小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中で日本の音楽業界のSpotifyやAppleMusicなどのサービスへの対応について話していました。
(小袋成彬)ちょっと珍しく風邪をひきまして。2日ぐらい寝込んでたんですが。喉がね、完全にやられてしまって。いま、あんまり元気がないですね。まあ声色を聞いていただければわかるかと思いますが。こっちの風邪は長引くっていう都市伝説みたいな話をよく聞いてたんですけど、本当に長いっすね。こっちの風邪って。なぜかわかんないけど。4日ぐらいずっとこんな感じです。
で、なんかね、毒々しい色のカプセルを薬として飲んでて。ただそれはね、効き目がめちゃくちゃいいんで。でも4時間おきに2錠ずつ飲まなきゃいけないっていうね、結構面倒くさいんですけども。まあいま、そんな状況でございます。早速1曲目に行こうと思います。南アメリカのシンガーです。Manu Worldstar『NaLingi』。
Manu Worldstar『NaLingi』
お聞きいただいたのはManu Worldstar『NaLingi』でした。そうだ、iTunesのアカウント……Apple IDの国を変更しようと思って。こっちの携帯番号とクレジットカードを持ってるのでイギリスに変えようと思って、1ヶ月待ったんですよ。「1ヶ月待った」っていうのはサブスクリプションをしていると、その期間の間は国を変えられないんですよね。なので、まあ1ヶ月、AppleMusicを解約手続きをして、それが解約されて、国を変更して、またこっちで聞こうっていう話になったんですけども。
なんかね、こっちの人はSpotifyユーザーの方が圧倒的に多いんですよね。僕の肌感覚では8割、9割ぐらいはSpotifyユーザーなんですよ。で、この前悲しかったのが、「日本の音楽を聞かせてくれ」って言われて。その人は「ブルースが好きだ」って言うので、なぜか僕はaikoを思い出して、aikoをAppleMusicで探したら1曲もないんですよね。すごい悲しい思いというか、「ああ、またチャンスが……」って思っちゃったんですけど。
まあまあ、それは置いておいといて、そうそう。ビッグトピックがあるじゃないですか。次期OSからiTunesが除外されて、Music、Podcast、TVだったかな? 3つに分かれるそうですね。僕も勘違いしてて、最初はね、「もう音楽ダウンロードができなくなる」と思ったんですよ。で、買えなくなるんじゃないかな?って思ってよくよく調べたら、「iTunes」っていう音楽管理アプリがなくなるだけで、iTunesStore は引き続きあるそうなんで。
だからダウンロードは引き続きできるらしいですね。まあ、とはいえね、iTunesってめちゃくちゃお世話になりましたからね。あのアプリね。昔、そうだ。CCCD、覚えてますか? ななんだっけな? 某バンドのアルバムのCDをTSUTAYAで借りて。で、iTunesで読み込もうとしたら、読み込めなかったんですよ。それはね、CCCDっていうコピーガードが入っちゃっていて。あれは本当に最悪の体験でしたね。iPodに入れようと思っても入れられないし、データを抜き出せないし。私的複製の範囲だから全く構わない行為なんですけど。著作権法的には。
当時ですね、インターネットが普及し始めて、その音楽がデータとして取り扱われるようになったんですよ。で、何が起こったかっていっとP2P、ファイル共有ソフトを使って悪用して音源が流出してしまう。あるいは買わなきゃいけないような音楽が聞けるようになってしまう。無料で手に入れられてしまうってことがあって。で、そういうサービスも主にアメリカでは勃興してたんですよね。
CCCDの失敗
で、それに対抗するためにCDからデータを抜き出せないようにコピーガードを付けるというのでCCCDっていうのをね、業界をあげてやってたんですけど。あれは音楽文化を著しく停滞させたという風に思いますね。一方ね、あれよあれよという間にストリーミングサービスが出てきて。音楽を聞く人ならもうほぼ、誰でも使ってるサービスっていう。世界はそうなっていますから。そう。だからCCCDの失敗からちゃんと学んで、これから絶対に避けられないサブスクリプションサービスへの移行を業界をあげて推進していかないと、ただただ沈みゆく船。日本の音楽市場がどんどんちっちゃくなっていく。
それを指をくわえて見る羽目になっちゃうなっていうのは思うんですよ。まあ、これは1人ではどうにもならない問題なので。なんですけどね……。サブスクリプションサービスがもう今後、音楽市場を10年支えるサービスであるっていうことはもう、世界を見れば明らかなんですけど。やっぱりまだに業界を通じて踏み込めないっていうのが日本の現状なんですよね。なんだかんだ、CDで食えちゃうっていう。あとダウンロードで食えちゃうっていうね。
だからまだまだ公開してないアーティストもいっぱいいると思いますし。で、その中で働いてる人がどれだけ力を入れれば、どれぐらい入ってくるっていうのを理解しているかどうかは正直言うと、あんまりそのインパクトの大きさに気付いてないような気はするんですよね。まあ、俺はもうそこに全く足を引っ張られないように、どんどんイノベーションの早い市場で勝負していきたいなと思って移住したんですけども。
まあ、しょうがないね。日本の文化だもんな。文化はなかなか変えられないから。足並みを揃えてサブスクに移行しようなんて絶対起こりえない世界線ですからね。まあ、しょうがないですが。そんなことはどうでもいいんだ。僕は「aikoが聞けなかった」っていうのがすごく悲しいんだ。それだけですね。うん。2曲目はですね、cehryl『heat wave』。
cehryl『heat wave』
お聞きいただいたのはcehryl『heat wave』でした。彼女は香港で人生の大半を過ごしたらしいんですけど、ボストンに引っ越して最近、アルバムを出した女性のシンガーソングライターです。
(中略)
(小袋成彬)いま、AppleMusicを解放してないアーティストって日本でいるのかな? 結構いるか? 業界をあげるっていうのは大変だな。なかなか業界をあげてサブスクを推奨していくっていうのは、今年中に起きれば少しはいい処方箋になりそうな気がしますが。3曲目はDJDS & Dijon『Magic Loop』。
DJDS & Dijon『Magic Loop』
お聞きいただいたのはDJDS & Dijon『Magic Loop』でした。Dijonはもうこのラジオでは耳にタコができるぐらい流しましたが。僕も超お気に入りのLAのアーティストですが。DJDSって僕、初めて聞いたんですけど。これはね、グラミーノミネートされたデュオなんですよ。もともとプロデュースワークの方がめちゃくちゃ有名で。たとえばカニエ・ウェストの『The Life of Pablo』とか、あるいはカリードのすごい売れたデビューアルバム『American Teen』。あとはアンバー・マークとかも手がけているグラミーノミネートのデュオでございます。
DJDS、Spotifyにね、アカウントがあるんで。そこから是非、見てみてください。面白いですね。こういうサクセスの仕方もあるんだっていうひとつ、面白い参考になるかもしれないです。
(中略)
(小袋成彬)お聞きいただいたのはTrueというスイスのデュオです。『Liberty (Ah Ah)』という曲でした。これはスイスのデュオなんですが、例のプレイリストプッシュというサービスでレコメンドしてもらって知ったデュオです。
そう、最近、本当に細々と続けてたSpotifyのプレイリストが1620人ぐらいのサブスクライバーっていうのかな? まあ、登録者がいて。この前、ふと開けてみたらそんぐらいいて。そのね、プレイリストの中でも結構、まあまあ優良な……アクティブユーザーが多いプレイリストになってるっぽいんですよ。
小袋成彬さんのプレイリスト。知らない曲もいっぱいあって面白い!!https://t.co/PlqC6N0B2G pic.twitter.com/opPAs2tR52
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年6月15日
僕もね、もはや趣味以上に日課として、2日にいっぺんあげるっていうのがもう僕の仕事になってますから。そういうので地道に続けてたら、今度はね、アーティスト側から「お金を払うから入れてくれ」っていうので依頼が来るようになって。ああ、なんかなんでもやってるやってみるもんだなっていうのはね、最近すごい感じましたね。
お金を払って優良プレイリストに入れてもらうサービス
プレイリストプッシュ。アーティスト側は「SpotifyとかAppleMusicのプレイリストに入れてくれ!」とお金を払って影響力のあるプレイリストの持ち主に依頼できる。プレイリスト主はその依頼をチェックして、気に入ったら自分のプレイリストに入れてお金がもらえる。面白い!https://t.co/0YYOF0qbxy
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年6月15日
まあもちろん曲が良くなかったら入れないんですけど。ちなみに言うと、入れたことは一度もないんですけど、面白いですよね。最近ね、Webのどこかで見かけた美味しいチャーハンの作り方っていうのどうしても試したくて。最近、見つけたんすよ。最高のチャーハンの作り方を。最高のチャーハンの作り方というよりは、街の定食屋のチャーハンをどう再現するか?っていう、なんだったかな? Togetterかなんかのまとめだった気がするな。
20年近く追い求め続けた「町の中華屋さんのチャーハンの味」をようやく極めた報告に対してレシピの推理をする人たち – Togetter https://t.co/ZgaHySjgsE @togetter_jpさんから
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年6月15日
結論から言うと、使用済みの油。たとえば揚げ物をやった時とか、唐揚げ作った時に最後、残り油があるじゃないですか。あれを使うと定食屋のチャーハンになるという。で、定食屋のチャーハンって絶妙なしなしな具合があるじゃないですか。つまり、パラパラの高級中華料理店のチャーハンじゃなくて、ちょっとベトッとシナッとヌルッとした、あの何とも言えないコクがあるチャーハン。あれをどう再現するかっていう話だったんですけど。
だからって使いまくってる油を使う。いわゆる定食屋の油って何度も何度も使って継ぎ足したりなんだりして、いろんなエキスがあの茶色い油の中に入ってて。それを使うと非常に、いわゆる定食屋のチャーハンができるという話だったので、試してみたんですけど。ルームメイトが使いためている油を「ちょっと貸してくれ」っつって。めちゃくちゃ美味かった! もう涙が出るほど美味かったな。これはぜひおすすめです(笑)。ぜひ家でやってみてください。卵の混ぜ方とか入れるタイミングとか、もちろんそれは人の好みによるけど。とにかくね、いちばんのコツはその使用済みの油を使うこと。事実証済みです。めちゃくちゃ美味かった。美味かった……。
<書き起こしおわり>