渡辺志保 ニプシー・ハッスルを追悼する

渡辺志保 ニプシー・ハッスルを追悼する INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で銃撃により亡くなったラッパーのニプシー・ハッスルを追悼していました。

(渡辺志保)(AK-69武道館公演後に)家に帰って寝て起きたらですね、本当にちょっと耳を疑うようなニュースが飛び込んでまいりましては。皆様もご存知の方が多いと思うんですけれども。ラッパーのニプシー・ハッスルが3月31日、LAで撃たれて亡くなってしまったというニュースが飛び込んでまいりました。彼はスローソンのクレンショーというところ出身なんですけれども。撃たれた場所というのが自分が保有している、自分のクロージングストア、お洋服屋さんの目の前で撃たれてしまった。しかも白昼堂々と言いますか、お昼。かつ、娘さんが現場には一緒にいたそうですね。

ファンと一緒に写真を撮っていたような現場で、そこで何者かによって撃たれてしまった。容疑者に関してはまだ見つかっていないということですね。ニプシー・ハッスル、私が見た情報だと体に5発、そして頭に1発撃たれて、その場で意識を失っており、病院に運ばれて病院で死亡が確認されたということなんですけれども。ちょうどLAPD(ロサンゼルス市警察)に「Gang Violence(ギャングの暴力事件)」に関して問題を話し合うために行くところだったらしいですよね。

そこで撃たれてしまったということで、本当なんの因果かという感じがします。ちなみにニプシー・ハッスルは撃たれる直前にTwitter上で「Having strong enemies is a blessing.」という風につぶやいておりまして。

「強固な敵がいることは恵まれているということだ」という風につぶやいておりまして。それがちょっと意味深だねっていう風にいま、ファンの間でも話が広まっております。で、ニプシー・ハッスルと言いますと、本当に10年ぐらいのラッパーのキャリアになりますけれども。彼はそのラッパーとしてキャリアを築いていく傍ら、非常にですね自分が生まれ育った地元に貢献する企業家としても知られる存在でありました。

地元コミュニティーへの貢献

先ほどお伝えしたように自分でお洋服屋さんを開いたりとか、最近では土地を買って、そこをこうお店にしたり、あとはコワーキング・スペースですね。そういったものを作って、地元をもっとよくしようという風に、自身の生まれ育ったコミュニティーにもっといいバイブスを還元したいという思いで、それをラップと同じぐらい力を入れていたんですよね。

本当に今年の2月だったかに公開されたフォーブスのインタビュー記事がありまして。そこでも「もっと自分はフランチャイズ業を強化してきたい」っていう風に言っていて。「魚屋さんとか、そういったいろんなことをやっていきたいんだ」っていう風に言っていました。

で、アメリカの黒人のラッパーの人たちっていうのは非常にその自分のコミュニティーに対する思いが強くて。成功をしたら自分のコミュニティーに還元するっていうことをずっとやってきたわけですよね。で、ニプシー・ハッスルは本当に自分でレーベルも作って。今年のグラミー賞にもノミネートされました『Victory Lap』というアルバムも自分のレーベルとアトランティック。ワーナー傘下のメジャーのレーベルとのジョイントベンチャーみたいな感じで、またちょっと既存のものとは違うシステムを作ってアルバムをリリースしたということで。本当に将来が非常に楽しみだったし、ずっと「ドクター・ドレーとかジェイ・Zをロールモデルにしてる」っていう風にも言っていましたし。

今後、1人のラッパーとして以上の成功を収めるべき若い青年だったんですけれども、こうした形で命を落としてしまった。ストリートのためにずっと尽力していた。自分のコミュニティーのために尽力していたのに、結果その自分のストリートにね、殺されてしまったっていうのは本当にアメリカのそういうフッドの負の連鎖っていうものを非常に考えさせられましたし、ニプシー・ハッスルほどの人でもこういう風に銃0でいきなり命を奪われてしまうっていう。やっぱりそういう状況をいろいろと考えさせられてしまいました。

というわけで今日、オープニングチューンは本当にニプシー・ハッスルへの哀悼の意を込めて。私はやっぱり『Victory Lap』の楽曲もどれも素晴らしかったけど、ニプシー・ハッスルといえばやっぱりこれという感じがしますので。彼の最初のシングル、大きくブレイクしたシングルをここでかけさせていただきたいと思います。聞いてください。ニプシー・ハッスルで『Hussle In The House』。

Nipsey Hussle『Hussle In The House』

(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのはニプシー・ハッスルで『Hussle In The House』。これ、クリス・クロスの『Jump』をサンプリングしんだけど、こんなかっこいいクリス・クロスの『Jump』のサンプリングの仕方ある!?って思っちゃったし、ミュージックビデオも最高だしね。

で、ニプシー・ハッスルがシーンに出てきた時から、ちょっとクラシックないかにもっていう感じの90年代ぐらいの西海岸・ウエストコーストのファッションで。いでたちもすごいかっこよかったし。本当にすげえ新人が出てきたな!って思って。その後にすぐにXXLの10フレッシュメンにも選ばれて。この曲は私と『INSIDE OUT』を初期に一緒にお送りしておりましたHIPHOP HYPE!の中の人が作ったコンピレーションアルバム『Flexin’-Live.Love.HipHop』にも収録しておりまして。

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中の人はニプシー・ハッスル唯一の来日公演にも当時、行ってらっしゃいまして。今日もちょっと軽くLINEのやり取りなどをさせていただいたんですけれども。本当にこう、彼のね命が無駄にならぬことを祈りますし、命も時間も限りあるので、本当にビーフとかしないで、みんな有効に自分のクリエイティビティーとか自分の与えられた時間なんかを使ってほしいなという風に非常に強く思いました。というわけでお届けしたのはニプシー・ハッスルで『Hussle In The House』でした。

(中略)

(渡辺志保)(ツイートを読む)「ニプシーの話、聞きたいけど人が亡くなる話はつらい。ヒップホップ好きは突然、好きなラッパーが若くして亡くなるからその衝撃を受ける訓練。必要カルチャーを理解しておくことも必要だと思う。だから『INSIDE OUT』を毎週聞く」。ということね、非常に嬉しいです。ありがとうございます。そうなんだよね。なんかもう「ああ、ラッパーが撃たれて死んで怖いね。危ないね」っていうのはもちろん、非常に来表層的な面としては当たり前のことなんだけれども。なぜ、そういったことが起きてしまうのか? そしてなぜ、そういったことが繰り返されるのか?っていうこともぜひ、皆さんには知っておいてほしいっていうか興味を持ってほしいなという風に思いますね。

というわけで、私も本当に微力ながらそういったことを伝えられればと思っております。(ツイートを読む)「ビーフの件、超同意です。そのエネルギーは自分に向けていい作品を作ってほしいものです」という。うん。そうそう。そうなのよ。私も本当にそう思うから。もうビーフしてる人たちは本当に早いところ和解してもらって。もっと有意義に皆さんの時間とクリエイティビティーを使ってほしいなという風に思います。

渡辺志保 ニプシー・ハッスルの功績を語る
渡辺志保さんがbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中で亡くなったニプシー・ハッスルを追悼。彼のアルバム『Victory Lap』を紹介しながら、彼の功績やビジネスマンとしての活動について紹介していました。 (渡辺志保)...

<書き起こしおわり>

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