音楽って素晴らしいなって。IMASIAのSpotifyなどのプレイリストも今日はサンセット・ローラーコースターの曲を追加して公開しますので。よろしくお願いします。今日かかった曲はもちろん、時間の都合でかけられなかった曲も随時追加をしていきます。プレイリストのタイトルは「IMASIAN RAP」です。
プレイリスト IMASIAN RAPアジアの音楽達、だいぶ残暑に合う感じになってきたのであちーなって人こっちですずしんでってください。
たくさん楽しんでくださいな。https://t.co/xoTRXZsFpS— SKY-HI(AAA日高光啓) (@SkyHidaka) August 11, 2019
<書き起こしおわり>