小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中で移住したロンドンのアンダーグラウンドのドラムンベースシーンについて話していました。
(小袋成彬)ロンドンに来てから約3週間強が過ぎまして、やっと慣れてきた感じなんですけど。先週は部屋で収録したんですけど、スタジオを借りまして。結構ね、8畳ぐらいあるスタジオで。いま、そのスタジオで録ってます。プライベートスタジオで、吸音材が四方に貼ってあって、すごく歌を歌えるし、音を出せる環境なので。日本よりめちゃくちゃ良い環境にいま、います。
ただね、スピーカーが片方だけ届いてないんですよ。日本から送ってもらったんですけど。結構3、4回ニアミスがありまして。もう2週間以上届いてないんですよ。なのでまだスタジオの良さを味わってないんですけど。もうちょっと……まあ、しょうがないですね。こっちの物流は結構適当らしいんで。いま、なかなか困ってる状態です。まあ、スタジオにはソファーも入れて、コーヒーメーカーとかも入れて、かなりいい環境にはあるので。後はスピーカーが届くのをどうにか待つのみという状況ですね。
Finally I got my new private studio in London. Ready to go? pic.twitter.com/hbskOWCWy7
— 小袋成彬 (@nariaki0296) 2019年3月2日
部屋が四つ並んでて、そのうちの真ん中らへんを借りてるんですけど。両隣がプロデューサーで、本当さっきまでと左隣のフランスから来たプロデューサーの部屋に招待されて。ちょっとセッションに行きました。セッションに行ったって言っても、彼がある女の子のシンガーを呼んで、ちょっとプロデュースしててるから現場に来ないか?っていうことで見に行ったんですけど。
で、その子はブラジル人の女の子で、なぜかお母さんと来てて。その「ブラジルのノリはこうだ! ここにスネアを置け」とかお母さんが言うんですよ。で、「とにかくメジャー・レイザーっぽく」とか(笑)。あとは、まあ僕が知らないヒットソングをいっぱい出してきて。「こうなんだ、こうなんだ」って言ってて。「ああ、ちょっと僕はこの環境は違うな」って思ったんですけど(笑)。もう少しね、「とにかくこういうビートが来たら踊らざるを得ないでしょ?」っていうノリで作ってるのがすごく新鮮で。僕はまたいい勉強になりましたね(笑)。
でも、あのラテンのノリを作れるかって言ったら作れますけど……心が踊らないというか(笑)。難しいですね。何でしょうね? まだハタチの女の子だったんですけど。でも、その知らない人がスタジオにいるのに歌を歌うとか踊るとか。しかも親の前でっていうのは日本ではなかなかない状況なので。これはすごく勉強になりましたね。本当に地球のちょうど真裏ですから。こんなにも違うんだなっていうのをすごく思い知らされましたね。
その子はたぶんUKにいるはずなんですけど、わざわざブラジルから来たわけではなくて。まあルーツがブラジルだそうで。うーん。本当にいろんな人がいますね。面白かったです。じゃあちょっとさっそく1曲目をかけようと思います。1曲目はBenny Lで『Low Blow』。
Benny L『Low Blow』
お聞きいただいたのはBenny Lで『Low Blow』でした。こっちに来てですね、僕がいちばん衝撃を受けたのが、ロンドンの小箱のアンダーグラウンドなクラブのシーン。これは凄く衝撃でした。今度ね、ゲストに来ていただこうと思うんですけど、DJ Takakiさんという日本人のDJの方がいらっしゃって。ドラムンベースを中心にかけて、DJとして活躍されてる方なんですけど。その人にいろいろレクチャーしてもらいまして。
そのドラムンベースないしはこのロンドンのすごく安定的なアンダーグラウンドのシーン。いろんなベニュー(Venue)があって……あ、ちなみにベニューって「箱」。僕は「箱」だと思ってますけど、そういう箱とかイベントっていう意味があるんですかね? まあ、いろんなベニューがあって。これも今度、聞きましょう。本当はどういう意味かって。で、そこでもう暑い……暑苦しいような箱で肩もぶつかり合うようなぎゅうぎゅうなところでひたすら、BPM 170の音を。いまみたいなやつをひたすら聞いて踊るっていうなかなかコアなシーンを見ることができました。
Benny Lっていうのは新進気鋭のドラムンベースのトラックメイカー、プロデューサーで、いまかけたのがちょうど2年前の大ヒット曲らしいですね。ただね、そのドラムンベースの超大ヒット曲も、Spotifyだとたぶん20万再生ぐらいで。実はまだそのSpotify……いわゆる音楽サブスクリプションサービスとそのロンドンのアンダーグラウンドなテクノ・ハウス・ドラムンベースの界隈ってちょっと親和性がまだないっぽいですね。
ただ、ドラムンベースで言うと、たとえばHospital、Exit、Ram(ラム)、Criticalっていうまあいろんな有名レーベルがあるんですけど。各レーベルがイベントを持っていて、1回そこでコントラクト(契約)すれば自分たちの持っているプラットフォームの中でその消費が回るというか。非常に安定している業界なんだなっていうのがすごく面白いなと思いました。あとね、MCっていう存在を僕は実は知らなくって。
MCって知ってました? あれってドラムンベースの文化から来てるんですけど、いわゆるあのBPMで1人の人がマイクを持って観客を煽る。ラップするわけでもなく、何でしょう? ただ煽るんですよ。MCっていう。で、そういう有名なMCの方もいっぱいいるらしくて。俺、MCっていう文化を本当に知らなかったから。いろいろとYouTubeで見て勉強になって。それも衝撃だったんですけど。
そうだな、インドネシアに行った時も……違うな。あれはマレーシアか。マレーシアのDJもたしかMCがついてるんですよ。それはどんなジャンルにもです。あれ、何なんだろうってずっと思ってたんですけど、そもそもドラムンベースから来てるらしいですね。まあ、近々DJ Takakiさんをこのスタジオにお招きして、いろいろドラムンベースのことについて一から教えていただくいただこうかなと思っているので。ちょっとそれもぜひ、期待してくださいという感じですね。こっちのクラブシーン、まあちょっとEDMとは違うんですけど、本当にテクノ、ハウス、あとドラムンベース。この3つは本当に安定していいプロデューサーがいっぱいいますね。
いいイベントもたくさんあって。ちょっとまだまだ全然追いきれないんですけど。結構僕、感覚的に好きかもしれないですね。最近のSpotifyのプレイリストを僕がいま、作ってるんですけど。趣味でやっているSpotifyのプレイリストがあって。3日にいっぺん、いい曲を上げてるんですけど。ちょっと最近、テクノとかドラムンベースが多いのはそれが理由だと思います(笑)。ぜひ「小袋成彬」でSpotifyを検索したら、トップにね、そのリンクが貼ってあるんで。ぜひチェックしてみてください。
20/20 CCCCCCC
https://t.co/dP5FawKp1h— 小袋成彬 (@nariaki0296) 2018年11月30日
では2曲目行こうと思います。Dijonで『Cannonball』。
Dijon『Cannonball』
お聞きいただいたのはDijonで『Cannonball』でした。おそらく「キャノンボール」はプールに飛び込むことを指してるんだと思います。あの体をかがめて、キャノンボールのようにプールにダイブすることをキャノンボールって言うらしくって。まあDijon自体がこのラジオでは何回もかけてるはずなんですけど。まあロサンゼルスのシンガーソングライターなんで。たぶんそういうプール付きの別荘とか家に行って、友達とそうやってプールで遊んでいるって思い出を描いてるんだと思います。
この1週間、何があったかな? 結構いろんなことがありましたね。そうだ。bo enっていうトラックメーカーがイギリスにいて。よくマルチネの人たちとね、一緒にイベントやったりしている人で。bo enの家に遊びに行きました。一緒にスマブラやりましたね。あとはDJ Takakiさんにも会ったし。あ、そうそう。Bo NingenのTaigenさんにも会いました。サウナがお好きらしくて。サウナに連れてってもらったんです。サウナがあるんですよ、こっちに。結構外れの方にあるサウナで。
ロンドンのサウナに行く
まあ風呂に入れないんで。基本的に。「風呂に入れない」っていうのは湯船に浸かれないので。なんでしょう。そういうところで垢を落とすしかないんですけど。本当に10回ぐらい水風呂入って、暑いサウナ入って。水風呂入って、スチームサウナ入ってっていうのを繰り返して、もう肌がツルツルになりましたね(笑)。で、Taigenさん、めちゃくちゃいま、家が近いらしく。歩いて5分ぐらいなんで。で、もうね、10何年もこっちに住んでらっしゃる人なので。ちょっといろいろお世話になりそうな気がしますね。
日本で僕、声かけられることってほとんどなかったんですけど。こっちに来てから、よく声かけられるようになって(笑)。たぶん、移住のこのラジオが書き起こしされて、イギリスへの移住者の方々にどうも広まっているらしく。まあ日本人なんてそうそう見つかりませんから。ちょっと目があったり、あるいはバーで話したりしてると、「あっ、小袋くんだよね?」って言われることが多くなって。すごい不思議な感覚ですね(笑)。
まあもちろん、こっちイギリス人、ないし日本人以外の人は僕のことなんかもちろん知らないんで。まあ、まだまだがんばっていかなきゃなと思うんですけど、すごい不思議な現象だなと思いました。あ、そうだ。そうそう。ストリート運の話をしたいんですけど、後半に話そうかな。後半に話します。『MUSIC HUB』、まだまだ続きます。
<書き起こしおわり>