小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中でアメリカ英語とイギリス英語の表現の違いや土地ごとに異なる訛りなどの話をしていました。
(小袋成彬)今日はですね、5曲かけようと思ってます。最近新譜を全然かけてなかったんで、かけます。ということですね、早速1曲目をかけようと思います。Skip Marley『Enemy』。
お聞きいただいたのはSkip Marley『Enemy』という曲でした。僕ね、全くレゲエは聞かないし、全然好きじゃないんですけど、なんかこれを初めて聞いた時に「めちゃめちゃいまっぽいな」って思いませんでした? あの最近のね、そのヒップホップ的なトラックの手法と、なんかザ・レゲエがうまく合わさっていて。まあ、ありそうでなかったというか、あんまり聞かないな、このパターンっていう感じなんですけど。
実はこのスキップ・マーリーさんはボブ・マーリーの孫らしいです。全然、孫がいたなんて知らなかったし。しかもね、顔が結構おじいちゃんに似てるんですよ。めちゃくちゃね、いいんですよ。僕、この曲しか実はまだ聞いてないんですけど、この感覚ってね、一応こうレゲエがアップデートされている感じがあって、すごく好ましいんですよね。こういうちょっと新しい方面を見せてもらうと、なんかすごく興味が湧いてきましたね。
僕、でもジャマイカのあの英語の感じとかすげえ好きなんすよね。有名なインターネットミーム動画があって。ジャマイカのあるミュージシャンがキュウリを持って、そのキュウリについてフリースタイルラップするっていう。「Jamaica Cucumber」とかで調べれば出てくると思うんですけど。その「Cucumber(キューカンバー)」のことをジャマイカでは「Cucumba(ククンバ)」って言うらしいんですよ。
で、「Cucumba, Cucumba……」みたいな感じでラップが始まって。「Vitamins, minerals very high number」みたいな感じ。そういう面白いラップがあるので、ぜひ見てください。
Jamaican Cucumber Rap
いやー、本当に「訛り」ってありますよね。イギリス訛り、全然わかんないです、僕。特に北の方の訛りは全くわかんないですね。ちょっとずつ、そのいわゆるアメリカ英語ではなくて、イギリス的な表現の仕方を学ぼうと、なんかいろんな人から教えてもらってるんですけど。最近、学んだのが「めちゃくちゃ疲れた」っていうのを、一般的には「I’m exhausted.」って言うんですけども。1個、こっちの人がよく使うのは「I’m shuttered」。これがね、いまっぽいっていうか、こっちの人のネイティブが使う表現らしいので、グッと語学のコミュニケーションのスピードが良くなりますよと教わりましたね。「I’m shuttered」。
ぜひ覚えてください。そうそう、この前ね、そういえば横浜出身の友達と話してたんですけど。横浜……神奈川ですね。神奈川の人の方言。方言というか、ニュアンス。この微妙なニュアンス、伝わるかな?って思って。ちょっとシェアをしたいなと思うんだけども。神奈川の人はなんかちょっとやっぱりね、都会的な雰囲気を持った訛りがあるんですよ。たとえばだけど、「横っちょ」。「あそこの横っちょの醤油をとって」とか、「横っちょ」ってめっちゃ神奈川っぽい。
あとね、「ちょっとコンビニまであるってくわ」とか。「あるってく」とか、あとは「かったるい」とか。「○○だべ」は結構有名な神奈川弁だけど。「かったるい」とか「うざってー」とか。全然違和感はないんだけど、めちゃくちゃ神奈川の人だ!っていう感じ。ちょっと都会なんだけど、なんか標準語を崩したような独特の感じがあって面白いなと思いました。「うざってー」とかは、わかるけど言わないですもんね。「かったるい」も全然言わない。「ダルいなー」とは言うけど、「かったるいな」みたいなのはちょっと言わないですよね。
それを最近気づいて、ちょっと目からウロコでした。まあ僕は神奈川出身じゃないんですけど。僕は埼玉ですけど。きっと埼玉にも方言はある。僕が知ってる埼玉県民を見分ける方法はひとつで。「2+2は?」って聞くと「よん↑」って答えるんですよ、埼玉の人は。普通はね、「よ↑ん」ですけど、「よん↑」ってこう、語尾が上がるんですよね。「4」だけ。数字の4だけ埼玉県民は上がるんです。「よん↑」って。だから、埼玉県民かどうか、疑わしい時は唐突に「2+2は?」って聞けば判断でくるので。これ、ちなみに百発百中ですし、成田凌も引っかかりました。あいつは生粋の埼玉県民でしたね。フフフ(笑)。
はい。ということで2曲目に行こうと思います。ちょっとね、ジャマイカつながりでジャマイカのプロデューサーを流そうと思います。KRS『Circles Riddim』。
KRS『Circles Riddim』
お聞きいただいたのはKRS『Circles Riddim』でした。こちらもですね、ジャマイカのプロデューサーで、全然プロフィールが出ないんですけど。おそらく若い感じのプロデューサーだと思います。トラックはいまっぽいんですけど、なんだかちょっとね、ジャマイカっぽいダンサブルなビートがありますよね。独特の。なんかちょっと詰まったような前のめりになるようなビートがありますよね。すごい面白いなと思って、ちょっと今日はかけてみました。
そうそう。逆にね、アメリカの表現で最近知ったのは、「Went South」っていう。たとえば、その子はカメラを仕事にしてて。「今日の撮影、どうだった?」って聞いたら、「It went south.」って言ったんですよ。で、意味がわかんなくって「どういう意味か?」って聞くと、「Went South」は「南に行く」。だからこう、指を南にすると、いわゆるブーイングになるじゃないですか。だから「ちょっとダメだった」っていう意味で「Went South」。まあ、「Go South」って言うらしいですね。
でも、これは僕が直接話したわけじゃなくて友達のエピソードなんですけども、なんだろう? これを僕らが言うとちょっとネイティブすぎて気持ち悪い。あんまり日本語が上手くない人が「チョベリバ」って言うような面白さがあるらしいですね。フフフ、そう。いまので伝わったのか、わからないけど。でも、ちょっとすごくネイティブな表現で面白いなと思いました。
あとはあれだな。日本語があまり得意じゃないんだけど、ずっとアメリカで育ってて。まあでも日本はしゃべれる。で、いまはこっちで、もう英語の方が全然しゃべれるみたいな女の子が、ある友達を表現する時に、「ホコリ系の人たちだよね」って言ったんですよ。「うん?」と思って。その「Pride、Proud」の方の「ホコリ(誇り)」なのか、「Dust」の方の「ホコリ(埃)」なのかがわからなくて。「えっ、どういう意味?」って聞いたら、「いや、なんかマシュマロみたいな人たち」って言っていて。
たぶんだけど「ふわふわしてる」っていう意味が言いたかったんですよ。だから、「一緒に遊びに行く友達はどんな人なの?」みたいな話からそうなったんですけど。その「ふわふわしてるから誘いにくい」っていうのを日本語でどうにか言いたかったらしくて。「埃系=マシュマロ」みたいっていう表現をしたらしいですね。「埃にたとえるのは良くないな」とは思ったけど、「それはでも面白いな」とも思いました。その、言語感覚的に。まあ、そんな話でした。ということでJ-WAVE『MUSIC HUB』、まだまだ続きます。
「ホコリ系」の真相
数週間後の放送で小袋さんが「ホコリ系」発言の真相について、当の本人に聞いた結果について話していました。
(小袋成彬)前回? 前々回かな? ちょっと忘れてしまいましたけど、「ホコリ系」っていう発言をした女の子の話、覚えてますかね? もう1回話すと、僕らの共通の友達を表現した時に「あの人、ホコリ系だよね」っていう風にその子が言ったんですよね。それは「dust」の「埃」なのか「pride, proud」の方の「誇り」なのか、どっちなんだろう?っていう話をその子が帰った後にずっと延々としていて。
発言の意味をずっと議論してたんですけど。この前、またその女の子に会って。「あれ、俺らずっと議論してるんだけど、どういう意味って言ったの?」って聞いたら、「ほっこり系」だったらしいっす(笑)。「ほっこり系」って言ったらしいんすよ。早口だから「ほっこり系、ほっこり系、ホコリ系……」って。「ホコリ」に聞こえたんですよ。僕は。いやー、目からウロコというか、1週間ずっとあの話をしてたのに。
「なんだったんだろう?」って話をしていたのに、こんな気持ちいいアハ体験があるんだ!っていうぐらいに快感でして。悩んでたの、何だったんだろう?っていう話ですけどね。「ホコリ系って何だったんだろう?」ってずっと考えてたな。やっと謎が解けてよかったです。
<書き起こしおわり>