みうらじゅんと安住紳一郎 峨嵋山と四川省パンダを語る

みうらじゅんと安住紳一郎 峨嵋山と四川省パンダを語る 安住紳一郎の日曜天国

みうらじゅんさんがTBSラジオ『日曜天国』に出演。安住紳一郎さんと『見仏記』で訪れた中国・峨眉山や四川省のパンダセンターについて話していました。

(安住紳一郎)あとは峨眉山?

(みうらじゅん)峨眉山。ここでも言いましたよね? それでその後に僕、行ったんですよ。峨眉山に。峨眉山って中国の四川省にある……まあ、ついにみうらじゅん賞も「山」がもらいましたから。人物を超えて山がもらって。その峨眉山っていうところは大分県の国東半島にある……神仏習合が日本ではじめてされた場所だとされているんですよ。大分県って。だから日本にもともといた神様が仏教が伝来したことになって、神様と仏様がひっついたから。で、その時に行ったお寺に「峨眉山○○寺」って書いてあったんですよ。そういえば、お寺って「山号」があるじゃないですか。

(安住紳一郎)そうですね。

(みうらじゅん)あんまり気にはしていなかったけど、なんの意味だろう?って思って調べたらその、やっぱり峨眉山というのが中国の四川省にあるんですけども。三大霊山っていうところで。そこを模して、たぶん日本で。それか、中国から来た人がそこに趣が似てるっていう風に思って建てたのかな?っていう勝手な仮説で、その状態を「ガビってる」っていうことにしたんですよ。俺。

(安住紳一郎)山のこの……?

(みうらじゅん)そうですね。ちょっとガタガタしたような山なんですよ。それを見ると「あっ、ガビってる!」って言って。それで一時、ちょっとノイローゼになっていて。だから高尾山とか行っててもちょっとガビっている部分を見つけて「おおっ、ガビってる!」なんて写真を撮ったりして。「いや、ガビってねえんじゃねえか?」みたいな突っ込みも入らないままきたもんで。だったら本チャンに行けばいいんじゃねえかな?って思って、冬に……もうこれは失敗をしたんですけども。あんまりピンと来ていなくて「ガビってる」って言いたいがために行ったもんで。いとうせいこうさんと『見仏記』で。自腹で。出版社はそんな遠くまでお金を出しませんから自腹で行って。

(安住紳一郎)そうですか。

(みうらじゅん)で、その峨嵋山の中心で「ガビってる!」って叫びたいがためだけなんですよ。

(安住紳一郎)本家のガビりを見たかったと。

峨嵋山の中心で「ガビってる!」って叫びたい

(みうらじゅん)どんだけガビっているのかを見たかったんですけども。もう富士山ぐらいの高い山で。

(安住紳一郎)四川省の奥ですか? 3000メートル超えですね。

(みうらじゅん)そうなんですよ。知らなくて。で、いとうさんに至ってはもう秋物ファッションぐらいの感じで来ているんですよ。薄手のやつを着て。それで行ったらものすごい吹雪いていて。ものすごい雪が積もっているんですよ。まず驚いて。雪がもう足にくっついちゃうんでスパイクみたいなのを借りられるんですよ。で、それを借りて。当然、酸欠状態にもなってきて。寒いわ、酸欠だわで、もう「ガビってる!」とか言うどころじゃなくて。上に、頂上に普賢菩薩っていうものすごい巨大な……奈良の大仏ぐらい大きいのがたっているんだけど、吹雪いていてそれも見えないんですよ。真っ白で。

(安住紳一郎)へー!

(みうらじゅん)もう命からがら帰ってきて、峨嵋山が受賞されたという。

(安住紳一郎)で、念願の本家峨嵋山で「ガビってる!」は言えたんですか?

(みうらじゅん)もう口がカチカチになっていて、そんなことは言えない。で、携帯ももう写真が撮れない状態になっていて。電池がなくなっていて。だから本来はみうらじゅんじゃなくて、三浦雄一郎さんが行く方に……雄一郎さんの方だったんですよ。

(中澤有美子)そっちの……(笑)。

(みうらじゅん)それを知らなかったもんで、命からがらで。でも「行った」ということも大きかったんで。峨嵋山全体が受賞されました。

(安住紳一郎)「峨嵋山」。

(みうらじゅん)本当は「蛾」だったみたいです。蛾の触覚みたいなのがシューッとのびていて、きれいに連なっているという「美しい山」みたいな意味らしいんですけどね。こっちは「ガビ」のその言葉の感じに……「ガビガビしてる」とか。なんか男だったらちょっと経験があるじゃないですか。ガビってることに、よく。

(安住紳一郎)ちょっとよくわかんないんですけども……?

(みうらじゅん)ああ、そうですか。ちょっと朝方、ガビっていることないですか?

(安住紳一郎)ああ、なるほど。ガビガビになって(笑)。

(みうらじゅん)あれですね。ルーツは。

(安住紳一郎)なるほど! でも相変わらず、仏像とか仏教にも興味があって。峨嵋山に興味を示すあたりはさすがですね。

(みうらじゅん)その峨眉山が載っている本を割と最近、『見仏記』の7冊目ぐらいに出したんですけども。ほぼ仏像のことを書いてないですから。それは、もう。「峨眉山が寒かった」という話と、峨嵋山の前の日にパンダを見に行ったんですよ。四川省、パンダが有名なんで。めっちゃいるんですよ。シャンシャンとか、必死で並んでいたじゃないですか。でも、子パンダが目の前にいるんですよ。「すごい!」なんて。『見仏記』っていうタイトルの連載だったけど、パンダの絵を書いたり。ほぼパンダと山とリンゴとか、そんな絵が書いてあるっていう。

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(安住紳一郎)へー!

(みうらじゅん)仏像をも超えたっていうか、リンゴを見ても「これは○○菩薩に似てるんじゃないか?」とかっていうノイローゼっぷりですね。説いていく手法をやっています。

(安住紳一郎)パンダは臥龍パンダセンターに行かれたんですか?

(みうらじゅん)そこだと思います。パンダ工場みたいに書いてあった。すごい有名なところでした。

(安住紳一郎)私もそこ、一度行ったことがあるんですけども。ものすごいたくさんいて。

(みうらじゅん)ねえ! で、パンダはほら、共有できないから。おっさんになると1人でいるんですよね。

(安住紳一郎)そうなんですよ。

(みうらじゅん)で、奥の方に1人で、もうタバコ吸っているようなパンダみたいな。ふて寝しながらずーっとタバコを吸ってテレビを見ているみたいにやつ、いましたよね。

(安住紳一郎)もうアイドルですらなくなっちゃったような感じの。端っこの方が好きだったりするんで、側溝に埋もれて……。

(中澤有美子)側溝に?(笑)。

(みうらじゅん)いました。土のうみたいに置いてあるみたいな。ちょっと色も汚れているから。あの人ら。

(安住紳一郎)で、コンクリートの側溝みたいなところにハマったまま動かないみたいな。ちょっとね、うん。なんか疲れちゃったパンダみたいなのがいて。

側溝にハマったまま動かないパンダ

(みうらじゅん)いっぱいパンダグッズも売っていてね。『見仏記』で行ったんだけども、パンダがついたカチューシャとか買ったりして。「何してんだろうな?」とは思っていたんですけどね。

(安住紳一郎)フフフ、それ、『見仏記』って先ほどからおっしゃっているんですけども……。

(みうらじゅん)タイトルは「見る仏」ですね。

(安住・中澤)フハハハハハハッ!

(みうらじゅん)でもパンダのあり方とかにやっぱり「これは文殊じゃないか?」とか、そういうことを言わないとほら、バランスが取れないんで。

(安住紳一郎)そうですね(笑)。『見仏記』が成り立たなくなりますよね(笑)。

(みうらじゅん)ええ。

<書き起こしおわり>

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